東方淫魔伝 作:スイセン
「さぁ、遊んでもらうわよ」
食事を終えたフランは、わくわくした顔つきで宣言した。
ついに始まってしまうのか……。
「遊ぶってなにを……」
「鬼ごっこ。私が鬼ね」
怯えながら尋ねると意外と普通な遊びが提案された。
鬼ごっこ、それなら大丈夫かもしれない。
その俺の思考は次のフランの言葉ですぐさま撤回する羽目になった。
「本気で逃げないとすぐに壊れちゃうかもね」
壊れる……。
背筋に冷たい汗が流れ出す。
「範囲はこの紅魔館の中ならどこでもいいわ。それじゃあ100数えたらスタートね」
そう言ってフランは目を閉じると数を数え始めた。
100秒も待ってくれるのかなんてならない。今すぐここから逃げ出すべきだ。
こいつの身体能力とかは化け物並みなのは既にわかっている。本気でやらないと確実に殺られる。
慌てて部屋を飛び出して、階段を駆け上がる。
どこへ逃げればいい……? 紅魔館の内部構造なんてちゃんと理解してないからどこに逃げればいいのかすらわからない。
直感を信じて右へと続く廊下を走り抜けて、適当な部屋に入る。
普通に鬼ごっこの追いかけっこなんてやっても勝ち目なんてない。そもそもこの鬼ごっこにこっちの勝利条件なんてなかった筈だ。
つまり、フランが飽きるまで俺は隠れ続けなくてはない。
見つからないことを祈りつつ入った部屋の中にはクローゼットがあった。
とりあえず、この中に隠れるか……。
座ればちょうど収まるぐらいのスペースだ。
クローゼットの扉を開けて、そこに隠れこむ。きっと100秒ぐらいなら既に経過してしまった筈だ。
後はもう見つからないことを祈るだけだ。
これは鬼ごっこというよりもう隠れんぼだな。
クローゼットの中で縮こまっていると、廊下側からゆっくりと歩く足音が聞こえてくる。
妖精メイドとかであってくれ……!
そう願いながら隠れていると、俺のいる部屋の前の足音は止まった。
「どうして鬼ごっこにしたかわかる?」
不味い、フランだ……!
そして確実に気づかれてる。なんで!?
流石に早すぎる。ほぼ真っ直ぐこっちに来たとしか思えない。
「隠れんぼじゃあなたに勝ち目がないからよ」
部屋の扉が開けられる音がした。足音が少しずつ近づいてくる。
クローゼットの扉には少しだけ開いた隙間はあるが、扉が陰になってフランの姿は直接は見えない。
追い詰められた……。これはもう一気に飛び出してこの部屋から逃げるしかない。
望み薄ではあるが、運良く逃げられることを願って……!
勢いよくクローゼットの扉を開けて飛び出した。
え、あれ……、フランは……?
飛び出したら部屋の中にフランはいなく困惑して脚を止める。
その瞬間、頭上から声が聞こえてきた。
「はい。タッチ。ゲームオーバーね」
軽い声と同時に信じられない力で床に叩きつけられた。
「がはぁっ!!?」
息が吸えない。圧迫された胸元は痛いなんてもんじゃない、酷い激痛に襲われる。
背中からお腹にかけて穴が空いたんじゃないかと思うほどの一撃だ。
口の中に胃酸やら血やらが混ざった液体が溜まり、たまらずそれを吐き出すと、赤いカーペットに赤黒い液体がついた。
「あーあ。咲夜に怒られるわよ」
床に押し付けられた俺の背中へと乗っているフランは素っ気なくそんなことを言うと、背中から降りて目の前に立ち、俺の口についた血を指で拭う。
「あなたの濃い匂い。さっきの料理を食べてから更に濃くなったみたいね」
指についた血を舐めとったフランは俺を見下ろすながら口を開いた。
「それじゃあもう一回。今度はあなたが鬼ね」
ふざけるな! そんな余裕あるわけないだろ!
思いっきり言い返してやりたいが、呼吸すらままならない状況でそんなことは出来ない。そもそも、もう動けない。
確実に肋骨は折れている。痛みで意識を保つことすらギリギリの状態だ。
動き出さない俺を見て、フランはかがみこんで俺の顔を見て冷たい表情を浮かべる。
「もしかしてもう壊れちゃった? つまんない」
そう言って、俺の顔を掴み無理矢理上げさせると唐突に唇を交わした。
「っ!?!!?」
「んちゅ、んちゅ。ちゅる。ちゅっ」
舌を侵入させ、唾液をこちらへと流し込んでくる。
アリスとは違った、脳の髄を破壊していくような濃くて暴力的なキス。
「ちゅ、ちゅ、んちゅる、ちゅぱっ、ちゅぅ、れろれろ、んちゅぅ、んちゅぅ、ちゅぅ、ちゅぅ、れろ、ちゅるる」
小さい舌で俺の口内を刺激しては、次々と唾液を移してくるフラン。
意識が朦朧してる中で口を塞がれて激しいキスをされ、更に呼吸出来なくなる。
やばい、ほんとに意識が……、……………………。
「んちゅ、ぷはぁ……。美味しい血の味」
満足したように口を離したフランの胸元に俺は手を伸ばす。
しかし、それに気づいたフランは身を捩ってそれを躱すと、残虐な笑みを浮かべた。
「それじゃあゲームを始めるわ」
ああ。そうだった。鬼ごっこをするんだった。
俺が鬼であいつが獲物。わかりやすくていい。
それじゃあ鬼ごっこを始めよう。
目の前のフランが手に魔力を溜めていくのが見えた。
十六夜咲夜は少し早めの起床をしたレミリアに血入りの紅茶を振る舞っていた。
その紅茶を優雅に飲みながら、レミリアは館の中から聞こえてきた騒音に顔を顰める。
ティータイムを邪魔することは何人にも許されない行為だ。
「咲夜。様子を見てきなさい」
「はい。ただいま」
そう言って、消えた咲夜が戻ってくるまでに数秒もかからなかった。
戻ってきた咲夜は困惑した表情で状況を伝える。
「紅魔館の一角で妹様が戦っているようです」
「そう。被害は?」
「既に何部屋かが崩壊し、メイド妖精数十体とホフゴブリン数体が犠牲に」
後片付けを想像してか、重いため息を吐く咲夜。
ふんと荒々しく鼻を鳴らしたレミリアは、不機嫌そうに呟いた。
「忌々しい人間ね」
「……あれは人間なのですか?」
「人間よ。今はまだね」
紅茶を飲み干したレミリアは立ち上がる。
これ以上、紅魔館を破壊されてはたまったものじゃない。
そらに、あの人間に紅魔館の主が誰かということを教える必要がありそうだ。
視界の中で虹色の羽がひらりひらりと舞っていた。
「あは、あははははっ!」
俺の腕から逃れるようにフランが狭い廊下の中を飛び回り、隙を見ては弾幕を放ってくる。
それを躱しきれずに肌を掠ると、そこが熱で爛れる。すごい熱量だ。直撃すればただじゃすまない。
「追いつけないのかしら?」
フランを追いながら廊下を進むと視界の端の廊下に妖精メイドを見つけた。
邪魔だと妖精メイドのことを押し除け、更にフランを追う。
早い。追いつけない。
「鬼さん、こちらよ」
愉しそうに逃げるフランにはまだまだ余裕がありそうだ。
もっと早く、的確に。
彼女の背中に向けて腕を伸ばす。
その腕が突如消失した。床にドサリと何かが落ちる音がした。
見るとそこには俺の腕が……。
状況を理解するよりも早く、猛烈な痛みが体に走る。
「────、────っ!!?」
絶叫をあげ、俺を腕を切り落とした主を見ると、そこにはレミリア・スカーレットが冷徹な目でこちらを見ていた。
「人間風情がこの私の紅魔館でよくも狼藉を働いてくれたな」
レミリアの手には彼女の体躯よりも大きい魔力で作られた槍のようなものが握られていた。
「その罪、死より重い罰で償うがいい」
気づいた瞬間には残った腕も、脚も切断されて床に這いつくばっていた。
視界にとらえることすら出来ずに俺は身動きが取れなくされた。
腕は根本から、脚は膝の上あたりから綺麗に切り取られている。
切断面から溢れる血を見て、不快そうにレミリアが眉を寄せた。
「フラン、玩具で遊ぶのはいいけど、紅魔館を壊すのはよしなさい」
「……はぁーい。ごめんなさいお姉さま。ついはしゃいじゃった」
血が足りなくなって歪む視界の中でフランとレミリアはそんな会話を交わすと、フランがこちらに近寄ってきた。
「お姉さまに怒られたから今日はここまでね。私の部屋に戻るわ」
フランは俺の髪の毛を掴んでズルズルと引きずり始める。階段を降りる際には体中を段差に叩きつけられるように引きずられ、部屋に着くなり捨てるようにベッドの上に投げられた。
「人間も妖精みたいに壊れてもすぐに治れば楽なのに」
そんなことを言って彼女はペタペタと肌や傷口に触り始める。
痛いすぎるあまり痛覚が麻痺してるのかフランに触られてる感覚すらあまりない。
「……うーん。このままだとどうしようもないや」
言って、フランはぎゅと右手を握りしめた。
その瞬間、切断された時よりも強い激痛が身体中を襲い始める。
皮膚の穴という穴から勢いよく血が飛び出す感覚と共に、内臓が反転するような気持ち悪さすら襲ってきた。
「────っ!!!! ────ぐぁっ、うぁ、ああああっ!!?」
あまりもの痛みに絶叫を上げていると、フランは押さえつけるように俺の胸元に馬乗りになる。
ビチャリという音がして、フランの身体が俺の血を浴びて赤く染まった。
「あーあ、汚れちゃった」
全く残念じゃなさそうにそう言ったフランは、血のついた洋服や髪を触ると、唐突に服を脱ぎ始めた。
なにが起きているのか理解する間もなく、彼女は一糸まとわぬ姿になると抱きつくように俺に身を寄せる。
フランの軽い体重が身体全体にのしかかり、生暖かい感触が僅かに感じられた。
「随分と贅沢な従者ね」
そんな言葉を耳元で囁いたと思うと、ごりゅと耳の中に舌を侵入させてきた。
っ!?!!?
「あー、んちゅく、ん、……ちゅ、ぴちゅ……、ちゅっ、ちゅっ、ふちゅっ、んちゅぅ、れろれろ……、んー、ちゅる、ちゅる、ぷはっ……」
唾液で俺の耳をベトベトにしたフランは、次はと唇を口元へと近づけてきてキスを行う。
「はぁむ、んむ……ちゅ、ちゅ、ちゅ……、ちゅぅぅ、ちゅ」
唾液を移しながらねちっこくキスを繰り返したフランは、俺の下腹部へと視線を向けた。
「んはぁ、気持ちいいんだ……? もっとしてあげるわ。ちゅ、ちゅ……、んちゅ……ちゅ……」
先程行われた暴力的なものではなく蕩けるような甘いキス。
その気持ちよさに無意識に俺の肉棒は反応して硬くなっていた。
「んちゅ……、……唾液だけじゃ、足りないでしょ? んっ、ほら……」
そう言ってフランは少しだけ恥ずかしそうに顔を赤らめながら、俺の顔面の上に跨る。
目の前にフランの秘部が見えて、そこからは愛液がポタポタと垂れていた。ゆっくりと腰を落として、秘部を近づけてくる。
口元がフランの大事な部分で覆われて塞がれた。
「んあっ、んんっ」
フランは気持ちいいところを探るように腰を動かすと、小さく喘ぎ声を上げ始める。
ぐっ……、こいつはなにが……。
なにを目的でやっているのかわからないが、フランは快楽に没頭するように腰を動かすので、俺も秘部に舌を伸ばす。
「ああっ! んはあっ!」
秘部の先に少し触れると驚いたようにフランが声を上げて、腰を浮かした。
そして、不満げにこちらを見る。
「従者のくせに勝手に主を気持ちよくさせようなんて生意気ね」
そう言ったかと思うと、フランは跨る向きを変え、俺の下腹部へと頭を向けて腰を下ろした。
それと同時に、肉棒に柔らかい刺激が伝わる。
「んふぅ……、んちゅ、ぢゅる、ちゅ……、んんっ……」
俺の口元に秘部を押し付けながら、フランは肉棒を舐め始めていた。
それならと、俺もフランの秘部を舐め始める。
「んちゅ、ちゅる、れろ……れろ……、んはぁ、あぁ、んぁ、れろ、んんっ!」
小さく喘ぎ声を上げながらもフランは肉棒を手に持ち、丁寧に舌を這わせて刺激を与えてきた。
それに答えるように俺もフランの秘部の中に舌を入れて、膣内を刺激してやる。
「んんっ、んはぁ、ちゅ、ちゅぅ……ちゅぅ、んっ……んあああっ!」
一際甲高い声をフランがあげた。どうやら、ここがフランの弱点らしい。
そこを重点的に舌で刺激してやる。
「んあっ、んんんっ! んはぁっ! あああっ!」
まともに肉棒を舐めれないぐらいに感じ始めたフランはビクビクと身体を震わせ始めた。
「んはぁああ! ああっ! んあぁっ! んああぁぁああああ!!」
甲高い嬌声と共にフランの身体が脱力する。
秘部からは先程とは比べ物にならないぐらいの愛液が溢れ出していた。
「自分でするよりも気持ちいい……」
自分でしてたことあるんだ……。
そんな感想を抱いていたら、フランがゆっくりと姿勢を戻して俺に向き直る。
「もっと、気持ちいいこと、特別にしてあげるわね……」
腰を浮かして秘部を俺の肉棒の先端へと持っていくフラン。
吸い付くように肉棒の先端に秘部が触れ合った。
「んっ……、ほんと、贅沢な、従者……んはぁあああっ!」
腰を落として一気に肉棒を秘部で根元まで咥え込んだフランは喘ぎ声を上げながら身体を震わせる。
秘部からは赤い血が流れていた。
「はじめて……!?」
「……当たり前、でしょ。495年間も部屋から出たことなかったんだから……。んっ、そんなに痛くない」
小さく深呼吸をしたフランはゆっくりと腰を動かしはじめる。
気づけば切断された腕や脚の痛みは消えていた。
紅魔館編一発目のHシーンはフランでした。次回も続く。
淫魔録その4
主人公視点の描写は信用できない