人物:符离集烧鸡(弟)×德州扒鸡(兄)
設定:空桑に行かない(行く前)の世界線
内容:「弟のリクエスト」の続き。長編の設定もちらっと使ってます
OoC等:寛容な心で読んでね
※公式設定で血の繋がりはないとされています
※注!>中盤~後半で変態行為・和姦的要素・流血表現があります。免疫のない方は閲覧をお勧めしません。あと危険なのでリアルでは絶対に真似しないでね。
最近、符離にはなんとなく納得のいかないことがあった。
「符」
ほら、始まった。
符離は露骨に顔をしかめた。
声の主は徳州扒鶏。符離――符離集焼鶏の兄だ。鉄道警察官として同じ持ち場に配属されている、符離の上司にあたる人物だ。
徳州は背中に飛鳥の紋があしらわれた黒いロングマントを揺らしながら符離のすぐ傍までやって来て立ち止まった。…手を伸ばせば届く距離。
「また、だらしのない恰好をして。せめてボタンはきちんと閉じなさい」
そう言って、徳州は符離のシャツのボタンを胸元から順にひとつずつ留めていく。
符離は煩わしく思い、その手を軽く払いのけた。
「触んな。たかがボタンくらいでうるせーな」
そして、被ってる警帽の角度をわざとずらす。
すぐに徳州はルーチンのように警帽も直した。
「……。」
「たかがではない、この制服を着て駅に立つということが、他人からどう見えるかよく考えなさい」
「別に同じにしなくってもいいだろ。どいつもこいつも同じ格好をして、気色悪い!」
「そういう問題じゃない…はあ。」
徳州はこれ見よがしにため息をついた。
思春期の弟の世話は大変だ。何しろ、符離はまだ自分のことで手一杯で、社会的行動を身に着ける時期だというのに、こちらの言うことを聞いてくれない。
彼が若いのも、我を張りたい年頃なのも理解しているつもりだが、周囲は彼の外見通りの期待を彼にかけるだろう――たとえ中身が生まれて数年の幼い子供であったとしても。
「とにかく――」
そう言いながら徳州は符離のマントや制服の襟を整え、跳ね放題の蜂蜜色の髪を白手袋の手で軽く梳かした。
「身だしなみには気を配りなさい」
符離はその手を再び煩わしそうに振り払った。そして徳州から顔を反らす。
「…チッ!」
最近徳州は、何かと"触れてくる"のだ。まるで母親のように。鬱陶しいことこの上ない。
それは符離にとって不愉快ではあったが、嫌悪感を伴うものではなかった。その点はまだ両者にとって救いであった。
昼休み。
符離は徳州の傍を離れて一人で昼食をとろうとしていた。毎日徳州が弁当を作ってくれるので、それを持って駅の外れ、線路沿いに放置された木材に座って食べようと歩を進める。
しかしその日は、あいにく先客がいた。
気まずい思いで引き返そうとすると、相手から声をかけてきた。
「よう。符離だっけ?昼飯か?」
呼びとめられてしまったので、符離は仕方なく返事をする。
「…ああ」
たしか符離の一年先輩だったか。年の頃は三十にかかるほど、少し瘦せ気味で、持病があると言っていた気がする。分厚いレンズの眼鏡をかけ、お世辞にもハンサムとは言えない顔立ちの人だった。
大人しいオタク系の人だったので、符離は気にせず近くに座ることにした。
すると、むこうから話しかけてきた。
「ここはいいよなあ。君もよくここで食べるのかい?」
「…たまにだよ」
実際、気の向くまま様々な場所で昼食にする。たまに徳州と一緒に食べることもある。
そんな符離の苦い顔など見ず、彼は喋り続けた。
「ここは機関車が駅に入るためにちょうど時速10㌔まで落とすポイントなんだ。列車全体を邪魔者なくゆっくりと見渡せる絶好のポジションというわけさ」
(そう、たしか機関車オタクだった。)
符離はだんだん相手のことを思い出してきた。
兄も機関車が好きで、よく話を聞かされるが、その雰囲気に似ているのだ。だから近くに座ってもいいと思えたのかもしれない。
その後も符離は相槌をたまにうち、適当に聞き流した。
両者とも食事が終わり、符離が立ち上がろうとしたところ、男が携帯していたリュックからなにやらノートのような大きさの木箱を取り出した。
好奇心をそそられた符離は、それが開けられるのを横目で盗み見る。中にはいくつもの仕切りがあり、その仕切りほとんどに何かしらの白い粒が入っていた。
「なにそれ?」
思わず、尋ねてしまう。
「薬だよ」
男は軽く答えた。
「これが朝飲む薬、これは昼、これは夜、これは睡眠導入剤、これは不安抑制剤、日によって服用する量を変えるんだ。仕事にあわせてね。」
聞いてもいないことをべらべらと喋る。誰かさんにそっくりだ。
(…ん?待てよ)
その時、符離の頭に悪い考えがひらめいた。
その睡眠導入剤とやらを徳州に飲ませれば、目を覚まされずにいたずらできるんじゃないか?
日ごろの鬱憤も手伝って、符離にはこれは非常に魅力的な悪ふざけに思えた。
「なあ」
符離は男に近寄ると、交渉を始めた。
「ダメだよ、これがないと僕は眠れないんだ」
男は渋った。
仕方なく符離が財布を出すと、男は一粒につき三食分ほどの値段を提示した。
口を突き出す符離だったが、出せない金額ではない。彼はしぶしぶ財布から金を抜き出し、買えるだけ魔法の薬を手に入れたのだった。
その日の仕事も夕方には終わり、徳州と符離はそろって帰宅した。
徳州は制服から私服に着替え、出かける準備をする。
「今夜は何が食べたい?」
生真面目な兄は、符離がリクエストすると、できる範囲で大抵のものを作ってくれたし、そうでないときはテイクアウトで買って帰ることもあった。
「んー」
符離は上の空で答える。
あの薬をどうやって飲ませようか。やはり食事時が一番だろう。それとも、食後の茶にでも混ぜる?
食事に混ぜるのは兄が調理を担当する以上、いかにも不自然であるし、錠剤なので砕いて入れたとしてもすぐに見つかってしまうだろう。スープに混ぜて溶かす?自分も眠ってしまわないか?
「符?」
あまりに考え込みすぎて、徳州が催促する。
符離は慌てて誤魔化した。
「なんでもいいよ。」
…そうだ。
「徳州、たまには酒が飲みたい。この間酔わない飲み方を教えてくれるっつったよな?」
「ああ、そういえば…」
徳州は”あの晩”のことを思い出していた。
次の日見事に二日酔いになった符離と、そんな話をした記憶があった。
「じゃあ酒に合わせたものを作ろう」
「それで。」
簡単な会話を交わすと、徳州は再び外出していった。
そう。酔わない兄が泥酔してしまったら、今後しばらくは笑いの種にできる。
符離は最高のいたずらを思いついた子供のようにニヤニヤ笑い、準備を始めた。
その夜、徳州は紹興酒を買って帰ってきた。
テーブルにはインゲンと豚肉の香油炒め、茄子とひき肉の青じそ餃子巻き、春雨の唐辛子スープなどが並んだ。
徳州が作り上げる傍から符離が平らげていくので、実質残った分が徳州の夕食である。
「これどうやって飲むの?」
符離は紹興酒の瓶を持ち上げ、ラベルの表示を読みながら尋ねた。
「そのままでもいいし、お湯やお茶割りなんかでもいいね」
「へえ~」
熱くすれば薬も溶けるのではないだろうか。
「お茶割りにしよう」
「うん」
徳州はあらかた作り終わった流しを簡単に片付け、お茶を沸かす準備をしてテーブルについた。料理は半分以上なくなっていた。
「味はどうだった?」
「悪くないぜ」
実際とびきり美味いというわけではないが、腹を満たすには可もなく不可もない、やや薄味な徳州の味付けに符離は慣れていた。不味くなければなんでもいい。
すでに腹が満たされていた符離は酒の瓶を持って立ち上がった。
そして台所に行き、グラスを二つ手に取った。
「ガラスは割れる。陶器のにして」
その様子を見ていた徳州から小言が飛んでくる。
「へいへい」
符離は陶器の湯飲みを二つ取り出すと、沸いた湯で茶の準備を始めた。
このどちらかひとつに錠剤を溶かせばいいのだ。
符離はポケットの包みから錠剤を二つ取り出すと、手の中に隠し持った。
そして淹れた烏龍茶と紹興酒を適当に1:1で割ると、最後に利き手側――左手のコップにこっそり錠剤を落とし入れた。
錠剤は熱い湯にみるみる溶けていき、符離はスプーンでそれをかきまぜた。
(完璧!)
熱い容器を持ってテーブルに戻ると、徳州はまだ黙々と料理を食べていた。
符離が左手のコップを徳州に差し出すと、彼は疑うこともなく受け取り「ありがとう」と礼を言った。
「どういたしまして」
内心わくわくしながら、符離は自分の席について酒に口をつけてみる。
「あれ、甘くて飲みやすい」
「水やお茶で割るとアルコールが薄まるから飲みやすくなるね。空腹は避けて、料理と一緒に飲むと酔いにくい」
「へえ~」
符離は再び料理に箸をつけながら、酒を飲んでみた。たしかに酒と一緒の方が味が濃くなった気がして料理がうまい。
(酒も一緒に開ければよかったな。)
その後しばらく徳州の講義が続いたが、符離は適当に聞き流しながら、薬がいつ効くかワクワクしながら見守っていた。不謹慎な話である。
しかしなかなかその気配はなく、効かないのかと符離がつまらなく思い始めたころ、空いた皿を下げに行った徳州が自分の席ではなくソファに腰を下ろしたことに気付いた。
徳州はズキズキと痛む頭を鎮めるためにソファにもたれかかってそっと目を閉じた。
(妙に体がだるい…酔った?烏龍割りたった一杯で?)
その行動が彼の運命を分けたのだった。
こっそり成り行きを見守っていた符離は、徳州がソファに体を預けて寝入ってしまう一部始終を目撃していた。
目頭を押さえていた手が力なく胴に落ち、規則正しい寝息が聞こえてきた。
(寝るまで結構時間かかったけど、こんなもんなのかな)
符離は徳州の傍までやってくると、隣に座って顔を覗き込んだ。
目を閉じ、ちゃんと寝ているように見える。
符離は徳州の頬をそっとつまんだ。
反応がなかったのでもう少し強くつねって引っ張った。しかし反応はない。
「すげーな…」
場所を変えて手をつねると、今度は反射的に持ち上がり、起きたかと顔を見やるが寝たままであったりする。
なんでもできてしまいそうだが、まるで無反応というわけではなさそうだ。
(さて、どうしようか)
寝かせたあと馬鹿にすることは考えていたものの、いざ浜に打ち上げられた鯨のようになってしまった兄を見て、符離は困惑した。
とりあえず両手で頬を掴んで変な顔をさせてみる。
ぷっと噴出した符離が、今ほど写真機が欲しいと思った瞬間はなかった。
「この顔ずっと撮っておきたいぜ…」
ひとしきり変な顔をさせて笑ったあと、符離はさらに徳州のシャツのボタンをいくつか外し、取ってきた警帽を斜めに被らせ、手を頭の後ろに組ませ、足も組ませた。
兄貴のグレた姿など想像もつかなかったが、やってみると案外セクシーである。これも写真に収めたい。
余談だが、空桑に行って彼が一番感動する道具は、携帯機についたカメラ機能だろう――。
それくらい記録に残しておきたくてたまらなかった符離は、部屋中を探し回ったが、生憎いいものは見つからなかった。
その代わり妙なことを思いついてしまった。
符離は再び徳州の元へ戻ってくると、持ってきた手錠を彼の手に掛けた。そしてソファに横たわらせると、手錠の鎖を持って、腕を頭の上に上げさせる。
黒いエプロンの下の開襟シャツから浮き上がった鎖骨が覗き、本人は気を失ったように眠っている。なんだかえっちだ。
符離は兄に対してとてもいけないことをしているような気がして、急に顔を赤くした。
(でも――)
でも、何をしても反応しない今なら…キスをしてもバレないのでは…?
符離は徳州の手錠を押さえつけながら、その顔にそっと唇を近づけた。
大丈夫、起きない。
唇と唇をそっと触れさせる。
(柔らかい…)
しかし、相手は起きなかった。
符離はもう少し大胆に唇を舐めて、吸ってみた。
本当に何をしても起きない。
調子に乗った符離は、徳州を仰がせると、空いた口の隙間から舌を差し入れ、好きなだけ相手の舌を弄んだ。
――と、唐突に相手が咳込んだ。
唾液が喉に入ったらしい。
符離は暴れだす心臓を抱えて、その様子をじっと見守っていた。
大丈夫、今ならまだジョークで済ませられる。
しばらく咳をしていた徳州だったが、横になって少しだけうめくと、再び寝入ってしまった。
(今なら、まだ)
その言葉は魔法のように符離の頭に響いた。
符離は何かを考えるように紅い瞳で徳州の白い顔をじっと見つめると、さっと立ち上がり、両腕で兄の無抵抗な体を抱え上げた。
(中)はR18、(下)はR18Gです。