※この作品はR-18です。

Caligula R-18短編集   作:ジジイキャベツ

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守田鳴子編の前編です


【守田鳴子編 前編】

「バズりのネタ、ですか?」

「そうそう。今まではゴシップ記事ツイートしてバズってたけどさ、いい加減、誰にも迷惑かけない方向で目立ちたいわけよ」

「珍しいですね。鳴子ちゃんがそんなことを気にするなんて」

「ちょっとちょっと。いまさり気なく酷いこと言わなかった?」

「気のせいですよ~」

「ほんとか~ほんとにか~」

「キャッ、ほっぺツンツンはやめてくださいよ~」

「アハハ!...でもまあ、真面目に炎上記事ばっか上げてるのもなんか申し訳なくなってきたっていうか」

「?...ああ、帰宅部の皆さんにですね」

「...うん。アタシ一人が悪評受けるだけならまだしも、それでみんなの行動が制限されるようなことになったら嫌だから。みんな、アタシなんかにもここまでよくしてくれる友達だし」

「けど、承認欲求も満たしたいと」

「そうなんよ。小説も悪くないんだけど、いっぺん、こう、ドワッ~と満たされたいの」

「ふむふむなるほど...あっ、じゃあ自撮りなんてどうですか?」

「自撮り~?えー、麻利絵ちゃんならまだしもあたしみたいな地味子を撮ってもなあ」

「なに言ってるんですか、鳴子ちゃんは見た目はとても可愛いですよ」

「可愛い?」

「ハイ、すごく」

「......」

 

 

自宅に帰ってから鳴子はスマホを前に画面と睨めっこしていた。

 

「可愛い、かぁ」

 

今まで記者の娘ということで虐められてきたからあまり意識していなかったが、自分の顔は整った部類に入るのだろうか。

 

「いや~ないない。麻利絵ちゃんのお世辞に決まってるってば」

 

そう誤魔化そうとするも、麻利絵に「可愛い」と言われた時の嬉しさには抗えず。

まあ、試すくらいなら、とカメラのボタンを押した。

 

「自撮りってこれでいいのかなぁ...う~、あたしオシャレとかよくわかんないし不安だよ~」

 

これで本当にみんなにウケるのだろうか、自撮りなんてして変に思われないだろうか。

そんな、最初にSNSに触れた時の感覚を思い出す。

 

「えーい行っちゃえ、こういうのは勢いだって!」

 

ひとまず顔のアップだけの写真を撮り、目を瞑り送信。

 

「あ~、あげちゃったあげちゃった!知ーらない!あたし知ーらないっと!」

 

SNSの更新の知らせを待つこともなく布団を被りこむ。

 

「朝起きたら通知ゼロだよ間違いない。あたしが可愛いなんてありえないし!著者近影出したら単行本売り上げ下がるタイプだし!」

 

あまりの気恥ずかしさに顔を赤らめつつも、でもひょっとしたら誰かふぁぼってくれるかも!などと期待を淡い期待に目は冴え眠ろうと思っても眠れなくなってしまう。

そんなこんなで数時間後。

 

「ハッ、寝落ちしちゃってた!?」

 

慌てて携帯を手に取る鳴子。通知記録は―――あり。

 

「えっ嘘、ほんと!?か、数は...うええっ!?」

 

通知があることすら奇跡だと思っていた。なのに、ふぁぼ数は3桁に達しており、ちらほらと「可愛い」「まさに小悪魔」「埋もれた逸材」だのと賞賛してくれるコメントまでもついている。

どうしてこんなにも。そんな疑問も抱かないことは無かったが、しかし満たされた承認欲求の前では些細なことで。

気が付けば、鳴子の頬はにまにまと緩んでいた。

 

 

 

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・

 

(やっば...少しずつだけどまだ伸びてる)

「鳴子ちゃん、自撮りどうでした?」

「うええ!?い、いや~、やっぱ恥ずかしくってあたしには無理かなって」

「そうですか、それは残念です」

「あはは...まあそんな簡単にバズったら苦労はしないってね」

 

別に隠すようなことではないが、しかし、仲の良い人間にはあまり見られたくない。

そんな心理から、鳴子は麻利絵の前ではもうバズりの話は持ちだそうとはしなかった。

 

 

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鳴子が自撮りを始めてからはや一週間。

 

「うーん、伸びがイマイチになってきたなあ」

 

序盤こそは500越えは当たり前だったふぁぼ数が、早くも3桁に届くかどうか、というほどに落ちついてしまっていた。

それでも最初の期待値よりは充分すぎるほどに多いのだが、しかし慣れというのは恐いもので。

鳴子はもう3桁の瀬戸際の数字では満足できなくなっていた。

その理由はわかっている。

 

「やっぱりマンネリだよね、これ。あたし、自分の顔とかしかあげてないもん」

 

思えば、この一週間でやってきたことと言えば、自撮りの基礎中の基礎的なことだけだった。

炎上しないための無難な言葉選び。無難な題材。無難な服。

そうやって保守的になれば興味は薄れていくというもの。むしろ、これだけでここまで支えてくれているフォロワーは凄いと思わざるを得ない。

 

「麻利絵ちゃんとか琴乃先輩を呼べば簡単に稼げるだろうけど、そういうのがしたくて始めた訳じゃないし...」

 

バズりの匠はあくまでも自分の手で。

そんな小さな、しかし確かにあるプライドに従い、ネットでお手軽にバズれる例を検索してみる。

 

「えっと...うわっ、なにこれ!?」

 

検索して出てきたのは、下着で料理をするスタイルのいい女性、胸の谷間を強調して取られた写真、どこかで見たキャラクターのヌード絵...

とにかく女性の身体を活かしたものが数多く台頭していた。

 

「すごい過激...こりゃあたしには無理だわ」

 

はあ、とため息を吐き天を仰ぐ。

 

「イケPの言ってた通りじゃん。最初から持ってる奴はスタートラインから違うってさ」

 

ネットを閉じ、さっさと寝てバズりのことは忘れようと床に着く。

 

しかし中々寝付けず、天井を眺めながらぼんやりと考える。

 

(...けど、こんなあたしでもフォローしてくれてる人はいるんだよね)

 

いまや少し検索すれば好きなだけ美女・美少女を見つけることはできる。

それなのに鳴子のフォロワーは一過性のものを除けば全く減っていない。

 

そう、彼らは自分に期待しているのだ。

そんな貴重なフォロワーを失望させてはいけない。

 

「よし、やってやる、やってやるぞ!」

 

己に言い聞かせ、鳴子は己の服に手をかけするりと持ち上げる。

その下から現れたのは、白のブラに包まれた慎ましい大きさの胸。

それを顔を移さず、下着の姿だけカメラに映して写真を撮る。

 

「こいつにコメントを添えて...っと」

 

『同級生に比べてあたしはこんだけ!う~、嫉妬!』

 

目を瞑り、思い切って送信ボタンを押す。

今度もまた布団に被り、恥ずかしさで真っ赤になった顔のまま、悶々と一夜を過ごしたのだった。

 

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翌朝。

またも寝落ちし、恐る恐る携帯に手を伸ばす。

通知は―――あった。それも、桁が一つ増えて。

そのあまりの伸び様に鳴子は言葉を失い―――数秒後、飛び上がるほどに歓喜するのだった。

 

 

 

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・

 

それからというもの、鳴子は承認欲求を満たす為により際どい写真を撮るようになっていた。

無理やり谷間を作って見せつけたり。下着姿で寝転んだ姿を上から撮ったり。

調子づいてきた時には脱ぎたてのパンツだけをアップしたり、或いはチラリと乳首を映してみたり。

 

小説では底辺もいいところだった評価数が、自撮りでは10万まで届いたのだ。もう、これ以上の伸びは重荷になると彼女は判断した。

トップ画像にしていた自撮りは序盤の段階でもう変更してあり、余りにも通知が止まなかったために、フォロワー数が10万を超えた辺りでアカウントに鍵もかけてある。

よほど古くからのフォロワーくらいしか彼女の顔を知ることはなく、そういった者たちは古参からの優越感により鳴子の顔写真を放流することもない。

 

確実なバズリによる承認欲求の解消。

 

そういった意味では、鳴子は概ね己の欲求を満たしていると言えるだろう。

 

しかし―――

 

 

「あ、あのネコネコさんですよね」

 

たまたま一人でカフェのスイーツを堪能していた時のことだった。

おずおずと一人の少年が、アカウント名で鳴子へと声をかけてきた。

みんなが高校生の姿になっている中で少年と呼称したのは、声が少年のように甘く、女の子にも見違えるような中性的な童顔だったからだ。

 

 

「...人違いだと思いますけど」

「さっ、最初の頃からフォローさせてもらってまして」

 

少年が控えめな態度で見せてきた携帯には確かに鳴子が初期にあげた顔つきの自撮り写真が映し出されていた。

 

(うわっちゃ~、遂にきちゃったかこの時が)

 

アカウントからのリアル特定。現実世界ではモラルさえしっかりしていればそうそう無いかもしれないが、ここはメビウスという作られ限られた空間内だ。

薄々とこういう事態になる可能性は考慮はしていた。

 

(まあ最初の目標は達成したんだし、ここらが切り上げ時かな)

 

どうせこの後ゲスい要求してくるんだろうな。この子の要求突っぱね終わったらもう閉鎖しよう。

そんなことを考えていると、青年はごくりを唾を飲みこみ思い切ったように口を開いた。

 

「あ、あのっ!よければサインをお願いしていいですか!?」

「あーパスパス。あたし、そんなのに屈しないか...え?サイン?」

「はい!」

 

差し出されたのはサインペンと無地の色紙。そこにいかがわしいものなどなにもない。

 

「えっと、あたしそんなアイドルみたいな大層なやつじゃないんだけど」

「ファンなんです」

 

困惑。これがまだマドンナ的存在の琴乃や楽士連中ならまだわかるが、自分はただのバズリの為に脱いだ女だ。

そんな女のサインなど何の価値があるというのか。けれど、少年の熱の籠った視線には逆らえず、適当に書いたサインを渡す。

 

「はい。これでいいの?」

「ありがとうございます!」

 

サインを受け取った少年の輝くような笑顔に鳴子の胸がドキリと弾む。

それは幾万ものふぁぼ数でも味わえなかった違う感覚。

純粋に、自分を応援してくれている。数こそ少なくても、書いている小説に送られてくる応援コメントにも似ているようだ。

 

「じゃあ、邪魔しちゃ悪いので僕はこれで」

「ねえ、きみ。ちょっとこっち来て」

 

だからこのまま帰したくはなかった。

なにか、喜んでくれるお礼をしたかった。

 

鳴子は少年の手を引き、人通りの少ない路地裏にまで連れていく。

 

「ここならいいかな」

「ね、ネコネコさん?」

 

困惑する男に、徐に鳴子が抱き着く。

 

「えっ!?」

「にひひ、応援してくれたお礼のハグ。どう、嬉しい?」

 

鳴子が少年の胸に耳を当てると、心臓が激しく波打っている。

顔をあげれば彼は緊張と喜びの波間に金魚のように口をパクパクと開閉していて。

その様子があまりにも可愛らしくて鳴子は更に身体を密着させる。

 

その瞬間。

 

(えっ?)

 

鳴子の下腹部に突如硬いものが当てられる。

出所は、少年の下半身。つまりは―――

 

(うそっ、こういうのってエッチなことしないと大きくならないんじゃ)

 

鳴子はネットで性的知識に触れることはままある。

そういう時は大抵は全裸や下着に興奮してから男は大きくしているのが常だ。

しかし、いま鳴子がしているのはそれとは程遠い、ましてや普段の自撮りにも満たない行為だ。

たかだかハグなどで興奮するなどとは予想外もいいところだった。

 

(はっ、離れないと!)

「ごっ、ごめんなさい!その、僕、僕...!」

 

涙目になりながら弁明する少年に、己の意志での屹立ではないと察する鳴子。

瞬間、鳴子が抱いていた嫌悪感は嗜虐心に切り替わる。

 

「コレは自分の意志じゃないって?嘘ばっかり!」

 

硬くそそり立つソレに鳴子はそっと手を添える。

 

「ほんとうはぁ、あたしの下着の写真とかでこうしてたんでしょ?その為にフォローしてたのは丸わかりだって」

 

クリクリ、とズボン越しに与えらえる刺激に少年の息遣いが荒くなる。

 

「ねえどんな気持ち?いつも妄想でシコシコしてた女の子の生の手でイジられるのは?」

「う、うぅ...」

 

切なげに歪む少年の顔に、鳴子の嗜虐心は更に加速していく。

鳴子はズイ、と顔を近づけてソッと囁く。

 

「...射精(だ)しちゃおっか」

 

その言葉に少年は顔を真っ赤に紅潮させぐるぐると目を回す。

すると鳴子はパッと手を離し竿への刺激を止める。

 

「な、なんで...」

「まだ同意を得てないからね。こういうのはちゃんと君からお願いしないと。ほら、このままだとズボン汚しちゃうし?」

「あ...あぁ...」

 

少年が震える手でチャックを下ろせば、ボロンと少年の逸物が零れ出る。

 

「うわっ、顔に似合わずすごいビキビキ...それで?あたしの手で、どうすればいいかな?」

「ぼ、僕の...ここを」

「ここじゃどこかわからないなあ」

「お、おちんちんを...ごにょごにょ...」

「うん?ごめん声が小さくて聞こえないなあ」

「お、おちんちんを擦ってください!」

 

少年からその言葉を引き出した鳴子はニヒヒ、と意地の悪い笑みを浮かべて再び男の逸物に触れる。

 

「よくできました。痛かったらちゃんと言いなよ?」

 

鳴子の細い指が逸物の根元から裏筋をつう、と撫で上げ、その度に漏れる喘ぎ声を堪能する。

 

「気持ちいい?...って聞くまでも無いか」

「あっ、あっ」

「すごい、もうパンパン...それじゃあ逝っちゃえ!」

 

クリクリクリ、と鳴子の右手の指が先端を弄りまわし、左手が竿をシゴき立てる。

少年の甘い喘ぎ声も最高潮に達し、そして―――

 

びゅるっ びゅるっ びゅるっ

 

吐き出された精が宙に舞い鳴子の顔へと飛び散り付着する。

 

その臭いが鳴子の鼻をつん、とつく。

 

(うわっ、すごいにおい。これが男の精子の臭いなんだ)

 

可愛い顔をしていても所詮は男であり吐き出されるものは同じである。

 

「ご、ごめんなさいネコネコさん!」

 

しかし、わたわたと慌てふためく少年を見ていれば、そんな嫌悪感は飛んでいく。

 

「ずいぶん出たね...って、あれだけ出したのにまた...」

「すっ、すみません!すみません!」

 

己の逸物をイキり立たせながら必死に頭を下げる少年に鳴子はクスクスと笑う。

 

「いーよぉそんなに謝らなくて。それだけあたしで興奮してくれたってことでしょ?」

「うぅ...」

「それで、どうする?」

「えっ?」

「こんな機会もう二度とないかもよ?ソレを沈める為にもう一回やっちゃう?」

 

鳴子の提案に、少年はもじもじと恥じらいながらもコクリと頷く。

 

「うんうん、欲望に正直でよろしい。じゃあ今度はきみのリクエストに答えちゃおうかな」

「えっ!?」

「あっ、もちろん本番は駄目だよ?それを踏まえたうえで次はどうする?」

「.....で」

「うん?」

「く、口でお願いします」

 

少年の要望に鳴子はニヒヒとはにかみしゃがみ込む。

 

「ずいぶん攻めたリクエストだねえ。あたしのアカウント追っかけるくらいだし、やっぱりきみは変態さんだ」

「う、うぅ...」

「でも君みたいな可愛い変態さんのリクエストなら喜んで受けちゃうよ!それじゃあ...あーん、はむっ」

 

鳴子が大口を開けて少年の竿を包み込む。

 

じゅる じゅる じゅる。

 

温もりと粘ついた唾液と下品な音が交わり、少年は興奮と背徳感で喘ぎ声が更に切なくなっていく。

 

「んちゅむ、れろっ...ぷはあっ。どう?フェラチオ、初めてやってみたんだけど」

「はっ、初めて?」

「そうだよ。だから本番は駄目なの。まだ恐いから...あっ、でもきみのことは全然怖くないからね?ああいうアカウントをフォローしてる人にもこんな優しい人がいるなんて思ってなかったし。それじゃあ続きっと...ちゅむっ」

 

亀頭の先端に口づけをし、ベロリ、と先端へと舌を這わせ、再び口内へと咥え込む。

 

「はっ、はっ」

「んむっ、んんっ」

 

ぐぽっ、ぐぽっ。じゅぷっ、じゅぷっ。

先端から根元までの深いストロークに少年の竿は更に刺激され、再び熱さと硬さが増していく。

 

「ネコネコさん、もうっ」

「ふぃふぃよ、ふぉのふぁふぁふぁひひゃって(いいよ、このままだしちゃって)!」

 

竿からこみあげてくるモノを確かめながら激しく顔を前後させる鳴子。

少年はそのこみ上げる快楽に耐えきれず、思わず目を瞑り開口する。

 

ごぷっ、ごぷっ、ごぷっ

 

「んむっ!?んんんんんんん!!!?」

 

熱い精が喉元にまで吐き出され、鳴子は涙目になりながらそれを飲み込む。

ごくり。ごくり...ちゅぽっ。

 

全てを吐き出し解放された少年の竿はようやく下を向き熱も失っていた。

 

「げほっ、げほっ」

「大丈夫ですかネコネコさん」

「へへっ、心配してくれてありがと。ねえ、応援のお礼としてどうだった?」

「さっ、最高でした!貰いすぎなくらいです!」

「にひひ、そりゃよかった。じゃ、あたしはこれで」

「あっ、あのっ」

 

去ろうとする鳴子の腕を少年が咄嗟に掴む。

 

「そっ、その、ネコネコさん。よっ、よかったら僕と」

「ダメだよ」

 

鳴子は少年が言い終える前に、人差し指を当てて遮る。

 

「きみはあたしのフォロワー。あたしにはやらなくちゃいけないこともあるし、それ以上の関係はNGだよ」

「そっ、そんなぁ」

「そんな顔しないでよ。あたしはこれからも似たような写真上げ続けるからさ」

 

鳴子は少年の頬にそっと口づけをする。

 

「あたしのこと誰にも言わなかったらまた会った時に相手してあげるから!約束だよ!」

 

立ち去っていく鳴子の背を少年は頬を染めながら見つめ立ち尽くす。

 

その背後で、ハンディカムが二人を映していたことに気づかぬままに。

 

撮影を終えた主―――水口麻利絵は、まるで魔女のように邪悪に口元を歪めた。

 

 




【守田鳴子編】 続
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