痛みを覚えそうな意味でのR18が7割
エロイR18が3割
ぐらいのR18指定な小話になりそうなのです。
本当はご感想で一度いただいたリューさんのエロイ小話を考えようと思っていたのですが最初に思い浮かんだのがこんな可哀想で抜けない、的な話でしかなくて。
今回投稿分はかなり前に書いて「エロくない・・・・・・」と途中でストップしていたものになります。
シルと出会なかったリューさんの贖罪話、スタート。
雨が降っている。
ぽつぽつ、ざーざーざー。
灰色の空は光も闇も感じさせない曖昧な存在感で雨をふらせ続けている。
ざーざーざー。
冷たい。
冷たすぎる雨だった。
最後に相応しい情景だっただろうと思う。
正義も、悪も、大切にしてきた全てのことから目をそむけるばかりか、あろうことかそれを復讐という炎に自ら薪としてくべてしまっていた。
そんな私にはお似合いだった。そのまま終わることこそ自然だった。
だが、それを許さない友がいた。
──探しましたよ。リオン。
ざーざーざー。
雨の音に混じって聞こえる、アア、友の声。
彼女は私が薪としてくべてしまった大切なものを抱えてきてくれていた。
──いきましょう。
ああ、アア。
冷たすぎる。
冷え切った今の私にはあなたの温かさは火傷してしまいそうだ。
──心配いりません。その分、私は凍傷にでもかかりましょう。
申し訳ない。申し訳ない。……すいません。
「謝るのは私にではありませんよ。……すいません。リオン」
彼女の謝罪の意味が分かったのはここに来たその時だった。
◇◆◇
鈍い音が投げかけられた言葉の合間に響いている。
肉と、骨とが強く触れ合って血があふれだす音だ。
それが自分の血肉だと認識できたのは”今日の相手”に水をかけられて意識がはっきりした時だった。
「きいてますか? ちゃんと聞いてください」
口がはれて言葉にならなかったので力なく頷いたがそれがよくわからなかったのか、”今日の相手”がその手にした獲物で顔の側面を殴りつけてくる。
ゴチン。
殴られるままに顔を横に振りながら、心底イタイと思った。
痛いのではない。イタイのだ。
相手は神の恩寵を受けているわけではない。
ただの少女だ。
その獲物も魔法の品というわけでもなければ名工が拵えた業ものでもない。
ただの木工用のハンマーにすぎない。
だが私にはその殴打こそ最もイタかった。
「父の命日に……ついに母が死にました。お医者様は頑張ってくれました。神様がたも心を砕いてくださりました。ですが……心の病がもとではどうしようもありませんでした」
「……ず、いまz、ん」
「謝らないでって、言いましたよね」
ゴチン。
またとてもイタイ殴打がきたが今度は前よりもイタかった。
少女の母が亡くなったのをきいたからだ。
少女にはもう家族はいない。天涯孤独になった。いや、させてしまった。
「ごめ、な、い」
「謝らないで」
ゴチン。
私以外の誰かを殴ったことなどこの少女はおそらくないのだろう。
ただ振り回すだけのハンマーが少女にとっては運悪く私の左目をうった。
ブチュッ。
「ぁ」
少女の顔色が一瞬青ざめる。やってはいけないことをしたという顔だ。
この少女がいかにいいヒューマンか、善人か、いつもいつも垣間見えてしまう。
大丈夫です。見た目ほどたいそうな怪我ではありません。私はLv.4の冒険者ですから。
そういって少女の不安を取り除いてあげたいが、とてもそこまで舌が回らない。
「ここまでだ。やり過ぎることは禁じられている。こちらへ」
「……はい。すいませんでした」
監視役の団員が少女を咎め、外へとつながる階段へと促し、ともに去っていく。
まだ見える右目でそれを追いつつ、自分勝手と思いながらまた謝ってしまう。
(お母さんを、お父さんを。奪ってすいません)
声に出せない想いをいつものように抱えて私は意識を失った。
夢の中で、雨の音だけが響いてくれることを願った。
続く?
ここまでお読みくださりありがとうございます。
この話は続きのプロット(と呼べるような代物ではない簡単なもの)も準備できていて書くこと自体は難しくないのですが、話の中に熱がないといいますか、曇天しかない内容になっています。
こっちを書くか英雄の門出の続きを書くかですこし悩んでしまったのでよければアンケートやご感想にてご意見いただけたら幸いです。
英雄の門出は最後の英雄を目指すベルと英雄の迎えを待つアルフィアという視点で書けたらなぁと思ってます。
短い話でしたがここまでお読みくださりありがとうございました。