東方淫魔伝 作:スイセン
ふと外の世界での数少ない記憶がよぎった。
それは、大学に入学して出会った彼女の出来事だった。
長い黒髪に端正な顔立ち、露出を好まないのか夏場でも長袖を着ていた彼女はよく一人で教室の隅に座って外を眺めていた。
友達もいないのか、偶に話しかけるのはチャラそうな男子生徒のみ。
それを冷たくあしらう彼女はどこか俗世から離れているようにすら見えた。
俺と彼女に関わりなんて特になかったし、そのまま大学の4年間を終えるはずだった。
それが何をどう間違えたのか、俺と彼女はいつの間にか恋仲の呼べるほど親しい関係となってしまった。
きっとそれは間違いだったと今ではそう思う。
もし過去に戻れるなら昔の自分を殺しても未来を変えようとするだろう。
彼女と恋仲になり、数回のデートと呼べるものを経験して俺と彼女は身体を重ねた。
初めての時は緊張でぎこちなかった俺を彼女がリードするようにして行われた。
意外にも慣れた所作に驚かされたのが記憶に残っている。
そして、それから彼女は少し変わった。いや、元々そうだったのかもしれない。
彼女に近づいて、彼女のおかしさを知ってしまった。
まるで縋り付くように彼女は俺に執着するようになっていた。
ありとあらゆる場所で、時間と人目さえ気にすることなく彼女は俺の身体を求めるようになった。
大学の講義中に机の下で彼女の手が俺の下腹部へと伸びるなんて日常茶飯事だったし、昼休みになれば人が少ない教室へと俺を連れ込み身体を重ねようとしてきた。
性欲が強いなんてレベルではない。明らかに異常だった。
一度、彼女に辞めてくれと伝えたことはあった。その時の彼女の顔は忘れられない。
全てを諦めたかのように絶望した顔。すぐにでも命を絶ってしまいそうな表情だった。
そして、俺の発言はすぐに撤回する羽目になってしまっていた。
世の中にはメンヘラなんて言葉もあるが、彼女の行動を定型化するとしたらそれが当てはまるのだろう。
ただそれが正しいのは思えなかった。
彼女はきっと理解していた。その表情をすれば俺が撤回せざる得ないのだと。
まるで操られるように俺は彼女の狙い通りに動いていたのだろう。
それほど彼女は俺を理解していた。そして最後まで俺は彼女のことを理解できなかった。
「んあああぁああああっ!!」
鳴り響く甲高い嬌声に意識が現実へと戻される。
どうして急に思い出したりしたんだ……。
少し痛くなる頭の中を振り払うように目の前の小悪魔へと意識を向け直す。
身体を震わせた小悪魔は秘部から大量の愛液を放出し、舌をだらしなく出していた。
小悪魔の着ていたスーツのようなシャツは汗でぴったりと肌に張り付き、ベッドのシーツの上には大量のシミの痕が残っている。
そして、部屋中に頭がクラクラとするような濃厚な甘酸っぱい愛液匂いが漂っていた。
小悪魔を犯し始めてどれくらい経っただろうか。多分、2時間以上は既に経過している筈だ。そろそろパチュリーや咲夜あたりが遅い小悪魔を探しに部屋に入ってきてもおかしくないのに、未だに入ってくる気配は感じない。
「も、もう、お願いだから、んあっ!」
懇願する小悪魔を無視して膣内へと指を侵入させ再び刺激を始めた。
もう片方の手では大きく開いたシャツの間から露出させた胸を揉んだり、勃起している先端部を摘んだりと、小悪魔が感じるようにいじってやる。
「あぁっ! お゛、お゛っ! いぐっ! いっぢゃうから!」
だらしなく喘ぐ小悪魔は再びビクンと身体を跳ねさせて達した。
随分と感度がいい。イク度に高まっているのか、絶頂するペースも早くなっている。
顔を汗やら涙やら涎やらでぐちゃぐちゃにした小悪魔をただひたすらに絶頂に導く。
「んああぁぁああっ! んはぁああっ! もう、やめ、あぁあ!」
叫びにも似た声をあげ続けながら小悪魔は再び達した。
これで何度目の絶頂だったろうか。数えてなかったので覚えてないが既に2桁は超えて絶頂を繰り返しているだろう。
最初の方は喘ぎ声をあげるのを我慢するように口を閉ざしていた小悪魔ではあったが、無理矢理口の中に指を突っ込んで声をあげさせながら絶頂をさせるうちに声を我慢することすら忘れるぐらい感じるようになってしまっていた。
しかし、まだ一度も肉棒を挿入してはいない。
肉棒を挿入した行為をしてしまえば小悪魔の魔力を多大に奪ってしまうので、小悪魔の痴態を見て痛いほど硬くなってはいるが挿入することなくひたすら小悪魔を責め続ける。
「んはあぁあああ! やあぁああぁぁああ!」
再び小悪魔が絶頂したのを確認すると俺は膣内から指を引き抜き、刺激を与えていた乳首も離してやった。
「んはぁ……はぁ、はぁ……」
疲れ切ったように荒い息をする小悪魔は恐る恐るといった様子でこちらを見る。
「どうかしたか?」
「どうかしたって……、こんなに、無理矢理……はぁ、んっ……んぁっ!」
喋っているを邪魔するように両手で胸を揉みしだくと、身を悶えさせながらもこちらを睨んできた。
「まだ、やるんですかぁ……、変態ですね……」
「口が悪いな」
「んがぁっ! ふひのなかにゆびいれるのやめてくらさい!」
文句を言ってはくるが指を噛んでくるようなことはしてこない。最初の抵抗するなという命令が効いているのだろう。
悪魔という種族も難儀なものだな。契約を破れないなんて。
昨夜の弾幕戦の後、小悪魔は俺に対して本気の暴行を加えてこない。それだけに限らず、基本的に俺の命令に忠実に従っている。
不服そうな顔をしたり、文句を言ったりなどはしてはいるが本気での抵抗が出来ていない。
それは弾幕戦時に交わした俺の使い魔になるという契約によるものなのだろう。
先程わざわざ幻覚を向けてきたのも現実世界では危害を加えられないからだ。実際、幻覚にハマっていた俺を痛めつけるでもなく、壊れた部屋からこの部屋のベッドにわざわざ運んでいるのだ。
ということは、あの幻覚、最後まで見ていたら肉体的ではなく、精神的にくるような嫌がらせでも用意してあったのだろうか。少し気になりもする。
「ふー、ふー、ゆひ、つっこまれてるのいやらんれふけど」
こちらを睨みつけてくる小悪魔からはまだ反抗の意識を感じられた。
責められてる時は素直なのにそれが無くなるとすぐに反抗心を出されるのは困りものだ。
どうしたものかな……。
口から指を引っこ抜いて、そのまま小悪魔の秘裂へと腕を伸ばす。
「んぁっ、もう、また……、あぁっ……!」
快楽に耐えるように口を結ぶ小悪魔を見て、俺は秘部に入れた指を止めた。
「……どうしたんですか」
困惑したようにこちらを見る小悪魔。膣内は指を締め付けるように伸縮を続けている。
……まさかな。まさかではあるが、もしそうだとすれば小悪魔の行動のいくつかに説明がついてしまう。
「……お前、ちょっとハマってるだろ」
思いついた言葉を口にする。瞬間、小悪魔の頬がトマトのように真っ赤に染まった。
「な、何を言ってるんですか! そんなわけ」
「じゃあ、やめるか」
「あっ……」
俺が指を引き抜き、身体を解放してやると小悪魔は切なそうに声を漏らす。
引き抜いた指には小悪魔の唾液やら愛液が混ざった液体がべっとりと付いていた。
その指をじっと見つめながら、小悪魔はもぞもぞと太腿を擦り合わせる。
「……別に私は構いませんけど? ただ、またあなたに幻覚を見せたりするかもしれませんよ?」
やけに早口気味に小悪魔は言うと、瞳を赤く怪しく光らせた。
「どうでもいいな。お前の幻覚にハマったところで危害加えられるわけでもないし」
ハッタリだ。幻覚を見せられるのは辛い。
先程の小悪魔と咲夜のような幻覚ならまだしも、トラウマの映像を再び見せられたら正常でいられてる自信がない。
しかし、そんなことを知らない小悪魔は動揺したように瞳を揺らすと悩むように黙り込んだ。
息切れでもするかのように小さく何度も呼吸を繰り返した小悪魔はゆっくりと口を開いた。
「……それなら仕方ないですよね」
「あ? それはどうゆう」
呟きの意図を聞こうとしたら小悪魔はそれよりも早くに俺にのしかかる。
ベッドの上に押し倒すように俺に体重をかけると、そのまま身体を押し付けながら自分も倒れ込む。
「……また幻覚か?」
「どうでしょうね」
そう言った小悪魔は俺の下腹部へと右腕を伸ばしながら怪しい笑みを作った。
「言ってましたよね。私を使い魔にするって」
「そんなこと言ったか?」
「とぼけても無駄ですよ。それに違ったとしても私が勝手に使い魔になってあげます」
話しながら肉棒を手で包み込んだ小悪魔はゆっくりと上下に動かし始める。
「随分と強引だな」
「嫌いですか?」
その問いに答える代わりに小さく面白そうに笑って返した。
「それで、使い魔になってどうするんだ? お前にメリットなんてあったか?」
「簡単ですよ。私が使い魔になる。それはつまり何かの代償を私に払うってことですよね」
代償。考えてもいなかった。
ただ、悪魔を従えるということは確かに何かしらの代償は求められるものというのは何かしらのイメージとしてある。
「命でも欲しいのか? こんな命ならくれてやるぞ」
ここまで無防備な状況なら誰でも殺せてしまいそうだ。
「要りませんよ。あなたの命に価値なんてありません」
「価値ないって酷いな。じゃあ魔力か? 悪いな。魔力持ってないんだ」
「それも要りません。魔力はパチュリー様から貰ってますから」
そっと小悪魔が視線を肉棒へと移した。
「現実でするのは初めてでしたね」
「ここが本当に現実ならな」
「幻覚か疑ってるんですか。まぁ、解釈はお好きなように」
肉棒から少しずつ先走りの汁が漏れ始め、小悪魔が手を動かすたびにぬちゃぬちゃと卑猥な音を立て始める。
「興奮してるんですね。嬉しいです」
「随分と素直だから裏があるんじゃないかと不安になってきた」
「裏? もちろんありますよ?」
笑った小悪魔は手コキをやめて肉棒に秘裂を近づけるように跨った。
キスするように秘裂の入口と肉棒の先端を合わせる。
「わかりますか? 私のここ。こんなに吸い付いちゃって」
今にも肉棒を飲み込もうとするようにその秘裂は愛液を垂らしていた。
「あなたのがこれが欲しいって言ってるんですよ」
「……つまりそれが代償か?」
「ええ。凄い簡単であなたにとっては利しかない話ですよね?」
この挿れていない状況が焦れったいのか小悪魔は何度も肉棒の先端に秘部をキスさせる。
「後はあなたが頷くだけです。それで契約は完了。私と気持ちのいいことしましょ?」
待ちきれないように少し荒めの息をつきながら小悪魔は誘い込むような笑みを浮かべた。
「……悪魔の契約か」
「何か不安でも?」
「俺が知ってる物語は悪魔と契約した奴って例外なく不幸になるんだよな」
「それが悪魔ですから」
ああ。つまり、この誘いに乗るのは間違いだ。
悪魔を使い魔にした人間は破滅しか歩まない。フランの言っていたことはそういうことなのだろう。
ならば答えは決まっている。
「俺を破滅させてくれるか?」
「ええ。喜んで」
「そうか。嬉しいよ」
頷いた俺に答えるように小悪魔は一気に秘部に肉棒を挿し込んだ。
「んあああぁああっ!」
一際大きな嬌声が部屋中に響いて、夜の闇に溶けるように消えていった。
主人公の過去話が少し出てきました。そして、今回の話は現実なのか幻なのか。
東方淫魔録その7
主人公の歳は大学生くらい。好きな食べ物は彼女の作ってくれたハンバーグ。嫌いな食べ物は彼女の────。