「なぁ、めぐる」
「――え? なぁに?」
「めぐるってさ、真乃ちゃんとか灯織ちゃんと知り合いなんだよな?」
「……? それはそうだよ、わたしたち、ユニットだもん。なんでそんなこと聞くの?」
「いや、改めて考えると、芸能人と知り合いってすごいなって思ってさ。あの子たちと、普段どんなこと話してるの?」
「えー、別に普通だよ?」
少し首を傾げてから、「めぐる」は僕の質問に答え始めた。櫻木真乃ちゃんと公園で日向ぼっこした話とか、風野灯織ちゃんと料理をした話とか――別世界の人間であるかのように思っていた彼女たちの生の姿について、めぐるは僕に教えてくれた。
「灯織はね、初対面の人には誤解されやすいけど、すっっっごく可愛いんだから。真乃もね、可愛いの。え~っと……どう言ったらいいのかわかんないけど、ふわふわしてて、ほわほわしてて、とにかく可愛いんだよ!」
めぐるがユニットメンバーの二人のことを本当に好きだということが、彼女の熱っぽい話しかたから伝わってくる。
「この間もね、灯織が雑誌の占いを読んでて――」
「へぇ、そうなんだ。で? めぐるはそれでどうしたの? ――ははっ、そうなの? それは確かに笑えるなぁ」
「でしょ? そうでしょ? でね――」
僕は基本、めぐるの話の聞き役に回り、彼女が楽しくおしゃべりできるように、柔らかい笑顔を浮かべて興味深そうに相槌を打っていた。
僕もめぐるも、さっきまでこの部屋でセックスをしていた。僕はトランクスとシャツのラフ過ぎる格好で、めぐるはバスタオルだけを身体に巻いて、シャワーのあとの濡れた髪と火照った肌を僕の目に晒していた。
こんな状況下なのに、めぐるはまるで、学校で友達と会話するように僕と話している。彼女とセックス以外のコミュニケーションも取るように心がけて、さり気なく距離を詰めてきた甲斐があった。
「めぐる、今日はゆっくりできるんだよな?」
「あ……うん……今日も、明日もオフにしてもらったから……」
「じゃあ、まだ何回かセックスできるね」
「うん……」
普通の会話の流れの中に、セフレとしての会話が混じる。めぐるもその異常性を感じているだろうけれど、深く考えて罪悪感や自己嫌悪に圧し潰されるよりは、僕に騙され誤魔化されることを無意識に選んでいるのかもしれない。
金曜日の夕方、めぐるの予定は明日も空いている。彼女は既に、家にはレッスンで遅くなると連絡を入れていて、鞄には替えの下着なんかもバッチリ持ってきている。この状況を一言で表せば、めぐるも引き返せないくらい「のめり込んで」きたって感じだろうか。
「ほらめぐる、そろそろもう一発ヤろう。バスタオル取って」
「う、うん」
僕は手早くシャツとトランクスを脱ぎ捨てる。めぐるもカーペットの上に立つと、バスタオルの結び目を解く。はらりと落ちたタオルの下から、出るとこは出て引き締まるとこは引き締まった奇跡のような女体が現れた。
僕は、全裸の同級生アイドルと、こちらも全裸で立って向かい合う。これから彼女とセックスするために。僕のチンポを彼女のマンコにハメて、腰をピストンして気持ち良く射精するために。
この世の中に、どれだけ僕より頭や性格が良くて、金や力があって、家柄とか才能とか容姿に恵まれた人間がいるのか知らない。あらゆる意味で、僕より優れた男なんか山ほどいるだろう。でも僕は、そんなヤツらよりも自分が「上」にいるってことを断言できる。なぜなら僕は、八宮めぐるを自分のセフレにしているからだ。
僕のチンポは、めぐるの前で、自分でもびっくりするくらい雄々しくそそり立っている。冗談抜きで、優越感だけで射精できそうな気分だった。
「どうしたの?」
めぐるは不審そうな表情で、急に黙り込んだ僕を見た。
「いや、なんでも――それより、めぐるのカラダってマジでエロいよなぁ。見ろよ、もうチンポギンギンになってるだろ?」
「は、恥ずかしいよ……」
「今さらじゃない? もう散々セックスしたんだしさ。ほら、キスするぞ」
「――ンっ♡」
多少僕に馴れ馴れしい話し方をされても、くびれた腰を僕にぐいっと引き寄せられて唇を塞がれても、めぐるは受け入れてしまう。彼女の本来的な人懐っこさに付け込んで、僕は僕という存在を、どんどんとめぐるのパーソナルスペースに侵略させていた。
「ン……♡ んはぁ……っ♡ ちゅ……♡」
スキンシップの盛んな欧米人でも、深い仲の恋人同士しかしないような、ねっとりとしたキス。しかも僕らは二人とも全裸だ。粘っこいカウパーを垂らす僕の勃起チンポは、めぐるのヘソに押し付けられている。
「んっ――アっ♡♡」
めぐるのお尻をガシっと掴むと、キスの隙間から彼女の悩ましい声が漏れる。重力に逆らってきゅっと上がったヒップは、おっぱいとはまた違う揉みごたえがあった。運動で筋肉がついているせいだけじゃなく、ハーフのめぐるは骨盤の位置からして僕のような純粋日本人とは違う感じだ。
「ふぅ……」
「はぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡」
僕が唇を離すと、二人の口のあいだに粘液の橋がかかる。めぐるは口を半開きにして、荒い息を吐いていた。
「……はは、キスされてお尻揉まれただけで、すっかり出来上がってるじゃん」
「だ、だって……だってぇ……」
「だって? 何? 言ってみな」
「これからまた、いっぱい気持ち良くされるんだって思ったら、カラダが勝手にぃ――あっ♡ んんぅ♡ お尻♡ そんな強く揉んじゃダメぇ♡ 痕が付いちゃうよぉ♡」
「へ~、めぐるのイヤらしいカラダは、僕のチンポに気持ち良くされちゃったことを、ちゃーんと覚えてるんだな。お利口さんじゃん」
「あっ♡ んんーっ♡♡」
ぐにぐにとお尻の肉を揉みしだくと、僕の両肩に手を置いためぐるは、少しつま先立ちになって、プルプルと震えた。
それにしても、僕は以前から、こんな風に女子を言葉で追い詰めるような人間だっただろうか。でも、めぐると関係を持ってから、かつて自分が逸脱しないように気を付けていた常識とか倫理観とかが、紙のように脆いものだったって僕は気付いた。めぐるを僕のセフレに留めておくことが、今の僕にとっての最優先事項だ。そのためなら、多少の法やルールは破ったって仕方ない。――つまり、この関係によって変わっているのは、めぐるだけじゃないってことだ。
「あー……だけどこれ、マジでハマっちゃうな……。めぐるのお尻揉んでるだけで、一日過ごせそう……」
「はぁ……っ♡ はぁ……っ♡ はぁ……っ♡ ええ……? そんなの、ヘンだよぉ……♡ も、もうやめよ……? あ……っ♡」
「う~ん、でも、めぐるもお尻で感じてるっぽいじゃん?」
「え~……? そんなのより、おチンチン入れたほうが、君も気持ちイイでしょ……?」
「――ははっ」
「……? なぁに……? どうして笑うの……?」
「ああいや、別に。そうだな、そろそろチンポ入れよっか」
「うん……♡♡」
めぐるは順調に墜ちている。さっきの僕の笑いは、それを確認して嬉しくなったからだ。僕はめぐるに頼んで、彼女の手で僕のペニスにコンドームをはめてもらった。仁王立ちする僕の前に跪き、するするっと、かなり慣れた手つきで肉棒にゴムをかぶせていくめぐるを見下ろしていると、自然と口元がニヤついてしまう。
「はい、できたよ」
「ありがとう、めぐる」
「えへへっ、どういたしましてー」
ああ、今のめぐるの笑顔を撮って、彼女の「プロデューサー」に送り付けてやりたい。「お宅の大切なアイドルは、もうそろそろ手遅れですよ?」ってメッセージを付けて。いや、「あなたの恋人は、僕のチンポにメロメロみたいです」とかでもいいかな。
「じゃあ、次はどんなカッコでしよっか? めぐるが決めていいよ」
「あ……なら、前からがいいかな……」
「あれ? バック嫌い?」
「ううん……えっと、後ろからだと、良く分かんないくらいたくさんイッちゃうから……」
めぐるは、まだ恥じらいの残る表情で、赤くなってうつむいた。
めぐるから断片的に聞き取った話によれば、別に「プロデューサー」のチンポが僕と比べて特に粗末だってことはないらしいけど、とにかく彼女のマンコと僕のチンポの相性が、ぶっ飛ぶくらい良すぎるらしい。
僕はニマつきを抑えて真剣な表情になると、めぐるの肩を掴みキスをして、舌で唇をこじ開けた。
「ちゅ……♡ はむ……♡ ちゅる……♡ ちゅぱ……♡ ――はぁ……♡」
「それじゃあ、正面からハメてあげる。わけわかんなくならないように、できるだけゆっくりセックスしよっか。――おいで、めぐる」
「………………はい♡」
めぐるはしおらしく頷くと、ベッドに腰掛けた僕の上に、正面から乗ってきた。めぐるのバレーボールみたいな、高校生としては規格外のバストが、僕の視界いっぱいに広がる。
「めぐるのタイミングで挿れていいよ」
「うん、わかった…………んっ」
「チンポの位置、わかる?」
「わかる……よ…………――アっ♡ んぅう……っ♡ ……ハァ…………っ♡♡」
「……入っちゃったね」
「……うん、入っちゃった…………♡」
一つに繋がると、僕らはしばらくお互いの瞳をじっと見つめ合った。めぐるの瞳は、相変わらずアクアマリンの宝石のようにキラキラ輝いていた。
「――……ン」
しばらくすると、めぐるは唇を少しすぼめ、僕のほうに差し出した。グラビアの撮影用とかじゃない、本物のキス顔だ。僕は心の中で、また「プロデューサー」さんへのメッセージを思い浮かべつつ、アイドル八宮めぐるの唇を自分だけのものにした。
「はぁ……♡ ん……♡ ちゅ……♡ ――あっ♡ ああっ♡ はぁん……♡」
「めぐる、このくらいのペースでいい?」
めぐるのリクエストに応えて、僕はできるだけゆっくり、ゆらゆらと腰を揺らす。さらに、合間合間に彼女の感想を聞いて、速度を調節していく。
「うん……♡ うん……っ♡ ちょうど、だよ……っ♡ ――ふぁっ♡」
めぐるは僕の両肩に手を置いて、彼女自身でも腰を揺らしている。僕主導でセックスすると、どうしても激しくピストンしたくなるから、この形のほうが、めぐるが存分に快感を味わうのに適しているのかもしれない。
「あ……っ♡ あ……っ♡ ああ……っ♡ いい……っ♡」
「気持ち良くなってくれてるみたいだね、めぐる」
「うん……っ♡ なんか、じわ~って、あったかいのがお腹のなかに広がってくみたい…………――あっ、ああっ、あああっ♡♡」
「なんか、腰の動きが早くなってきてるけど?」
「――あっ♡ あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡ ご、ごめんなさいっ♡ だけどっ、なんか、なんかっ、ガマンできなくって、――あっ♡ んっ♡んっ♡んっ♡んっ♡んっ♡」
ゆっくり腰を揺らしていたのは数分間だけで、だんだんめぐるの動きがペースアップしてきた。腰を前後にスライドさせ、回転させるようにくねらせ、思い通りに僕のチンポを使って気持ち良くなろうとしている。
「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡ いっ♡いっ♡いっ♡いっ♡いっ♡」
「あ~……すっご……めぐるエロ過ぎ……! これめっちゃチンポにキく……っ!」
僕はほとんど何もしていない。ただ両手をベッドについて身体を支えているだけで、めぐるが勝手に僕のチンポからザーメンを抜こうとしてくる。性欲むき出しの美少女アイドルの腰振りは、僕の肉体と精神の両方をとんでもなく興奮させる。金タマからグツグツとザーメンが昇ってきて、ちょっと気を抜いたら射精してしまいそうだ。
「お゛っ♡ ん゛おおっ♡ お゛おっ♡お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡」
「はは……っ! 結局わけわかんなくなっちゃってるしさ。――うんうん、いいよめぐる。そのままみっともなくイっちゃいな」
僕は甘美な射精衝動を堪えながら、めぐるが可愛い顔をぐしゃぐしゃにして何度も何度も軽イキし、さらに深い絶頂へと昇り詰めようとしている様子を、慈しむ表情で眺めていた。
ステージ衣装を着て、キラキラ輝くスポットライトを浴び、大勢のファンの前で踊る彼女も魅力的だけど、ここで僕のために淫らなダンスを踊っている彼女は、アイドルの八宮めぐるには無い魅力がある。
残念だけど、めぐると相性が悪い「プロデューサー」じゃ、そっちの魅力は引き出せてこなかったみたいだ。だったら仕方ない。めぐるのカラダのプロデュースは、僕が引き受けてあげよう。
「あ゛ーっ♡♡ あ゛ーっ♡♡ あ゛ーっ♡♡ ダメっ♡ ダメっ♡ ダメっ♡ う゛う゛う゛う゛っ♡♡♡ イクっ♡♡ イクっ♡♡ イクっ♡♡ イッちゃう♡♡ イッちゃうのぉっ♡♡♡」
「我慢しないでいいんだよ? ほら、一緒にイこう。二人で一緒に、動物みたいになっちゃおう」
「う゛ーっ♡♡♡ うう゛ーっ♡♡♡」
「イっていいよ、めぐる。……――ほらめぐる、イケよ」
「あっ――♡♡♡」
僕に命令されて、めぐるの快感を受け止めるダムは決壊した。彼女はイク瞬間、僕の背中に両腕を回し、おっぱいを僕に押し付けてしがみついてきた。そして、彼女のマンコも僕のチンポにぎゅ~っとしがみついて、すごい力で射精を促してきた。
「あああっ♡♡♡ んひぃっ♡♡♡ んぅううううっ♡♡♡ い゛うう~~~~~っ♡♡♡♡」
めぐるの腰が、ガクガク、ビクビクと激しく痙攣する。深いアクメをキメた彼女と同時に、僕もめぐるのナカでイっていた。
「ああ……めぐるのマンコ……すっごいチンポ搾ってくる……」
彼女はまるで、僕専用のザーメン搾り機だ。めぐるの身体を抱きしめて、その柔らかさと温もりに身を任せているだけで、チンポからドクドクとザーメンが抜き取られていく。先っぽから根本まで締め付けられて、その上で無数のヒダが絡みつき、甘く激しい搾精が行われる。射精の勢いが衰え、チンポがただビクビク震えるだけになっても、尿道を扱き上げるような動きで、まさに最後の一滴まで搾りつくしてくる。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「う……っ♡ あ……っ♡ お…………っ♡」
したがって、絶頂が通り過ぎるころには、僕もめぐるもヘトヘトになる。でも、僕らの身体を支配しているのは、とても爽快で幸福な疲労感だ。
「――ちゅ……♡ はむ……♡」
この素晴らしいセックスの感想は、とても言葉でなんか言い表せない。だから僕らは、まるで自分がどれだけ気持ち良かったかを相手に伝えるみたいに、荒い息が収まらないままキスをする。
「じゅるる……♡ れろぉ……♡」
セフレの立場とか、めぐるに好きな男がいるとかも、このころにはどうでも良くなる。だって、ここには僕とめぐるしか居ないのだから。
「…………」
「…………」
キスを終えても繋がったままで、相手の鼓動を感じるために胸を押し付け合い、無言で行為の余韻に浸り続ける。
「…………めぐる」
「…………なぁに?」
「……もう一回、しよっか」
「……うん」
でも、やっぱりそれだけじゃ我慢できなくなって、僕らは再びセックスを始めた。