「アリアちゃ~ん!」
キィはアリアに満面の笑みで飛びつきアリアへと頬刷りをする。
アストラルシンドローム事件が解決してからというもの、求心力を失ったμやアリアたちバーチャドールは暇を持て余していた。
そんな中でキィにとってアリアの語る帰宅部との思い出話を聞くのは楽しみの一つであった。
「今日も色々聞かせてくれよ!」
「あんたも好きだねぇ、キィ」
アリアにとっても大好きな彼らの話を興味津々で聞いてくれるキィとの時間は楽しいものだった。
(けどさすがにネタが詰まってきたかなー)
事件解決までの大まかな粗筋や仲間たちとの冒険譚は語り尽くしてしまった。
あと話せることといえばどこどこでだれだれと遊んだとか、そういう細かいことばかりだ。
(うーん、どうせ話すならインパクトあるネタがいいよね)
語るなら日常的な話よりも印象の強い話を。
そう思って選んだ話のタネが後々に影響を及ぼすことを、今のアリアは知らなかった。
☆
「......」
「......」
キィと部長。
気まずい沈黙が支配する空気が部屋の中を覆う。
キィの視線の先にあるのは全裸でポーズを決める美女の載せられた本、そして下半身を露出させ男の勲章をそそり立たせる部長である。
「...その、これは...」
気まずそうに口ごもる部長。
事の経緯はこうだ。
キィと出会い、文字通り一心同体となってから一週間。
初めは「まあなってしまったものは仕方ない」と半ば諦めて受け入れていた部長だが、一夜過ごしてから事の重大さに気が付いた。
キィと部長は一心同体、つまりあまり離れられない立場にある。
もちろん、それは日常生活においても同じだ。食事も就寝もトイレも。キィはいつだって部長の傍にいる。
そして部長はまだ思春期真っ盛りの健全少年である。とうぜん、性欲は湧いてくるし解消しなければストレスと共に溜まっていく一方だ。
とはいえ、いくら傍にいるのがバーチャドールとはいえキィは女子。しかも幼いとはいえ顔立ちは可愛い部類だ。
そんな彼女の前で性欲解消、即ち自慰をするわけにはいかず。
この一週間を悶々とした気持ちで過ごしてきた部長はとうとう我慢の限界が訪れたのだ。
そしてキィが眠っている隙を見計らい、日ごろから愛用していた本で解消している最中にキィが目を覚まし、現在に至る。
「あー、いい、いい!何もいうな!」
しどろもどろしながら弁解しようとする部長に、キィは両手を突き出しながら遮る。
「ハンシンも男だ。そういうのは抑えられないのだろう。恥ずかしがることはない!」
そう快活に笑い飛ばすキィだが、その言葉がかえって部長の羞恥心を引き立て顔が赤く染まっていく。
「だからキィのことは気にするな。思う存分、発散するといい」
キィはそう言うなり、部長の横に寝転がり、床に頬杖をつきながら部長の下半身を眺め始める。
「......」
「んー?どうしたハンシンよ」
「いや、その...なんでそんなに見つめてるんだ?」
「キィもアリアちゃんから色々聞いて興味あるからな。さあ、思う存分やるがいい」
(やれって言われてもなぁ...)
自慰行為とは人に隠れて行うものだ。
興味本位で覗かれている環境では気が引けるというのが心情である。
そんなことも露知らず、未だに自慰しようとしない部長にキィは首を傾げる。
(むむむ...なぜハンシンは発散しようとしないんだ?わけがわからんぞ人間の心)
ストレスがあるなら発散したくなる。それは人間であれば当然の摂理であり我慢する理由はない。
なのに部長は発散しようとせず我慢しようとしている。それはきっと人間の心に起因するのだろうが、キィにはそれがよくわからなかった。
と、ふとアリアの話を思い出す。
『あいつってば、アタシじゃ興奮しないなんて言うからさー、こう、アタシのキューティクルなぷにぷにほっぺとかファンシーなお口でさっと撫でてあげたのよ。そしたらもうバッキバキよ』
(ぷにぷにほっぺか...キィもそこそこ自信あるし試してみるか)
キィは頬杖を止め、部長の股間ににゅっと顔を寄せる。
「き、キィ?」
「ふーん、男のここって変わった臭いがするんだなあ」
戸惑う部長を他所にキィは部長の勲章をまじまじと観察する。
キィは子供っぽいとはいえ見た目でいえば間違いなく美少女である。
そんな彼女にこんな至近距離で見つめられているというこの光景は思春期男子としては刺激が強すぎた。
その刺激は脳から下半身にまで直結し、逸物が生を帯び徐々に硬く熱くなっていく。
「おっ、形が変わったなぁハンシンよ」
大きくなっていくソレへとキィは頬ずりしたり、手で弄ったりして弄ぶ。
その刺激は部長の感度を容赦なく増長させていく。
「やっ、やめろよキィ」
「心配するな、アリアちゃんから色々と教えて、もらってるから...」
弱弱しい声で止めようとする部長に構わず、キィは息を荒くしながら弄り続ける。
「なっ、なあハンシン...キィのほっぺは気持ちいいか?」
自分の竿へと頬を寄せ、顔を紅潮させながら上目遣いで見上げてくる少女。
その光景に部長の背筋がゾクゾクと粟立ち興奮を促す。
「...いや、なんか様子がおかしくないかキィ?」
「きっ、キィにもわからんのだが...ハンシンのここを触ってると、キィのここも疼いてくるのだ...!」
キィは頬ずりをしながらもぞもぞと下半身を動かし、己の片手で弄り始める。
「キィ!?」
「わっ、わからん...ぅわからんが、手が止まらんのだぁ!」
はあ、はあ、と息を荒げながらも頬ずりを、己の秘部を弄る指を止められないキィ。
その異様な様子に部長はすぐに止めようとするが―――
「はぁ、はぁ、はぁ...はむっ!」
部長が行動に移す前にキィは部長の竿を咥えこんだ。
その熱い感触に部長は逆らえず、一気に腰が砕けてしまう。
だがそれでもキィは止まらない。それどころか、竿を深く、より激しく咥えこみ始める。
じゅるっ、じゅるるっ
「くっ、あぁっ」
キィの激しく熱いストロークの度に部長の下半身は甘い感触が走り喘ぎ声が漏れ始める。
「キッ、キィ、ほんとにこれ以上は、もう、冗談じゃすまなくなる...」
「わ、わかっている。キィもわかっているのだが、れろっ、美味くもないこの味が、ちゅるるっ、匂いが、なぜかキィを離してくれんのだぁ」
ストロークを止めたかと思えば、今度は竿の裏筋を舌でつぅ、と舐め上げ、中に詰まっているものを押しだすように玉袋を撫で上げ、再び亀頭を口腔で包み込む。
その度に部長の下半身には今までの自慰とは比べ物にならないほどの快楽の波が絶え間なく襲い掛かってくる。
「っあっ、キッ、キィッ!」
ドプッ
我慢の限界に達した部長の竿から精が吐き出されキィの口腔へと放たれる。
「んむうっ!?」
勢いよく放たれたソレはキィの喉奥までも侵入しその熱を口全域に広がらせる。
その衝撃にキィは思わず口を離し、ケホケホと咳き込む。
「大丈夫かキィ...っ!」
ひとまず様子を診ようとした部長の手が止まる。
クチュ、クチュ、クチュリ
キィは己の秘部に指を出し入れしていた。
まるで部長から吐き出されたものでは足りなかったといわんばかりの激しさで。
その光景に反応するかのように、部長の竿は精を吐き出したばかりだというのに再び熱さと硬さを取り戻していた。
「だ、ダメだ...指では満足できん...!」
キィは足をM字に開き、己の蜜で湿りに湿った秘部を部長へと見せつける。
「アリアちゃんから聞いた...帰宅部の男子の一人と激しく交わったと...キィには人間のことはよくわからんが、そうすればキィのここもハンシンのソレも元に戻るのか?」
顔を赤らめ瞳を潤ませながら見上げてくるキィの艶めかしさに、部長の喉がゴクリとなり生唾が飲み込まれる。
キィにはその見た目らしく子供のような感覚だった為、性的な目で見ることはなかった。
その彼女がこうも色気を振りまき誘惑してきているこの光景に、イチ男子として滾らずにはいられなかった。
「キィ...!」
辛抱できなくなった部長はキィを押し倒し、己の竿をキィの膣へと宛がう。
「...ほんとにいいのか、キィ?」
最期の確認として部長はキィに問いかける。
「誘ったのはキィだ。それにキィたちバーチャドールはニンゲンの味方だ」
「そうじゃなくて、その...本当に初めてが俺でいいのかって」
ここまで迫りながらも不安げな表情を浮かべる部長に、キィは両手を伸ばし部長の首周りにかけ抱きしめる。
「そんなことは気にするな。キィは初めてがハンシンでよかったと思うぞ。お前がどんな人間かはキィが誰よりも見てきたからな」
コツン、と額同士を合わせてキィは弾けるような笑顔を浮かべた。
「来い、ハンシン!」
それが合図となり、部長は勢いよく腰を押し付けた。
ズニュウ、と新雪を穢すようにキィの膣をかき分け部長の竿が侵入する。
「ふああああああっ!!」
思わず嬌声をあげるキィ。その身体はビクビクと痙攣し、挿入されている膣からは分泌液がぷしゃりと漏れ出す。
それは部長も同じ。挿入した途端に自慰を遥かに超える快感に襲われあっという間に精がこみ上げだす。
ここまでくればもう止められない。
部長は今までの理性など感じられないほどに一心不乱に腰を振り、キィもまたそれを受け入れるように下半身をよがらせる。
ドポッ、ドポッ、ドポッ
「くあああああっ、あっ、熱いのが、来てるぅぅぅぅ!!」
その回数、5回。
たったそれだけのピストンで部長の竿は限界に達し亀頭から精を放ち、キィもまた快楽に耐えきれず絶頂した。
「はぁ、はぁ」
息を荒げる部長だが、しかし繋がったままの下半身の異常に気が付く。
二度目の射精だというのに、部長の竿は未だに衰えていない。いくら性欲盛んな思春期とはいえこれには流石に部長も戸惑った。
「...たぶん、キィとの繋がりのせいだな」
はぁ、はぁ、と息を荒げながらキィはポツリと告げる。
「いま繋がってわかったのだが、キィとハンシンの生死が繋がっているように感度もまた繋がっているようだ。
平たくいえばキィが気持ちよくなればハンシンも気持ちよくなり、ハンシンが気持ちよくなればキィも気持ちよくなる。大方そんなところだ」
「なるほど」
感心するように相槌を打つ部長だが、しかし問題が解決したわけではない。
性欲が収まらない以上は猛る竿を収められないのだ。それはつまり
「...まだ、いけるかキィ?」
「当たり前だぞ、我がハンシン!」
―――それから先の行為はもはや改めて語るまでもなかった。
これまで保っていた理性はカケラもなくなり、与えられる快楽の虜になっていた。
部長は口づけを交えながら一心不乱に腰を打ち付けキィの膣の奥をなんども叩きあふれるほどに精を放ち。
キィはだらしなく口元を緩ませ、舌を垂らし、膣内に注がれる生命を全身に行き渡るほどに堪能し。
そんな獣のような行為も遂に終焉を終えることになる。
「キィ、キィ...!」
「いいぞ、ハンシン!残ってるもの全部、全部キィにぶちまけろ...!ああっ!」
「く、ぁああっ」
「くるっ、あついのこみあげてくるぅ!キィもトぶぅ!」
もう何度目になるかわからないやり取り。
しかし二人は確かに通じ合っていた。これで終わりだと。
溜まっていたものが全て吐き出せると。
そして
―――Go Liiiiiiive!!
部長の全てが、キィの中に放たれた。
・
・
・
―――それからというもの。
「吟の素性を聞いたら性別不詳に萌えるようになりそうだから抜いてくれだとぉ?」
じゅぽっ じゅぽっ
「んっ、どうだハンシン!お前の好きな裏筋も、んっ、舐め上げてやるぞぉ!」
・
「切子のジト目で興奮したぁ?...まあ、切子はアイドルだけあってキレイな顔してるからな」
コシュコシュコシュ
「切子みたいな目つきで上目遣いでシゴいてくれとか...このスキモンめぇ」
・
「ささらの年齢を聞いて何故か反応しただとぉ?」
グイグイ ピチャピチャ
「熟女趣向も度を過ぎれば犯罪になるからな、キィの若年マンコで矯正してやる!ホラ味わえハンシンよ!」
・
「リュートの『お兄ちゃん』でイケない扉を開きそうになった、か」
パンパンパンパン
「どっ、どうだ!キィの身体で女の味を思い出せ!いくら可愛くてもリュートにはできないことだ!」
・
「ニコの本心を聞いたらなんだかこみ上げてくるものがあった?」
パシンパシン
「なっ、なんで繋がってる最中に、尻をたたくんひぃ!?」
・
「茉莉絵の現実での絶叫を聞いてたら背徳感が癖になりそうだった?」
じゅるっ、じゅぽじゅぽじゅぽ、がぽっ がぽっ
「かっ、下半身だけハンシンの中に入ったままのフェラチオサービスだ!キィもハンシンも感度倍増で後ろめたいものなんて吹き飛ばせ!」
・
「ショータの過去を聞いてたくましい男の辛い過去で興奮するようになったぁ!?さすがにそれはどうかと思うぞ!」
ズニュッ、ズッ、パン パン
『上半身を、ハンシンの中に突っ込んだままの、下半身だけ外に出してのセックス!と、とにかくキィも気持ちよくてハンシンも気持ちよくなれる最高感度の、セックスで、全部忘れろッ!』
・
「小鳩と行ってきた合コン女子が可愛かったから...ここにきて普通だな」
ちゅっ、ちゅるるっ
「んっ...はむっ...なんだかんだ普通のえっちが落ち着くな。もっとキスしてくれていいんだぞハンシン」
―――部長はなにかとつけてキィに行為を頼んでいた。
そして―――
「ハーッ、今日もたくさん楽しんだなあハンシンよ!」
行為を終えた二人は裸になり、布団の中で抱きしめあっていた。
性欲は全て発散し終えた。いま互いに欲するのは温もり。
打算もなにもない、ただ心に寄り添いあうささやかな時間だ。
「...ハンシン。なにを震えているんだ」
「...ごめん」
「謝るな。キィにはその気持ちはわからん。ちゃんと言葉で話せ」
「その、なにかと理由をつけてキィに頼っちゃって...ほんとはただキィと...」
「まああからさまに理由が適当になっていったからなー。流石にそれくらいはわかるぞ」
「...怖くなったんだ。現実に帰ってキィがいなくなった時のことを考えるのが」
「...ハンシンはキィに惚れたというのか?」
部長は黙ったままコクリと頷く。
「今は俺を見てくれているキィも、色んな人と出会えば『特別』じゃなくなっていって、いつかは忘れてしまうんじゃないかって...それに俺も、現実に戻ったらキィのことを忘れちゃうんじゃないかって...そう思うと...」
「そうか...なんだかそこまで考えてくれているなんて嬉しいな。でもハンシンは帰らなくちゃ駄目だ」
こつん、と額同士を合わせながらキィは微笑みながら言う。
「約束してやる。キィはニンゲンの味方だ。帰宅部の皆も大好きだ。けど、キィにとって未来永劫特別なのはハンシンだけだ。
たとえハンシンがキィのことを忘れても。老衰で天寿全うしても。キィにとっての特別はお前だけだ。お前だけが半身だ」
「ッ...!」
部長は唇を噛み締め、キィの胸元に顔を埋めて身体を震わせる。
「お、おい。なぜ泣く。キィはまたなにか酷いことを言ったか?」
「違う...悲しいんじゃない...嬉しいんだよ」
部長の言葉にキィは戸惑う。
泣くのは辛い時や悲しい時だと聞いた。
なのに部長は嬉しいと言いながら涙を流している。
キィにはその感情はわからなかった。
「そうか。ニンゲンは嬉しくても泣けるのか...ありがとな、ハンシン」
けれど、その涙が何故かキィにはとても嬉しかった。
☆
「これでおわりだっ!」
カタルシスエフェクトによる連撃の後着地し、顔を上げれば視界に映るのはこちらを見下ろすキィ。
部長は立ち上がり、真っすぐに彼女を見据え互いに微笑み合う。
幾度となく繰り返されたこの光景。
パ ァ ン
しかし、この日のハイタッチは気持ちいいほどに一際大きく鳴り響いた。
キィ×男部長編 完
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