タイトルの横線ですが、ここには好きな言葉を当てはめてくださって構いません。
全部見て、その上で決めてくれると嬉しいですね。
あと、今回は喋ります。
5/29 透明文字、気付けましたか?
彼女に名前はない。
彼女自身に生まれ持った名はないが、平行世界……あらゆる
そういう意味を込めて、彼女を知るものは彼女のことをマキニスと呼ぶ。
彼女の役割は至ってシンプル。無数に存在する平行世界の管理である。
といっても、彼女自身は普段は何もしない。何らかの異常が起きた時─────例えば、平行世界同士がぶつかり合う、などがある─────に異常を取り除くなどの対応を行う。ただそれだけでしかない。
最も、そんなことは滅多に起きることはない。少なくとも、彼女が自身の目覚めを自覚してからは数億年に一度の頻度でしか起こり得ないほどだ。
そのため、彼女の活動は平行世界に異常が起きないかの確認が主に占める。
しかしながら、平行世界というものは無限に存在する。故に、どのような可能性であれ存在する。例えば、セックスバトルなんてものが日常的になっている世界もあるほどだ。
問題なのは内容ではなく、数。無限に広がり続ける平行世界の監視は彼女が管理者として生まれた存在だとしても限界がある。
そのため、彼女は自身の持つリソースのほぼ全てを平行世界に注視させなくてはならず、その弊害か、肉体は半永久的にスリープモードを維持していた。
だが、維持するだけでは問題は解決しない。そのため、彼女の肉体はスリープモードの間にアップデートを行い、増えた平行世界に対応できるようにしていた。
それを何度も繰り返すことで、数え切れないほどの年数が経過しても何一つとして問題を起こすことなく平行世界の管理が可能となっている。
だが、弊害もある。スリープモードとアップデートを何度も行い過ぎてしまい、生物であれば持ちうる感情や感覚、そして自我が希薄になっているのだ。
彼女にも肉体はある。当然、感情や感覚だってある。しかし、今の彼女は感情が希薄であり、肉体に至っては感覚がなくなってすらいる。
このまま同じことを繰り返せば、いずれ彼女は機械も同然の存在に成り果てるだろう。
しかし、そんな彼女を止める存在などここにはいない。彼女のいる場所は常人が気軽に行けるような場所ではないし、常人でなくとも簡単に行けるようには出来ていない。
異なる次元が重なり合い混ざりあった異空間。それが、マキニスのいる場所なのだ。
どのような存在であれ、彼女のいる場所に到達することは出来ない。それこそ、世界の外側に存在する規格外でもなければ。
今日もまた、彼女にとって何も変わらない時が過ぎる……はずだった。
それは突然現れた。
彼女の背後に、何の前触れもなく何も無いはずの空間から発生した。それは、無数にある平行世界に存在するものの一つ……世間一般的には、魔法陣と呼ばれるものだった。
先程、彼女のいる次元に到達することは不可能であると言っただろう。それは何も変わりない。
そう、到達することは、だが。
何事にも例外というものは存在する。世界の外側という
例え到達できなくとも、彼女に会うだけなら呼び出すという方法を取ることができる。そして彼女も、魔法陣に呼び込まれる中で抵抗することはない。そもそもの自我が希薄であるために、何一つとして抵抗されない。
その魔法陣の先に何が待っているのか─────それもわからぬまま、彼女は強制的に異空間からの退出を余儀なくされた。
そして、彼女はとある平行世界に呼び出された。
その平行世界は、彼女の脳内データベースにも記録されている。
管理番号Z9-33458601世界線─────それが彼女が名付けた世界の番号だ。この平行世界は人間が絶滅し、人外の存在が繁栄することに成功した世界線。限りなく人に似た生命はいれど、まったく同じ生命は存在しない。
現に、彼女を呼び出したモノも人ではなかった。
竜、というのが一番近いのだろう。しかし竜にしては目が複数あるし、頭も多い。翼はなく、そして鱗もない。そしてなによりデカい。
彼女は記録していなかったが、その竜は『無尽竜』と呼ばれる災害級の生物。いくら攻撃しても再生が途切れないため討伐が不可能とされている竜なのだ。
無尽竜と呼ばれる竜はマキニスを視認、認識すると多頭の瞳に殺意をともし口を開けて彼女へと殺到─────
─────する前に、彼女の
彼女は管理者である。そして、どのような害からも身を守れるように自動反撃術式が刻み込まれている。意図的に発動させるよりも幾分威力は落ちるが、それでも無尽竜程度を殺すのには十分過ぎた。
圧縮された竜の塊から大量の血が溢れ、飛び散り、血の池を作り出す。マキニスにも竜の血を浴びそうになるが、瞬時に竜の血が肉体に害を成すと分析。
即座に
この時点で、この場にマキニスへ害を成すモノはいなくなった。
いなくなり、彼女は平行世界の管理を続行させた。
彼女には動く理由がない。元の場所に戻らなくとも、彼女の管理に支障はきたさない。
故に動かない。
戻らない。
そうする意味がない。
故に彼女は、この世界に留まり続けることになった。
それが、約百年は続いた。
彼女を排除しようとする動きはあった。彼女のいる場所は、無尽竜の縄張りだった場所だ。当然、今は無尽竜がいない以上、いくらでも攻め込める。
その中で彼女を発見、捕獲及び殺害に及ぼうとしたモノから死んでいった。
時に焼却され。
時に凍りつかされ。
時に潰され。
時に鉱石と成り果てた。
その中には、土地を治める主もいたという。
無論、交渉しようとしたモノはいた。しかしながら、彼女には対象に応えるという機能が失われている。交渉に意味はなかった。
何度も交渉を行われ、そして最後には諦められて。
いつしか、彼女のいる場所は銀魔禁域と呼ばれるようになった。
彼女は強い。ただの自動的な反撃であっても殺せない相手はいなかった。あらゆる攻撃が防御され、その後には必ず滅ぼされる。
どれほど巨大であろうとも。
どれほど速かろうとも。
どれほど攻撃範囲が広かろうとも。
どれほど数を揃えようとも。
全てが無意味。無駄となった。
そうして彼女は、呼び出される前と大して変わらない日々を過ごした。ただ自身の全てを世界の管理に回す、そんな日を。
しかし、それを壊すモノが現れた。
百年前から何も変わらず、ただその場に立ち尽くす彼女─────管理者マキニス。
彼女は何一つとして衣を纏わず、ただ自身の裸体を晒してそこにいる。
均整のとれた穢れのない白い身体。控えめながらも劣情を誘う胸。感情を宿さない、まるで絵画に描かれた天使の如き美貌と、足元にまで届く輝ける銀色の髪。
感情を宿さない彼女の顔も、マキニスの美しさに拍車をかけた。
彼女に手を出すモノはいない。それは不可能であると何十年と掛けて理解されている。
誰も手に入れられず、誰も殺せない。それが彼女だ。
─────その前提は、今日、ここで崩れ去る。
地面が盛り上がる。盛り上がった土から穴が現れ、そこから何かが顔を出した。
それは、なんと言い表せばいいのかわからない見た目をしていた。土で汚れているが触れば柔らかそうな毛並みに、短い手足、細長い尻尾に短く細い針が生えていて、胴体はずんぐりとした四足。顔はモグラのようで、図体はそれなりに大きくマキニスを覆い隠せるほど。
端的に言えば、弱そうな獣。それがこの生物─────名はモンララと言う。
この生物、モンララは弱い。かつては数だけはいて繁殖していたが、ある時期に起こった天悪戦争のせいで数を減らして今では絶滅寸前にまで追い詰められている。
得意なことは土掘り。しかし頭がアレなのでしょっちゅう同じところをぐるぐると回ってしまう。他にも特殊な毒を生成できるが致死性はなく、さらにはその毒のせいで狙われてしまうために減る一方。敵への対処手段がないために、逃げるしか手がない。
そんなモンララが敵に出会わずにここまで来れたのは、もはや奇跡と言って良いだろう。
そんなモンララは地上に出てすぐにあたりの匂いを嗅ぎ回り、危険性がないと判断して地下から這い出てくる。
そこにマキニスもいるが、彼女は自身への害には反応するがそこにいるだけの生物にまで対応しない。
そのため、モンララは突っ立っているだけのマキニスの存在に気付くことなく敵はいないとわかってホッとしている。呑気に毛づくろいまでしている始末である。
それが終わると、改めて探索を続けようと思ったのかあたりを見渡し、そしてマキニスが視界に入った。
しばしの硬直。しかしマキニスが何も行動に移さないことに気付いたのか、モンララはそろりそろりと彼女に近付く。好奇心が刺激されたのだろうか。
鼻で触れられる距離にまで近付いたモンララはマキニスを嗅ぎ、それが何なのかを知ろうとする。そして、モンララは思った。
これは雌である。けど怖くない雌である。
モンララにとって、雌というものは怖い生き物だった。遠くから見ているだけでも辺り一帯を破壊し尽くすのだから怖すぎる生き物だという認識があった。
けどマキニスには怖さがない。モンララの頭がアレなのもあるが、マキニスという存在は害に害を返す鏡でしかない。逆に言えば、害そうとしなければ無害なのだ。
なので、モンララは思った。求愛しようと。
この世界の生物は、極論棒が穴にさえ入ればどのような異種族とも子を為せる。だから、モンララの思考も珍しいことではなかった。
本来、求愛は相手に認めれてもらわなければ意味がない。種族によって求愛方法が違うため納得のさせ方もそれぞれで違う。モンララの求愛は行為に及ぼうとして抵抗されるかされないか、という簡単なものだが、それが運良くマキニスの反撃判定に入らなかった。害意も害もないのだから、当然だろう。
だからあっさりと、モンララの求愛は成功した。
まずモンララはマキニスを優しく寝かした。簡単に絶滅寸前になってしまうくらい弱いモンララだが、案外前足は器用でありマキニスの判定に引っかかることもなく寝かせることに成功した。
『判定─────無害』
次に、足を開かせてマキニスの秘部へと口を近付け、舌を使って前戯を行う。それと同時にモンララの尻尾の針を身体に刺す……のは抵抗されそうだとモンララは思ったのか、マキニスの口へと含ませる。
『判定─────無害』
モンララの針には毒がある。致死性もなく遅効性で危険もないが、刺さなくても口内摂取ならば毒は通じる。そして、この毒は高級媚薬として出回るほどに効力が強い。
マキニスの有害判定をすり抜けて、毒は全身に回り効力を発揮した。
『全身の熱量増大』
モンララは長い舌を秘部の中へと潜らせ、未使用であるためにキツく狭い膣内を開拓していた中、突如湿り気一つなかった膣内から液が溢れ出し何の反応もなかった身体は舌を動かす度に敏感に身体を跳ねさせる。
『内部に侵入を確認……無害』
モンララからは見えていなかったが、今のマキニスは無表情な顔を朱く染め、モンララの舌が蠢く度に快楽信号が脳内へと伝わり身体を反応させている。
『快楽神経に反応アリ』
マキニスの有害判定は、未だに反応を示さない。
モンララは初な膣内を蹂躙しつくすと、舌を抜き取って自身の股間から男性器を露出させた。
それは獣の肉棒だった。太く長く、根本にはコブのようなものが備わっている。
それを、モンララは彼女の愛液で濡れた秘部へと狙いをすます。
モンララの肉棒の先が、マキニスの秘部の入り口に当たる。肉棒を少しずつ、ゆっくりと、彼女が痛くならないように進ませる。
肉棒が1cm進むだけで、マキニスの身体は強い快楽を感じて一度も達したことのない身体を跳ねさせ絶頂を迎えた。それを、何度も、何度も、進む度に繰り返す。
『異常発生。反撃術式の行使を申請』
いつの間にか彼女は、意識するまでもなく手を口で抑え声が漏れ出ないようにしていた。どうしてそのようなことをしているのか、マキニスには考えられなかった。
─────どうして行動ができるようになっているのか。それを思考する余裕などなかった。
『反撃術式の行使を申請……反応ナシ』
何度も浅い絶頂を繰り返したマキニスだが、モンララの肉棒がピタリと止まった。それを合図としたのか、マキニスも口から手を離し荒い呼吸を繰り返す。
今の彼女からは先程までの無表情は消え去り、快楽で蕩けきった顔をさせていた。
『MIに異常アリと判断』
モンララは、図ったわけではないだろうが、止めていた腰を少し前に出してピトリと何かに押し当てた。それは、膜のような薄い感触であった。一度突けば破けてしまう、そんな繊細なもの。
『自動反撃術式を構築中─────完了』
それがなんなのか、マキニスは知っている。モンララが動けば、それがどうなるかも理解している。
それでも、抵抗はしなかった。
モンララは腰を動かし─────
『
─────ついに、彼女の処女膜は貫かれた。
そして、同時に。
マキニスとモンララの絶頂が重なり、絶頂した。
モンララは一際深く腰を出し、蓋をするようにコブごと中に入れ。
マキニスは初めて感じる深い絶頂と共に、脳内を麻薬物質で満たされたかのような多幸感に包まれ……そのまま気絶した。
今の彼女には快楽情報は強すぎたのだろう。モンララの射精は続いているまま、彼女は意識をシャットダウンさせてしまった。
しかし、性交は終わらない。獣の射精は未だ続いている。
だが、モンララは昔から愛妻家でもある。ツガイとなった雌は大切にするのだ。
だから、繋がった状態のまま体制を変えて、座り込んだ状態でマキニスを抱えた。
マキニスが目覚めるまで、モンララはこうして彼女を抱きしめる。そして目を覚ましたら、もう一度性交を行うのだ。
彼女が孕んで、お腹を大きくするまでは。
そして、どれほど時間が経過したか。
『平行世界に異常発生。至急、管理行動に移ってください』
マキニスは、今もモンララと繋がっている。
『繰り返します。至急、管理行動に移ってください』
そのお腹は大きくなって、命を宿らせていることがわかる。
『繰り返し─────』『うるさい』
生まれてくる子を心配してか、繋がっている状態でも激しく動いたりはしない。子を孕んだとわかるまでは激しい性交をしたりもしたが、今はただ優しくしている。
『もう嫌だ。どれだけ繰り返しても終わらない』
モンララは愛妻家で、家族思いだ。モンララが外に食料を取りに行く時にはマキニスが必ずおまじないをしているが、モンララはソレがなんなのかわかっていない。
『私はここがいい。これでいい。世界なんてどうでもいい』
わかっていないが、うちのツガイはすごいのだ、という認識だけはある。
『私を愛してくれる、この子たちだけでいい』
そして今日も、モンララはツガイを労り続ける。大事なツガイと、いずれ生まれてくる子を想って。
『もうすぐ、産まれてくる』
『大好き、愛してる。ずっと一緒、だよ』
『マキニス』【ルゥリ・パス】
平行世界の管理者。ただそのためだけに生み出された存在。
死ぬまで、消えるまで平行世界の管理を行うことが使命。そのためなら自我も封印されるように設計されている。
本人の意志に関係なく。
そしてとても強い。あらゆる術式を自動で発動させることができる。しかし有害判定がなければ自動発動はできない。なお例外もある。
ある日呼び出されて、そのまま移住。世界管理を続けていたが、ある時に在来種と交わり快楽を経験。そのまま出産コースに転落していった。
世界管理を止めたため、世界は増えて交わり続けている
『モンララ』『大好き』
世界でも下から数えたほうが早いくらいの弱小種族。毒が強力な媚薬になるせいで狩られまくる。『……』
おかげで絶滅寸前。個体数は昔の数千分の一以下にまで落ち込んだ。『たくさん産むからね』
しかしマキニスと出会い、子を沢山産んでもらうことに成功する。『愛してる』
産まれた子は強く育ち、強い種として繁栄することになる。『遺伝子操作は得意』
『無尽竜』『?知らない』
強いし死にづらいしで厄介な竜……のはずだった。
なぜかあっさりと死んだが、こんなやられ役としてやられるようなやつではない。
肉片さえあれば塵になっても再生できるが、マキニスの術式が死ぬまで永続するものであると直感し、生存を本能で放棄して死亡した。
誰が好き?
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