※この作品はR-18です。

東方淫魔伝   作:スイセン

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[第32話]人形と悪魔とお風呂(R)

 暗い夜の泣き出しそうな空の下で彼女はゆっくりと肩を揺らして歩いていた。小さく口ずさまれる歌声が夜の闇に静かに溶けて消えていく。

 

「それ、なんの曲だ?」

 

 尋ねた俺に彼女はなんて答えたのだったのだろうか。確か、一昔前の俺の知らない曲の名前を告げられたような気もする。

 

「───はほんとに何も知らないよね」

 

 少し可笑しそうに彼女はそんなことを言う。

 それに対して俺はなんて答えたんだっけ。きっとそんなことはないとか、子供っぽく反論してそれを更に笑われた筈だ。

 けど、実際そうだったのだろう。俺は何も知らなかった。

 彼女のことも自分のことも。

 もし知っていたら何か変わったのだろうか。あの結末を避けられたのだろうか。

 意味のない考えは泡末のようにゆっくりと浮かんでは消えていく。

 そして、結局残ったのは、あまりにも狂った答えだった。

 

 

 

 

 

 

 頭がガンガンする。気持ち悪りぃ……。

 目が覚めた時に最初に思ったことはまるで二日酔いの後のような感想だった。

 目を覚ました場所はいつもの紅魔館の一室。藍との戦闘のあと、気絶した俺はここに運び込まれたのだろう。

 身体を起こすと、刺すような痛みが全身を襲う。

 

「っぅ……!」

 

 痛みに顔を歪めていると、俺が寝ていたベッドに寄りかかるようにして1人の少女が小さく寝息を立てているのが見えた。

 フランとはまた少し違う輝くような金髪に、白い肌。どこか人形のようにすら見える少女。

 

「……アリス?」

 

 なんでここに……? 

 俺の呟きが聞こえたのか、アリスがパチリと目を開けて、こちらを見た。

 

「……おはよう。目が覚めたのね。よかったわ」

 

 ほっとしたような表情をしながら、寝顔を見られたからか少し恥ずかしそうに顔を赤らめてアリスは立ち上がる。

 

「痛むところは……あるわよね。身体中痣だらけだし」

 

 そう言って俺の容体を確認するように布団を剥がして、俺の身体を見始めた。

 藍との戦闘によってボロボロになった服は捨てられたのか、俺はホテルの寝巻きのような格好になっていた。

 その胸元をはだけさせてアリスが怪我の様子を確認する。

 

「……なぁ、なんでいるんだ?」

 

 為されるままに診察を受けていたが、堪えきれずに尋ねるとアリスはきょとんとした後に、不機嫌そうな顔になった。

 

「なに? 私が居たら悪かったかしら?」

「そんなことは言ってないが……」

「偶々紅魔館に本を借りに来たのよ。そしたら、あなたが寝込んでるって小悪魔が言ってたから」

 

 それでわざわざ看病をしてくれたということだろうか。それは悪いことをしてしまった。

 

「そういえば、小悪魔があなたのことご主人様なんて呼んでたけど……、使い魔にでもしたの?」

「……いや、まぁ、色々あって」

「なんであんなのを……、私の人形の方がまだ優秀よ」

 

 さらっと小悪魔に対して酷いこと言ったな。

 

「それよりも、何があったの? 小悪魔が言うには、死にかけのあなたをフランがパチュリーのところまで引きずってきたって話だったんだけど」

「フラン……?」

 

 なんでそんな名前が出てくるんだ。

 あの話フランなんて居なかった筈だ。

 

「あいつに何かされたの? こんな怪我して」

 

 怒ったような口調でアリスが言う。その隣では人形が浮いて武器を持っていた。下手なことを言えば、俺に怪我をさせた相手に突撃していきそうだ。

 

「……それよりも、ちょっといいか?」

「えっ、なにを、きゃっ!」

 

 腕を伸ばしてアリスを引き寄せると、突然のことに驚いたのか彼女はバランスを崩して俺に抱きつくように倒れ込んだ。

 一気に顔が近づく。彼女の息遣い、鼓動さえも聞こえてきそうな距離。

 

「ど、どうしたの……?」

 

 困惑したようなアリス。誤魔化しの手段としては最低な気がしなくもないが、仕方がない。俺は彼女の唇を唐突に奪う。

 

「んむっ!? んちゅ、ちゅ、ちゅる、れろ」

 

 目を見開いたアリスだが、口内に舌を入れてやると、抵抗ことすることなく、舌を絡めてきた。

 

「ちゅ、ちゅ、ちゅぱ……、っ……、なにするのよ、いきなり」

 

 唇を離すと不満げな表情で文句を言ってくる。それを無視して今度は胸に手を添えてやった。

 

「ちょ、話を聞いて……んっ……」

 

 少し揉んでやるとピクンと反応を見せた。

 

「やぁ……、あなた、少し、おかしいわよ……」

 

 流石に恥ずかしいのか小さく抵抗してこようとするアリスの手を無理矢理引き剥がして、欲望の赴くままにアリスの胸を愛撫する。

 

「あっ……、んっ……」

 

 声を我慢するように指を咥えたアリスは為されるがままに受け入れてくれた。

 ならばと更に強く揉みしだく。その拍子に服のボタンが外れて、アリスの胸を隠す下着が顔を見せた。

 それをずらしてやると、ピンク色の突起と程よい膨らみのある胸が露になる。

 

「相変わらず綺麗な肌だな」

「……あんまり見ないで。恥ずかしいわ」

 

 顔を赤らめたアリスが小さく囁いた。

 そんな表情に更にアリスを辱めたくなる衝動に駆られる。彼女の乳首を口に含み、舌で転がす。

 

「んぁっ、あぁっ! んんっ、それ、ダメ……!」

 

 想像以上の反応をアリスは見せた。

 相変わらず感度が良いな。今回は媚薬の効果があったわけでもないと思うんだが……。

 

「あっ、あ、んんっ……!」

 

 舌で胸の突起を舐めるたびにアリスが刺激に耐えるように脚をもぞもぞと動かす。

 そっと彼女のふくらはぎから太ももへと手をスライドさせて、スカートを捲り上げていく。

 スカートの下に来ている黒いタイツが徐々に露わになり、その下のショーツすらもタイツ越しに透けて見えた。

 

「はぁ……、はぁ……」

 

 アリスの息遣いが少し荒くなる。見られて興奮しているのかもしれない。

 そっと下着部分に触れると少し湿っていた。既にショーツに収まり切らずにタイツに染み出すほどの愛液。

 アリスの瞳は俺の手を一挙一動を見逃さないかのようにじっと釘付けになっている。

 

「脱がすぞ」

 

 耳元で囁いてやると、アリスは小さく息を呑む。

 それを承諾の合図を捉えてタイツとショーツを同時に下ろした。それと同時に香る濃厚な甘酸っぱい雌の匂い。

 黒タイツとショーツによって閉じ込められていた熱が解放される。

 湯気が出そうなほど蒸れたそこに目が釘付けになる。

 どうして彼女がここまで興奮して濡れているのかの理由はわからない。それでも、彼女のこの様子を見て、前戯だけで終わらせる自信はなかった。

 

「指、挿れるぞ」

「……っ 、んっ……」

 

 一言だけ告げて、アリスの秘部に触れる。

 愛液で濡れたその入り口は吸い付くようにして指を歓迎していた。

 そこに人差し指を侵入される。

 ツプッと指が奥に進むと、膣壁が更に奥へと誘導するように蠢いた。

 

「あ、ぁ、あ……、はぁ、あぁ……」

 

 小さく呻く彼女を見ながら、膣壁を刺激するように指を少し折り曲げた。

 

「ああっ……、んあっ、そこ、いい……」

 

 どうやらアリスの気持ちの良いスポットだったらしい。ならばと、そこを刺激するように指を動かし始める。

 

「ああ! あ、あ、やっ、は、激しい……!」

 

 口から涎を垂らして悶える彼女を見ながら指を動かすと、それに答えるように秘部から新たな愛液が分泌された。

 

「ふぁ、あぁ、もっと、ゆっくり……、んぁっ!」

 

 快楽に耐え切れないのか、俺に抱きつきながら彼女は声を上げる。

 これはそう時間も掛からずに達するな。そう思った瞬間に、ドアがノックされた。

 その音にアリスの肩がビクンと反応する。

 

「失礼しまーす。アリスさん、ご主人様の様子はどう、です……か……」

 

 ノックと共にドアノブが回されて入ってきたのは小悪魔だった。

 小悪魔は部屋の中を見て、俺とアリスがなにをしているのか理解したのか、言葉を失ったように固まる。

 

「いやぁ! やめっ!」

 

 腰を浮かして指を引き抜こうとするアリスの動きを察知した俺は指を入れている手とは逆の手でアリスを抱き寄せて固定する。

 

「え……?」

 

 理解できない様子のアリスに俺は再び指を動かし始めた。それもさっきよりも速く。

 

「んあっ、なんで、ああっ! だめぇ! やめ、んぁっ!」

 

 混乱した様子で逃げようとするアリスを離さずに何度も指を動かす。

 

「折角だから見てもらえよ」

「なにを言って、んああっ! いや、いやぁ! はなしてぇ! あああっ!」

 

 叫ぶアリスを無視して刺激を与え続けていると、急激に膣内が締まり始めた。

 そろそろイクな。

 小悪魔を見ると、顔を真っ赤にしてアリスの痴態を眺めている。

 それを理解しているのかイヤイヤと首を振るアリスだが、しっかりと押さえられているため逃げられない。

 ラストスパートと更に勢いよく指を動かす。それに合わせて更にアリスの叫びが大きくなった。

 

「いやぁ、イク、イッちゃうから! ほんとにだめ、だめ、だめっ! ああっ、イク、イク、イクイクイク、イクゥゥゥゥゥウ!」

 

 叫び共に指を引き抜くと、アリスが背中を逸らせ、秘部からお漏らしのように一気に愛液が噴出された。イッただけでは飽き足らず、潮まで吹いてしまっている。

 アリスの漏らした愛液でシーツの上にシミが出来る。

 

「あぁ……、あっ……」

 

 絶頂の余韻で震えているアリスがぎゅと俺に抱きついて離れない。

 

「……え、えーと、お邪魔でした?」

 

 おずおずと申し訳なそうに小悪魔が言うので首を振って答える。

 

「いや、丁度よかった」

「……私をプレイの行為の出汁に使わないで欲しいんですけど」

「そうじゃなくてだな。お風呂に入る約束あったよな?」

 

 俺の記憶にある約束を尋ねると、小悪魔はきょとんとした後に、ドン引きしたような表情になった。

 

「えぇ……、本気ですか……」

「お前から言ってきたことだろ」

「そうですけど。そうじゃないというか……」

 

 呆れたような小悪魔がジトッとした湿度高めの視線を向けてくる。

 

「……いえ、まぁ、わかりましたよ」

 

 渋々と言った様子で頷いた小悪魔は部屋を出て行った。その際に恨みがましそうな視線をされた。

 自分でもなかなかの節操なしではあるような気もするが、回復のための魔力不足だとどうも性欲が湧いて仕方がない。

 とりあえず小悪魔にはお風呂の準備をしてもらって、その間にこの絶頂の余韻に浸かっているアリスをもう一度快楽の波に落としておこう。

 俺はアリスの濡れた秘部に再び指を擦り付け始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 カポーン。

 そんな擬音が聞こえてきそうなほど大きなお風呂だった。大浴場といっても問題ない。

 広い浴場内で1人、腰にタオルを巻いて眺める。

 大きい浴槽から湯気が上る様は、日本人としてどこかワクワクするものがあった。今から入るのが楽しみだ。

 

 まぁ、分身の方が一度入っていたみたいで、その記憶があるのだが。入ったことはないのに、入った記憶があるというのは不思議なものだ。

 分身の最後に残っている記憶は咲夜を上の階から見下ろしているところ。そこで魔力が完全に切れたのか自然消滅してしまったようだ。フランから貰った魔力の8割はあっちに渡したというのにそんなに早く消滅するとは……。

 

 弾幕戦をやってたり、きゅっとしてドカーンを使っていたりはしたが、それにしても燃費が悪い。大量の魔力を摂取した後じゃないと使えなさそうだ。

 それと、あとで咲夜のところに行って脚の怪我の様子の確認をしておきたい。それに、あの白い男。本体の俺が会うことはなかったが、あれは紫との関係が何かしらありそうだ。

 そんなことを考えていると後ろから扉を開ける音が聞こえた。

 振り返って浴場の入り口を見ると、明らかに不満げな表情のアリスと小悪魔がバスタオルを身体に巻いて、こちらを覗いていた。

 

「入らないのか?」

「……入らないのかって、あなたって馬鹿なの?」

「そうですよー。私はいいですけど、アリスさんには早いです」

 

 アリスと小悪魔は文句を言ってくる。いや、小悪魔のは文句なのか? 

 

「……ちょっと、私には早いってどういう意味かしら?」

「えぇー、言葉通りの意味ですけどー?」

 

 ニヤニヤと馬鹿にしたように笑う小悪魔に、アリスの頬がヒクつく。

 あいつは誰かを煽らないと生きていけないのか。

 

「お風呂場に人形を持ち込むなんてマナー違反ですし、人形遣いさんには厳しいかと」

「……人形を操ってる私が弱いと思ってるの? 試してみる?」

 

 小悪魔を睨みつけるアリス。2人の間で火花が散っていた。

 実際に手は出してはいないものの、このままだと戦闘に突入してもおかしくない。

 

「仲良くしろよ……」

「無理です」

「無理ね」

 

 即答された。実は仲良いだろ。

 

「そもそも、どうしてこいつとお風呂になんか……」

「あ、別にアリスさんはいいですよー? 私とご主人様でお風呂に入りますのでー」

 

 そう言ってトテトテと走ってきた小悪魔がアリスに見せつけるように俺の腕に抱きつく。

 

「前から思ってたけど、そのご主人様ってのなんだ?」

「嫌でしたか? そういう呼ばれ方は殿方はお好きだと本で読んだのですが」

「……どこの知識だよ」

 

 げんなりしつつ小悪魔を見ると、パチンとウィンクをされて、身体を隠しているバスタオルを少し下にズラした。

 

「アリスさんとは出来ない良いこといっぱいしましょうね」

 

 こそっと囁くように告げて、小悪魔は胸を腕に押し付けてくる。柔らかい感触が右腕に感じた。

 

「あんなに嫌そうにしてたのに意外とノリ気なんだな」

「まぁ、なるようになれという主義なので。あと、ご主人様とアリスさんの行為を見て興奮してしまいましたし……」

 

 言って、チラリと小悪魔はアリスを見てわざとアリスまで聞こえるような声量で話す。

 

「私がお風呂の準備している間に、3回もだらしなくイッちゃうような人とは違って、ご主人様のこと楽しませてあげますよ?」

「……っ! 勝手に言わせておけば……!」

 

 流石に耐え切れなかったのか、アリスも浴場内に脚を踏み入れ、小悪魔とは逆の腕に抱きついてきた。

 

「彼が倒れた時にまともに看病すらしてなかった使い魔に言われたくないわ」

「えー? それ今関係あります? それに私はパチュリー様の使い魔でもあるので忙しいんですよ」

 

 ……俺を挟んで喧嘩するのはやめて欲しい。このままだと最終的に引き裂かれかねない。

 

「そ、れ、にー、看病って、ご主人様が寝ている間にその臭いを嗅いで1人で人形遊びをすることを言っているんですかー?」

「……っ!? み、みてたの……!」

 

 え、なにその話。詳しく。

 興味津々でアリスを見たら思いっきりお腹をつねられた。痛い。

 

「部屋の中から声がするなーなんて思ってたら、私が覗いたことすら気づかないほどあんなに激しく耽っているなんて……、よっぽど溜まってたんですねー?」

「あ、あれは、たまたま……」

 

 ごにょごにょと言い返すが、なんともその語気は弱い。

 言葉勝負では有利な情報を握っている小悪魔が有利か。

 

「あ、あんただって、寝ている彼に悪戯してたでしょ!」

「っ!? ……な、なんのことですか?」

 

 目を泳がせた小悪魔に勝ち誇ったようにアリスが告げる。

 

「……やっぱりそうだったのね。私が来た時に、やけに彼の服がはだけていたし、皮膚がベタついていたから怪しいと思ってたのよ」

「なっ!? 鎌をかけたんですか! 卑怯です!」

 

 なにをされたんだ……。なんとなく想像はつくが、実際に小悪魔の口から聞いてみたい。そう思って見ると、ふくらはぎを蹴られた。痛い。おい、使い魔。ご主人様だぞ。

 

「やっぱりにあんな奴を使い魔にするのはやめた方がいいわよ」

「むっ、そんなことないですよねー? ご主人様は私のことをめちゃくちゃにするのが大好きな変態ですもんねー?」

 

 やめろ。不名誉すぎることをアリスに伝えるな。既に手遅れかもしれんが。

 

「……私は幼い時に彼に無理矢理犯されたわ」

「うわっ……」

 

 対抗心を燃やしたアリスがそんなことを口走った。

 言い方! 言い方って凄い大事! それだと俺が本気で危ない奴じゃねぇか! 

 小悪魔もちょっと引いた声を出してるじゃん。

 

「あ、でも、私も泣くまで下着を見られました」

「えぇ……」

 

 そっちは間違いないからなんも言えない。アリスのドン引きした視線が刺さる。

 

「……2人とも。とりあえず風呂入ろうぜ」

 

 これ以上傷を広げたくなくて提案すると2人は頷いてくれた。

 

「そうですね。私と入りましょうか」

「……私と入るのよね?」

 

 睨み合う2人。……ほんと勘弁してくれ。

 裸の付き合いなんて軽い気持ちで提案してみたが、ここまで面倒臭い展開になるとは思わなかった。

 両手に花で羨ましい状況と思いたいが、実情は両方とも妖怪で、2人が暴れたら間違いなく被害が出るのは俺とこの浴場だ。

 魔力補給しながら風呂入りたいなんて甘いこと考えるんじゃなかった。

 困り果ててると、不意にアリスがため息を吐いた。

 

「……こんなことしてたって意味ないわ」

「……そうですね」

 

 そう言って互いにバスタオルを落とす。

 一糸纏わぬ姿になった2人が俺を見つめて同時に口を開いた。

 

「「どっちと入るか決めて(ください)!!」」

 

 もう一人で入りたい……。




前回の話と落差が酷い。
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