「それでは始めます」
大淀が照明を消すとプロジェクターを投影した。
「まずプラントの位置ですが、横須賀港沖の此処にあります………」
大淀が地図上の一点を指した。
「随分と大胆な!」
ウィルファーマ社の技術者が驚きの声をあげた。
「湾内に停泊する貨物船とは…」
ホプキンズ博士の意見は最もだった。
「これなら誰からも怪しまれないですね」
ウィルファーマ社の技術者達も頷いた。
「続きまして、船内についてですが、医務室、下層居住区画、研究室、ヘリパッド、操舵室をはじめとする船橋の確保はしていますが、ゾンビの完全排除には至っていません」
大淀の説明を聞いていたホプキンズ博士が手を上げた。
「一ついいかしら、研究室にはどれ位のアンプルがあったのかしら?」
「それには私からお答えします」
会議に参加していた米海兵隊の士官が手を上げた。
「大型低温貯蔵庫4台におおよそですが二百位はありました、ただ不安要素もあります、これについては正体不明の部隊が資料保管場所である陸自の駐屯地を襲撃したという事実もあるため、確実にあるとは言い切れません」
ホプキンズ博士はやはりかという顔をしていた。
「そうなると最大の懸念材料は謎の部隊ということね、まぁ十中八九アンブレラの特殊部隊ねそれは」
大淀が会議を進めた。
「こちらが回収した資料のコピーのリストとなります、PCデータの方はプラントでの起動をお願いします」
技術者達がコピー資料を熱心に読んでいた。
「これなら………提督、プラントでのウイルス製造ラインを使用してワクチン量産が可能です」
私は技術者の言葉に立ち上がった、
「本当ですか!」
「はい、先ずはプラントのゾンビを駆除してからとなります、前述の制圧エリアと最上甲板にある空調機械室並びに空調制御室を併せて制圧するのが前提です」
私は技術者の出した条件を実施するに当たり詳細を詰めることにした。
「空調機械室のこの機材に此方のボンベを三本接続します、その上で空調を室温20度に設定し全力運転を行います、聞いた話ですと出入り口は溶接で封鎖としたそうですのでプラントを密閉空間となっていますので都合がいいです、エアロゾル化したワクチンの効果によりT-ウィルスのみを死滅させることができます、気化ガスなので隙間という隙間に入り込みます、その後三日程様子を見てからという流れになります」
技術者が我々に船内に入るまでの流れを説明した。
「あ〜ワクチンについてだが、我々に影響は?」
私は影響について確認した。
「このワクチンはT-ウィルスにのみ反応する性質なのでそれ以外には無害です、それから此方に避難している一般の人達や皆さん達へのワクワク接種はプラントでの増産後となりますので」
ホプキンズ博士が先にワクチン増産をすると我々に説明した。
「生存者のコロニーはここだけではないから仕方ないな」
市内の病院や大学の施設内にまだ生存者が確認されていたのだ。
「では、明日は朝からプラントの再制圧に向かう、少尉は作戦準備を」
私は残留海兵隊最上位のシェリー少尉に技術者達の護衛を命じた。
「了解です、それではジェニファー准尉を同行させます、提督一つお願いがあります、我々に命令できるのは合衆国大統領だけですが、現在の状況から一時的ではありますが提督の指揮下に入ります」
海兵隊員が敬礼をして了承した。
「シェリー少尉、有り難う」
この日より、海兵隊20名が非公式とはいえ我々の指揮下に加わった。