「ね♡ ご主人様はどんな子がいい♡」
冬美のそんな言葉に俺は何と答えたか。
そして、それが事件のきっかけだった。
***
――最近、妙な
拳藤一佳はそうふと思うようになった。
それは受験のストレスだと認識していた。
何せ拳藤が目指す国立雄英高等学校ヒーロー科は入試倍率300倍という狭き門。
勉強や実技も当然高スペックを求められるし、ヒーローとなる以上やはり内申というのも大事だろう。
嘘か真かはわからないが色々とそういうのも調べ上げられるという噂だ。
――現実問題、推薦はともかく受験者総数が万を超える一般受験者は日頃の授業態度まで調べ上げられるというのは現実的ではない。
とはいえ、絶対にないとも言えないので三年になってからはどうにも普通の授業も身に締まる思いだ。
――無理をしているというつもりはない。
委員会を手伝ったり、地域のボランティアに参加したりなどというのは昔からやっていたことだ。
別に受験に近くなったから特別に得点稼ぎのためにやり始めたということでもない。
やりたいからやったこと。そういう意味で三年になって日常が特段に変わったということもない。
――とはいえ、私は変わったつもりはないけど周囲は変わった気がする。
一佳は優秀だった。品行方正であり、さばさばとした後輩にも慕われる姉御肌。性格については全く問題なし。
更に容姿にだって花がある。中学三年生にしては出るところと引っ込むところにメリハリが付き、雄英入学を目標にキチンと武道なども嗜んでいるからか健康的な筋肉もつき、制服のスカートから出ているすらっと長い脚は思春期の男子の目に毒だ。
これで性格まで良いのだからワンチャンを狙う男子がいないはずがない。
まあ、そのどれもが雄英入学という目標のために努力しているとこだからと全滅させられたのだが……。
それはともかくとしてやはり一佳は目立つ存在であった。
そして、最近の模試の結果。それは偏差値79という難関な雄英の学力試験を十分に狙えるライン。
「拳藤ならいけるんじゃないか?」と期待の声が上がるのも無理のないことだった。
雄英を目指す。雄英に入学してプロヒーローになる。
よく聞く言葉だ。言葉だけを見ればこんなに簡単なのに、その実際の難易度は極めて高い。
学力試験の最低の足きりラインを超える学力を身に着けるだけでも相当な勉強が必要だ。そこにさらに実技演習試験があるのだ。自己鍛錬は欠かせないし、鍛練したとしても本番でそれを発揮できる胆力だって必要。それらがあってようやくスタートライン、そこからふるい落としがある。それが雄英入試。
故に大抵の場合は、夢は夢で終わるしかない。
――だが、拳藤ならばあるいはこの植蘭中学で初めての入学者になるかもしれない。
――地元から雄英入学者が出るかもしれない。
そんな期待を教員や友人たちが持ち、そういう目で見てくるようになったのを一佳は気付いていた。
雄英を目標にしていたこと自体は隠してはいなかったが、現実的になってようやくというところか。
――別にそれが重いってわけじゃない。期待には応えなきゃなってむしろやる気にだってなる。
友人は色々気を使ってくるし、先生だって積極的にサポートしてくれる。感謝しているし、身がしまるというものだ。
一佳はこういった期待をプレッシャーではなく力に変えることが出来る精神だ。
いっそう勉強にも鍛練にも身が入ったものだ。
だが、それでも。
ふとした瞬間、集中が途切れた瞬間にため息とともに出てくるものは有って……。
――だから、あんな夢を見たんだろうな。
***
――夢を見ている。
「離せ!」
「はいはい、無駄な抵抗はやめろって。……それにしても拳藤一佳?冬美が変なこと言ったからか?」
「体に、力が……」
私は顔も知らない男に捕らえられもがいている。
だが、その行動は拘束をどうすることも出来ず男は何かを考えているようにブツブツと言っていたが――。
「ま、いっか」
「いや、良くない?!」
あっさりとそれを放棄したようだ。
全くもって良くない状況の私はそう突っ込んだが男はどこ吹く風。
「いい匂いだ。熟れた雌の匂いもいいがまだまだ青い果実な匂いもまた……これはこれで」
「ひぁっ!?何を……っ!?」
体臭を堪能するかのように鼻をひくつかせ身体を這う男に嫌悪感を出す私。
見ず知らずの男に体臭を嗅がれるのも最悪だが、確か鍛練終わりでついウトウトしてたのがシャワーを浴びてないというのをふと思い出したのだ。
(いや、これは夢なんだから関係ないんだろうけど――)
「すんすん。……少し汗臭いな。運動でもしてたのか?」
「死ね!」
かぁああっと顔が熱くなったのを感じ、私はそのまま勢いで男を罵倒した。
まず、普段なら使わない悪罵の類。
だが、しょうがないだろうこのクソ野郎は思春期真っ盛りの女の子の身体を無遠慮に嗅いだかと思ったら、普通に汗臭いとかいいやがったのだ。
というか夢の癖になんで汗まで……。
「いい匂いだ。若い女の子特有の匂いと汗が混じり合ってこれはこれでいいと思うぞ。俺は好きだぞ」
「フォローになってない!!」
「はっはー、元気な奴だなぁ」
ぎゃんぎゃんと叫んでみるが男は気にした様子もない。
個性使ってぶん殴りたくなるが何故か力は入らないのでそれは無理。
(クッソ―なんなんだ?夢っていうのはわかるのに全然自由にならないなんて。明晰夢ってやつ? ……この状況がもしかして私の願望? そんなバカn――)
「なんか色々考えてる?まっ、それはともかく味見だな」
「味見? って、何を……ひゃぅっ♡ な、なに……やめ……汚っ♡」
私が思考にふけっていると不意打ちにように男の舌の首筋を舐め上げた。
「うん、やっぱりいい味してる」
「バカじゃないのかお前!?」
「……正直、俺も味覚まで影響を受けてるってマズいんじゃないかとは思う」
「はぁ?何を言って……ひィん♡ だから、やめっ♡ 」
「でも、こう……美味しく感じるんだから困るよな」
男の舌が這うたびにを背中に体験したことのないゾクゾクとした痺れが私を襲う。
私の抵抗など知らないとばかりに好き勝手に舌は這い、首から頬へそして耳へと伝って舐め上げていく。
ぬちゅ♡ にゅちゅ♡ れろっ♡ ちゅぷっ♡ れろろっ♡
「ひゃめ♡ 汚っ♡」
「大丈夫、大丈夫。一佳ちゃんの身体は綺麗だから、汚いところとかないって」
「そういうことじゃ、にゃぅんっ♡ あと一佳ちゃん言うな!」
何故男が一佳の名前を知っているのかという疑問はまあ夢だからそういうものだとして。
私は這いまわる舌の感触、異性に体臭をかがれ汗を舐めとられるという異様な状況に翻弄されていた。
汗と唾液が混ざりあいベチャヌチャと粘着質な音が耳朶を震わせる。
「すんすん。あっ、匂いが甘くなってきたな興奮してきた?」
「は、はぁ!?な、何を言ってるんだ?き、気持ち悪いだけだこんな――ひぃううんっ♡♡」
ぬるりっと耳の穴に舌を入れられ、一佳は無様な声を上げた。
何せ、そんなことは初めての体験で感覚なのだ。変な声を上げたのも仕方のないこと。
どこか漏れた声が甘く聞こえたのは気のせいなはずだ。
「ん?ここじゃなかったかな?ここら辺だとは思うんだけど……ここか?それともこう?」
ぬちゅ♡ にゅちゅ♡ ぬちゅるるっ♡ れろっ♡ れろっ♡
「や、め……っ♡♡ はぁっ♡ こ、の……変態ぃ♡ クソ野郎っ♡」
耳を舐るように動く舌の動きにずくんずくんと腰の……いや、胎の奥の方で痺れのようなものが徐々に強くなっていくのを感じる。
(おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい。こんなの変こんなの変こんなの変こんなの変こんなの変こんなの変――っ!)
一佳だって年頃の女の子だ。当然、その甘い痺れの感覚を知っている。知っているが故にそれは何かの間違いだ。そう信じ込む。
(舐められてるだけでこんな……これは気持ち悪いという気持ちが誤作動してるだけで――)
「ああ、ここだな―――
「れろぉっ♡」と男はそう言って一佳の左耳の後ろの部分を一舐めすると――。
「あ゛っ……♡」
――ビクビクンっ!
否定していたのが悪かったのだろうか。
それが最後の一押しになったかのように甘い痺れは爆発し、腰が意に反して跳ねたかと思うと一佳はあっさりと絶頂した。
「……はへ♡♡ 嘘♡♡」
一佳だって年頃の女の子だ。
自慰経験の一つや二つぐらい無いわけではないが……。だが、これほどあっさりと上り詰めたのは初めてだった。
まるで嘘のように簡単に絶頂した身体にどこか一佳は呆然とした。
「よしよし上手くイケたな」
「なんれ……こんな♡ いつもは……♡」
「あー、もしかしてあんまりやってない?自慰行為とか」
「は、はあ?! そんなの……聞く、普通!?」
「大体わかった。いや、なんか快感慣れしてないなーってビックリしてる感じだからさ」
「だってこんな……変だろ。 こ、こんな耳舐められて……おかしい」
「いいだろ別に気持ち良くなって。それで誰が困るわけでもないし素直に受け入れとけって……よし、そうだな。夢とはいえ手順は大事だよな」
そう言って男は一佳の服に手をかけた。
中学の制服でセーラー服姿。その胸元に手をかけて――。
「ま、待て……♡」
「よいしょっと」
あっという間に胸元を開けられて私の中学生としては発育の良い胸がプルンッと晒された。
「な、なななななな……っ!」
「おーおー、この年でこのサイズは中々。将来が有望だな」
「こ、この―――っ!!」
こちらの羞恥、混乱など気にもせずにそう批評する目の前の男に、怒りの火がついた。
怒りは一度イかされたことで少しヘタってしまっていた精神を立て直させ、反抗する活力を私に与えた。
力が入らないからなんだ。
こんなやつにいいようにされる私じゃない!!
むにゅん♡♡
「ひゃううっ♡♡♡」
が、そんな反抗の火は男の手であっさりと機先を制された。
誰かに胸を触られるという行為。
無論、同性の間でふざけ合いことぐらいはあったが性的な意味でのそれは初めての感覚を全身に伝わらせた。
男の手が踊る。
むにゅっ♡ むにゅ♡ むにゅうっ♡ もみ、もみっ♡
「良い弾力、それに張り……吸いつくような肌だ」
「はぁっ♡ はぁっ♡ ふっ、やめっ♡」
クリ♡ クリ♡ くにくに♡ くにゅん♡
「乳首は……少し硬いかな?何というか……ああ、そうか自慰行為は乳首じゃない感じかな?でも、こっちも弱いらしいし覚えたら?ほら、これとか気持ちいいだろ?」
「んはあああぁぁ♡♡ この、そんなに強く♡♡ つね……うぅんっ♡ やあぁ♡♡」
「でも、それがいい――でしょ?」
もみもみっ♡♡ ぺろっ♡ ぬちゅ♡ クリ♡ クリ♡ ぎゅうっ♡♡
胸を揉み、先ほどのことを思い起こさせるようにまた首筋舐め始める。
乳首を摘まみ、解すようにやわやわと指でこすり拳藤に快楽の味を覚えさせる。あるいは刷り込んでいる。
自身の身体であるというのに一佳よりも詳しく、その中学生離れした身体の性を目覚めさせている。
胸はこう扱いすればいい。あるいは乳首もこうあやすのが気持ちいいと教え込んでいるのだ。
男のそんな手管に拳藤の身体は面白いぐらい反応する。
「あ゛あぁ♡ やめ……なんれ♡ こんにゃ……♡ あはぁ♡ そ、そんなとこ気持ちいなんて♡ やんっ♡ 私♡ 知らなっ♡♡ んひゅうぅっ♡」
太腿を撫でまわされ
お尻を揉まれ
臍を優しく擦られ
一佳は自身でも知らなかった弱点を男の手によって時間をかけて掘り起こされていく。
夢の世界において時間があるかはわからないが、じっくりコトコトと丹念に愛撫をされ身体は昇り詰めていく。
(やだっ♡ こんなの怖―――っ♡♡)
爆発が近い。
それを悟り、そしてその促されて高まったソレに本能的に恐怖を覚える。
自分が今までやっていた自慰行為で得た快楽など比べ物にならない昂りに。
だが、一佳に逃れる術はなく。
「おっ、腰が痙攣してきたな……。ほら、気持ちいいのが来るぞー?」
ぎゅうううううっ♡♡
男がそう言いながら乳首を強く潰した瞬間。
「ひぃあぁあ゛あ゛っ♡ イ、ぐぅう゛う゛ううぅぅぅっ♡♡♡」
溜まりに溜まったものが爆発するように一佳は大きく背を反らして絶頂してしまった。
「ありゃ……ま……♡♡ まっひろに……♡♡」
先ほどのよりも大きな快楽の波濤。
体験したことのないそれに忘我し、甘い甘い痺れの渦にしばしの耽溺しようとする拳藤。
だが……。
「十分濡れたな、次はこっちだ」
「ふぇ……?♡」
そんな一佳のことなどお構いなしにさらに進めようとする男。
「ひゃ、ひゃめっだ♡♡ まだ痺れ♡♡ イ、ったばかりで――っ♡♡」
ぬぷぷぅうううっ♡♡
「ふぁあ゛あ゛あああっ♡♡」
男の指が制服のスカート中に入り込み、そして一佳の秘部を抉った。
与えられる快楽に振り回され気付く余裕もなかったが、すでに愛液で濡れ濡れた乙女の花園は男の指を抵抗なく受け入れた。
「い、いれられはだへで……♡♡ あたまぁ♡♡ まひゃまっひろに……っ♡♡」
「よしよし、良い調子だ。このまま、気持ちいの覚えようなー?」
「あっ、ああっ!♡ ひゃうっ!♡ やめッ!♡ イったばかりへ♡♡ こんにゃ……あ゛あぁっ♡♡ おかしくるぅっ♡♡」
「うんうん、絶頂した後にそのまま続けるのおかしくなるほど気持ちいいって言ってたし。存分に味わっていいんだぞ?」
「ちがっ♡」 ほんと……やらぁっ♡♡ ああっ♡♡ ほんとにおかしく♡♡ ひィううううぅぅ♡♡♡ はぁんっ♡ イクぅぅぅぅ♡♡♡」
ぐちゅ♡ぬちゅ♡にちゅ♡ぬぷぷっ♡つぷっ♡にぷにぷっ♡♡
一佳の言葉を聞いているのか聞いていないのか。
二本は膣内をゆったりとか探るようにかきわけていく。
無遠慮な侵入を拳藤の膣内はきつく絞め付け、押さえ込もうとするがそれはむしろ指の動きがハッキリとわかることによって余計に快楽へと繋がった。
先ほどの時と同じく一つ一つ調べ弱点をほじくり返すような動き、指が蠢く度に一つ見つかりそこから甘い快楽が生まれいつしか、侵入者を押さえ込もうとしてた膣内は「きゅうきゅう♡」甘えるようにその指にしゃぶりついているかのように。
「はぁっ♡ ぁっ♡ イクぅ♡ まら♡ あ゛ぁっ♡ やっ♡ ん゛ぅうううううっ♡」
ぐちゅ♡ぐちゅ♡にちゅ♡にちゅう♡ぬぷっ♡じゅぶじゅぶ♡
「よしよし、上手にまたイケたな。それにしてもやっぱり膣内も堅いな。クリオナ派?じゃあ、そこも一緒に……」
「や、やめ―――っ♡」
性的経験の絶対的な差。
一佳はビクンッビクンッと体を跳ねさせながら、男が持つ女体の愛撫の仕方をただ卑猥なダンスを踊ることによって応え。
そして――――。
「ぐずっ、ぐずっ……やめてって……言ったのに」
「ごめん。いや、いつもの癖で……これぐらいは余裕だったから」
一佳はガチ泣きしていた。
夢の中で時間という概念があるかは不明だが、感覚で考えれば恐らく一時間以上の愛撫を受けた拳藤は失禁した。
与えられる快楽に酔い、理性を蕩けさせ、甘い嬌声をあげ、何度も頭を真っ白にし、気付けば失禁していたのだ。
まあ、さもありなん。
というより潮吹きだけでも水たまりが出来そうなほど淫れ狂っていたのだが、そこは年頃の女の子として失禁姿を見られるというのは別枠なのだろう。
その事実に気付いた時、一佳は泣いた。ガチで泣いた。
頼りがいのある委員長気質で姉御肌だと慕われて、弱さを見せないことで有名な一佳。精神の成熟も早く、ここまでガチで泣いたのは恐らく小学生の低学年の時以来だという恥も外聞もない大泣きだった。
「まあ……気持ち良すぎて失禁とか慣れてるから気にするなよ」
「うるせーばーか!!」
フォローのつもりなのだろうかそんなことを言った男に顔を真っ赤に染めて罵倒した。
ついでに蹴りも放つ。
男は大人しくそれを受け入れるが……。
「お前下半身丸出しで蹴りは……」
失禁によってもはや用途をなしていない下着とスカートをすでに拳藤は脱いでしまっている。
とはいえ。
「今更だ、ボケ!」
潮吹き、失禁、それにアクメ顔。
恥ずかしい姿ならすでに晒した後だということもあり、今の一佳は羞恥より怒りの方が上回っていた。
「くそっ、こんな……くそぅっ……」
どうしようもなくみっともない姿をさらした屈辱に体育すわりをして背を向ける。
もはや、着ている物など半脱ぎのシャツ一枚でそれも汗や色々な汁で肌に張り付いて透けて見えるほど。
煽情的な様子であるがそれを今の拳藤には気にする余裕すらなかった。
「ごめん、ごめん。いや、可愛くてやめるタイミングが見つからなかったって言うか……原作キャラだし」
男がそういって背後から抱きしめて来ても、一佳は反応はしなかった。
ある意味、恥ずかしい姿を見せすぎて今更じゃないかと感覚がマヒしていたからだ。
「か、可愛いって……」
「いや、マジで可愛い。しっかり系で頼られるタイプの女の子があんな甘えた声で……」
「や、やめろぉ~~!」
「あー、はいはい」
暴れよるとするがあっさり無視され抱きすくめられて取り押さえられてしまう。
そして、始まるのはただの雑談だ。
泣かせたことは本当に悪いと思っているのか取り留めのない話、学校のこと、家族のこと、夢のこと色々だ。
それを抱きしめられながら話すのだ。
無論、最初は一佳も酷いことをしてきた男相手にそんな話をとは思っていたが……。
(所詮は夢だ)
そんな気持ちがあったのだろう。
それに今更張る意地も無いだろうとぽつぽつと話し始める。
以外に男は聞き上手であり、さらに夢の世界という安心感もあった。
普段は友達相手でも家族相手でも言えない不満、負の感情すら話してしまう。
あの先生はイヤらしい目で見てくる、あの男子はいつも胸を等々。
普段の一佳なら話さないことまで。
変な話ではあるがみっともない姿を見られたが故に張る意地もなく男と接するようになり、そして―――。
「な、なあ……♡」
「んー、なに?」
「お尻に変なの当たってるんだけど……」
「まあ、一佳ちゃんみたいな美少女を抱きすくめてたら男ならね?」
「美少女って……私はそんな」
「謙遜も過ぎると毒だぞ?顔は勿論、むちっとしてスラッと長い脚。くびれた腰に肉感的なお尻、それにこのたっぷりな胸。ああ、それにしっかり者っぽく見えるけど可愛らしいところとかファン多いと思うんだよなぁ?原作でも登場シーン数に比べて人気高いし」
「や、やめろよ♡ 恥ずかしい……♡」
「チャイナドレスがすんごい似合いそう」
「どういう評価だよ、それ……だからそれもそんなに苦しそうなのか?♡」
「一佳ちゃんが可愛すぎてね?」
「わ、私の……せい♡」
「……助けてくれない?」
「――夢なんだよな?」
「――もちろん、これは夢さ。さっきの先の世界……知りたくない?」
ここは夢の世界。
何時覚めるともわからぬ泡沫で、現実に戻れば消える夢幻の世界。
だからだろうか、一佳がそんな興味に天秤を傾けてしまったのは。
「…………♡♡♡♡」
拳藤みたいなタイプはみんなの前ではしっかり者だけど
二人の時は態度変わったりするのがいいんだ
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