魂魄消失事件が起き、四楓院夜一、浦原喜助と握菱鉄斎そして八名の隊長格が姿を消して直後。
双護には逃亡した夜一達の捕縛若しくは処刑が命じられるが失敗した。夜一達との仲を知っていた四十六室は逃亡幇助として双護を裁判にかけた。
血の花嫁事件で卯ノ花家に恨みを持つ貴族や危険視していた四十六室によって証拠の捏造、無意味な尋問、嫌がらせが一ヶ月程続く。
当主であった夜一の失踪によって次の当主の選定でゴタついていたが夜一の弟である夕四郎が当主になり、双護の擁護を表明。それに連なって京楽家、護廷隊が連名で表明した事で四十六室と一部の貴族は渋々撤退した。
無実が証明され、隊長業務に復帰した双護だったが、明らかに様子がおかしかった。何かを振り払うかのように仕事にのめり込み、部下や同僚と歓談している時は心ここに在らずといったようで空虚な反応をし、まともな食事を取れていないのか見るからにやつれていた。
副官として、敬愛する隊長の悲惨な様子を見ていられなくなった砕蜂は動き出した。
「こんな休んでる場合じゃないでしょ。仕事、しないと…………」
敷かれた布団に押し込まれる双護。なんとか立ちあがろうとするが砕蜂に押さえつけられ身動きが取れなくなっていた。
「休んでください、私如きに抑えられる程弱っているのです。仕事なら暫く余裕がありますし緊急であれば代行します。だから、休んでください」
「夕四郎や春水だけじゃなくて、お爺ちゃん達にまで迷惑をかけたんだ。僕1人が休むわけには行かない‼︎喜助達が戻ってこれるように証拠も集めない…………と」
今の双護は周囲に迷惑をかけた罪悪感、浦原達を助けなければという強迫観念、夜一を失った喪失感を埋めようとする事だけが突き動かしている。
しかし、一ヶ月にも及ぶ嫌がらせや自分を追い込むかのような激務により身体が意識に追いつかなくなり始めていた。
それを危惧した烈はマユリにとある薬の制作を依頼した。完成したのは強力な鎮静薬、抵抗力の強い死神であろうと数分で眠らせるほどの劇薬である。
「なるほど、これが技術開発局の新薬か…………効き目は抜群だな」
普段であれば不可能であったが、今の弱り切った双護であれば砕蜂であっても投薬する事は簡単だった。
しかし、砕蜂は忘れていた。薬を作ったのは瀞霊廷で現状、最もイカれた男だ。そんな男がただの鎮静薬を作るだろうか。
「さて、私は仕事にもどっ……………」
双護が瞼を閉じたのを確認した砕蜂は部屋から出て業務に戻ろうとするがそれは叶わず、双護に腕を掴まれていた。
砕蜂は一瞬何が起こったのか理解出来ずに固まっていた。その隙を突くように体重の移動を利用した技術で気がつけば布団に押し倒されていた。
「フッー、フッー」
まともな目をしていなかった。まるで餌を前にした獣ような目をしていた。
砕蜂は双護を異性として慕っていた。初めて双護の部下となった時からこうした関係になる事を望んでいたのも事実。
しかし、敬愛する夜一と親密である事を知ってからその想いは誰にも告げる事なく胸の奥深くにしまいこんでいた。
「ふふっ、まるで獣ようですね。ええ、私の初めては貴方にと願っていました。このような形でも………………嬉しく思います」
その言葉がトリガーとなったのか、獣のようになった双護は砕蜂の死覇装を引き裂くように剥ぎ取る。
砕蜂はこの状況に感謝していた。当初は双護をここまで追い込んだ原因の一つである夜一に対して殺意に近い怒りを爆発させていたが、そのお陰で憧れだった双護が自分を求めているのだ。
たとえそれが薬によるものだとしても嬉しかった。目の前にはいきりたった双護の肉棒が砕蜂の秘部を貫こうとしている。
「フッー、フッー」
「出来れば…………私だけを見て欲しかった。こんな事を言ってしまえば貴方はどんな顔をするのでしょうか」
夢にまで見た相手との情事、嬉しく無い訳がない。しかし、双護の意識は何処か別の場所にあり、砕蜂に意識が向いていない。
ただ、目の前のメスを欲するままに突き動かされた獣となってしまっている。
理想の初めてとはいかなかったがこうして双護を迎える事ができるだけで砕蜂は満足だった。
「あっ、んっ、あっ‼︎」
己の欲望を満たすためだけの乱雑な腰の動き。破瓜の痛みは感じるがそれ以上に嬉しさと快感が勝っているのか、砕蜂にとって想定していたほどの痛みはなかった。
一突き、一突きが子宮の最奥へと届く。ドスッドスッと重量感がある突きからくる刺激によるものか、頭の中が真っ白になっていくようだった。
「出したい………………ですよね。ええ、私は貴方の全てを受け止めてみせます」
理想の行為では無く、薬でその気にさせてする行為は砕蜂自身最低な事だと分かっていた。
しかし、そうでもしなければ双護は自分を抱くことは無い。終わりが近づき、名残惜しくなったのか少しでも長く双護の体温を肌で感じていたくて砕蜂は双護の腰に足を絡ませ、両腕を背中に回ししがみつくようにして密着する。
絶頂が近づいてきたのか双護の腰の動きが加速し、肉棒は硬さと大きさを増す。
「イク、イク……………あぁっ‼︎」
双護が果てるのと同時か、砕蜂が果てるのが先だったか。砕蜂の中に流れ込む精液の熱さによるものなのか砕蜂は目頭が熱くなるのを感じた。
ずっとこうして求められるのを待っていた、自分を見ている訳では無いが嬉しかった筈なのだ。
なのに砕蜂は涙が溢れて止まらなかった。
「そ…………砕蜂ちゃん。これは………………」
意識を取り戻したのか双護が砕蜂に問いかける。しかし、気が付けば砕蜂を押し倒し挿入しており、砕蜂の股下からは溢れ出た精液と破瓜による血が滴れていた。そして当の砕蜂は涙を流している。
双護は一気に顔が青ざめた。自分を慕ってくれている部下を襲い、花を散らしてしまった。
「違います‼︎私が、私が…………した事なのです‼︎涅隊長の薬を打ってこうなったのです‼︎」
「でも、無理矢理なんて……………意識も失ってたなんて………………」
「良いんです。最近の双護殿は見ていられなかった。貴方が自分自身を取り戻せるなら私の身体程度、幾らでも使ってください」
「無理矢理したっていうのにそんな優しい言葉……………それに大事な身体でしょ。そんな言い方………………」
今にも泣き崩れそうになる双護。言葉も普段の覇気は全く感じられなくなっている。
繋がった状態から抜け出そうにも身体が今感じている快感を求めてしまっている。抜け出そうにも抜け出せない自分を呪いたくなった双護。
「貴方は何も悪くない、大丈夫。それに、このようにされても構わないと思える程貴方をお慕いしています。」
そんな双護の頭を抱き寄せ耳元で囁く砕蜂。優しく頭を撫でられ、凝り固まっていた何かが少しずつ溶け出すのを感じた。
「ごめんね、ごめんね砕蜂ちゃん」
「良いんです。ひとつだけ我儘なのですが、今度はちゃんと抱いていただけますか?」
一度、出し切った事で元に戻りつつある肉棒が徐々に硬さを取り戻していく。
「分かった。優しくするから」
先程の乱暴な突きなどでは無く、優しく、一突きごとに砕蜂が気持ちよくなるポイントやリズムを探る様に動いていた。
「あっ、あっ、んんん‼︎」
砕蜂にとっての1番のポイントを見つけたのか優しく攻める双護。
砕蜂が差し出した手を優しく握る双護。砕蜂はこれまでに無い幸福を感じていた。貪られるように求められた初体験とは違い、想い人が自分の為にしてくれている幸せ。握った手から伝わる熱が心地良く感じた。
「ごめん……………出そう」
「出してください、お願いします」
そう言って抜こうとする双護の腰に足を絡め拒否を示す。先程と同じように挿入されている肉棒が硬さを増し腰の動きが速くなる。
先程と違うのは双護は砕蜂に口付けをした事だろう。こうして行為に至れているだけで幸せで、優しくしてもらえているだけで満足であったのに口付けまでされてはもう戻れなくなるとさえ感じた砕蜂。
双護の首に手を回し、不器用ながらも吸い付くように舌を絡めていく砕蜂。
「んん、んんん、んんんんんんんん‼︎」
双護が絶頂を迎え、砕蜂も果てた。お互い激しい行為に疲れたのか意識が落ちていくのを感じながらも快感に浸るように抱き合う。
砕蜂は今までに無いほどの幸せを感じながら眠りにつくのだった。
別にセフレとかそういうのじゃ無いです。ただ色々傷ついた双護くんにとって温もりが必要という感じです。感覚的にはfate/ZEROの切嗣とまいやさんみたいな感じです。
これっきりか今後も続く関係かは神のみぞ知るというやつです。