『アナタ、アサデスヨ? ……キャ!? モウ、ショウガナイワネ』
んー、気持ちのいい朝だ。ダルいけど。
……ん? なんか腹の上に……?
掛け布を退かせばあら不思議。黒髪幼女が寝ていました。
……俺はいつからエロゲ主人公になったんだか……。
幼女は目を覚ますと、腹の上でちょこん、と座って。
「……ドライグ、久しい」
「お前誰だよ」
即座にそう返した俺は悪くない。
☆
「我、オーフィス」
「俺は兵藤一誠だ」
この不法侵入幼女はかの無限の龍神だという。……この幼女が? 世の中理不尽だな……。
互いに自己紹介も終わったので取り合えず朝食を作ることにした。
「……何してる?」
「飯作ってる。悪魔にしろ人間にしろ、お前みたいな無限の存在じゃないからな。飯にありつけなきゃ一月で死んじまうのさ」
「……」
じぃ、と興味津々と見ているオーフィス。なんか無垢な子供みたいだな……。
「そういえば、どうしてお前は俺のとこへ来たんだ?」
オーフィスは、無表情で俺に告げる。
「我、故郷の次元の狭間に住み着いたグレートレッド倒して、静寂を得たい。でも一人では無理。だから仲間集め」
ホームシックかよ……なぁドライグたん。
『何だ? って、たん言うなッ!』
言うね。で、だ。ぶっちゃけるとグレートレッドってやつを倒すのにオーフィスが後何人欲しいんだ?
『…………2人位か?』
……それでも無理そうな気がするんだけど。
……あ、いいこと思い付いた……。
『いいことだと?』
ふっふっふ……俺に隷属させてやるぜ!
『どこがいいことだ! この、おにちく!』
誉め言葉です。
「ふぅん……なぁオーフィス。本当に静寂でいいのか?」
「……?」
首をかしげるオーフィス。無表情だが可愛いな。……この無表情を俺の剛直でアへ顔にするとか……くくっ……最高じゃねーか……。
「俺なら、静寂よりもイイコト、教えてやれるかもな」
「……! 静寂より……?」
おっ、食いついたな。
この子はホームシック、つまり心の拠り所が故郷な訳だ。その拠り所を俺にしてしまえばいい。目指すは我が家のマスコットだな。エロ可の。
カレンダーを見れば、今日は土曜日だった。
……なんてタイミングだ……恵まれてるな、俺。バイトのシフトも入ってないし……ここはひとつ、龍神幼女を堕とすとしますか。
「……ソーセージ、食うか?」
「ん」
……まぁ、その前に飯だ。
★
「どうだ、気持ちいいか?」
「ん……」
オーフィスはイッセーに、いわゆるおひざだっこされながら、頭を撫でられていた。
撫でられるたびに、胸の中に暖かいものが込み上げてくるのに驚いていた。
(我、この暖かいの、知らない)
孤独と虚無の感情しか知らなかったオーフィスは、この暖かさがわからかなかった。
しかし、彼女にもそれが心地よいことだけは判った。
イッセーは、ただただ撫でるだけだ。優しく頭をなで、時おり髪をすく。
ただソレだけなのに、オーフィスの心はどうしようもなく暖まった。この心地よさに、委ねていた。 イッセーの手は魔法の手なのではないか? と思ってしまうほどだった。
ほわん、という暖まった胸が、じん、と熱くなっているのに、オーフィスは気づいた。
コチ、コチと時計が時を刻む度に、胸のじんとした熱さが高まっていく。時計の針は、既に午前10時を指していた。
オーフィスはこの感覚に戸惑った。自分は頭を撫でられているだけなのに……と。頭もぼーっとして、良く分からない。
「オーフィス?」
イッセーの柔らかい声が心に染み渡る。
「気持ちいいか?」
「うん……」
「そっか」
イッセーは頭を撫でるのをやめると、お腹に手を回してお腹を撫で始めた。
(あ……)
ふと、オーフィスの視線に入ったものがあった。本だ。小説がベッド近くの机に無造作に置いてあったのだ。
タイトルには「愛に堕ちる」と書いてあり、どうやらドロドロの恋愛物小説らしい。
だが、オーフィスにとって内容はどうでも良く、「愛」という文字だけで十分だった。
(あい……愛)
愛しい、と思う気持ち。それがイッセーから伝わってくるような気がして。嬉しかった。
オーフィスとて、伊達に長生きしているわけではない。恋や愛の意味くらいわかる。だが、その感情が理解できないだけだった。
胸の熱さが、愛しさなのだと思った。そう思うと……少し、本当に少しだが――頬に朱が差した。
そして……ぽて、と力を抜き、彼に身体を任せたのだった。
「……オーフィス?」
彼が撫でるのを中断すると、そう問う。
(もっとしてほしい……)
すでにオーフィスは彼の虜だった。……いや、彼の手の虜、というべきか。
「ん……もっと」
「おうよ」
オーフィスはちょっとだけ、考えた。
(この後、狭間に帰れるだろうか?)
そう考えて、ふるりと少し身震いをした。
たかたか数時間の出来事――といっても、オーフィスにはもっと永い時間のように感じたのだが、ともかくソレだけの時間で感情が芽生えてしまった。
オーフィスには、イッセーから離れることがただただ怖かった。愛と共に、恐怖の感情も生まれた。
(我は、イッセーが……愛しい。愛しいのに、怖い)
オーフィスの感情は幼い。だがそれと同時に知識は大人以上だ。
だからこそ、イッセーとの別れも容易に理解できた。幼き心で考え、大人びた知識が少し歪んだ答えを弾き出す。
「考えなくていい。今は、俺に身を委ねて」
オーフィスは、イッセーの言葉に委ねた。その優しい毒に身を委ねる。
とくん、と心臓が熱く脈打つのを感じながら……。
うーん、堕ちるの早かったかな?オーフィスといちゃいちゃしたいです。
でも俺的にはオーフィスはこのくらいちょろいと思う。
何が言いたいかって、合法ロリサイコー。