今回から数話、ヒロインはアのつく人になります。
この名前はオバロのほうでオリ主の名前につかっている名前なのでなんだか書いていてごっちゃになりそうな時がありました。
今回は一応R15ですが、多分指定なしぐらいの基準ではないかと思っています。
ハーレムソードオラトリアの切っ掛けはこの話から始まる―――。
ではどうぞ。
※性別反転有、R15?
私がそれを目のしたのは本当に偶然でした。
今思い返してもどうしてもっと気をつけていなかったのかとお説教をしてあげたくなるような光景でした。見なければどうなっていたのかは……分かりませんね。
あの時、私はリヴェリア様にご報告することがありそのお部屋を尋ねようとしていました。すると部屋の扉が隙間を空けていたのです。
すぐにおかしいと思いました。そしてすぐに察しがつきました。あの好色なロキが如何わしいことを企んでいるに違いないと思ったのです。
室内を覗きこんだ私は明らかに不埒者がリヴェリア様がご不在の間にその寝所で毛布にくるまっているのを見かけました。まさにロキの所業のようにしか見えませんでした。
───こら! ロキ! リヴェリア様の寝所でなに、を……?
不敬極まりない乱れた吐息が漏れ聞こえてきて、私は不埒者にたいする怒りに任せて一気に毛布をひきはがしました。おおかたロキがリヴェリア様の枕や衣類の匂いでもかいでいるのだろうと思ったのです。……こんな想像をしてしまう私も十分毒されてしまったのかもしれません。気をつけなければ。
───あい、ず? なにをしてるんですか?
飛び込んできた予想外の人物とその光景を見ても私は本当に何をしているのかさっぱりわかりませんでした。ええ、今なら、理解もできますし、すぐに相応の対応を取れる……と思いますよ? ですがあの時は私もまだまだ若輩者で特にそういうことには不慣れだったのです。
「あ、あの、これは、その、あ」
珍しいほどの怯えを見せて、可哀想なほど不安げな様子の、まだ少年に足を踏み入れたばかりの頃のアイズが───そこにいました。
肌着だけみにつけてズボンはなく、手が、その……一人で男の欲求を吐き出させていました。
理解が及ばなかった私はなにをしているのだろうと思わずまざまざと見てしまったのです。すぐに目をそむけてあとでお説教をすればその場で全て落ちついていたかもしれないのに。
───それは、リヴェリア様のした……!? アイズ!
「ご、ごめんなさいっ」
少年が手に持つ布の正体に気がついてしまった私はそこでようやく何をしているのか理解して……瞬間的に湯が沸いたかのように怒りを覚えてしまったのです。叱り、教え諭すのではなく、怒ってしまったのです。あの時のアイズは切ない思いを自覚して年相応に悩んでいただけだというのに……エルフとしての排他的な感性が思わず顔をのぞかせたのです。
バチンッ
───汚らしい! よくもリヴェリア様を汚すようなまねを!
今でもあの時の感触を思い出す時があります。ええ、あなたたちを叱った時も思いだしましたよ? ふふ、怒りに任せて少年を叩いた大人の私……みっともない思い出です。アイズの恐れ震えたあの顔色は生涯忘れないでしょう。
「り、リヴェリアに、言わないで……お願い、です」
そう懇願するアイズは想い人に嫌われたくなくて必死でした。ですが、私は聞く耳を持ちませんでした。あの時は本当に……こんな汚らわしいヒューマンがリヴェリア様の近くにいるなんて! と酷く裏切られたような、そんな衝撃を受けていました。
───あなたがこんな汚らわしいマネをする子だとは知りませんでした。親子のように愛情を注いでくださっているリヴェリア様に対して……恥ずかしいと思わないんですかっ。
私は詰るだけ詰り、すぐさまリヴェリア様を探してこの不埒者に相応の罰を、と踵を返そうとしました。ですが後ろから悲痛な声が響いてきました。
「ま、まって! お願い、お願しますっ、お願、です。リヴェリアに嫌われたくない……!」
ほとんど泣きそうな顔でアイズがへたり込んでいました。あの頃のアイズは強くなろうと躍起になっていた頃でしたから、そんな感情をむき出しにしている姿ははじめてみました。
───…………アイズ。
「リヴェリアのこと、好き、なの。だから、ここで、一人で、してて、駄目だって分かってたけど、リヴェリアに包まれてるみたいで、それで……う、ぅっ」
涙を浮かべて必死に説明しようとしているアイズの姿をみて私はようやくどういう状況なのかを少しは理解できたのです。……え、少しなのかって? 仕方がないじゃないですか。あの頃はまだ経験も知識もまるでなかったんですからっ。
───泣きやみなさい。泣いてもどうにもなりません。……ひとまずリヴェリア様や他の皆に知られぬように、その、汚したものを綺麗にしましょう。寝所も整えて。どうするかはその後決めます。
相手がまだ子供扱いを受けて当然の年頃だということを思い出して私は小さく頷いたアイズとともにできる限り部屋の様相を整え、汚されたように感じた痕跡を一つも残さずに掃除しました。その頃から部屋の掃除や整えは上手だったんですよ。
───アイズ。今晩話をしましょう。鍛錬やダンジョン探索はやめて部屋で待っていなさい。
「うん……」
その夜、衣類を届けるという名目で私はアイズの部屋を訪れました。……へ? 大胆? 何が大胆……って! そういう意味ではありません! わかっているでしょうにっ。ふざけているとこの話はここで終わりにしますよ。まったく……リヴェリア様は可愛げがあると仰ってくださるけれど、どうにもロキの影響を受けすぎですよ? もう少しお淑やかになさい。
───アイズ。リヴェリア様に想いを寄せるのはおやめなさい。
寝台に小さくなって座っているアイズを見ろして私は間違いを正すように、アイズの想いを否定し続けました。後々それが間違いだった、とは、結果的にも明らかで私は自分の閉ざされていた視界にそれは落ち込むことになるのですが……この辺りはあなたたちを見ていると嬉しく思いますね。ふふ。立派に育ってくれてありがとう。とにかく私はアイズが何を言おうと首を横に振って認められませんでした。そうして迫ったのです。リヴェリア様への穢れた想いを捨てないのであれば今すぐ報告すると。……本当に馬鹿みたいに狭量で、古いエルフでした。
「いやっ。私、ほんとうに好きなの……まだ始まったばかりなのっ。気がついたばっかりなんだ! お願い、なんでも、いうこときくから、お願、です。お願しますっ」
何度も報告に行こうとする私の背に抱きついては「許して許して」と繰り返すアイズに私は条件をだしました。条件と言っても駄々をこねる子供を言って聞かせるような、どうせ守れないでしょう? という類のものです。
───あなたが一人でしているソレを今後は私が管理します。私がしていいと言わないかぎりソレを絶対にしないと約束なさい。それなら、この場は目を瞑りましょう。
…………。
やっぱり大胆とか、正妻気取りとか、ロキのいう寝取り? とか、その他もろもろアレなことをボソボソ聞こえるように囁き合うのはよしなさい! 私だって、私だっていま思えばおかしいと思いますぅ! でも、あの時は、あの時は私が何とかしてこの子の欲望からリヴェリア様をお守りせねばという使命感が……はわっ、リヴェリア様!? い、いえ、はい、昔話を、はい、はい、当時は大変な横やりを……申し訳ありませんでした。
「……わ、わかった。約束、する」
───では、ひとまず一月ほど様子を見ます。約束を守れなかったら即報告します。嘘をつこうなどと思わないことです。あなたは嘘をつくのが致命的に下手ですからね。
「ひと、つきっ!?」
───何か問題が? ああ、やはり好きだとか、恋してるだとか……愛を囁いてるわけではなく、ただの欲望の吐け口にしているから、耐えられないとでもいうわけですか?
「ち、ちがう! そんなことない!」
───なら構いませんね?
「………………は、い」
そうしてその夜から、私とアイズの特訓が始まったといえます。……もう! なにも囁かないの! 馴れ初めを聞きたいといったのはあなたたちですよ!? 特訓じゃなくて少年相手のプレイ……? ロキと変わらない……? い、いや! それはいや! ああ、もういや、もう話さないですからね!?
◇◆◇
「あの頃の私は、本当に若かったんですよ―――!」
「アリシアは今でも若いし、可愛いよ?」
何を慌ててるの? と丁度庭に出てきたお父様と逃げようとしたお母様が鉢合わせになり、クルリと一回転してダンスを踊るように受け止めたお父様がお母様を抱いて首をかしげている。
「あ、あいず」
「……? 二人とも、なにかしたの?」
「いいえ、お父様。お母様からむかーしのお話を聞いていただけですわ」
「ええ、そうですお父様。お姉様のいう通りなのです。それでお母様が羞恥から逃げ出そうとしてそうなったわけなのです」
格好いいお父様と可愛らしいお母様。
双子姉妹の大好物は普段穏やかな淑女である母が可愛らしい一面を父の前で見せて赤くなっているワンシーンである。
今日の「ご褒美は二人の馴れ初め話を!」というお茶会での話もこうなるだろうと見越して振った話である。結果としてこの景色を今彩っているのだから過去になにがあったかはそれほど重要視していない子供たちであった。その過去に縛られない、自由な姿こそリヴェリアから可愛げがあると微笑まれる理由である。
「「お父様、お母様可愛いですわよね?」」
もっと可愛らしい母がみたい。
ので、分かりきったことをちゃーんときいてちゃーんと母の耳に届かせる。
この作業が姉妹の趣味であり、家族団欒の秘訣であると思っていることである。
「? うん。アリシアは可愛いよ。昔も、今も。ずっと」
「ぅ~~~! そんなことはリヴェリア様にもっといいなさいっ」
「リヴェリアにも、言ってるけど、アリシアの可愛さはアリシアだけのものだから。同じじゃないから……? おかしい?」
───いいえ! ちっともおかしくありませんわ!!
天然で素敵で予想通りの完璧な答えを返してくれる父に拍手喝采の気持ちで返事をしつつ姉妹は耳まで赤くなっている母の可愛らしい姿をみて両親の末長い幸せと、妹か弟が今晩できないだろうかと期待した。
剣騎アイズ・ヴァレンシュタインの特訓 始まり。fin
というわけでリヴェリア様に続く第二のヒロインはアリシアさんになります。
話のオチとしては基本的に話に関連する内容の未来話になります。
なので双子の姉妹はこの話の延長線上の未来にちゃんといます。
アイズ(男)×アリシアの子供です。
エルフの姉とハーフエルフの妹で耳の長さ以外はそっくりの姉妹。
お淑やかな母と天然だけど格好いい父、そして超絶すごい憧れのの女性としてリヴェリアに親愛と尊敬の心を持っています。
描写はないですが、他のヒロインやその間にできた子供ともこの姉妹は仲がいいです。
アリシアさんが少年アイズと果たしてどうなるのか、たぶん最大三話、おそらく二話でアリシア編は終わると思います。
いい感じで進められたらいいと思いますので応援よろしくお願いします。
感想ほしいです~~(正直