1日目:初
2日目:犯
3日目:躾
4日目:堕
5日目:味←
6日目:
7日目:
結末:
※R18
光が差し込むこともない朝靄晴れぬ頃。
アイズはここ連日の通りその瞳を開いていた。
身体を起こし、視界に真っ先に飛び込んでくる鏡を見つめ、そこに映る自分の身体を眺める。
その身が一糸も纏わぬ姿であることに疑問を抱くことはない。
はじめて求めた『雄』を誘うために、自ら脱ぎ捨てた衣類は浴室に散らばっている。
【剣姫】としての装備類に肌着や下着。
無理やりはぎ取られた時とは違い、全てのものをその身から手放していた。
だがそれがここ数日の目覚めと特別違いになるかと言われればそうではない。
もっとも違うことは
昨晩『雄』を誘った際に手放したままにしてしまった。
「………抱いて、ください」
しかし、鏡に映るその姿は何一つ『雄』を誘惑するような熱を放ってはいなかった。
昨夜は違った。
同じ言葉を口にした同じ人物とは思えないほど昨夜は『雄』を誘う『雌』の匂いと熱を発していた。
アイズはあの時と今の自分を冷えた頭で比べてなにがその違いをうむのか不思議に思った。
すると昨夜の『雄』の姿が脳裏に浮かんでくる。
自分が爪をたててしがみつき、足で挟んで離さなかった頼もしい『雄』。
「【猛者】……」
なんて似あいの二つ名だろうか。
その名の通り、猛々しくて立派な『雄』は昨夜アイズが感じた『雌』の疼きを満たしきっていた。
昨夜との違いはソレだった。『雌』の疼きによって発せられていた匂いも熱も【猛者】という『雄』によってその全てが消えうせていた。
全て満たされたことによる圧倒的な多幸感に包まれてた。
アイズは手で臍の下あたりをゆっくり撫でた。
その奥地からおかしな手ごたえが返ってくる。
軽く押してしまえそうで、けれどもそれをためらうような十分すぎる存在感。
胎の内に水袋を抱えたようなその手ごたえの通り、アイズの腹部は少し盛りあがっていた。
アイズのその雌袋は『雄』の原液で膨れ上がっていた。
これも連日のことではなかった。
上から触り明らかな手ごたえを感じさせるほど、腹を膨らませるほどのものがひと夜を越えてまだ留まっている。
初めてのその経験は、これまたアイズにとって驚くことでもなかった。
なぜなら昨夜の『雄』の貪り方はこれまでと違っていたからだ。
「あんなに、されたら………」
こうなってても不思議じゃない。
むしろこうなって当然と思えるほどの交わりを重ねていた夜だった。
そんな明らかな違いを感じるほど、昨夜の『雄』はアイズに印を刻み込んでいた。
貪り方が違ったのだ。求めてやまない自分に応じるように。
アイズは立ちあがり、撫でていた手をゆっくりと押し込んだ。
胎の奥が小さくはじけたような感覚が伝わってくるとそれに追随するように花洞を固形物のようにすら感じさせる精液がゆっくりと伝い、花扉の合間から滴り落ちた。
ぴちゃ、びちゃ。
『雄』が蓋をするようにアイズの雌袋の中に留めていた白濁液が浴室に白い水溜りを作った。
アイズはシャワーを手に取りそのまま身体を洗おうとして、目に入ったその白い水溜りを惜しく思った。
(もったい、ない───)
昨夜あれほど渇望したモノ。
あれほど自分を満たしたソレ。
『雄』から『雌』への報酬を流し去るのが惜しかった。
気がつくとアイズは水溜りに顔を近づけていた。
れろ。
「……【猛者】の匂い、味………それの、名残」
初めて口にした精液の味は無味無臭といってよかった。
液体とは呼べないほどの粘質さで口内に残るその後味にのみ【猛者】を感じて、アイズはそれを求めて水溜りを啜った。
水溜りがなくなり、床に舌を這わせ、それでも足りないと床をすった。
(………もっとあの人が、ほしい)
この時、【剣姫】と『雌』が一つになった。
◇◆◇
まさに死闘が行われた。
この連日において初めての死合いだった。
この日アイズは初めてオッタルにその刃をとどかせんとしていた。
それは見ている者の目を疑う光景だった。
───本当に同じ【剣姫】か?
そんな疑問すら湧き起すほどに動きが違った。
結果は変わっていなかった。
アイズの剣はオッタルに届かず、オッタルは何度もアイズを窮地に追いつめ吹き飛ばした。
だが、内容が違いすぎる。
間一髪の瀬戸際でオッタルが逃れる場面が何度行われただろうか。
昨日までならば危険に見えることはあっても危機を感じさせることはなかった。
それだけの余裕を感じさせていたはずのオッタルがギリギリの攻防を何度も強いられた。
「ふぅ――――……ふ――――ッ」
もう日が落ちたことをアイズは認識していた。
息を整えて『風』を纏い、この日最後の全力を出すべく標的に狙いを定めた。
その標的たるオッタルがじきに終わりを告げる頃合いが迫っている。もう温存する必要はない。
昨日はまだ『風』を纏う余力を残して終わったが、今日は違う。
アイズは出しきって、見せつけようとしていた。自分の価値を。
───“この『雄』が欲しい”
アイズの【剣姫】としての感情、『雌』としての本能が一つになっていた。
自分を満たしきる『雄』を“自分の雄”にしたい。
雄々しく頼もしい強者を“自分の糧”にしたい。
そんな思いが理性を置き去りにしてアイズを突き動かしていた。
天秤に掛けられていたモノが一つになって残った理性と鬩ぎ合っていた。
だが、アイズの理性が訴える不安や疑問など【剣姫】と『雌』の衝動の前では小さなものでしかなかった。
その衝動は貪欲に目の前の強者を喰らい、獲得するべく自らの『雌』として、番としての価値を見せつけようとする。
それはまさに目の前の『雄』が連日行っていた行為とまったく同じであった。
「こい」
「うん」
誘われるままに激突する。
この雌雄にとって交わりとは夜を共にすることだけではない。
ひりつく様な死線を越えた先に至らんとする戦士と剣士の交わり。
お互いがお互いを喰いあい、糧にしようとするこの交わりこそ、お互いに求めてやまない本命だ。
その僅かな本命の間に多くの駆け引きを経てこの日の決着がついた。
肉が潰れる音が響き、骨が砕ける音が続き、両者が動きを止める。
「……剣を捨てたか」
オッタルが血を吐き捨ててアイズを見下ろした。
その左頬はアイズの渾身の拳で骨を砕かれていた。
「うん。……そうしないと殴れそうになかったから」
アイズはその会心の一撃で自分の右の拳を粉々に砕いていた。
仮に闘いを続けていればオッタルの反撃をもう防ぐすべはない。
アイズの負けだ。
だが、お互いにここまでだとはっきりわかる手ごたえがあった。
だから動きが止まった。
「そこまでして俺を殴りたかったかのか? 斬り落とす、と言っていたはずだが」
「ちょん切るのは……やめます。もったいないですから」
「……何?」
「一回殴っておかないと、色々、許せなかった。だから……もう、ちょん切る必要、ないです」
そう言って少し笑うアイズをしばらく眺めたオッタルは無言でその背に剣を戻し、アイズを抱き上げた。それは姫を扱うようでもなく、荷物を扱うようでもなかった。
「今夜は……?」
抱くの? と問うアイズを見下ろしてオッタルはゆっくり歩みを進めて答えた。
「食事はないがな」
地面に突き刺さったままの
すでに月が見下ろす頃合いだった。
◇◆◇
それだけで満たされることはないがどれだけ飢えを満たされても欲してしまう
全てを充実させ、満たしきるには必要であることが当然である甘くて濃厚で熱を放つモノ。
それを理解したアイズは自分を貪る『雄』を───味わっていた。
髪を手綱のようにひかれるままにその身体をのけぞらせ、アイズはこの夜最初の絶頂に身をゆだねていた。
「イッ!? ッ~~~~ぅっうッ」
堪えようと丸めるように咄嗟に動こうとした身体が無理やりのけぞらされ、雌の奥地から響く快感を全身に伝えさせた。
アイズは鏡に手をつきながら、尻を『雄』に向けて差し出していた。
足に力をいれて『雄』が貪れるように奉仕しながら、アイズは貫かれるたびに押されまいとその姿勢を崩さない。
オッタルによって髪を二房に分けて握られながら、動きに合わせるように何度も引っ張られ、のけぞると同時に奥を抉られる。
それを何度も何度も繰り返し、身体を前後と上下にゆさゆさと揺らされ続ける。
ばちゅっ、ばちゅっとアイズが揺れ乱れるたびに焼けつくような交わりが雌汁をはじけさせていた。
「あっ! あ゛~~~っ」
「……やはり、一度達するとおまえはよくなる」
「は、は、は、はっ……ぅ、ん」
最初の絶頂からそれほど間を空けずにアイズの身体が快感の波を生み、オッタルにその甘い蠢動を味あわせていた。
オッタルの言う通りだと、アイズは自分の身体が一度受け入れると『雌』に相応しいものへと切り替わることを自覚していた。
不似合いなほど立派な『雄』のモノをねじ込まれていた花口が、自ら頬張るようにその動きを変える。
いまだにひりつく痛みのような熱を感じながらもその奥にある甘い快楽を求める『雌』へとアイズを切り替えるのだ。
「もっとっ。よく、なるとおもう……っ───あっ♡」
再び身体を震わせ、嬌声を漏らしながら、アイズはまだ自分がオッタルの『雌』として育ちきっていないと感じていた。
それは一つの動き、一つの絶頂、一つの射精ごとに剥がれていくような花洞の焼けた感覚があるからだ。ぴっちりと『雄』に喰らいつこうとするその中は快感だけでは言い表せないひりついた感覚でアイズを犯していた。
快感と痛みが混ざりあい一つの熱としてずっとアイズを『雌』に変えようと響き続けるソレが少しずつだが剥がれて消えていく。
剥がれた熱の膜の中には濃密な『快楽』が詰まっていた。
「もっと、もっとぉ……っ、あ゛♡ まっ……た、きた♡」
「まだだ。まだ」
「はぅっ!? ん、ぅん。もっとぉ……!」
一度『雌』として順応すれば快感が麻薬のようにアイズを酔わせた。
アイズは鏡に映る『雌』の顔を見つめながら、思った。
(もっと、もっと、こうして、続けてっ、たら、私、私っ)
身体が『雌』としての本能に抵抗しなくなるほど、オッタルという『雄』を受け入れてしまえばどうなるのだろうか。
(きっと、もどれなくな───!?)
理性が警鐘を鳴らすが身体と本能がそれを塗りつぶした。
絶頂のペースが速まるにつれて、ガクガクと足を震わせながらもアイズは『雄』を貪るのをやめなかった。
「ァ゛ッ。ん────ッ♡」
この夜最初のご褒美を雌袋にそそがれる頃には警鐘など消えうせていた。
濁った水音が脈打つようにアイズを内側から塗り替えていた。
◇◆◇
オッタルは頃合いを察していた。
最初は後ろから教え込むように。最後には正面から刻み込むように。
自らの『雄』としての価値と【剣姫】の『雌』としての価値をどちらも照明する交わり。
この夜も昨夜と同じく、オッタルは自らの子種が漏れ出ぬように蓋をするようにアイズの雌袋を満たし終えていた。
「ァ」
どこか放心した様子のアイズを眺め、今夜の終わりを察したオッタルは極力漏れ出さぬように気をつけながら『雌』をその場に手放した。
咥えこんでいた花口がヒクつくように動いているのを見下ろしながら、オッタルは納まらぬ自分のモノを眺め少々戸惑っていた。
(自然とその気になっている、か。この俺が……)
初夜の頃は無理やりたたさねばならぬほどオッタルはアイズという『雌』に興味がなかった。
だが昨夜、する必要がないと間を空けようとして気がついたのだ。
『雄』として『雌』を求める自らの本能に。
アイズの最後に残った理性が警鐘を鳴らす最中、オッタルは本能と理性、感情の天秤において『雄』としての本能だけが不足していた。
理性と感情は原動力として神命がある故に問題にならなかった。
だが本能だけは別だった。『雄』としての本質的なソレだけは原動力が違う。
オッタルは興味がわかぬその本能の扱いに苦労しつつアイズとの夜を重ねていた。
だが間を空けようとした昨夜、アイズという『雌』を求める己の本能があらわになった。
それに疑問を覚えつつも、発散させようと剣を振るっていれば『雌』の方からやってきた。
───『抱いて、ください』
そして誘われ、貪られた。
オッタルにとって昨夜、そして今夜の交わりは自分が一方的に貪ったものではなかった。
アイズが『雌』になっていくたびにオッタルの中の『雄』が目覚めていく。
雌雄の本能が重なったときに残るのは一方的な貪りではない。お互いがお互いを味わうのだ。
その本能は結果にも表れていた。本能がその気になっているのを照明するかのように注いだ精液は濃密な『雄』の結晶のような熱さを持っていた。
そしてそれほどの射精を何度重ね、『雌』を満足させるに足りる交わりを経ても萎えないモノがオッタル自身にその事実を突き付けていた。
(フレイヤ様はこのことも見越していたのか……?)
神と子供の間には子孫は残せない。
だから、自分に忠愛を注ぐのはいいけれど。
「ちゃんと相手は見つけなさいね?」
【フレイヤ・ファミリア】の面々にとって難題となる主神からの言葉が思い出された。
アイズを孕ませた手ごたえを感じているオッタルは全てが主神の願いどおりに進んでいるように思えてならなかった。
「……何をしている?」
「あの……コレ、舐めても、いいですか?」
気がつけば跪きながら欲しがるように『雄』のモノを見つめる【剣姫】の姿がそれを証明しているようだった。
◇◆◇
許可がおりるとアイズは伸ばした舌でオッタルの肉棒を舐め始めた。
大きく太い【猛者】に相応しいソレはアイズの口には納まらず、アイズにとっては少々不満だった。
先を吸い舐め、『雄』の味と匂いを味わいつつも、アイズの望みとしては咥えてみたかったのである。
今朝目覚めた際に味わったその味が忘れられなかったのだ。
薄れてしまい後味にしか感じ取れなかった【猛者】の味。
それを直接味わってみたかった。
「ちゅ、ん。れろ、ぺろ、ん、ちゅぅ、ん、ちゅ」
それと気がつかぬままに口付けを肉棒に重ねて、舌から伝わる雄の匂いを味わうために舐める。
これが娼婦の愛撫であればアイズのものは拙いにもほどがあった。
だがアイズは娼婦ではなく一匹の『雌』でしかない。
『雄』を満足させるのではなく『雄』を味わうその唇は『雄』をその気にさせるには十分だった。
「ん、ぶっぅっ、ん」
オッタルがアイズの頭を抑え込み、その小さな口へ自らのモノを押しつけた。
途端、苦しさとともに待ち望んでいたものがアイズの思考を染めた。
鼓動のようなリズムでアイズの口内にオッタルの精液が放たれる。
雌袋で受け止めた時と変わらぬ濃さでアイズを満たすソレは期待通りだった。
(くるし、ぃ、けど、これ、コレだぁ)
目を細めて『雄』の味に魅了されながらアイズは喉を鳴らしてゆっくりとソレを飲み干していく。
後味でしか感じ取れなかった今朝のモノとは鮮度が違い、頭に突き抜けてくるかのような『雄』の匂いと味があった。
ちゅうぅ、ちゅうっ、ぷは。ちゅぅ。
射精を終えて口内から抜きだされた肉棒にアイズは当然のように吸いつき、中に残った精液を吸い出し残らず味わった。
「あなたの、味……好きです」
今度は意識してオッタルの肉棒にアイズはキスをした。
吐息と視線が甘く熱を持って『雄』と絡みあった。
そんな『雌』の告白にオッタルは『雄』として応じるべく押し倒した。
この夜、初めて二人は夜通し交り合うことになった。
互いに貪り合うその交わりは夜が明けた先で戦士と剣士を後悔させるほど激しく、負担を残すことになる。
◇◆◇
四度目の妊娠が分かったその日もアイズは変わらずダンジョンに潜っていた。
一緒に潜っていたティオナが「それにしても」と声をかけてくる。
「アイズってばほんとにいいスキルもったよねぇ。いいなぁ。羨ましい」
「うん」
「私もそれ欲しいなぁ」
「ティオナ、もしかして……相手がいるの?」
「え、いないよー? 赤ちゃんできたって戦えるならそんな気持ちにもなるかなーって思ったんだ」
なるほど。確かに。
アイズは納得して頷きつつ、自らの背中に刻まれたスキルの恩恵に感謝した。
妊娠しても悪影響を受けず、むしろ強くなるというその恩恵のおかげでお腹が膨らんで当然の時期にも関わらずアイズは妊婦に見えない様子であった。
出産のその時まで肉体的な悪影響を一切受けなくなるスキルの効果はお腹のふくらみもなくせば、毒なども受け付けなくなるぶっ壊れな性能である。
女性冒険者であれば誰だって欲しいに違いないとアイズは最初の出産を思い出した。
「このスキルがなかった最初の時は……すごくつらかった」
「だよねぇ。戦えないし、美味しいもの食べても吐いちゃってたもん」
「うん……」
「でも、今なら戦えるし食べられる……むしろ孕んでた方が、強いし美味しい」
「いや、産み過ぎは産み過ぎだからね?」
ぐっと胸を張ってお腹をなでたアイズはティオナの言葉を受けて困ってしまう。
一番理解のあるティオナですらやはり問題だというのだ。
だが───。
「だって……できちゃうんだもん」
今日も今日とてアイズはこの話題ではこうとしか言いようがなかった。
剣姫雌雄 5日目 fin 6日目に続く。
お読みくださりありがとうございます。
前回更新からかなり日が経ってしまいましたが、今回の内容はいかがだったでしょうか。
よければご感想をお聞かせ下さいです。
次回更新は日付は未定ですが、とりあえず剣騎のほうを進めようかと思っています。
もしかしたら英雄の門出のほうが先かもです。
なんとかいろいろ書いていきたいところです。