1日目:初
2日目:犯
3日目:躾
4日目:堕
5日目:味
6日目:恋
7日目:
結末:
後日談:三羽烏と猪←
この話はオッタルとアイズの結果ハッピーエンドな※当人たちは ものになります。年齢制限なしです。
時系列に沿って投稿していたのですが、さきに後日談の小話を一つ投稿させてもらってます。
膝をつくだけでは済まさないと言わんばかりにダメ押しの光が届く。
その一歩手前、火が放たれるそのわずかな隙間に【勇者】は身を挟んだ。
「ここまでだ。リヴェリア」
「──」
先ほどまで【猛者】を相手に見事な立ち回りで足止めをしていたフィンが、勝負あったと怒りを漂わせたままのリヴェリアを制止する。
「ここまでじゃ。リヴェリア」
「────」
先程まで【猛者】の剛剣を真っ向から受け止めて応じてみせたガレスが、それ以上はよせとそこにいる一人の母親を制止する。
槍と斧が交差して妖精の視線阻んでいる。
その先では膝から崩れ落ちつつも常の威風堂々とした風格を何一つ失っていない【猛者】がいた。
「───ここまでで済ませて、私の気が済むとでも?」
絶対零度の視線をすでに魔法に変えて一度は放った後であるというのに女神を超えるような美しさを放つリヴェリアはその美貌を絶するような鋭さに変えて、娘に手を出した男を燃やし尽くそうとしていた。
「君の気が済むことは生涯ないのかもしれない。得てして親というものはそういうものだと聞く。──だけど、オッタルの覚悟のほどはわかったんじゃないかな?」
「そうじゃそうじゃ。だいたいお前が言っておった、私より強い、あの子を守れる存在、という点ではオッタルほど適しておる男もおらんぞ?」
三対一。
いかな都市最強の存在といえど三人を一人で相手にしては逆立ちしても勝ち目がなかった。
アイズが妊娠の報告と共に相手がオッタルだと告げ、嫁に行くと言い出した。
仰天した【ロキ・ファミリア】内に【猛者】への怒りが渦巻いた頃に当のオッタル本人が訪れ、即応して襲ってきた団員を撃破してみせながらフィンとリヴェリアに話をつけに来たのが数日前。
──殺されても文句は言わん。
オッタルの望んだ覚悟を示す機会として設けられた三対一の決闘。
見守る者も排除した四人だけの決闘はオッタルの完敗である。何もできなかったに等しい。
リヴェリアが杖を膝をついたオッタルに向けている。
あと一言、詠唱を終えれば消し飛ぶ。名残も残さずに存在を抹消できる。
だが──消せないものもある。
「──オッタル」
リヴェリアは杖を収めてオッタルの目の前まで歩み寄った。
怒りの火を放つことをやめると決めたわけではない。広がった魔法陣の光がその意思をいまだに明確に示している。
「なんだ?」
その極寒の視線と怒りの火をちらつかせられながら、オッタルはそれでも【猛者】としてそこにあった。
「この火は常にお前を焼くことを願っている。それを忘れるな。──あの子の母役は私だ。蔑ろにしてみろ、泣かせてみろ、笑顔を曇らせてみろ」
周囲を業火が包んだ。
完璧に制御された火柱が“五人”を除いた周囲のすべてを燃やし尽くす。
あとには何も残らない塵の一つも。
「お前のすべてを燃やし尽くす。いいな?」
「俺は──約束はしない。できない。何も定まっていない、先の話などな」
氷漬けにされた下半身を無理やり動かしてオッタルは立ち上がる。
膝をついたまま述べる言葉ではなかった。
「俺が誓えることは一つ。俺の女と子を害するすべてを──俺は必ず打ち払う。俺はそれができるほど強く在り続ける」
そんな男の誓いを遠くから見つめるハラハラした視線があることを、四人はずいぶん前から分かっていた。
周囲のすべてが燃え尽きた中にぽつんと、嫁入りを希望している娘が所在なさげに立っていた。
リヴェリアの娘でオッタルの女であるアイズは夫になる男を心配そうに、そしてばつがわるそうに母たちを見ていた。
リヴェリアが正確に燃やし尽くした結果、隠れていた木々すべてが燃え尽き、露になった【剣姫】の姿は幼い頃のままのようにわたわたとしているのに、その眼差しが一人の女として自分の男を案じているのが遠目からでも伝わってくる。
腹を無自覚に撫でているその姿はリヴェリアに最後のため息をつかせた。
「ふぅ──。私にはあの子の子供から、父親を奪うことはできない。その資格は誰にもない」
母として、娘のことで激怒することはできる。
不埒な男を消してしまうことはためらうことではない。
だが、そうしても消せないものが娘の腹の中にすでにある。
「お前が夫として父として、ふさわしい振る舞いをする限り、私は許そう。……私が許すのだ。他の誰にも文句は言わせん」
その声が聞こえているのか、丸裸の大地にぽつんと立っていたアイズが喜んだ様子で近寄ってくるのをリヴェリアは苦笑いで迎えつつ、言うべきことを全て伝え終わる。
「ただしそちらへの移籍は許さん。この機会にお互いの関係をどうにかする努力をしろ。団長」
駆け寄ってくるアイズに一度拳骨を落としてから抱きしめるリヴェリアの姿を並んで見つめながら、両団長はお互いの神との懸け橋になる苦労を想って一つ息を吐いた。
お読みくださりありがとうございます。
【剣騎】のアミッド編が予定より少々字数がかさんで読みにくくなかったかな? と少し考えていて、短い小話は逆にどうなのだろうかと、ワンシーンだけ描写するかたちで小話を書いてみました。
フィン、リヴェリア、ガレスはこの時点でLv.7なのでオッタルでも完敗した図です。
陰ながら見守っていたアイズはずっとハラハラしてました。可愛い。
リヴェリアの氷魔法(ウィン~以下略)で勝負あった状態だったのに、リヴェリアが重ねて詠唱し始めてフィンとガレスが顔を見合わせたり、オッタルが応じるように戦いを継続しようとしたり。
そんな戦闘シーンも書こうかとも思いつつ、どうなんだろうかとかと思ったり。
もしよろしければ本当に字数とか、シーンの数とか、どういうのがダンまちの二次小説を読む人として読みやすいのかお聞かせください。
豆腐メンタルなので、何か引っかかるとすぐに手が止まってしまうので参考材料がいっぱいほしいです。
アンケートもここように一つ乗っけてますのでご感想は重たいという人もぜひアンケに答えていただけたら幸いです。