俺の目の前には赤い幼女がいた。
まぁ、夢なのだが。
「まあなんだ、腰据えてじっくり話そうか。お前や俺がどんな存在なのかをな」
幼女――ドライグたんが言うには、俺は死んで悪魔になったらしい。
この世界には創作物のようなファンタジーワールドが広がっているそうだ。
ドラゴン、天使、悪魔、堕天使、神、仙人、妖怪、魔獣、エクソシスト、陰陽師、魔法使い、天人、仏――取り敢えず思い付くものを上げてみたが。こういうのもいるらしい。
意外や意外、俺が狙っているリアス・グレモリーだけでなく、一年のロリ少女の塔城小猫や三年の姫島朱乃に支取蒼那生徒会長、二年の木場祐斗や匙元士郎等も悪魔だという。
うーん、よく考えればグレモリーって悪魔だよな。確か、ソロモンの指輪で召喚される悪魔の一柱で、情愛を司る筈だ。んで、夕麻ちゃんは堕天使なんだと。
――なるほど、あの名器っぷりはそういう事か……。くく、烏を一匹飼ってみるのも悪くない。
「成る程な。で、お前が赤い龍、ウェールズの赤い龍ねぇ……」
「白いのとで『二天龍』と呼ばれていたぞ!」
むふー、と自慢気に無い胸を張るドライグたん。かわいい。
「ふーん、どんくらい強いんだ?」
「ある二匹を除けば最強だったと自負がある」
「『ある二匹』?」
「『黙示録の赤い龍』と『無限の蛇』だ」
「……ウロボロスと黙示録の龍か……」
「ああ。『無限の竜神』オーフィス、『真なる赤龍真帝』グレートレッド。あれは次元が違う」
そういやぁ天使で思い出したんだが。
「ナァ、フーリーって本当にいるのか?」
「いないぞ」
フーリーとは、イスラム教における天女(天使)のことである。
預言者ムハンマドによれば、「天国へ逝った男性は72人の処女ハーレムがつくれるよ! 処女食っても処女はふっかつするよ!」らしい。
「そっか……まぁ永遠の処女なんて俺的にはなしかな」
「そんな話より続けるぞ。俺は白いのと共に三大勢力……堕天使、悪魔、聖書の神に喧嘩を売ったのさ。『我等の誇り高き決闘を邪魔するな!』ってな」
ふーん、なるほどねぇ……
「で、なんで決闘なんかしてんだ?」
その言葉を聞くや否や、ドライグはぷるぷると怒りに震える。
「……あやつが悪いのだ、俺の宝を……っ! 俺の……俺のおやつを盗み食いしたのだっ!」
「……ハァ?」
思わずそう聞き返した俺は悪くない筈だ。
「ああ今思い出しても腹が立つ! 俺のあの日のおやつだったカスタードパイを……っ! 断りもなく食ったんだ! くそっ!」
地団駄を踏むドライグ。むきー、って感じでな。うむ、可愛らしい。喧嘩の内容も可愛らしい理由だ。
「しかもっ、あやつは『お前のだったのか?』と聞きいてきた! ちゃんと『これ私のだから食べないでね』って言ったのにもかかわらず! ふぅーっ、ふぅーっ」
「まぁ落ち着け、どうどう」
「ふにゃー……」
……はっ、つい頭を撫でてしまったが……まぁいいさ。俺の守備範囲内だしな。人間相手なら年齢的にブツを受け入れられるようにできてないから無理だけど……こいつは違う。くくく、見た目は犯罪レベルの幼女だが、実年齢はかなり違うはずだ。
ドラゴンにも発情期というのがあるのかどうか分からないが……ちなみに人間は常時発情期です。
「……はっ! と、取り敢えず話を続けるぞ」
ここら辺は割愛するが、ドライグは
神器というのは、人間に宿る可能性の力らしい。
槍を持つもの、剣を創るもの、火を吹くもの……。
様々なモノがあるなかで、ドライグは超強力な中二臭い神器……『
形状は二又の紅い槍に違いない……と思っていたのだが、ドライグは赤い籠手らしい。きっと速さが足りないとか言い出すんだろ。
「と、いうことだ。解ったか?」
「大体な」
しかしこの幼女プライドが高そうだなぁ。そうだ、こうして夢でしか出会えないのだから……
「どうせ夢なら起きるまで楽しみますかね。ほれほれ」
「うにゃー……」
取り敢えずなで回す。
なでなで。
「うゆぁー」
なでなで。
「ふにゃー」
なでなでなで。
「ふゅ……んっ」
ん? 悶えて来たな。なでなで。
「んんっ……ふぅっ……」
吐く息にも熱が籠り、何となく体が火照っているような。
……おにちくな俺はここで止めて夢から覚めるぜ!
「……さて、そろそろ朝だな……じゃあなドライグ、また会おう」
「……ぇっ」
俺の言葉と共に、世界は光に包まれ――
『ニイサン、オキテクダサイ。アサデスヨ。チョウショク、ヨウイシテオキマシタ』
目覚ましと共に眼を覚ました。んー、今日もいい夢見れたぜ!
さぁて……人間じゃなくなったけど……俺、大丈夫?