※この作品はR-18です。

世界中の男がTS異種族幼女化して女がふたなり化した世界 ~大好きなお兄ちゃんが角折マゾ奴隷にさせられていたなんて~   作:中の人

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4 長女編(強制おねだり、窒息、イラマ)

 初のベッドの上でうつ伏せに寝かせられていた兄が、薄い幼尻を少しだけ突き上げて左右にふりふりと動かしている。その姿は一見してオスを誘う淫らなメスのように見えるが、それをやっている兄はよほど恥ずかしいのか顔を枕にうずめて隠してしまっている。

 

「うぅ……、ひぐっ……わ、私はういおねえちゃんのマゾ奴隷です……。雑魚メスの角を折ってくれて、あ、ありがとうござい、ます……。いつでもどこでも……ぐすっ……ハメハメオッケー、です……。おねえちゃんの、お、お、オチンポ様っで……、私のロリロリおマンコ……ずぽずぽしてください……。つよつよ精子で孕ませてください……」

 

 初に表情を見られないようにするためか兄はほんの少しだけ枕から顔を離して、可愛らしいお尻を振りながら心底嫌そうに、涙ぐみながらそう言った。お尻を振る兄の姿をその後ろから観察している初には確かに表情は見えないが、枕で隠しきれない耳が真っ赤に染まっているのを見て、羞恥と屈辱に震える兄の姿に興奮が高まった。

 

 当然だが、兄は自分から望んでこんなことをしているわけではない。誘うようにふりふりと尻を振る滑稽な仕草も、媚びるような無様な口上も、考えたのは全て初だ。兄の片角を折り、その痴態で高まった性欲を兄をオナホに見立てついでのように発散した初は、次に兄の心を辱めようとしたのだ。

 もちろん兄も最初は反抗した。無理矢理角を削られるのは最早どうしようもないが、兄の意思だけは腕力で自由にすることは出来ない。初から受けた性的蹂躙のダメージはまるで抜けきっていないが、それでも兄は気丈に初の要求を跳ね除けた。

 

 だがその選択は、今の初に対して一番やってはいけないことだった。

 初は気高い少女を辱めることに異様なまでの興奮を覚える特殊性癖持ちの異常者だ。

 弱点である角をゆっくり時間をかけて削られ、力任せに組み敷かれたメスガキがそれでもなお心折れずに反抗するなど、そんなのは初の大好物だ。

 最初から大人しく従順にしていれば、あるいはそこでこの凌辱は終わっていたかもしれない。しかし、兄は立ち向かってしまった。立ち上がってしまった。まさしく兄は、アニメの中のヒロインのように夢と希望に満ちた正義の人だった。そして、初は薄い本に登場する魔王だった。

 兄はわかっていなかった。この世界がもしもニチアサの世界だったなら、初の邪な心を救えていたかもしれない。何かこう特別な家族の絆なんかで丸く収まっていたかもしれない。しかしこの世界は、ニチアサか薄い本かの二択で言えば間違いなく薄い本の世界なのだ。

 

 無様な種乞いダンスとハメ穴奴隷宣言を要求された兄はその瞬間こそハッキリとそれを突っぱねたが、初が兄の頭を枕に押さえつけ、もう一本の角に金ノコギリの刃を当てるとそれだけでガクガクと腰を振るわせてピュッと小さく潮を噴いた。

 上下関係は一本目の角を削り折られた時点で兄の身体に明確に刻み付けられていた。ただ、自分が敗北アクメ大好きなマゾメスであることを身体に教え込まれたばかりの兄は、頭がそれに追いついていなかったのだ。

 

 一本目の時と同じように初がゆっくりコンコンと角を叩くと、そのたびにプシュッ、プシュッと潮を噴きながら腰が飛び跳ねた。枕に顔を押し付けられていたことで獣のようなクッソ無様な喘ぎ声は響かなかったが、代わりにくぐもった鳴き声が初の鼓膜をくすぐった。

 頭を抑えつけていた手の力を緩め、角を握って顔を持ち上げた初が見た兄の顔は、勇気を振り絞って巨悪に立ち向かうヒロインのそれではなかった。快楽に頬を上気させ、甘い絶頂を迎えたことでトロトロにふやけた表情。それでいて瞳の奥にはふたたび角を削られることへの恐怖があり、端的に言えば敗北者だった。

 

 そうして完全に心を折られてしまった兄に対して、初は一つ提案をした。それは、先ほどのお願いを聞いてくれるならもう一本の角は折らないであげるというものだった。

 初が本当にその約束を守る気があるのか兄にはわからなかった。しかしそれでも、もう角を削られないという魅力には抗えなかった。あの暴力的な快楽を次に味わえば自分がどうなるかわからない。あんなもの、二度と耐えられる気がしなかった。

 だから兄は、初の言うがままに尻を振り奴隷宣言をした。それで例え犯されることになったとしても、角を折られるよりは遥かにマシだと思って。

 

「ぷっ、ふふ、恥ずかしくないんですか、兄さん」

「っ――、は、恥ずかしいマゾガキでごめんなさい……! バカでエッチなマゾメスに、お仕置き、してください……!」

 

 思わずと言った様子で失笑する初に、兄はあらかじめ言い含められていたセリフで答える。

 恥ずかしいに決まっていた。それでも角を折られないためにと耐えた。

 

「兄さんがそこまで言うなら使ってあげますよ。ほら、いつまでお尻振ってるんですかっ!」

「ひぃっ♥!?」

 

 言われたとおりに振っていた兄のお尻を初が理不尽に叩くと、兄は痛みに対する反射的な悲鳴をあげたがその声音はどこか気持ちよさそうでもあった。そのことを敏感に感じ取った初はスパンキングで兄を責めようかと一瞬考えたが、内心で首を横に振る。自分でやらせておいてなんだが、兄の可愛らしいハメ乞いダンスはチンコにきていた。我慢の限界を迎えた初は兄の背後からのしかかるように、バキバキに勃起した剛直をその秘裂に突き入れた。

 

「――♥! ん~~っ♥!」

「何言ってるのかわかりませんよ、兄さん」

 

 浅い幼穴の一番奥を容赦なくノックするのと同時に、初は兄の頭を再び枕に押し付ける。そのまま腰を引きまた叩きつける。

 普通なら兄の小さな身体に初の巨根が全て収まるはずはない。しかし現実として、兄のぐずぐずに蕩けたロリマンコは初の化け物染みた男性器を全て呑み込んでいた。その極太チンポが根本まで突き入れられるたびに、兄の子宮は強引に押し上げられてお腹がボコりと膨らむ。

 そんなことをされればとんでもない痛みが伴うはずなのだが、初に屈服しオナホと化した兄の身体はその痛みすら快感に変換し強烈なアクメをキメていた。

 

「んもっ♥ むぅぅ~~♥! んむーー♥!」

「ほんっと、何回使っても最高です♥ あー♥ 射精ます♥ このマゾオナホ♥! 孕め♥! 私の赤ちゃん産みなさい♥!」

 

 兄の頭を押さえたまま亀頭をぐりぐりと子宮口に押し付け、成人男性の十回分すら優に上回るほど大量のドロドロ特濃精液を放出した。

 

 TS娘は本当に都合が良く、まるで最初からふたなりの性奴隷になることが決定づけれたような種族だ。その証拠に、大量射精を子宮口に受けた兄は先ほどまでじたばたと暴れさせていた足をピンと伸ばして中出しアクメをキメている。

 そもそもが大した前戯をせずともあっという間にまたぐらを濡らし、挿入されればそれだけで軽く果て、一切調教を受けていない子宮口ですらアクメをキメる始末。

 しかも一度屈服させられた相手には逆らえず、普段は性欲なんてほとんどないくせにその相手にだけは幼女とは思えないほどメス臭いフェロモンをまき散らす。

 さらにこれはまだ時間が足りずにほとんどの人間が知らないことだが、TS娘には通常の生理というものが存在しない。四姉妹たちは兄に生理が来ていないことからまだ子供を作ることは出来ないと思っているが、それは大きな間違いだ。TS娘は屈服させられた相手に子作りを強要された時か、もしくは自分がこのふたなりの子供なら産んでも良いと心から思ったその時に排卵するのだ。

 

 こんなものを放っておいたらいずれ他のふたなりにレイプされ奴隷にされるのは確定的に明らかだった。

 

「ほら、兄さんの中で汚れちゃいました。綺麗にしてください」

「あぁ……♥ へぁ……♥?」

 

 ようやく頭を押さえつけていた初の腕から解放された兄は窒息寸前で意識が朦朧としており、初が何を言っているのかまるで理解出来なかった。

 そんな兄の様子に焦れた初は、残った角を掴み力づくで強引に兄の上半身を起き上がらせる。

 

「お゛っ♥ 起きる♥ 起きるから乱暴にしないで♥」

「兄さんがちゃんと綺麗に出来たら考えてあげますね」

「き、綺麗にって……、まさかこれを……♥? うっ、臭い……♥」

 

 目の前に突き付けられた初のオチンチンは射精後の半勃起状態でもすでに兄の顔よりも大きかった。しかも、精液と兄自身の愛液が混じりあったからなのか、鼻につく異臭を放っている。少し距離を置いて匂いを嗅いでいるだけでも頭がクラクラするほど強烈な悪臭だ。

 こんなもの舐められるはずがない。兄はそう口に出したかったが、立ち上がって角を握りながら自分を見下ろす初の威圧感がそれを許さない。初から催促の言葉はなかったが、徐々に角を握る手に力が込められているのを感じ取った兄には、最初から選択肢などなかった。

 

 本当なら絶対に、絶対に嫌に決まっているが、やらなければ角を折られるという恐怖に負けて、兄はゆっくりとグロテスクでくっさいチンポへ舌を近づける。

 

「ちょっと待って下さい」

「え?」

 

 舌先がオチンポに触れるか触れないかというギリギリのところで初からの制止がかかり、咄嗟に兄は顔を引っ込めた。もしかしたらやっぱりやらなくても良いのかと少しだけ期待を抱いて。もちろん、そんなわけはないのだが。

 

「舐める前に先っぽにキスしてください♥」

「な、なんでそんなこと……、お゛ぅ゛♥ わか、わかりましたからぁ♥」

 

 反抗したくても、疑問を抱いても、角を強く握られるだけで兄の心はあっさりと屈服してしまう。強要されたわけでもないのに無意識に敬語を使ってしまっていることからも、兄がどれだけ初に対して服従しているのかがわかる。

 

「う、うぅぅ……♥」

 

 舐めるのもキスするのも大して違いはないかもしれないが、あえてオチンポにキスをしろと言われ意識させられたことで、兄は何だか普通に舐めて綺麗にする以上に恥ずかしい行為をさせられているような気がしていた。しかも兄に異性経験はなく、これはいわゆるファーストキスにあたる。夢見る乙女じゃあるまいし、兄がファーストキスという行為に強い思い入れを持っていたわけではないが、それでもこれはあんまりだという気持ちもあった。

 

「ん、ん~~♥」

 

 ギュッと目を閉じて唇を突き出し少しずつチンポの先端に迫っていく兄の姿はひどく滑稽だった。その向かう先にあるものが精液に塗れ我慢汁をだらだらと流すグロテスクな肉棒でさえなければ、とても愛くるしく映ることだろう。

 

 ちゅっ♥ っと唇と亀頭の先端が優しく衝突。

 すると、甘勃起状態だったそれが見る間に凶暴な本性を露わにした。

 最低なファーストキスの感触に思わず目を開いてしまった兄は、TS前の自分のものを遥かに上回るその威容に気圧されて何も言うことができない。

 

「……れろ♥ ちゅぱ♥ ちゅ♥ ん♥」

 

 何を言われるでもなく、角を強く握られるまでもなく、兄は自主的にその汚物を舐め始めた。雄としての圧倒的な差を見せつけられたことで、無意識的に敗北を認めてしまったのだ。そして、どうせ抵抗しても無駄だと諦めてしまった。

 大人しく従っている内はそれ以上ヒドイことはされないはずだと自分に言い聞かせ、心を殺して一心不乱に奉仕する。

 

「はあ、全然駄目です兄さん。そんなんじゃいつまで経っても終わりませんよ」

「え……?」

 

 奉仕が始まってからしばらくの間沈黙を保っていた初が、呆れたような声で兄の頭に右手を添えた。左手はずっと角を握っていたため、両手で兄の頭を持っているような状態だ。

 兄は投げかけられた言葉と添えられた手から不穏なものを感じ取って思わず呆けてしまった。間抜けにポカンと開かれたマゾメスの口内に、勢いよく初のチンポがねじ込まれた。

 

「噛むな!」

「っ♥!? ん゛ぼぉ゛♥」

 

 一度屈服させられたふたなりの命令に、TS娘は逆らうことが出来ない。

 突然喉奥に挿入されたそれを兄は反射的に噛み千切りそうになったが、初の命令を受けて顎に力が入らなくなった。もっとも、仮に命令がなく歯を立てたとしてそれを噛み切れるかはわからないが。

 

 枕に押し付けられるゆるやかな窒息と比べ、喉奥に初のつよつよチンポをぶち込まれるのは大きな苦痛を伴うものだった。兄は初の命令を遵守して歯を立てることこそなかったが、目に涙を浮かべながら小さな幼舌で懸命にそれを押し返そうとした。だがそんなものは初の悪辣オチンポにちょっとした快感のアクセントを与えるのみ。

 同時に、兄は自身の目の前にある腰を非力な両腕で必死に遠ざけようとするが、逆に離れないように初に頭を押さえつけられているため何の意味もない抵抗だった。

 

 兄のささやかな抵抗は苦しみを和らげるどころか、初に生意気だと判断されてより強烈な苦痛を呼び込むこととなる。

 初は押さえつけた兄の角と頭に力を込めてその場に固定し、あろうことか腰を振り始めたのだ。

 

「ごえ゛っ゛♥ ん゛ぎゅぅ゛♥ ぼえ゛ぇ゛♥」

「おっほ♥ やっべ♥ TSロリの口マンコ具合良すぎです♥! こんなのすぐに射精ちゃいます♥ 一滴も漏らしちゃ駄目ですよ兄さん♥! 零したらお仕置きです♥ イク♥ イクイク♥! 射精る♥!!」

 

 ほんの十数回腰を振ったのち、スパートをかけるように初の腰の動きが加速し始め、最後は思いきり奥まで突き込んで喉奥に直接精液を流し込む。

 

「あぁ~♥ さいこうです♥ 兄さんはさいこうのロリオナホです……♥」

「お゛げぇ゛♥ う゛ぉ゛え゛♥ げぇ゛ぇ゛♥」

 

 最後の一滴まで尿を切るかのように、気持ちよさそうにぶるぶると身体を揺らした初が満足そうに兄の小さな喉から大きなチンコを引き抜いた。当初の目的通り、それに付着していた精液や愛液はキレイになくなっているようだが、今度は兄の唾液でぬらぬらと厭らしい光沢をまとっている。

 

 一方で何の心構えもなく喉奥を蹂躙された兄は、流し込まれた精液を全て飲み込むことが出来ずその一部をベッド上に零してしまっていた。

 

「はぁーっ♥! はぁーっ♥! げほっ♥ ごほっ♥!」

 

 初の言いつけを守ることが出来なかったことで兄はお仕置きされることとなるのだが、今の兄にはそれに気づく余裕もなかった。マゾロリ鬼娘である兄は強制イラマでも当然のようにアクメをキメていたが、それと死にそうになったこととは話が別だ。今回の責めは本当に死んでしまうのではないかと思うほど、拷問と言っても過言ではないほどに苛烈だった。

 

 このままでは死んでしまう。大人しく言うことを聞いてれば良いなんて、そんな悠長なことを言っていられない。兄は本気でそう恐怖した。なんとか隙をついて逃げ出さなければ実の妹に殺される。それも性的な玩具のように扱われて、人としての尊厳もなく。

 

 もしもあと少しだけ早くその決意が出来ていれば、もしかしたら逃げ出す機会はあったのかもしれない。しかし、兄のその決断は少しだけ遅かった。

 

「今日は凄く良い日でした。長年の夢が叶いました」

 

 唐突に、初が晴れやかな顔で、満足しきったような声音で喋り出した。

 そもそも兄はどうして初がこんな暴挙に及んだのか全くわかっていない。ハッキリ言うと、大災害の影響で頭が狂ってしまったのかと疑いもした。

 ただ、今の初はさっきまでとは何かが違っていた。何もかもやりきったというような。これで全てが終わってしまっても良いというような、そんな雰囲気があった。

 

「これ以上は和たちが帰ってくるまでに後片付けも間に合わなそうですし」

 

 初の口ぶりから、ようやく終わったんだと兄は安堵した。

 これまでと同じ生活に戻ることはきっと難しい。

 この後に色々とやらなければいけないこともあるだろう。

 ただ、今だけはこの地獄が終わったことに安心していた。

 

 だから、逃げ出さなければと思ったばかりだったはずのに気を抜いてしまった。

 

「それじゃあ最後のお仕置きをしましょうか」

「え――いぎゃあ゛ぁ゛ぁ゛♥ ぎい゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛♥ あ゛ぎっ♥! ひぎぃ゛ぃ゛♥!」

 

 初は無造作に、まるで何でもないことのように、最後まではなすことのなかった片角を握力に任せた無理矢理へし折った。

 

 

 

・

 

 

 

 断末魔のような喘ぎ声を上げながら、時には潮を、時には小水を吹き散らし、痙攣と絶頂を数分近く繰り返した後、兄は眠るように気絶した。

 初はそんな兄の痴態を楽しそうに眺めながら動画に記録し、兄が意識を失ってから後片付けに取り掛かった。

 一通りの後始末が終わった後、兄の額に残る角の断面が少々不格好なことに気づいた初は紙やすりでその形を整えてやることにした。当然、作業中兄は何度も絶頂を迎え折角着替えさせた下着やTシャツを濡らすこととなったが、これはそのことを予測できなかった初の落ち度。作業が終わってから再度兄を着替えさせ、後始末が完全に完了した。

 

 そうして現在、時刻は午後三時を回ったころ。あと二、三時間もすれば次女の和が帰ってくる。

 それまでに兄が目覚めるか、仮に目覚めたとして記憶はどうなっているか。

 その結果によって初の人生は大きく変わることになる。

 

 初が鬼幼女の弟を持つ友人から手に入れた情報は、鬼の角が性感帯であるということ。

 だが、もしも教えられた情報がそれだけだったのなら初とてこんなことはしなかった。いくら初がその身の内に鬼畜の本性を宿していたとしても、それだけなら兄を襲うことはなかった。

 

 初が今回の計画を実行することを決めたのは、友人から教えられたもう一つの情報があったからだった。それは鬼の角を折るとどうなるのかという結果。

 

 一本折られただけなら致命的な影響はない。

 その精神に角を折られた相手への永遠の服従が刻まれるだろう。

 角を失ったショックから一時的に精神が幼くなることはあるだろう。

 それでも、その精神性や記憶、人格が失われるわけではない。

 

 だが二本、鬼の持つ二本の角が両方とも折られた場合、その鬼は知性をなくす。

 角は鬼という存在の象徴。それを完全に失った時、一つの人格にとって重大な何かが失われるのは当然といえば当然のこと。

 

「んみゅ……、ういおねえちゃん……?」

 

 穏やかに寝息をたてていた兄が目を覚まし、近くで見守っていた初に声を掛けた。

 その声音には己の眠りを見守っていることへの疑問が含まれていたが、怒りや恐怖といった負の感情は内包されていなかった。

 あれほどの非道を受けて、怒ることも恨むことも、それどころか怖がることすらしないなど本来ならばありえない。そう、その記憶がなくなってでもいない限りは。

 

 初が友人から聞いた通りの症状だった。

 

 角を全て失った鬼は、知能が幼児レベルまで下がり記憶のほとんどが失われる。

 しかし全てを忘れているわけではなく、長く積み上げられた常識や人物のことは中途半端に覚えていて、矛盾が生じないように自然な形で再構成される。

 

 つまり今の兄は、これまで男として生きて来た記憶や経験、そしてつい先ほど行われた極悪非道の凌辱すらも忘却し、自身のことを四姉妹の妹として認識しているのだ。

 

 初は賭けに勝った。

 自分の欲望の赴くままに兄を蹂躙し、その上で幼児化した兄に愛すべき家族として認識されている。

 

「ういおねえちゃん、おやつたべたい」

「そうですね、ちょうど私も食べたいと思ってたんです。一緒に行きましょうか」

 

 ぐしぐしと眠たそうに眼をこする兄の手を引きながら、初は人畜無害そうな優しい微笑みを浮かべていた。

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