朝日に眩しさを感じ目を覚ます。
――知らない天井だ、って当たり前か。
ラブホだしな、ここ。宿泊で借りといてよかったぜ。ちょっと値が張るが、まぁ必要経費だ。
しかし、気持ちよかったなぁ。やっぱオナニーなんかとは違うわ。
「うーん……ぁ?」
夕麻ちゃんが身を起こす。
「おはよ、夕麻ちゃん。大丈夫?」
「あー、大丈夫よ…………うん、大丈夫。お風呂入ってくる」
美しい裸体を惜しげもなく晒しながらしっかりとした足取りで風呂へ向かっていった。
……やることねぇし服でも畳んでおくか。
そういやぁ腹へったなぁ。結局晩飯食ってねぇしな……。女は食ったけどな!
……そういえばパンティとブラってどうやって畳むんだろうな。まぁ畳まずに服の上に乗せておくか。
☆
私と入れ替わりでイッセー君は風呂場へと向かっていった。
シャー、とシャワーの音を聞いている。
……丁寧に服を畳んでおいてくれた。まぁ、礼ぐらいは言わなければな。でなれけば不自然だろう。
まだ、少し異物感がする。……さっさと着替えることにしよう。
無駄に丁寧にたたんであったのにムカついた。私より綺麗に畳めてる、人間の癖に。
そういえば、晩御飯食べてなかったっけ……。あ、でも食べられたのは……
あーもう! ナニ考えてるの私は!
私の任務は? 兵藤一誠の殺害。よし。
殺らなきゃね、ちゃんと。あの治癒のシスターのこともあるし。
―――殺したくなんてないけどなぁ……
……っ!?
え、私は今、何を考えた……?
……まだちょっと“おかしい”らしい。早く直さなければ。
☆
太陽が黄色い、とはこの事だろう。
眠気はなく、むしろはっきりとしている。
夕麻ちゃんとは別れ、帰ってもなにもないので町を散策することに。
その時に変なチラシをもらった。「あなたの願い叶えます!」というもので、謳い文句がいくつも並べられていた。
胡散臭いなぁ、と思いつつ願いを考えてみる。
女――道具を使っても自力じゃなきゃだめだ。これは俺の『こだわり』のひとつだ。んー、これはないな。
金――まぁ今は困っていないがいずれは必要になるだろう、保留。
権力――確かに魅力的だが、女に関する『こだわり』に関わるので却下。
命――まぁ、永遠の命は夢のまた夢だな。確かに自身の死は怖いが、死んだら死んだでそこで終わりだと思うしな、却下。
うーん、あんまりないなぁ。性欲はあり得ないくらいだから女の子を一人未調整で用意してもらう、とかどうだろうか……うん、いいな。小生意気で反抗的な女子を快楽と論悦の海へ溺れさせて主従関係にするとか……やべぇ、興奮してきた。
思考の海に沈んでいて、気づけば日が傾きはじめていた。
暇なので近場の公園で少し遊ぶことにした。
★
「あ、いっせーおにーちゃん!」
「いっせーおにーちゃん!」
「おにーちゃん、なでなでしてー」
俺の回りには4~5才の女の子が三人ほどで俺を囲っていた。
「よしよし」
「うにゃー」
「あー、みーちゃんずるい! まりもして!」
「ん、よしよし」
「んふー」
俺は昔から何でか知らんけど女の子の子供にモテる。ハゲの守備範囲は中学一年からなので特に何も言われないが。
俺も女の子にちやほやされるのは悪い気はしないし、むしろ嬉しいので要望を聞いてやる。この間は十人くらいきたからかくれんぼしてあそんだっけ。
ちなみに俺の守備範囲は下が10、上は見てくれがよければいくらでも、だな。
えーと、黒髪ツインテールの
彼女らは『駒王学園の三大変態』の妹である。
俺? 俺は『二大王子さま』ですが何か。クールの木場とヒートの俺、らしい。まぁ、行事とかすげぇ燃えてたしな、仕方無いが。
んで、あやとりとかゴムとびとかして遊んでいると。
「真理、迎えに来たぞ」
「すまないね、心咲を見ててくれて」
「悪いわねイッセー」
お迎えの変態三人組が来た。彼ら三人は例外なくシスコンである。特に桐生のやつは姉妹ということもあってか、猫可愛がりしているとか。
「いや、気にすんなって。ほら三人とも、お兄ちゃんとお姉ちゃんが来たぞ」
俺の言葉に三人が彼らのもとへ駆け寄る。
「にぃ、もう帰る?」
「おう、帰るぞ。サンキューなイッセー」
「ん。じゃーね、いっせーおにーちゃん!」
「おう、じゃあな」
松田兄妹はこちらに手を振ると、踵を返して帰宅していく。
「あにー、いこー」
「ああ。ほら心咲、いっせーおにーちゃんにありがとうは?」
「ありがとー!」
「僕からもありがとう」
「気にすんなって」
そして元浜兄妹も家路についた。
「ねーね、帰りますかー?」
「ええ、帰るわ。ありがとうね、イッセー」
「いっせーおにーちゃん、さようならですー」
「さようなら。気をつけてな」
桐生姉妹も帰路につく、と。
うーん、暇だなぁ……。
ちなみに三人組の妹は狙ってたりする。あぁ、十年後か楽しみすぎる身体だ。幼いうちから手を出して、じゃれあいや悪戯としてエロいことをしたりさせたりしてゆっくりと洗脳調教する。そしてそれが彼女達の中で常識になった時に正しい知識を与えられたとしても、その時はすでに堕ちている。ならばばその時彼女達は論悦の笑みを浮かべるとか……やべ、最高だ。
しかし、純粋に妹とか欲しいとも思う。従妹がいるらしいが、顔を一度も合わせたこともないしな。
うーん……はぁ。難しいなぁ。
……ん? なんだ、この違和感。空気が、変わった……?
次の瞬間、ざしゅ、と肉の切れる音がした。
……俺の腹には光を固めて作ったような細い槍が刺さっていた。
ごふ、と血を吐き出してしまう。
激痛過ぎて本当に痛いのかすらわからない。
……なんだ? 俺、悪いこと、したか……? ……してたな。彼女に媚薬盛ってヤりましたね。
……ああ、ここで死ぬのか? ……死ぬ? 俺が、死ぬ?
――嫌だ。まだ、死にたくない。
強い想いが炸裂する。生への欲求。ひたすら、死にたくないと思った。確かに死んだら死んだでそれはそれと思うが、こんな訳のわからないまま死ぬのはごめんだ!
――紅い。
俺の血か。地面に俺の血が染み込み、紅く染めている。
ああ、紅い……リアス・グレモリーの髪のようだ。
視界を紅が染めていく。
意識が遠退く寸前、声が聞こえた気がした。
「貴方ね、私を呼んだのは。――へぇ、成程……そういうことね。いいわ、助けてあげる」