※この作品はR-18です。

とある掲示板の日常 ~キモデブ達の下剋上~   作:大村千明

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7/8時点で13話「公園での交渉回」まで修正済み。
内容が少し変更されています。
読んでくれていた方には申し訳ありません。
読み直してもらえたら嬉しいです。

評価やコメントをくれた方々の期待に答えられるように矛盾しないように再調整頑張ります(;'∀')


※この回は心理・説明描写が多めです。読み飛ばしも可です。


公園での交渉回

 自己紹介を求める不用意な一郎の発言。それは一郎を煽るようにしていた掲示板の住人たちの責任でもある。撮影されながら自己紹介をするなどという行為は現役の中学生にしてみれば自殺行為に等しい。

 

 そのような要求をされて不快な気持ちにならない女の子など存在しないように思われる。未来の感情が怒りとなれば、この場がご破算になる公算は高い。悲しみであったり恐怖であっても同様である。仮に自己紹介を承諾したとしても口にするのは嘘になるだろう。

 

 未来が待ち合わせの女の子ではないと予想をしている住人たちの動揺は強い。本物の東都女子学院中学の学生であれば自己紹介どころか今までの行為を受け入れるわけがない。本物だと信じたい気持ちを否定されるのではないかと思ってしまう。

 

 反対に未来がパパ活女子であると考えている人間たちも緊張を強いられている。いつしか未来という存在に興味以上に魅せられてしまっている掲示板民。それを自覚しているか無自覚かでの差はあれど、心のどこかでただのコスプレパパ活女子だと理解したくないと思っていた。

 

 いずれにしても掲示板の住人たちが最も喜ぶべき答えを未来が口にする可能性はゼロに等しい。怒りや悪感情を持って当然の状況なのだから。であるのだが、月明かり以下の微かな希望の光だけしか残っていないはずなのに掲示板の様子を見れば、スレ民の誰もが諦めていないように思われた。

 

 そんな風な雰囲気を作り出したのは明らかにいままでの未来を見ているため。顔立ちや表情に振舞い、制服の着こなし方。一郎に対する恥じらいつつも躊躇いつつも真剣に答えてきた、そんなあまりにも掲示板民を魅了してきた未来の姿。それが掲示板の住人達に夢を見させてしまう。

 

 

 当の未来はというと、一郎や住人たちが考えるような怒りや悪感情をまったくもっていない。それというのも一郎の質問をきっかけに未来は真剣に考えなければいけない状況であると判断したからだ。

 

 勝手に盛り上がり、勝手に絶望し、勝手に希望に縋りついている掲示板民とは違い未来はこの場を切り抜けなければ不味いという強い危機感がある。しかも一郎を傷つけないまま切り抜けないといけないという強い使命感も同時に持っている。

 

 

 その二つを同時に達成するためには致命的に情報が足りない状況。それは当然で、待ち合わせの女の子ではない未来には、事前に行われていた約束がどのようなモノであるかを把握できていない。

 

 今までの経緯をみれば、撮影はするという内容だとはわかる。そして触ることも内容に入っているのだと理解もできる。ファーストキスを捧げてまでしたフェラチオは、その味と臭いを忘れられなくなりつつしてあげた。それでも自己紹介を求められてる現在。

 

 状況を整理して考えてみる未来。自己紹介に関しては一郎からはお願い的な形で言われているために約束に含まれていないと考えられる。下着の中にまで手を入れられそうになったのを、やんわりと止めてもらうこともできた。

 

 だから、この先の内容が未来の想像するような最悪なものであったとしても、お願いをすれば変えてくれるのではないかと思う。いままでの一郎が未来に対して見せた優しさや配慮を考えれば、なおさら可能性は高いように思えた。

 

 

 パパ活というものには幅があるように聞いている。デートだけのものもあれば、性行為を含めたものもある。いまの状況を考えれば未来が想定した最悪のケース…【性行為】までするという約束になっているのではと思う。

 

 仮にそうだとすれば、お口での奉仕まででなんとか止めてもらおうと思う。今目の前にいる中年男性との初体験…しかもこんなグロテスク男性器なんて想像するだけで生理的な嫌悪に鳥肌がたち恐怖に泣きたくなってしまう。罪悪感や同情心を一郎に対して強く持っているし、嫌いなわけではないけれど…

 

 

 今までは流されるように行為がエスカレートしてしまった。自己紹介を断ったとして代わりに性行為を求められた時のことを想像する。そのときに自分はどう反応するだろうかと考える。そうしたときに最初は断ろうとするけれど、何度もお願いされるうちに断り切れなくなる自分の姿が想像されてしまい驚愕する。

 

 普段の自分であれば撮影や触れられるような行為は絶対に受け入れていない。まして男性の男性器にファーストキスを捧げるなんて100%あり得ないと言い切れる。なのに、それらの行為を受け入れ、行ってしまっている。

 

 理由を考えてみれば、好奇心から待ち合わせの相手ではないと否定せずに曖昧な受け答えをしてしまったことが発端だと気づく。そして一郎の人柄を知ってしまったからだと理解する。優しい人を興味本位で弄ぶようになってしまった現状に、強い罪悪感と同情心がある。それを払拭できない以上は未来は一郎に要求されれば完全には拒めないと思う。

 

 

 そう考えると、求められないようにすることが唯一の正解に思える。一度でも抱いてしまった罪悪感と同情心を今すぐ消すことは難しい。求められてしまったが最後、断れないかもしれないのだから。そのために今された一郎の提案【自己紹介】というモノを上手に利用できないかとふと考えてしまった。

 

 一郎や掲示板の住人たちが心配するようなことは一切なく、ただただ自分の置かれた立場を確認して断るのではなく代替案を提案するための熟考のための無言。慣れない状況に足りない情報を補完するために長くなってしまった無言。この期に及んでも一郎を傷つけるような選択肢は未来の中には一切なかった。

 

 

 未来は考え続ける。頭の奥にある曖昧な記憶を掘り起こす様にした強い集中力。そうして思い出すのは自分にエッチなことをやたらと教えようとしてくるクラスメイトとの会話内容。別に自分には必要のない知識だと思ってはいたけど、まったく興味がなかったわけではないので覚えてはいる未来。

 

 男性の興奮を治めるのには射精へと導くのが一番いいらしい。らしいというのはクラスメイトが言っていたことで、確実な証拠は一切ないから。むしろ嘘が多いのではないかとすら思える。だけどそれ以外にいまは目の前の中年男性が満足しつつ、自分の身も守る方法を考え出すための知識はない。

 

 性的な知識も経験も乏しい未来なりに考えつくした末に、お口で満足させてあげ射精に導けたのなら性行為は行わないでもいいか?と伝えようと思う。当然それだけでは一郎にはメリットが何もない状態。だからもしも満足させられなかったなら自己紹介をして、その上で性行為を受け入れてあげようとも思う。

 

 

 初めから約束を受け入れてあげることが一郎にとっては一番いい形なのだと理解している。だから自己保身の感情と考えで条件を掲示しようとしているのだから自分も何かリスクを負う必要があると根が真面目な未来は考えてしまう。

 

 だから失敗したなら全てを受け入れようと心に決める。自己紹介で嘘をつくという方法は未来も当然おもいついた。だけどそれはいけないことだと思えてしまう。もしも自己紹介をすることになれば…嘘なく真実をもって答えようと心に決める未来。

 

未来が熟考し、そして覚悟を決めるための時間は一郎たちには非常に長く感じられた。あまりの長さに祈るような気持でいた一郎とスレ民の間にも絶望感が広がり始めていた。

 

 そんな時にうつむき加減であった未来が顔を上げる。そして一郎の顔を見つめるようにする。そうすれば自然とスマートフォンのカメラにも映り込んでいた。何か覚悟を秘めたような先ほどまでと違う未来の表情。それは一郎をドキッとさせる。そして、ついに未来が口を開く…

 

 

『あ、あの…』

 

『もしも…お口で… その… 満足…してもらえたら…』

 

『エッチは…しないでもいいですか?』

 

 

 そう緊張しながら切り出す未来。その内容は一郎や住人達からしたら絶望感に包まれるには十分なモノ。やはり一郎が余計な言葉を口にしたせいで、さすがの未来であっても承服できなかったのだと皆が思う。そして不快な感情をもった結果、フェラチオまでで終わりにしたいと言い出したのだと思われた。

 

 

『あ、あの…』

 

『本当に今更で…』

 

『ごめんなさい…』

 

 

 そう本当に申し訳なさそうに言われてしまえば、一郎からは何も言えなくなってしまう。今までも撮影をした時の驚く反応や、下着の中に手を入れようとした時の制止も思い出でば、未来が断るということも自然な事のように思える。

 

 今日の今までのことを思い返してみれば、未来のような超の付く美少女にフェラをしてもらえただけでも御の字だとも思う一郎。撮影もしっかりとさせてくれた。しかも東都女子学院中学の制服という掲示板の住人達に夢を与える服装で…

 

 だからフェラチオで終わることになってしまっても仕方ないことだと思う。一郎にも当然ではあるけど最後まで未来といたしたいという気持ちは強く残っている。断腸の思いとはこのことかと思いながら、諦めようとしたところ…未来の言葉はまだ続いていた。何かに気づいたのか、より動揺したような様子にもなる未来。

 

 

『こういうこと慣れてなくて…』

 

『上手じゃないのわかってるから…』

 

『オジサンのこと…』

 

『満足させてあげられないかも…』

 

 

 そう続けられた未来の言葉は一郎も掲示板民もすぐには意味を理解できなかった。フェラで射精させたらお終いということじゃないのか?嫌な気持ちになったのではないのか?そう思う一郎にスレ民。しかし何度みても未来の様子からは自信なさげで、本当に申し訳なく思っている様子が見て取れる。「まさか…」そんな言葉が一部の者たちの頭によぎる。

 

 

『満足させてあげられなかったら…』

 

『その…』

 

『自己紹介も…します…』

 

『…そ、それに…』

 

『未来と………』

 

 

 そこまで言われたことでやっと一郎は意味を理解する。自分が口にしてしまった自己紹介というあまりにもハードルが高い(身バレの危険性という意味でも羞恥心的な意味でも…)要望に交換条件を出してきたのだとわかる。

 

 理解してしまえば、一郎の脳が心が一物が沸騰しそうなくらいに興奮を覚えてしまう。一郎をフェラで射精させられなければ、自己紹介をしてくれると言っている。そしてそのあとで言いあぐねた先にある言葉は、エッチをしてもいいということなのだとわかる。

 

 わざわざ交換条件を出してきた…その意味するところも大きい。はぐらかすのならいくらでもはぐらかせたはずの状況。なのに交換条件をしっかりと提示してくれたということは、覚悟を決めてくれてるのだと思える。

 

 それ自体は間違っていないのだが、この男のポンコツな脳みそは拡大解釈をしてしまう。約束の履行…生で中出しまでOKだといってくれたのだとまで思いこんで興奮を高めてしまう。

 

 さらには、自己紹介も本当に自分の個人情報を口にしてくれると半ば勝手に思い込む。諦めの後に見せられた希望はあまりにも大きく、絶対に自己紹介をさせてこの子とエッチをしたいと心の底から思う一郎。

 

 

「たしかに自己紹介の約束はなかったもんね」

 

「うん…」

 

「仕方ないよね…」

 

「未来ちゃんがそういうなら…」

 

「それでもいいよ!」

 

 

 一郎からしたら未来の言っている内容は破格の好条件ともいえる。だというのにわざとらしくもったいぶったような態度をとる一郎。そんな一郎の態度は…凄く楽しみにしていたのだから本当は受け入れたくない内容だけど、でも受け入れてくれたのだと未来には見えてしまう。一郎のことを今でも優しい中年男性だと思いこんだままの未来。

 

 

『あ、ありがとうございます…』

 

『私のわがまま聞いてくれて…』

 

『オジサンはやっぱり優しいですね…』

 

『えへへ…頑張ってご奉仕しますね…』

 

 

 笑顔で一郎へと感謝の言葉を伝えると、あとは自分が頑張るだけだと思う。一郎のことを満足させてあげたいという気持ちは本物。お口で気持ちよくなって満足してもらえれば良いけれど、無理だったなら全てを受け入れようと尚更本気で思う未来。

 

 交換条件を思いついたときはいいアイデアだと思っていた未来。でも今はそうは思っていない。むしろ凄く分が悪い条件だったと今は思っている。

 

 熟考した中にかけていたピース。それは自分のフェラチオが非常に拙いというモノ。中年男性の大人である一郎を射精に導けるとはとても思えない。それは口を開いてしばらくして気づいたこと。でも自分で言い出したことなのだからと、どうなっても悔いが残らないように一生懸命にしてあげようと思っている。

 

 

 一方の一郎のほうは内心では冷や汗をかいている。この交渉をしているなかで、自己紹介と未来との成功を妄想するだけで射精をしそうになるほど一時は興奮した一郎。

 

 しかし少し落ち着いて考えれば、自他ともに認める早漏である自分が、本当に未来のフェラチオに耐えられるのかと思う。そう考えてみれば情けない話ではあるが耐えられる自信が一郎にはなかったのである。これは一郎にとっても部の悪い賭けであった。




未来が口を開くまでに「3059文字」
一話分か?という長さになってしまいました。
長すぎて本当にごめんなさい( ;∀;)
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