鱗竜斗は悩んでいた。
「きゃっ!! いつつ……あん♡ ちょっと竜斗……どこ触ってんのよ」ムニュムニュ
食堂からの帰り道、なぜか足がもつれてしまった竜斗は、麗迦の方に倒れるようにコケてしまう。
「悪い……麗……っ!!!」
竜斗の目の前にはピンクの世界が広がっており、見たことがある光景だったのですぐに自分がどういう体勢になっているのか理解する。
麗迦のスカートの中に顔を突っ込み、両手は胸を揉んでいる状態。
「あっ……ん……ちょっと……揉んでないで……早く離れて」ムニュムニュ
「あっ!!! わっ……悪い!!」
麗迦の艶のある声聞いてさすがに正気に戻った竜斗。
彼とて華の男子学生だがさすがに分別は付く。
学園内の廊下で麗迦の痴態を晒すわけにはいかない。
急いで立ち上がり、麗迦に手を差し伸べる竜斗。
「もうっ!! 最近多いよ、こういうのっ!!」
「いやっ……ホント……悪い」
顔を赤らめながらも抗議をしてくる麗迦にしどろもどろになってしまう竜斗。
実際竜斗のラッキースケベは最近頻繁に起こり、それが悩みの種でもあった。
「……他の女の子にも今みたいな感じで、触ってるの?」
顔を赤らめながらそっぽを向き、ちらちらと竜斗の様子を伺うように問いかけてくる麗迦。
「うっ……いやっ……そんなこと……あるわけないだろっ!! ははっ」
そんなことはあるので、竜斗はなんとか乾いた笑いでごまかそうとするが、幼馴染故怪しげな反応をしていることに、ジト目になる麗迦。
「……っ!! じゃあ俺ちょっと用事思い出しちゃったから!! また後でなっ!!」
「ああぁっ! ちょっと竜斗っ!!」
空気に耐えきれなくなった竜斗はその場から逃げるように立ち去る。
(とりあえず……トイレにでも行って落ち着こう)
尿意を催していたこともあり、ひとまずトイレに行ってスッキリしようと廊下を走る竜斗。
だがこの時、トイレに行く角を曲がろうとすると、偶然にもそこには裏庭から帰ってきたギャル二人が歩いてきており、
「きゃっ!!」
「わあっ!!」
「うおぉ!!」
竜斗は朔とぶつかり、押し倒すような形で倒れ込んでしまう。
「痛っ……んっ」
「悪い……大丈夫かっ……って」ムニムニ
竜斗は朔の胸を揉んでいる形で、右足の膝が朔の股間に当たっており、まるで今から一発おっぱじめるかのようなセックスするために押し倒しました状態になっている。
「うっわっ♪ 鱗っちダイタ~ン♪ 真昼間っから学園の廊下で朔と一発やろうとするとか♪」
その状態を見た北村はわざとらしく右手で口を覆いながら竜斗をからかってくる。
「いや……あの……これは……その……」
「いいから早くどいてくんないっ」
静かな怒りを込めた声色と、侮蔑するような目線が突き刺さり、即座に竜斗は朔から離れるように立ち上がる。
そのあと一様竜斗は朔に手を差し伸べたが、朔はその手を取らずに自分で立ち上がる。
「おいおいその手をどうするつもりだい? アタシが握ったげようか♪」
「あっ……ははっ」
またもや乾いた笑いを発してその場をやり終える竜斗。
そのままギャル二人が立ち去った後、トイレに向かい用を足しながら先ほどからの出来事を振り返る。
(はぁ……最近マジで多いなこういうこと……麗迦にも怪しまれてるみたいだし……)
ここ最近頻繁に起こっている、女性生徒とのラッキースケベを思い返す竜斗。
一年の時にはそこまでだったのが、二年に上がってから急に回数が多くなったような気がする。
しかも最初は麗迦が餌食になっていたのだが、ここ最近では他の女子生徒とも頻繁に絡み合っている気がする。
だが意外にも女子生徒からそこまで非難されることなく、むしろその後仲良くなることの方が多い。
(いろんな女子生徒と知り合いに慣れてるのはうれしいけど……麗迦との関係がちょっとな……)
彼にとっても幼馴染の麗迦の存在は大きい。
麗迦が他の男子生徒から告白されて断っていることも知っている。
そのモテる麗迦が恐らくは自分に好意を抱いてくれているという状況が何とも心地よかったりもする。
ラッキースケベで行為までいきそうになったこともあった。
その時はうやむやに未遂で終わってしまったが、麗迦も悪い気はしていないように思える。
(たぶん……麗迦に告白すれば……でも……)
好意を抱いてくれているし、自分も少なからず思っている相手がいながらも、他の女子生徒と共仲良くなれるチャンスがあることに悩んでいる。
(麗迦ももちろんかわいいけど……宝喜さんも良いし……生徒会長とか……あとは後輩の……)
頭に浮かんでくる女子生徒のビジュアルを考えてにやけながら用を足し終えて手を洗う竜斗。
(まっ、どっちにしろ楽しい学園生活が待ってるはずなんだ!)
麗迦に告白するにしろ、他の女子生徒と仲良くなるにしろ自分にはこれからも楽しい学園生活が確定されていると信じながら教室に向かう竜斗だった。