東方淫魔伝 作:スイセン
日が沈み始め、壊れた壁から殊更寒い風が吹き込んでくるようになったころ、何度目かわからないキスを終えて唇を離した。
「よくもまぁ、飽きもせずに出来ますね……」
頬を赤くした小悪魔がぎゅっと抱きつきながら口を尖らせてそんなことを言う。
「美少女とのキスがそう簡単に飽きるわけないだろ」
「美少女、ですか……」
少し眉をひそめるようにした小悪魔は小さくため息を吐いた。
「私は飽きてきたというか、少し疲れてきたというか……」
「ああ。俺が魔力を奪ってる分もあるだろうからな」
キスをする度に小悪魔の魔力は消費されている筈だ。
それが俺の能力であり、アリスやルーミアと身体を重ねた時に気絶するように2人が眠ることが多かった理由でもある。
「それで、身体の調子はどうなんですか?」
「全快の3割にも満たないな……」
背中の感覚は戻り、酷い激痛に襲われているし、抱きついてくる小悪魔の柔らかい触感はしっかりと感じれるようになったが、全回復にはほど遠そうだ。
ただ、怪我のレベルからして異常な速度の治癒速度と言えなくもないのだろう。
「……そうですか」
俺の回答になぜかジトッとした目を向けてくる小悪魔。
「どうかしたのか?」
「いえ、身体が満足に動けなくても性欲は盛んなんだなと思いまして」
そう言って小悪魔は太腿を俺の股間に擦りつけた。
意識しないようにはしていたが、俺の肉棒は勃起し、それに小悪魔は気づいていたようだ。
「あー……、まぁ、死にそうになったら種の保存の本能的にな」
「悪魔の私を犯したところで種の保存は出来ない可能性高いと思うんですけど……」
言って、小悪魔はぐりぐりと太腿を動かして肉棒を刺激してくる。
「こんなに硬くして……。本当に変態ですね」
「正常な人間の反応だ。変態呼ばわりはやめろ」
「妖怪に興奮するとか幻想郷では正常じゃないんですよ」
そんなこと言いながらぐりぐりしてくるのやめてくれませんかね。
「まぁ、私の下着にも興奮するような変態さんですもんね」
「勝手に納得するなよ」
「興奮しないとでも?」
「……黙秘権を行使する」
俺の言葉に小悪魔はやれやれとため息を吐くと、抱きついていた身体を離す。
「そろそろ動けるんでしょ?」
「動くくらいならな」
そういえばずっと小悪魔にのしかかったままだった。
妖怪だから俺の体重程度は重くないだろうが、多少は息苦しいだろう。
俺が立ち上がって退くと、小悪魔は起き上がり凝り固まった身体をほぐすように大きく伸びをした。
……目のやり場に困る。
倒れる前まで下着を見せるために上着のボタンを外していただけに、大きく開かれたシャツの間からはブラが顔を覗かせ、それが伸びをすることで大きく強調されていた。
俺の視線に気づいたのか、小悪魔がニヤリと笑う。
「どうかしました? そんな視線を逸らして」
「……いや、別になんでもない」
くっ……、こいつわかってやってるな。わざとらしく見せつけるように前屈み気味になって俺の顔を覗き込もうとしてくる。
「……泣いた癖に」
「な、に、か、い、い、ま、し、た?」
「いえ、何も」
すごい圧だった。怖い。これが悪魔の本気か。俺が泣きそう。
「あなたはどうやら私を舐めてるみたいですね」
小さく笑った彼女は唐突に、目にも止まらない速さで近づいてきた。
「なっ!?」
慌ててガードの姿勢を取ろうとしたが本調子でないことも相まって全く間に合わない。そのまま勢いよく押し倒され、小悪魔が俺に馬乗りになる。
見下ろすように小悪魔がじっとこちらを見てきていた。
「……それで? ここからどうするんだ。ここからまた頭でも吹き飛ばすか?」
大図書館での出来事の再来でも行うつもりだろうか。しかし、小悪魔は首を横に振る。
「随分と余裕ですね。まぁそうですね。頭を吹き飛ばしたところで面白くないですし……」
言って、小悪魔は俺に密着するように身体を這わせた。
「気持ちいいことでもします?」
「……どういうつもりだ?」
「こんなに股間を膨らませて……、私とエッチ、したいでしょ?」
妖艶に笑うと小悪魔は肉棒をゆっくりと触り始める。
「本気か……?」
「ええ。あなたの能力、卑猥なことで魔力が回復するなんて言ってましたけど、ならもっと深い繋がりをした方が回復も早いんじゃないですか?」
「まぁそうだな」
「私も気持ちいいことしたいですし……、あ、それとも私じゃ不満でした?」
わざとらしく傷ついたような表情を浮かべた小悪魔は瞳を赤く光らせた。
「あなたが望むなら紅魔館の誰かを催眠にかけて行為を強要することも可能ですよ?」
小悪魔は甘い蕩けるような優しい口調で、まさに悪魔のような誘いをしてくる。
「どうですか? 好きな人の名前を呼んでさえ呼んでくれれば、その人は貴方の意のままです」
吸い込まれるような赤い瞳でじっとこちらを見つめ、俺の反応を待っているようだ。
「……わかった。なら」
俺が呟くと、小悪魔はペロリと舌を出して小さく言葉を唱えた。
直後、目の前に新たな人影が現れる。
「すみませんね。わざわざ来てもらって」
「いえ。いいのよ。これもメイドの仕事だもの」
にこやかな笑みを浮かべる小悪魔に対して、いつものような真面目そうな態度で答えるのは十六夜咲夜。紅魔館の管理を行うメイド長だ。
今の俺たちの格好を見ても何一つ言わず、ぼーっとしたようにこちらを眺めている。
「それで、どうしたいんですか? 咲夜さんのこと犯したいんでしょ?」
こそっと秘事でも話すかのように小悪魔は耳打ちしてきた。
じっと咲夜を見返すと、コテンと不思議そうに首を傾げられる。
「これって催眠にかかってるのか?」
「はい。もちろん。証拠見せましょうか?」
そう言って、俺にのしかかっていた小悪魔は起き上がり咲夜に耳打ちした。
「……ええ。わかったわ」
頷いた咲夜はネクタイを緩めると、メイドシャツを脱ぎ始めた。躊躇うことなくメイド服全てを脱ぎ捨てると、咲夜は下着だけを身につけた状態となって俺へと跨る。
小悪魔とはまた違った大人っぽい黒い下着のブラジャーを上へとずらし、隠されていた部分を全て露わにすると押し付けるように俺の胸元へと密着させた。
小悪魔とはまた少し違った、それでも女の子らしい柔らかい感触だ。
「重くないかしら……?」
ちょっと不安げな表情でそう尋ねて咲夜は俺の肉棒へと手を伸ばす。
「ふふ。どうですか? あの完璧で瀟洒なメイドである咲夜さんのこういう姿を見るのは? 興奮しますよね?」
やけに楽しそうな笑顔で言うと、小悪魔も咲夜と同じように下着だけを残して服を脱ぎ始めた。
「少し大きくなったわね」
俺の肉棒をさすっていた咲夜がそんなことを口にすると、小悪魔は面白そうに笑う。
「私の姿に魅力されちゃいました? でも、ダメですよ? ここからがお楽しみなんですから」
小悪魔は下着だけの姿になると、俺を挟み込むように咲夜とは逆側にぎゅっと密着した。
「私たちも恥ずかしい格好しているんですから、あなたも……」
そう言って、俺の答えを待たずにズボンを下ろし始める。
「まだ何も言ってないんだが……」
「ここまできて今更嫌だとは言いませんよね?」
「こんなに大きくして苦しいでしょ?」
無理矢理押し倒すように小悪魔はパンツも下ろすと、俺の肉棒を露出させた。
「大きい……」
肉棒を見た咲夜が感心するように声を漏らす。
マジマジと見られると流石に恥ずかしいな。
「咲夜さん、感心してないでご奉仕しないと」
「あ、そ、そうね。それじゃあ始めるわね」
小悪魔の言葉に頷いた咲夜はたどたどしい手つきで肉棒を刺激始めた。
「……ご奉仕ってどんな設定なんだよ」
「気になります?」
「まぁ、多少は」
「紅魔館に働くスタッフへのメイド長からの特別マッサージって設定で暗示をかけました」
「……薄い本にでもありそうな催眠だな」
「薄い本ですか?」
不思議そうな顔をした小悪魔だが、すぐに興味は失せたのか、小悪魔も肉棒に手を伸ばしゆっくりと刺激を始める。
……下着姿の美少女2人に挟まれて手コキをしてもらえるとかまるで夢のような状態だな。
「……気持ちよくなかった?」
違うことを考えていたのが顔に出ていたのか咲夜が少し不安そうにこちらを見た。普段は絶対に見せないような庇護欲を掻き立てる表情だ。
「いや、そんなことない」
「それは良かったです」
ほっとしたように再び肉棒に手を這わせる咲夜を見て、ついついと手を彼女の胸に伸ばしてしまった。
抱き寄せるように外側から彼女の胸へと手を伸ばして触れてみる。
「あっ、急に……」
驚いたように身体をピクンとさせた咲夜だが、嫌がることなくそっと耳元に口を近づけてきた。
「……お好きなように」
囁くような甘い誘惑に促されるように触れていた手で軽く揉んでやると形の良い胸が少し歪み、咲夜は小さく喘ぐ。
「んっ、んはぁっ……」
一瞬の刺激では物足りないのか、太ももを擦らせ、懇願するようにこちらへと視線を送ってきたので、答えるようにさらに何度か胸を揉んだ。
「あっ、んんっ……、はぁ、んぁっ……」
随分と感度が良好なようで揉むたびに身体を震わせている。
「咲夜さんの胸、そんなにいいですか?」
隣を見ると、小悪魔が少し不機嫌そうに頬を膨らませて肉棒をしごいていた。
何か言おうかと思ったが、小悪魔の場合はそれよりも行動に移してみせた方が早いと判断し、小悪魔の胸へと手を伸ばした。
「あっ……、ん、どう、ですか? 咲夜さんの胸と比べて」
それ、地雷すぎる質問じゃないか?
「……ブラジャーの感触」
小悪魔は少し怒ったように眉を寄せる。
小悪魔はブラつけたままだから咲夜と比べてブラジャーの感触というのは、別に嘘は言ってないんだが、小悪魔が聞きたいのはそういうことじゃなかったのだろう。
「……そうですか。なら、もっとちゃんと味わって下さい」
言って、小悪魔は肉棒を刺激していた手を止めると、ブラジャーを後ろのフックを外して脱ぎ、胸元を露わにした。
そして、授乳でもさせるかのように俺の口元を塞ぎ、胸を顔に押し付けてくる。
「んっ……、好きなだけ吸っていいんですよ?」
視界いっぱいが小悪魔の胸元で覆われながら、俺が舌を動かすと小悪魔は小さく声を漏らす。
「あっ……、んんっ……」
胸の先端部を舐めてやると、ピクンと身体を震わせた。
「んあ、あぁ……、気持ちいい……ですね」
蕩けきった声でそんなことを言うので、軽く乳首を甘噛みしてやると、甲高い矯正をあげた。
「んああぁっ! ……もう、いきなりはびっくりするじゃないですか」
文句を言いながらも満更でもなさそうな声色で更に胸元を押し付けくる。
俺が小悪魔の胸元を楽しんでいる間も咲夜は丁寧に肉棒を刺激してくれていた。
「透明な液体が出てきたわね……」
咲夜は滑りがよくなった肉棒を掴み、手を上下に動かしたり、亀頭の先端を指で触ってみたりと更に刺激を強めていく。
「どんどん硬くなってそうですね? もう出そうなんですか?」
小悪魔はそう言うと、胸を離して悪戯っぽく笑う。
「出すなら、ここに……」
ショーツをずらして秘部を露わにした小悪魔は、俺の下腹部へと跨るとゆっくりと腰を下ろし始めた。
「んっ、前よりもおっきい……」
肉棒をすっぽりと秘部へと収めきると、小悪魔はゆっくりと腰を上下に動かし始める。
「それに硬い……、もしかして咲夜さんがいるからですか?」
「ふふ、それなら私は」
小さく笑った咲夜は履いていたショーツを脱ぐと、俺の頭上へと跨る。
胸を揉まれて興奮したのか少し濡れ始めている咲夜の秘部が視界に入った。
綺麗なピンク色をしたそれを咲夜はゆっくりと顔面へと下ろし、脳がとろけるような香りと共に、口元が再び塞がれた。
「あっ……、んぁ……」
「んんっ、んはぁ、あん……」
小悪魔と咲夜が互いに声を漏らし始め、室内に2人の喘ぎ声が響き合う。
「いつでも、出していいですからね……?」
そう言いながら小悪魔は肉棒を子宮へと打ち付けてくる。咲夜もぐりぐりと秘部を押し付けて刺激を楽しんでいるようだ。
……そろそろ、出そうだ。
射精感が限界まで高まっていることを感じる。きっとこの2人相手なら何度でも射精出来てしまうだろう。
だから、名残惜しい。
ゆっくりと腕を咲夜へと伸ばして、俺の顔面に乗っていた咲夜を引き剥がす。
「きゃっ……! ……どうかしたの?」
唐突に引き剥がされた咲夜は不満そうな顔でこちらを見てきた。
「……いや、これ以上は不味いと思ってな」
「……不味い?」
「ああ。そうだろ、小悪魔?」
「えっと、何が……」
俺が小悪魔を見て問いかけると、動揺したように瞳を揺らした。
そんな、小悪魔を見ながら俺は咲夜でも小悪魔でもなく、何もない空間へと右手を伸ばした。
「続きは現実でな」
「えっ、ちょっと、待っ!!!」
慌てたような小悪魔の声が遠くで聞こえたと思ったら、唐突に見ていた景色全てが歪んだ。
そして、夢のような空間は正に目覚めるようにさっぱりと消えてなくなる。そして、俺が伸ばした右手は小悪魔の左腕を掴み、小悪魔は驚いたように目を丸くしていた。
辺りを見渡すと、あの空いていた壁の穴も存在しないし、時計もない。小悪魔の部屋とは違う場所のベッドの上で俺が寝かされていたことがわかる。
「……いつから、気づいていたんですか」
小悪魔は言い訳するでもなく隠すでもなくそう尋ねた。
「あまりにも都合が良すぎるだろ。あの催眠。流石に嘘っぽいぞ」
わざわざ小悪魔程度の下級悪魔じゃ、催眠にかけれないであろう咲夜を選んだというのにあんなに簡単に催眠をかけた状態ですって感じで用意されたものだからあれが幻覚であることなんてすぐに理解できた。それに俺の能力もあるしな。
悔しそうに下唇を噛む小悪魔は何も言わない。
「幻覚に嵌めたタイミングはいつだ? 怪我の治り具合的に何度か本当にキスはしたんだろ?」
キスをする前から幻覚という説もあったが、起きてみれば背中は痛いが動けないほどではないので小悪魔から多少の魔力を貰ったのは間違いない。
「5度目のキスの時、あなたが油断していると思って……」
5度目か……。小悪魔の赤い瞳を見たという記憶はない。
ただ、赤い瞳から幻覚に入れるというルールがあるわけでもないので、何か別の方法でも使って幻覚に嵌めたのかもしれない。
「んで、幻覚を俺に見せて何をしたかったんだ?」
その質問に小悪魔は答えなかった。
まぁ、別にどうでもいい。それに多少の予想はついている。
ただ問題はこいつがまた簡単に罠に嵌めてきたということだ。後先考えないとは思っていたが、ここまでとは想定外だ。フランとの約束で使い魔にするって言ってしまったし、もう少し従順にした方がいいかもしれない。
俺は思いっきり腕を引くと、小悪魔は抵抗することなく俺の寝ていたベッドの上に倒れ込んだ。
「なにをするんですか……?」
疑わしげな目で見てくる小悪魔を無理矢理にあすなろ抱きのような姿勢へと変え、耳元で囁いてやる。
「命令だ。抵抗するな」
「っ!」
小悪魔がピクンと身体を震わせた。
俺の意図がわからないのだろう。別にわからなくてもいい。
ただ、今からまたあの夢のように小悪魔を犯すだけなのだから。