他人、所謂大衆的なイッセー――つまり俺の一般的評価と言えば「熱血」「優しい」となるだろう。
まぁ強ち間違いではない。自分がひとつの物事に熱を入れるタイプなのは自負している。そういう意味では「熱血」だ。
小学校の頃からそんな感じだったしな。んで、当時の足りねぇ頭で考えたわけよ。どうしたら女がよってくるかなーってさ。まぁ思い付かなかったんだけど。しかし俺の近くには偶然にも反面教師がいた。いや、松田元浜桐生じゃねーぞ? 名前は忘れたがオープン変態教師だったな。女の先生からも女子生徒からも嫌われてた。平然と下ネタをぶっぱしてたからな。あれ見て思ったわけだよ。ああ、あんなんじゃあ女はよってこないな、と。
それで、今は男が草食系が増えてるっていうし、そういうのを見ると『肉食系のチャンス』なわけだ。食ったもん勝ち的な。実際、野生においても、肉食系は特にメスは『征服される側』だからな。ドSとドMは表裏一体、的なあれ。分かりやすく言うと、『チ○ポなんかに絶対負けたりしない!』とか『この程度で屈服できると思うなよ!』みたいな台詞を吐くと大体が『チ○ポには勝てなかったよ』『御主人様ぁ……』みたいなパターンに入るだろ? あれと一緒だ。女ってのは多かれ少なかれ、本能的に屈服願望や隷属願望がある。まぁたまにそれから外れる奴もいるが。
自分がレイプされるというシチュエーションで自慰を一度は経験するだろう。そういうもんだと思う。
――まぁ、なんだ。俺は食虫植物みたいなもんだ。惑わされてる隙に飲み込み、もう抜け出せない。
――俺がこんな風にトチ狂った話を脳内で展開をするのは――
俺って死んだはずだよね、という話である。
誰が甦らせたのだろうか、それともこれは夢か。
――まぁ、とりあえず神様ではないことは間違いないな。俺、外道だし。
☆
「容姿はまぁまぁ、背丈は高め、人当たりがよくて優しく、意外に熱血漢――うーん、普通? まぁ今どき珍しい、位はあるっす。いくら神器を宿しててもうちにはそこまで魅力的には見えないっすねー、レイナーレ様は見る目がないのかなぁ?」
「……さぁ? 私はミッテルトでもレイナーレ様でもないから」
「まぁねー……ん?」
「なに?」
「いやさ、なんでもないっすけど……なんか変っす」
「この男が? 特別変わったところは……」
「違うっす……そういう意味じゃないっす。……目」
「……目?」
「最近、似たような目をもつ男を見たっすよ。そう、あれは――若い頃のアザゼル様に似てるっす。レイナーレ様にその写真を見せてもらったっす」
「……熱心だこと。で、どんな目なの?」
「うーん、一言で表すならば、それはおそらく――」
――情欲にまみれた目、っすね。
☆
「――であるからして」
ねみぃんだよなぁ、現国の楠木の授業。なんつーか、つまんねえ。授業に真面目に取り組みたいと思えない授業。あー、来年消えるなこいつ。今年来たばっかだけどな。
最近、太陽の光を疎ましく感じるようになった。それだけじゃねぇ、いつの間にか夜型の人間になってたらしい。というか、夜中だと妙にたぎる。深夜テンション、なんてレベルじゃねーな。明らかに人間以外、みたいな感じの脚力は出るし、ときたま幻聴が聞こえるしと。病気かな?
『おーい相棒ー』
ほらまた聞こえた。なんだろこれ。
『無視するな!』
まただ。あー、カスタードクリーム直飲みしてぇ……。
『いい加減無視すると泣くぞ』
泣け。
『ほんとに、ひぐっ、なくぞ』
いいぞもっとやれ。暇なんだ。
『うぇぇぇぇぇん! このおにちくぅぅぅ!』
失礼な――ん、待てよ。こいつ俺のこと鬼畜っていったよな?
まてまて俺は外には情報漏らしてねぇし家においてるエロ本も隷属ものや服従ものは避けてるし、催眠術関連の書籍は全部リラクゼーションを目的にしたものだし懐中時計だって普通――おいおまえ。どういうことだってばよ?
『うぇぇぇぇぇん……ひっく、ぇえええん』
ああ、取り敢えず話聞いてやるから泣き止め! いい加減にしないと脳内で犯すぞ!
『ひっく、はなし、きいてくれる……?』
今すぐじゃねーけどな。家帰ったら色々と教えてもらうぜ。だから今は黙ってろ。
『うん、わかった……』
よぉしいい子だ。
『えへへ……』
……ところでお前誰?
『わたし、どらいぐ。よろしくね、いっせー』
おっ、おう……。
松田「俺の台詞取られた……」