「やっちゃーん。いろはも治ったことだし、昨日の権利を行使しに来たよー」
「あなた、激しいのは昨日いろはとういちゃんにしたんじゃないの?」
「……いや、さすがにあれは無しでしょ。まさか普通に一回抱いただけで失神しちゃうくらいよわよわにされちゃってるとは思いも寄らなかったよ」
「そんなに?」
「そうだよ。ういちゃん来なかったら、多分やっちゃんは今も気絶してるか犯されてるかのどっちかってレベルで満足できなかった」
「そ、そう」
自分の部屋にずかずかと入り込んで来た陽人の言葉に、レポート作成の手を止めてやちよは振り返った。
最後の言葉だけはおちゃらけた雰囲気もなく、それが本気の言葉なのだと七年間の付き合いでわかってしまう。
情欲に満ちた言葉に、そうならなくてよかったという気持ちと、もしも実現していたらどうなっていたのだろうという期待が入り混じり、そんな自分に嫌悪する。
七年の付き合いである程度わかってしまうというのは別にやちよの専売特許ではなく、逆が成り立つことだって何一つとして間違ったことではない。
「そうなんだよ。で、ういちゃんはまだ小さいからそんなに無理させるわけにもいかないし、まだ満足できてないんだよなぁ」
「子供を孕ませるのは無理じゃないのかしら」
「あっはっは。笑えない冗談だなぁやっちゃん。あの子だって魔法少女になったんだから、子供を産む体になるのは無茶なことじゃないよ」
魔法少女になるということは、願いを叶えるのと同時にまともな恋愛ができなくなることを受け入れるということ。
そもそも『第二次性徴前の多感な時期の少女』が魔法少女にされる以上、やちよのような超ベテランでもない限り、魔法少女は基本的に誰かと結婚できるような年齢ではない。
当然、肉体もまた子供を孕むような準備ができているはずもないのだが、そこは魔女の力。常識なんて通用しなかった。
「はぁ……」
「ひどいなぁ、人の顔見て溜め息吐くなんて。自分でいいって言ったのに、そんなに嫌なの?」
「どんなことでもするなんて言った覚えはないわよ」
「でも、激しい行為の方の相手をしてくれるって言ったのは事実だよ。実際、体の方は期待しちゃってるみたいだし。これがあれかな、嫌よ嫌よも好きのうちってやつ?」
やちよの体は七年間、魔法少女として戦う中で幾度の敗北と、その度に彼に抱かれることで復帰してきたという事実が蓄積されている。
どこが弱いのか、どんな行為が好きなのか、そんなことはきっと彼女以上に彼のほうが知っていることだろう。
そして彼が抱きたいと言った時、強引か合意の上かはともかくとして最後にはやちよの体が快楽に打ち震えることだけは共通していた。
「違うわよ。……女を、それも恋人を抱こうっていうなら、もう少しそれっぽい言葉くらい口にできないのかしら」
「ああ、そういう……ちょっと待ってね。なんかいい文章考えるから」
「ええ。私がついあなたに全部あげたくなっちゃうような言葉をお願いね」
だからきっと今回もそうなるだろうと思いながら、それでもほんのわずかに恋人らしい睦み合いを希望しての言葉。
こんな相手だとわかっていて離れられないのだからもうダメだなと思いながら、やちよは陽人の言葉を待つ。
「うん、よし。昨日のあれこれでまだやちよの影響を確認できてないから、そのあたりの確認、しよう!」
「0点よ。口説けって言ってるじゃない」
「でも、しないわけにはいかないだろ。やっちゃんは俺の女なんだから。これからもずっと、やっちゃんは俺のものなんだ。ちゃんとそういうことは確認しておかないとダメでしょ」
「……はぁ。これからもずっと私を手放すつもりがないっていうので61点あげるわ」
「わあい、赤点回避だ」
手招きされ、自らのベッドに座る男の元に近づくやちよ。
隣に座り、男との距離は肩が触れ合うほどに。次の瞬間、取り繕ったような視線が剥がれ、その内側にぎらぎらと輝く情欲一色の瞳がやちよを一身に撃ち抜く。
ぶるりと、その視線だけで軽く達したやちよは、体に走った快楽にほんのりと頬を染めながら、男を見上げた。
「それで……確認、だけでいいの?」
男に抱き寄せられ、耳元で囁くように。
「今日、講義も仕事もないの」
「明日は?」
「……聞かないとわからないかしら」
「いいや」
それが、始まりの合図だった。
七海やちよは、ベテランの魔法少女である。
戦う中で積み重なった陵辱に心折れる、あるいは年齢と共に実力が衰え戦えなくなってしまう魔法少女たちは、二、三年戦い続ければベテランと呼ぶにふさわしい戦歴を持つ。
ではやちよはどうなのかというと、魔法少女歴はなんと七年。現役で戦い続ける魔法少女としては破格の年数で、魔法少女の多い神浜でもきっとそう簡単に彼女を超える年月戦い続けている存在は見つからないだろう。
当然、受けた陵辱の数も他の魔法少女より多く、一般魔法少女が経験しないような辱めを経験したことだってある。
他の魔法少女の敗北の理由に、あるいは彼女が孕まされた使い魔が原因の可能性だってあるだろう。
そんな彼女の敗北遍歴の中には、今となっても消えることのない強烈なものだってあった。
「ほら、やっちゃん。確認させて、ね?」
「……わかってるわ」
これだってその一つ。やちよが羞恥と屈辱に頬を染めながらたくし上げたスカート。晒されたすらりとした美脚、男の視線が向かうのは彼女が見せつける、左の内腿の付け根。
そこにあるのは魔女が狙いをつけた証、魔女の口づけと呼ばれる通常の人間には見えない痕と同種の記号。正の文字が四つと、その四画目まで書かれたものが一つ。じくりと甘い疼きが彼女を襲い、溢れる愛液がその上をつうっと伝って床を汚す。
「ははっ、触ってもないのに濡らしてるんだ」
「そうなるようにしたのはあなたでしょう……っ」
「やっちゃんのへんたーい」
「〜〜〜っ! もういいでしょうっ」
「あっ……」
向けられるからかいに限界を迎えたのか、スカートから手が離され、重力に従って彼女の足が隠される。
その残滓として残るのはやちよの頬の紅潮と、足を伝ってカーペットを濡らす愛液のみ。
「いいって言うまではダメだよー、勝手に隠しちゃ」
「別に線は増えてないんだから問題ないはずよ」
「いや、増えてたよ」
「嘘でしょっ!?」
「うん、嘘。だけど、今から増やすんだから早いか遅いかの違いだよ。そこに刻まれてる孕んだ子供の数なんて」
かつてやちよが戦った魔女。その性質は自慢。
自分のコレクションを自慢する魔女で、捕えた魔法少女を母体として改造し、それを誇る。
蒼の魔法少女が受けた改造は、美しい足に刻まれた線。子供を一回産むたびに線は増え、五回目で正の文字となる、そんな侮蔑。
術式は今もなお消えず、けれどその線が増えるのは男の子を孕んだ時のみ。
正の文字が増えると初期化されもうすでに二度、初期化は済まされている。
きっと、今日もまた孕まされた後に初期化されるのだろう。それくらいの数描かれたということはやちよにだってわかっている。
「ちょ、ちょっと待ってっ。このままだと服、汚れ」
「やだ。脱ぐのなんて待ってられない。汚れるの嫌なら、魔法少女の服になって。……いろはもそうだったけど、みかづき荘の女の子は皆自分がとってもえっちな子だって自覚を持つべきだと思う」
「な、なにそ……んっ、くぅ……っ、はぁ……あ、ぁ」
押し倒したやちよにはいつものベテランの風格など微塵も見られず、ただの少女のようで。それでも男の手が伸びる中、青い光を宿して魔法少女の姿に変わった。
スカートから変化した、内腿に刻まれた紋様がギリギリで隠れるほどに鋭いスリットから手を滑り込ませ、くちゅくちゅと粘つくような音をその内側で立てる。
もじもじと足をすり合わせ、快楽をぎゅっと堪えるだけのその姿を見て、彼女が読者モデルとして知られる七海やちよだなんて信じる輩はいないだろう。よく似たAV女優だと思われるのが関の山。その程度には男に弄ばれる彼女の姿は淫靡だった。
「やっちゃん、こんなので大学ちゃんと通えてる?」
「え……? ぁ……」
「だって、ほら。見られただけでこんなにえっちになっちゃうなら、いろんなやつの視線がある外を歩くのは厳しいんじゃないかなーって」
「だ、だい、ぃっ……じょ、うぶぅっ……!」
「うん? そうなんだ……なら、こうなっちゃうのは俺だけなのかな?」
「な、なに、言っ……っ、激し……ぐちゅぐちゅ、やめっ
……んぅっ」
煽るのが得意だなぁと思いながら、ショーツの隙間から秘部を割り開くように指を侵入させる。
指を締め付け、これでは足りないと主張する膣内に、もどかしそうな表情のやちよは、けれど引っ掻くように膣壁を擦られて男の望むままに軽い絶頂を迎えてしまう。
「いろはもそうだけど、魔法少女の衣装って性的すぎない? 薄いし、露出が多くても少なくてもえっちだし。下手に見られたら多分性癖壊れちゃうよ。魔法少女相手じゃないとダメなくらいには。俺も、俺以外も調整役で話すると深い頷きが返ってくるから多分間違いないよ」
「知ら、ない……わよ……」
「うん、それはそうだ。それに、誰かの性癖が壊れても、やっちゃんもみかづき荘の子も俺のものだから誰かに渡すつもりはないから関係ないもんね」
「とうぜ、んっ、よ。こんな風にしたんだから、ちゃんと責任取り……っ」
「もちろん。今日もまた子供産んじゃおうねー。……これで何人目かな?」
息も絶え絶えなやちよの膣から指を引き抜くとき、同時にずらしただけのショーツも引っ掛けて下ろす。
隠れた秘部にぺたりと張り付いたドレス。それは青黒の衣装がより濃くなっていて、晒さずとも大洪水になって準備完了済みであることは明らかな状態。
「死んだ子も合わせれば、産んだのは七十四人だったはずよ」
「こうして聞くと、やっぱり魔法少女って母体としては異常なんだなぁ……まあ、それはそれとしてよく覚えてるね」
「……自分で産んだ子だもの」
「そっか。……まあ、それなら今日は記念すべき七十五人目なわけだ。さすがに使い魔も合わせると何人なのかわからないけど」
話の間に膨張しきった怒張は取り出されている。準備完了している秘部に押し当て、少し力を入れたかと思えば無遠慮に押し入ることもなく退き、その時を待つやちよを焦らしながら、表情を楽しむ。
同年代どころか一部年下の魔法少女よりも小さな、スレンダーという言葉で表される胸を服の上から嬲りながら、キュッと結ばれた唇に唇を当てる。
「にしても、やっぱりやっちゃんは胸ちっちゃいねー」
「……そんなに大きな胸がいいなら、みふゆにでも頼んだらどう? 多分あなたのお願いならいくらでも触らせてくれるわよ」
「別に、胸の大きさで差別なんかしないよ。俺の恋人は大中小バリエーション豊かだし。……それに、えいっ」
「ぅ……んぅっ!?」
そうして、少女の力みが消えた瞬間。男の剛直にて突かれ、やちよの体は跳ねるように全身でどうしようもないほどの絶頂を受け止めることになった。
「俺の恋人さんは、別に胸だけがえっちなわけじゃないしねー」
「ぁ、ぅ、ん、っ、ぐ、ぅ〜〜〜〜!!」
ぷしゃあ、と結合部から噴き出る蜜。魔法少女の正装ごとシーツを汚すそれは止まることを知らず、腰を打ち付ける音が響くと共に水たまりは広がり、男の欲望を受け止める膣内はぎゅうぎゅうと搾り取るように締め付ける。
その気になれば男の首の骨を折ることだって容易いはずのほっそりとした手は、ごつごつとした男性特有の手に手首ごと押さえつけらえ、逃れようと動くことすら許されない。
呻くような声をこぼしながらも男の抽挿は止まることなく、やちよが捧げるように、あるいは堪えるように絡ませようとする足は快楽で震えている。
「やめ、まっ……これ、以上……」
「いーや」
切って捨てて、膣口の最奥をえぐるように強引に突き込む。いろは相手であれば年上の威厳を保つ必要があったが、七年間、調整役としての始まりから共に過ごしたやちよ相手であれば、我慢する必要などどこにもない。
無意識の仕草か甘えるような形で抱きつくやちよに対し、獣欲を滾らせて幾度となく吐精しながら膣の中を抉るピストンを繰り返す。
開発されきった体はその度に極地に至り、あられもない喘ぎ声を堪えんとする魔法少女の口を割り開き、甘い悲鳴を轟かせようと責めたてる。
「ほおら、我慢なんてしなくていいんだ、よっ!」
「あ、や、まっ、ああああああっ」
ぎゅう、と都合十度目の吐精。そのタイミングで、やちよの我慢も限界を迎え、するりと開いてしまった口から絶頂を示す音が奏でられる。
多少の満足感と倦怠感を覚え、白濁で青の衣装を汚しながら接合部から肉棒を引き抜けば、乱れた服装から見えてしまっている左内腿の付け根で魔力の流れ。
すう、と五つ目の正の文字が完成する様を見届けて、視線は弄ばれて気絶してしまったやちよの顔に。
「うーん、気持ち良さそうな寝顔……まあ、昨日あんなこと言われて一晩悶々としてただろうし、しょうがないかな。でも、そうなるとどうすっかなぁ」
多少は満足したが、まだ性欲が満たされきったわけではない。眠っているやちよを無理やり陵辱というのも趣味ではなく、かといってこのままでは生殺しだ。
「うん、よし。みふゆ呼ぼう」
やちよが目覚めるまではみふゆを犯して、やちよが目覚めてからは二人を犯す。
昨日環姉妹に対して行ったようなパーティーを頭の中に思い描き、そのために陽人はスマホに手を伸ばすのだった。
やっちゃんの足ってとってもえっちだと思うんです。太ももに文字を刻むのもえっち。ならやらない理由がないよねって話だ。