※この作品はR-18です。

もしもイッセーが大変な変態だったら   作:天ノ羽々斬

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遅くなってしまいました……ふぅ。


05.Who is she?

 翌日。悪魔歴の浅いイッセーのために悪魔講義となる、予定だったのだが。

 

「イッセー、貴方は悪魔についてどのくらい知っているかしら?」

「ソロモンの七十二柱の悪魔がいることと、悪魔が聖水や聖剣、聖書の一節などといった聖なるものに弱いこと、正典には記されていない『七つの大罪』である嫉妬のレヴィアタン、強欲のマモン、傲慢のルシファー、憤怒のサタン、暴食のベルゼブフ、色欲のアスモデウス、怠惰のベルフェゴールの七体。それから、その他神話存在とキリスト教によって定義された悪魔の関わりとして───」

「もういいわ、あなたに教えるべきは『弱点に光がある』ということと、『悪魔は貴族社会』ってことだけで良さそうね」

 

 リアスはハァ、とため息をついた。当然だ、一般人ならば知り得ぬ事情、というよりは調べなければ知らないであろう情報を知っていたのだから。

 

「じゃあ、『神器(セイクリッド・ギア)』──いえ、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』ね。貴方のそれの能力は何かしら? グレイフィアが来たときに赤龍帝の、と言っていたから間違いないわよね? 正直驚いたわ」

 

 リアスの言葉にイッセーはその言葉に正直に答える。

 

「ええ、言う機会が中々無かったもので……本来の能力は『人間界での十秒ごとに力を倍加し、それを解放することで爆発的な力を得る』という物なのですが、神器の覚醒が不十分なので二回、つまり四倍にしかなりません」

 

 このイッセーの言葉に優美が答える。

 

「そこは恐らく、まだ体が神器に慣れてないからだと思うよ。僕も神器保有者だけど、覚醒した直後はちょっとしか出来なかったしね」

 

 優美の言葉にイッセーは成る程、と返して納得する。

 

「じゃあ、少しずつ慣らしていくしかないか……」

 

 そう呟くと、イッセーは左手を顎に宛がう。考え込むときのイッセーの癖だ。

 

(うーん、確かに神器を使った記憶がないな。あのみょんな堕天使も自力の魔力だけで倒したし。……使ってないからか? 最近ドライグが拗ね気味なのは。だとしたら可愛い奴だな。まぁ、ともかくとして神器とやらは相当面倒なものらしい)

 

 そう結論付けたイッセーはこきこきと首をならすと、こう切り出す。

 

「じゃあ、とりあえず俺が知らなさそうなこと……各勢力の統治者とかを教えてください」

 

 ☆

 

 夜。結論一日中ずっと勉強で、鍛練に関しては殆どせず、イッセーは自主的に行っていた筋肉トレーニングを軽くやって終了。しかし、当のイッセーは眠れずにいた。オーフィスはなにか用事があるのか居なくなっていた。

 たまに眠れなくて起きてしまう、という経験は誰にもあるだろう。

 理由もなく眠れないイッセーはふらふらと外へ出る。風にでも当たろうと考えたのだ。

 

(……今は毎日が楽しい。幸せに感じる)

 

 イッセーは心のなかでそう呟いた。

「あらイッセー、起きていたの?」

 

 声の主の方を見れば、そこには彼の主、リアス・グレモリーがいた。椅子に腰かけていて、眼鏡をつけている。

 

「ええ、眠れなくて……部長は?」

「少し戦術に関する書物を読んでおこうと思ったの。焼け石に水もいいところだけど、やらないよりはましよ」

 

 イッセーはそうですか、と答えた。リアスはふぅ、とため息をつくと理論書へ目を落とす。二人の間には何とも言えぬ微妙な空気だ。そもそも夜這いに来ておいて逆に犯されかけたという展開を繰り広げてしまった二人だ、この微妙な空気になってしまうのは仕方の無いことかもしれない。

 イッセーは意を決して、口を開く。

 

「……この前は、その、すいませんでした」

「……」

 

 イッセーはそう言うと頭を下げた。リアスは動きを止めると、イッセーへと顔を向ける。

 

「いいえ、私が悪かったの……ごめんなさい」

 

 本当にすまなさそうにそう言うと、リアスも頭を下げた。リアスもイッセーも、罪悪感を感じていたのだから。

 

「……」

「……」

 

 無言の、先程以上に微妙な空気になる。イッセーは余計悪化したと感じた。

 

「……今考えれば早急だったわ。貴方が怒るのも当然よね……」

 

 リアスはそう言うと俯く。

 

「ねぇ、イッセー。私は、私は誰なのかしら?」

 辛そうにそうこぼした。イッセーは心の動きに機敏なのか、そうでないのか、こう答えた。

 

「リアス・グレモリー。グレモリー家次期当主、現在はライザー・フェニックスの婚約者。現在六人の下僕が居る王(キング)。駒王学園の高等部三年生……このくらいでしょうか。でも、俺にとって貴女は大切な主、と答えるのが適切でしょうが……」

 

 イッセーは迷った。頭の中でぐるぐると試行錯誤して、次の言葉を紡いだ。

 

「……こう答えましょう。貴女は貴女だ。そこに他人が与えたイメージや柵(しがらみ)は存在しない。種族すら関係なく、リアス・グレモリーというただ一人の女性、それが貴女自身なのだと思いますよ」

 

 イッセーはそう締め括った。これが正しい答えかどうかは問題ではない。ただ、これはリ(・)ア(・)ス(・)が(・)求(・)め(・)て(・)い(・)た(・)答(・)え(・)だった。

 

「……ありがとう、気が楽になったわ。さぁ、明日も特訓よ、早く寝なさい?」

「……はい!」

 

 イッセーはそう返事すると、自室へ戻るべくその場を立ち去る。きらりと、眼鏡のレンズが月光を反射していた。

 

 ★

 

 ……取り合えず嫌われている訳じゃなくて安心した。ホントもう、絶対嫌われてると思ったよ……よかった。俺としたことが、あんなことでカッとなってしまった……。いかんな、感情的になるのは。感情的になることで思わぬ力が出ることはある、が……冷静な判断を下せなくなってしまう。仕方の無いことだが……。使い分けるしかなさそうだ。

 まずはあの不死鳥を倒すことを考えなきゃだよな。うーん……。

「フィー、そろそろ寝ようか」

 

 言ってから気がつく。…… フィーは、明日まで用事があるんだっけ。仕方ないか。

 

 ……一人で寝るの、なんだか久しぶりに感じるな。そう思い、目を閉じた。

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