四楓院家、夜一の自室にて。とある事情により同じ隊に所属している四楓院夜一と仲良くなった。
そもそも、双護が二番隊への入隊を決めたのは夜一の前の四楓院家当主の計略による所が大きい。
初代剣八である卯ノ花と今は見る影も無いが、武力に優れた痣城家始まって以来の天才双盾の息子。
元柳斎や雀部が目をかけていることから余り関わりの無い隊長達の間でも双護の事は話題になっていた。霊術院時代の話を聞き、興味を持った四楓院家先代当主が「二番隊に入るか、四楓院家の婿養子になるか選べ」と迫った事で進退窮まり、入隊する事になる。
先代当主はわざと夜一と双護を同じ任務に就かせたり、極力同じ仕事をさせ共にいる時間が増えるように仕向けた。その結果、恋仲であると噂され始めるまでに至り先代当主は自身の計略がここまで上手くいくものなのかと戦慄した。
そんな先代当主の計略から始まった2人の関係だが、存外相性は悪くなかった。双護としては友人に奔放な京楽がいる為か、夜一の我儘にも付き合えており、夜一自身もそんな双護を気に入っていた。
今では2人で食事をする仲にはなった。
「しかし、1人の部屋にしてはかなり広いよね。なんか落ち着かないや」
「なんじゃ、儂の行きつけは行きたく無いって言うからこうして儂の部屋に入れたやっておるというのに……………………」
普段であれば双護がいきつけの店で食事をするのだが、今回は趣向を変えて夜一が店を決める事になった。
しかし、あまりにも貴族らしい雰囲気が苦手な双護に気を遣って比較的庶民的な店を紹介した夜一。
しかし、大貴族にとっての庶民的が一般市民のソレとは同じにはならない。夜一は想像していた以上の格式高さに尻込みしてしまった双護に呆れ自分の部屋で呑む事を提案したのだった。
「だって大貴族のいきつけの店って格式高いじゃん。そういう店で呑んでも酔えないし」
「まぁ確かにあの店は飯が美味いだけで酒は大した事ないからの」
そう言いながら召使いに用意させたつまみを食べる夜一。
「というか、僕をこんな簡単に部屋に入れてよかったの?」
「なーにを言っとるんじゃ、お主。まさかこの程度で酔いが回ったのか」
テーブルに置かれた数本の徳利を指さす夜一。幼馴染である浦原喜助は下戸で呑めない為、夜一のナの良い友人で一緒に楽しめる双護は夜一にとって貴重だった。
普段から大量に呑む訳では無いのだが、双護と呑む時は少しだけ気が緩み酒が進んでしまう。
最近では任務以外で一緒にいる時は普段より少しだけ心拍数が高くなっており、酔いが回りにくくなっているのが飲酒量の増加に起因している夜一。
「別にそうじゃないけど……………僕だって男だよ?」
部屋に2人っきりの男女、お互い酒のおかげか開放的な気分になっており、夜一の方は着崩れも合って普段よりも扇情的である。
何かを期待した訳では無いが部屋の周囲の霊圧を探り、誰もいない事を確認している双護。
「何じゃ、儂を襲いたいのか?お主なら構わんぞ」
悪戯っぽい笑みを浮かべ双護に身を寄せる夜一。
「ま、お主が儂を襲うなんて出来無いじゃろうけどな‼︎そんな度胸あれば儂も苦労せんわ」
「夜一」
「へ?」
肩を叩きながら大笑いする夜一。そんな夜一の言動に頭が来たのか、男らしくお猪口に注がれている酒を一気に煽り、口に含む双護。
間抜けな返事をする夜一の頬を両手で抑え顔を寄せる双護。
「ン〜〜ッ‼︎」
そしてそのまま口に含んでいた酒を口移しで夜一に呑ませる。逃げようにも双護に抑えられ頭を動かす事が出来ない。
何かを訴えるように双護の胸板を叩くが、びくともしない。
普段の訓練や任務では負けるつもりは無いし、負けていると思っていない夜一だが今この瞬間だけは勝てないと思った。
キスをするのが初めてでは無い。だがあまりに突然のことで夜一の理解は追いついていなかった。
嫌な気持ちは一切湧かず、寧ろ胸の奥底から湧き上がる感情は幸福感で満ちている。
「〜〜っぷは‼︎いきなり何をするんじゃお主は⁉︎」
「分かってて僕を部屋に入れたんでしょ?どうする?今なら止めてもいいけど」
「誰も止めろとは言っておらんじゃろうが」
一度目は無理矢理であったが、今度は夜一が酒を口移しする。双護の喉奥に酒を流し込み、そのまま快楽に突き動かされるように舌を絡める。
息継ぎをするように口を離した後、双護の口から溢れていた酒を舐め取る夜一。
「やられっぱなしというのは趣味じゃないからの」
「後悔してもしらないからね」
「初めてじゃから優しくしてくれ」
「ふふっ、りょーかい」
お互いの着物を脱がし合いながらその場に倒れ込む二人。一度火がついた導火線は簡単に消す事が出来ず、お互いを求める気持ちは触れれば触れるほど強くなる。
「あっ、あっ、良い………良いぞ双護‼︎もっと、もっとくれ‼︎」
四つん這いになり双護の肉槍を受け止める夜一。一回突かれる度に夜一に走る電流のような快感。その快感に耐えるのは今の夜一には無理だった。
体勢的に今の表情を見られる事はない夜一だが、乙女の端くれとして見られたい表情はしていないのは冷静でないながら理解できた。
「普段からこうなら可愛いのに」
「それは無礼じゃ…………ヒャウッッッ‼︎」
双護の普段通りの軽口に反論しようとすると双護が背中に唇を落としたのだ。
突かれながらで感じている快感とは別の快感。自分の中で何かが果てるのを感じる夜一。
「あー、ヤバい。出そ「そのままで良い‼︎」えっ、でも「お主はそのまま出してくれ、頼む」………うん、分かった」
双護も自身の限界を夜一に伝えるが、そのままで絞り出したような声で懇願する夜一。
このまま果てでしまえば一夜の過ちで済ます事が出来なくなるのは双護は分かっていた。
元々、一夜の過ちで済ませるつもりだった訳では無い。酒の力が無くてもいつかはこうなっていただろうというのは何となく分かっていた。
お互いマトモな判断が下せる状況では無いが、今胸の中にある感情に素直に従う決意をする双護。
「はぁはぁ…………………やってしまったな」
「やっちゃったね」
お互い肩で息をしながら抱き合っている。いつかはこうなるというのは夜一も双護もわかってはいたがここまで段階を飛ばす事になるとは全く考えていなかった。
お互いにしがらみがあるのは理解しているし、護廷隊士としての責務もある。2人にとって戦うべき相手は多いだろう。
しかし、今だけはこの幸福感に浸るのも悪くないと思えたのだった。
活動報告で次のシチュエーションやヒロインなど募集しますのでよかったらそこにお願いします