※この作品はR-18です。

東方淫魔伝   作:スイセン

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[第40話]這い寄る悪夢(GR)

 ライカの変貌はパチュリーも咲夜もすぐさま気がついた。

 

「あれは……? まるで、肉塊みたいね」

 

 その姿に嫌悪感を僅かに表しながらライカの様子をつぶさに観察する。

 顔のパーツのほとんどが確認できないどころか、身体も溶け始めているようで、人がどうかすらも怪しく見えてきた。

 

(……けど、あの姿どこかで)

 

 頭に引っかかる記憶を辿ろうとしたところで、パチュリーは違和感に気づて鼻を鳴らす。

 

「うっ……、これは……」

「酷い悪臭ですね……。絨毯に臭いが付きそうです」

 

 咲夜が顔を顰める。

 鼻につく異臭。死体が腐ったかのような臭い。

 間違いなくライカだったものから漂ってきている。

 

「パチュリー様ぁ! あれ、なんなんですか!? 酷い悪臭ですし!」

 

 小悪魔が慌てた様子でパチュリーの下へと飛んできた。

 

(触手って、うぅ……、なんで、あんな……)

 

 その内心では、昔、ライカに見せられた触手の幻覚を思い出していて、今にも泣き出しそうだった。

 魔理沙に絡みつく何本もの触手に恐怖を感じずにいられない。

 

「……あれが何かはわからないけど、暴走しているのは間違いなさそうね。そもそも、あれって生きてるのかしら?」

「もちろん生きてるわ」

 

 パチュリーの問いに答えたフランに対して、咲夜が首を捻る。

 

「妹様はあれをご存知なのですか?」

「咲夜だって見たことあるでしょ? ライカが暴走したところ」

「それはありますが……、あそこまでの変貌は初めてです」

 

 咲夜が思い描くのは、魔法の森と、ライカがフランの従者となった初めての日の紅魔館だ。

 

「ふふ、そうね。やっとあそこまで成長したもの」

 

 フランは自らの従者の変貌に対して、喜びに似た感情を持っていた。

 それはまるで、人間が蝶の幼虫を飼っているような感覚で、サナギから蝶へと変体しようとするライカを心から愛おしそうに眺める。

 

「もう少し……、もう少しで最高に刺激的なことになりそう」

 

 身体が疼く。早くライカと闘いたい。

 フランがライカの暴走を見たのは今回で3度目だった。

 

 一度目は鬼ごっこの時。

 あの時は、ライカの身体の一部が今の触手のように変形していた。フランを追いながら、触手で周りの妖精メイドを食い散らかす暴れっぷりで、最終的にはレミリアに触手を全て斬られてしまった。

 そのせいで、妖精メイドから化け物扱いされて、避けられているのだが、本人はそのことに気付けていない。それどころか、あの時に自分が変貌したことすら理解していなかった。

 

 二度目は霧の湖の時。

 八雲藍に負けたライカはそのまま暴走した。あまりにも強い悪意に目が覚めたフランが飛び出した時には、ライカは理性は完全になかった。まるで、幽鬼のようにフラフラと紅魔館へと向かってきていた。

 フランを発見した後は襲い掛かってきたので、容赦なく破壊した。

 破壊されたライカはすぐさま再生を始めたが、過去一酷い損傷だった。

 手足どころか、頭までバラバラに散らばり、壊れた玩具のようになってしまっていた。

 それでも、勝手に肉片同士が動きあって接着し始めるものだから、流石のフランでも気色悪く感じてしまった。

 

 そして、三度目が今。内面だけじゃなく、外面も全てが化け物へと変貌してしまったライカ。どんどん暴走がライカを人外へと近づけていることは間違いなかった。

 

 ライカは化け物よりも化け物。だというのに、本人は自らの化け物性を理解しようしない。それどころか、否定していた。

 あまりにも滑稽で、可愛らしい。

 フランの頬が自然と笑みを作ってしまう。

 

 怪しく笑うフランを不気味に思う小悪魔がライカへと視線を戻すと、強烈な光と共に爆音が響いた。

 

「マスタースパークッ!」

 

 触手に捕縛されかけていた魔理沙が脱出を行うために無理矢理にマスタースパークを当てたようだった。

 ゼロ距離で直撃したライカ。マスタースパークを喰らったところが焼け焦げている。しかし、それを気にした様子もなく魔理沙に更に触手を絡み付かせようとしてきた。

 

「なっ……! くそっ! なら、もっと火力を……!」

 

 ライカを心配して手加減したが、それではダメだと判断した魔理沙は今度は本気でミニ八卦炉に魔力を溜め始める。

 

「アア゛ア゛ア゛!」

 

 それを阻止するように、耳をつんざくような咆哮をあげるライカ。その周りに大量のスキマが開いた。そこから触手が溢れ出し、ミニ八卦炉を持つ魔理沙の手を縛り上げる。

 

「くっ、離せっ……! ……って、お、おい……、嘘だろ……」

 

 魔理沙は唖然としたように目の前の光景を眺める。

 ライカから周りから4つの魔法陣が浮かび上がり、そこから肉塊が産まれ落ちる。

 それが人型を作っていった。

 

「あれは……、私ですか……?」

「……アリスのもあるみたいね。それに、フランのも」

「お肉で出来たお魚とは少し不思議ですね。どうやって捌くのかしら……?」

 

 肉塊が形取るものはどれも誰かをモチーフにしているようだった。

 小悪魔、フラン、アリス、わかさぎ姫、4人をモチーフとした肉塊が動き出す。

 

「へぇ、ライカってあんなことも出来たのね。中々に多芸ね」

「妹様、パチュリー様、小悪魔、来ますよ」

 

 魔理沙を無視して、宙に浮く4人へと肉塊が向かってくる。

 

「私は私の相手をするわ」

「それじゃあ私は使い魔の相手でもするかしら」

「私は、陸上にいる人魚ぐらいならなんとかなるはずです。……多分?」

「では、私は残りを」

 

 咲夜が一瞬で消え、アリスの肉塊へと大量のナイフを突き刺した。

 

「弾幕勝負じゃないから、加減はしなくてもよろしいですよね?」

 

 肉塊の全身に突き刺さったナイフ。しかし、ダメージは大してないようで、ナイフを身体の中へと取り込もうとしていた。

 

「……それは困るわね。銀のナイフは貴重なの」

「これ、攻撃効いてるんですかぁ!?」

「火で炙るのもダメ……、水も効果なし……。切り裂いても回復する。随分と厄介ね」

 

 各自、肉塊を相手しつつ、倒す方法を模索する。

 

「……つまらないわね」

 

 そんな中でフランだけがいち早く肉塊を消滅させた。

 その右手は握りしめられている。

 

「全部破壊しちゃっていいわよね?」

「……待って、一体だけ、そうね、小悪魔に似た肉塊だけは残しておいて」

「はーい。きゅっとしてドカーン」

 

 フランの視界が残りの肉塊を捉え、手を握りしめる。

 瞬間、小悪魔に似た肉塊を除いた全てが弾け飛んだ。

 

「お見事です。妹様」

「これぐらい大したことないわ」

「咲夜、この残った肉塊を捕まえて欲しいのだけど」

「御意」

 

 パチュリーの命で咲夜が小悪魔に似た肉塊を一瞬で縛り上げる。

 

「パチュリー様、それどうするんですか?」

「もちろん。実験体にするのよ。こんな貴重なサンプルはないわ」

「うぇー……」

 

 主人が自分に似た肉塊を実験体にすると言って、なんとも言えない気持ちになる小悪魔だった。

 紅魔館組が肉塊を一瞬で倒し切ったのをみて、魔理沙が笑う。

 

「ライカ、お前の作戦が何かは知らないが、失敗したみたいだぜ。この後はどうするんだ?」

 

 自らの手足が触手で縛られている状態であるにも関わらず、強気な魔理沙。

 その身体に触手が纏わりつき始める。

 ミミズを極太にしたような手触りな上に、粘り気の強い透明な液体が滴っており、人間なら嫌悪感を覚えるような感触。

 それが身体を弄り始めて、魔理沙は顔を顰める。

 

「魔理沙、助けは必要かしら?」

 

 パチュリーの声が背後から聞こえた。それに叫んで返す。

 

「こんぐらい大したことないぜ! そこで見てるんだな!」

 

 ついつい大見えをきってしまった、しかし、特に作戦はない。

 

(なんとかして、脱出しないとな……)

 

 ミニ八卦炉は、手ごと上に掲げられておりこのままでは攻撃出来なかった。

 幸いにもライカは魔理沙に殺意は持ってない。殺す気がないなら抜け出すチャンスはあるはずだと踏んでいた。

 そう思っていたら触手が動き始め、裾の間が服の中に侵入してくる。

 

「うぇっ……、き、気持ち悪いなぁ……」

 

 服の中の肌に冷たい粘液が触れて、触手が進んでくる感覚が非常に気持ち悪い。

 顔の周りにも触手がペタペタと張り付いてきた。

 粘液にどんな効果があるかわからないので、魔理沙は口を固く閉ざして触手の動きに耐えようする。

 

(服の中を触手が……、ッ!!!?)

 

 服の中の触手が魔理沙の胸を弄り始めた。

 少女らしい発展途上な双丘。それを服の中に侵入してきた触手が揉みしだくように蠢く。

 

「んっ……、ぐっ……」

 

 触手から垂れる粘液が服の中で絡み合ってぬるぬるとした感触を与えてきた。

 

(き、気持ち悪いのに……、微妙な刺激が……)

 

 触手に与えられるくすぐったさに近い刺激。嫌悪感を覚えながらそれに耐えていると、服の中で触手の動きが徐々に速く激しくなってくる。

 

「くぅ……、はぁ……、んぐっ!?」

 

 耐えきれずに小さく空いた口の間に触手が侵入してきた。

 

(無理矢理口を開けようと……!)

 

 侵入してくる触手を押しのけようと、舌を動かすが触手と絡まるだけで上手くいかない。それどころか、もう一本と触手が口の中に侵入してきた。

 

「んんっ、んぐっ、んむっ……! んあっ、あっ、ああっ……!」

 

 口の中で触手が動き回る。歯茎の裏から、舌の上下までもが触手が纏わりついてきた。

 

(や、やばい……! 息が……)

 

 あまりにも激しく口内を蹂躙されるものだから息が上手く吸えない。

 魔理沙は暴れ出そうとするが、縛り上げた触手はびくともしない。

 呼吸も困難だが、それ以上にこの状況は不味かった。このまま触手が侵入すれば、体内にまで触手が入り込んでしまう。

 その光景を想像してぞっとした魔理沙だが、ライカはそんなことはせずに唐突に口から触手を引き抜く。

 

「はぁ……、はぁ……」

 

 荒い息を吐いて、呼吸を整える。そこで違和感に気づいた。

 身体が熱い。それも特に下腹部が。

 感じたことのない感覚に混乱する魔理沙の胸を触手が再び揉んだ。

 

「んあっ!!?」

 

 身体に電流が走ったかのような刺激。

 

(さっき口の中に触手が侵入した時に粘液を飲んだのが原因か……!?)

 

「あっ、や、やめ……ああっ! んんっ、ひゃあっ!」

 

 先程まで嫌悪感とくすぐったさしか感じなかったというのに、今ではどうしようもなくその刺激が気持ち良い。

 口から声が漏れるのが抑えきれなかった。

 ライカの触手が服を触り始めた。服のボタンが外されていく。

 

「あっ……」

 

 簡単に服がはだけさせられ、粘液でドロドロになっていた魔理沙の肌が露わになった。

 魔理沙の顔が羞恥で赤くなる。まるでその反応を楽しむかのように触手が乳輪の周りをなぞるように動いた。

 

「ぐっ、あっ……、はぁ……、んっ、ああっ……!」

 

(これ、頭が真っ白に……!)

 

 あの粘液を飲まされてから皮膚の感覚だけでなく、理性すら溶かされてしまったかのように、魔理沙は抵抗をするのをやめ、ライカの触手による愛撫を受ける。

 触手が魔理沙の胸の先端の実に触れた。

 

「んああっ……!」

 

 ピクンと身体を震わせる魔理沙。そのスカートの中のドロワーズの下からは、愛液が溢れ始めていた。

 太い触手が魔理沙の口元に近づく。

 

「んぐっ!」

 

 容赦なく口の中に触手が入れ込まれた。

 

「んちゅ、れろ……るれろ、れろ、んんっ、れろ」

 

 口に突っ込まれた触手の粘液を舐めとるように魔理沙は舌を動かす。

 その間も胸を弄る触手は魔理沙に刺激を与え続けていた。

 

「んじゅ、じゅぶ、じょぼっ……! んんっ、んはぁっ、んんっ!」

 

 触手からは無限に粘液が垂れ、いくら舐めたところで終わることはなく、息を吸わせるように一瞬だけ引き抜いたとしても、次の瞬間にはまたすぐに口の中を犯される。

 そして、粘液を舐めれば舐めるほど身体の感度が上がっているのがわかった。触手に少し擦られるだけでもあり得ないくらい気持ち良くなってしまう。

 

「んはああっ! んんっ、れろ、るれ、んああっ……! ああっ……!」

 

 既に、ドロワーズの内部は愛液によって、お漏らしをしてしまったかのように酷いことになっていた。

 顔や肌を触手の粘液でドロドロにされた魔理沙。

 その瞳から理性が消えかかっているのを確認してか、触手がスカートの中へと伸びる。

 ドロワーズを掴み、それを下ろそうとしていた。

 その時、スカートの中から液体が入った瓶が落ちる。それは、そのまま床に衝突し、粉々に割れた。

 その瞬間、眩い光が辺り一面を覆う。

 

「グア゛ア゛ア゛ア゛ッ!」

 

 唐突な光に悶えるライカ。

 魔理沙を拘束する触手の力が弱まってしまった。

 それを待っていたかのように、魔理沙がミニ八卦炉を持つ手を触手から振り解き、ライカへと向けた。

 

「はぁ……、はぁ……、ライカ、全部まとめてお返しするぜ」

 

 ミニ八卦炉に一気に魔力を溜め、詠唱を口にする。ライカの触手が再び魔理沙を捕まえるのも間に合わない。

 

「ファイナル、スパァーーークッッッ!!!」

 

 マスタースパークの比ではない威力の一撃がライカを飲み込んだ。

 大図書館の本棚や壁を突き破って光線が伸びていく。

 

「……はぁ、片付けが大変そうね」

「そうですね……」

 

 その様子にパチュリーと咲夜が小さくため息を吐いた。

 

「……どうだっ!」

 

 光が収まると、ゼロ距離で喰らったライカが倒れている。

 その姿は肉塊のようなものではなく、本来の人の姿のもの。ただ、左腕は千切れてなくなり、服は破れたのか何も着けていなかった。

 

「うわぁっ!」

 

 流石に直接見るのは恥ずかしいのか魔理沙が慌てて目を手で覆う。そして、指の隙間からライカの様子を伺う。

 

(し、死んだか……!?)

 

 そう思った魔理沙の目の前でライカの右手の指がピクリと動いた。

 ライカが身体を起こし始める。その瞳には理性なんてものは無さそうだった。

 

「まだやるつもりかよ……。どんな生命力してるんだ……。いいぜ、相手になってやる!」

 

 立ち上がったライカにミニ八卦炉を構え直す魔理沙。

 ふらふらと屍食鬼のように動くライカに向けて、再び魔法を放とうとしたところで身体から力が抜け、膝をついてしまう。

 

「……あ、あれ?」

 

 全身が怠く、魔力が使えない。

 

(魔力切れ……!? こんな時に……!?)

 

 ふらふらとライカが近づいてくる。

 

(こ、これは、不味いな……)

 

 この後の展開を想像して冷や汗を垂らした魔理沙だったが、ライカが襲いかかってくる前に小さい影が割り込んだ。

 

「行きなさい、人形達」

 

 聞き覚えのある声に魔理沙が振り向くと、アリス・マーガトロイドが人形を操っていた。

 人形がライカを取り囲み、羽交締めのようにする。

 そして、人形達が手に持った武器で思いっきりライカの頭を引っぱたいていた。

 

(うわっ……、痛そうだな……)

 

 それを何度か繰り返したところで、ライカは完全に沈黙した。

 

「ふぅ……、一応、これで良いかしら」

 

 人形達にライカを取り囲ませつつ、アリスは小さい息を吐く。そして、フランを見つけ、睨みつけた。

 

「……それで、どうしてこんなことになっているのか説明して貰いましょうか?」

 

 魔理沙は長い付き合いだからすぐにわかった。アリスが本気で怒っていると。




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