もう呆れるしかない。
五回目になるのに熱いほとばしりは途切れることなく続き、瞬く間に口の中が気持ち悪いぬるぬるでいっぱいになる。
ぶるるッ……。
水から上がった犬のように身体を震わせて、純一がスペルマをすべて出し切ると、ようやく詞の頭をホールドしていた手がどけられた。
すぐさま純一の股間から頭をもぎ離すと、詞は激しく咳き込みはじめる。
「ケヘッ……ケヘッ……カハッ……」
うつむいた詞の唇の端から、唾液まじりのスペルマが、でろりと太い糸を引き、放課後の空き教室の床に垂れた。
まるで喘息の発作でも起こしたかのように、何度も咳き込む少女の目尻に涙が浮かぶ。
ジェル状の白濁液は喉にしつこく絡んできて、すぐには吐き出すことも飲み下すこともできない。
ぬるぬる粘つく口内粘膜を舐めまわし、何度も唾を呑み込んだが、口の中に残る生臭さは一向に取れない。
今だとなにを食べても、精液の味がするような気がする。
「やっぱいきなりゴックンってわけにいかないか」
「そりゃそうでしょ」
「アレって珍味みたいなもんだからね。馴れるとクセになる味してるんだけど」
三匹のサキュバスがなにやらいろいろ言っているが、こんなものを好き好んで嚥下する日がくるとは、ようやく呼吸困難から回復しつつある詞には到底信じられなかった。
自分の愚かさを直視するのにとても耐えられなくなり、自分の口内から吐き出され精液溜まりのできた床から目線を上げる。
もちろんそれでナニかしら事態が、改善されるわけでもなければ好転するわけもない。
全身を放出後の心地よく気だるい虚脱感に支配されている純一は、ずり落ちそうになりながらだら~んとした格好で椅子にもたれている。
フルラウンドを闘ったボクサーみたいに呼吸も荒い。
なのに勃起はびんびんのままだった。
圧倒されてしまう。
発情した思春期男子のモノのタフネスさというか持続力は、これが普通でありアベレージだったりするのだろうか?
「……なんか橘くんってもう壊れちゃ~う、とか女のコにリアルに言わすことできそうだよね」
「しつこいって言われんじゃない?」
「まあそこは相性とテクニック次第ってとこでしょ」
しかしどうやら三人の反応からすると、純一の尽きることのない欲望の変換率はかなりのモノらしかった。
あまり褒められているというニュアンスでなく、どちらかといえばやれやれだぜという感じであったが。
とにかく純一のペニスは、第6ラウンドを戦う気満々のようだった。
なるほど。
相手の女のコを壊しそうだししつこかった。
「ややっ!! あんなところにマットが」
類は友を呼ぶ。
演技が大根なのはナニも、弥生だけではないらしい。
悠子がわざとらしく声をあげる。
教室の一角にこれみよがしに置いてあったマットを指さした。
もともとどのような用途で運び込まれたのか定かでないが、いつもは資材置場になっているこの空き教室の隅に積んであったものである。
「アソコだけはチョーびんびんだけど、他は橘くんお疲れみたいだから、ちょっと埃っぽいのは我慢してモロて休んでもらおっか」
「こっちでちゅよ~」
はじめからそうするつもりだったのか、それとも咄嗟に思いついたアドリブなのかわからない。
やっとよちよち歩きのできるようになった赤ちゃんにするみたいに、あるいは介護ケアの必要なおじいちゃんにするみたいに、弥生と美雪は手のかかる童貞の手を取ると、エクスタシーの余韻でふらつく純一をマットに連れて行き仰向けに横たわらせた。
「はいは~い。じゃ、ヌギヌギしまちょうねぇ」
Yシャツが肌蹴られる。
キモい。
毛の生えた乳首がぴんぴんに勃ってた。
女子は嫌がるが男子であれば多少あってもおかしなことはないものの、透き通るような可憐なピンク色だけに悪目立ちしてしょうがない。
渦巻く負の感情があらゆる面を、マイナスに塗り潰していた。
制服のズボンのベルトを慣れた手つきで緩めトランクスも素早く脱がしていく。
夢うつつの状態でありながら純一も、現実的で即物的な悦楽の期待に、ちゃっかり腰を浮かせてふたりに協力していた。
トランクスのウエストのゴムに引っかかって、いったん大きく下にたわんだペニスが、反動でぶるるんと勢いよく揺れてから腹筋に張りつく。
纏いつかせた粘液を飛び散らせ、Gをひっくり返したみたいな、おぞましくグロテスクな裏側を見せつけていた。
と。
「絢辻さんはこっちね」
さらっと悠子は居ないはずのクラスメイトの名前を呼んでしまう。
ギョッとした顔で詞が見るとそれで気づいたみたいで、おっとという感じで口に手を当てるがもちろん遅い。
目隠しされたまま純一が、
「え?」
という顔をした。
したが、
「はあンッ!?」
弥生と美雪の手指がうぶな勃起への愛のない愛撫を再開すると、小さな疑問はどうでもいいものとしてあっさり即座に霧散してしまった。
両手を合わせ拝むようにしながら片目をつぶり、声に出さずメンゴメンゴと、悠子がライトでポップな謝罪をしてくる。
心臓が危険なくらいバクバクしていた。
蒼白になっていた顔が、怒りにより瞬時に真っ赤に染まる。
「だからもうゴメンってば」
しかしその身を焦がすかのように燃えあがった感情も、悠子になんらの痛痒を与えることもなくスルーされ、醜く身悶えするクラスメイトの顔を跨らされた。
肩を押され膝を突かされる。
身体に力が入らない。
そのまま上体を前に倒されて純一に覆い被さる格好、所謂シックスナインの態勢をなすがまま取らされた。
「ナニすればいいかわかるよね?」
当然わかる。
カマトトというワードが死語になった現代の女子高生が、今どきのJKがこうなったらどうするかをわからないわけもない。
そしてその至極当たり前は当然ではあるが、
「ひゃッ!?」
そんなことばかりで頭の中が二十四時間三百六十五日、イッパイイッパイでバクハツしそうな男子高校生にも適用される。
悠子は詞に訊いたつもりだったのだが、
「んむむぅぅッ!!」
これまでの人生で経験のない至近距離から浴びせられる、発情した思春期の牝の濃厚なニオイと熱気に、誰とも知れないクラスメイトのお尻を力づくで無理やり引き寄せ、濡れて透けたショーツに鼻から飛び込み秘裂にむしゃぶりついた。
燃えあがった官能の炎は簡単には鎮火してくれない。
想い描いてたより異常なシチュエーションのオナニーによって、淫らな火照りは冷めることなく全身の性感が高まり昂ったままである。
新たな愉悦に襲われて、新たな華蜜がドクンッと溢れた。
「やンッ!?」
びっくりしてくびれた腰が浮きそうになったが、カタチのいいヒップに指先を喰い込ませた手がそれを阻む。
嗜虐の興奮を煽っただけで、尖らせた舌の動きをさらに活発にさせていた。
呼応するみたいに詞の腰も妖しく物欲しそうに蠢く。
たっぷり水分を含んだショーツの布地越しに、ぷにょぷにょした感触をクラスメイトの顔面に擦りつけた。
繊維から滲み出てくる甘い愛液を、純一は舌をレロレロさせながら、淡いピンクのフィルターを通して美味しそうに啜る。
じゅッ……じゅちゅッ……じゅッ……じゅじゅずずずずッ……。
喉を鳴らし下品な音を立てて飲んだ。
癒えない渇きをそうやって刹那だけ潤すと、ツンと布地を突き上げる小さな突起に吸いつく。
「あひッ!?」
過剰に敏感なクリトリスを責められて、長いストレートの黒髪を揺らしながら、勃起に切ない吐息を吹きかけていた詞は大きく仰け反った。
男にしては目立たない純一の喉仏が上下するたび、釣り上げられた活きのいい若鮎のようにぴちぴち悶え狂う。
そうしたまな板の様子を面白そうに眺めていた美雪だが、
「いつまでも橘くんだけやらせちゃダメでしょ。ふたりでする共同作業なんだから。創設祭の準備だってふたりでしてた方がはかどらなかった?」
詞が弓なりになるタイミングに合わせて、腹に張りついていたペニスを引き起こすと、
「んぶぅッ!!」
髪の毛を掴み後頭部を押しつけるみたいに、ヴァージンの温かな口内粘膜に突き挿した。
喉の奥まで深く。
それは少女のサイコな加虐趣味が垣間見える容赦のないモノだった。
最近はお弁当を持ってくる気にならない。
昼食は醤油ラーメン。
曲がりなりにも勃起を咥えた経験がなければ、消化し切れてない胃の内容物を吐いていたかもしれない。
美雪を睨む。
「こういうのギブアンドテイクっていうんでしょ?」
けれどだからなんなのという話だ。
ペニスを口にした詞の視線などこれっぽちも響いてない。
どこか企画物のイロモノAVのような、コミカルな滑稽さが上乗せされるだけだ。
……やるしかないのよ。
もうこれで何度目になるのか数えるのは、ただただ虚しくただただ馬鹿々々しくなる決意。
「うぐぅううッ!!」
不意打ちのディープスロートに括約筋を締めて堪える純一のペニスを、これも何度目かのヤケクソになってトップスピードで振りたくりしごく。
それもこれもすべて早く終わらせたい一心だ。
本当ににそれだけ。
さすがに純一も六回目の放出となれば欲望が尽きることはなくとも、身体が先に限界になるだろうという計算もどこかでしている。
ぬむッ・ぬむ・ぬむッ……。
そう計算。
舐めしゃぶる勃起がさっきよりスムーズにスライドできるようになったのも、純一の口唇が離れたことで誘うように秘裂がひくつき疼くのも。
こんなのみんな全部計算なんだから。
「ハァウッ!!」
疑り深い自分を気力を振り絞って騙し続けながら、すっかり喘ぐことに専念しだしたドM男の勃起をしごき続けた。
ぬちゅッ・ぬむむ・ぬむッ……。
オナニーを教えられたばかりのサルは快楽に抗えず、衰弱死するまでするという馬鹿な都市伝説があるらしい。
レジェンドはファンタジーでしかないのだと、イカせればそれで終わりなのだと信じたかった。
けれどそれを確かめる前に、
「ストップ」
今度は弥生が卑劣な方法で手にした命令権を行使してくる。
背後から肩を掴んで、倒れていた上体を起こした。
「ああン……」
びくんびくんと腰を震わせていた純一が不満げな声を漏らす。
しかし満場一致でシカトされて、悠子とふたりがかりで詞は引き剥がされた。
そのままクルッと身体の向きを変えられる。
位置を少しズラされた。
顔ではなく腰のあたりを跨らされる。
立ち上がってても憐れな少女の鼻孔に流れ込み臭ってくる牡の熱気。
唾液と愛液に汚されたヴァージン粘膜の真下に――ショーツの布地ごと突き破りそうな童貞の勃起があった。
「やっぱ勿体ぶっても、賞味期限ってもんがあるわけよ」
儚げな肩にそっと手が置かれる。
ほんの少しだけ、クッと体重をかけられた。
「わかるよね?」
それっぽいことを喩えようというか、匂わせようとしてるみたいだがピンと来ない。
……ああこのコってホントに、頭が悪いんだなぁと詞はしみじみ思った。
いや、言いたいことはわかってるし伝わってるが、馬鹿が喩えたところで匂ってくるのは馬鹿だということだけである。
とはいえ違う人間が同じ喩えを言っていたなら、伝わってくるモノも匂ってくるモノも、意外にスッと受け入れられたのかもしれない。
もっとも詞にそれを指摘する資格、権利はとっくに失効されていたが……。
馬鹿が馬鹿を馬鹿にすることこそ馬鹿なことはない。
「え~っとそれはどんなに美味しくても、ず~っと取っといたら腐っちゃうってことなのかな?」
とりあえず友人であり共犯である悠子でさえ、イマイチしっくりしてないみたいで疑問符がついている。
もしかしたらヘタなクイズ番組の問題より、難解すぎない絶妙なラインを責めているのかもしれない。
そしてこんなことをこんな状況で考察している詞の脳内は、かなりパニックになっており現実逃避でもしてなければやってられなかった。
美雪の回答がすんなり入ったのも、そのような瀬戸際の精神状態だからだろう。
よく考えてみると意味はわからないが、そもそもこの問題はよく考えてみることに意味がない。
「消費期限とごっちゃにすると悲しいことになるよね。いくら美人でも高橋先生みたいに、旬が過ぎたおばさんになってから愉しむのは大変だし」
あどけない少女を装った淫魔は根に持つタイプのようだ。
麻耶に叱られていた美雪を以前見たことがある。
そのときはしゅんっとした顔をしていた。
けれどお説教を終えて去っていく担任教師の後ろ姿に向けて、クソババアと小さく呟いたのを偶然そばに居た詞は耳にしている。
あれからだ。
大人しくって控え目なはずの少女の、そのビジュアルと内面に違和感を覚えたのは……。
すると詞も創設祭準備の一件でモメるよりも前に、どこかで美雪の理不尽な恨みを買っていたのかもしれない。
「ンッ」
ウエスト部分のゴムに指先が引っかけられて、ねちゃっという湿った音とともにショーツがずり下げられる。
詞は鼻からか細い息を漏らした。
淡いピンクのショーツはあっけなく腰からずらされて、羞恥と憤怒――そして恐怖で弱々しく震える華奢な両脚を艶めかしく滑り落ちた。
少しだけ口を開いた秘裂からバルトリン腺液がとろりと零れて、生きながら捧げられる供物のようにびくびく震える勃起に垂れていく。
「わかるよね?」
問いただしてきたのが、弥生でなく美雪だからだろうか。
大差はないがどうやら僅差くらいはあるらしい。
今度はピンとキタ。
剣道や相撲で試合前にする蹲踞のようにゆっくり腰を沈める。
とはいえ無論そんな神聖なものではない。
「トイレで和式ってさぁ、最近どっかで見たことある?」
「う~ん。そういや見ないなぁ」
「ってか未だにあったりするのはよっぽどの田舎だけっしょ。そこそこの都会だったら電話ボックス並みにないんじゃないの?」
小学校などではいざという緊急時に子どもたちが、使い方がわからなくて困らないよう残している場合もあるらしい。
輝日東にも数こそ多くないがある。
この空き教室の近くだ。
詞はわざわざ尿意を我慢してここまで足を運び、陶酔感と倒錯感に浸ることはシバシバだった。
しゃがむにつれて左右の膝がはしたなく離れていき、校則どころか世間の常識まで破る短いスカートも自然とたくし上げられる。
「あふ……ッ」
もうすっかり耳に馴染んでしまった耳障りな声を純一が漏らした。
股間に手を伸ばすと美雪はシャフトに指を絡めて、割れてない腹に引き寄せられていた勃起を直立させる。
串挿しのサポートに余念がなかった。
こういうときは手を抜かない。
「オーライオーライ、そのままよそのまま」
悠子は悠子で惜しみなく声出しをしながら、ジリジリ下降してくるヒップの位置を微調整していた。
熱く潤み蕩けた処女粘膜と、湯気を立てている童貞勃起が、DNAに刻まれ定められた逢瀬を求めて急接近する。
そしてついに、
くちゅッ。
初めてのキスを交わした。
ぬらつく亀頭の先端が、ひくつく秘裂にめり込む。
目隠し越しだ。
なのでその表情のすべてがわかるわけもない。
だが詞は確信する。
鼻の穴を膨らませ飢えた野良犬のような荒い息遣いで、口の端から涎を垂らしてだらしなく笑う純一の、その瞳の奥には恍惚だけでなく優越の影を感じ取って悪寒が走り吐き気がした。
その瞬間、
やっぱり……こんなの……。
ここまでしてきた打算も決意も吹っ飛んで、望まぬ屈伸運動をキャンセルしようとする。
が。
「えいっ」
背後から押さえつけられていた肩に、グッと加重がかかった。
可愛いが神経を逆撫でするような癇に障る声を上げて、全体重を乗せるみたいに弥生が圧し掛かってくる。
実際には音なんてしない。
エロ漫画的な情報はともかくとしても、学校などで教わる医学的な性知識ではそうなっている。
けれど詞の脳内ではハッキリと、ブチブチ肉を裂く破瓜の音が響いていた。
「あひぃいいいいッ!!」
太く硬いペニスの侵入に詞は大きく背を反らす。
柔らかな粘膜のぬかるみに勃起は、根元まで一気に呑み込まれて、居場所を奪われた愛液がそこから押し出された。
どれだけ女性への暴力を憎む男であろうとも、好きな相手にこそ流させたいと願う純潔の証の鮮血とともに。
「は……あ……ぁああああ……」
どこまでも見っともなく情けなくだらしない声を漏らしながら、初めて味あわされる勃起を確認するかのような膣壁の咀嚼に、ねっとりとした温かさに包まれた分身を羨みつつ、脱童貞を果たした純一は身体をぶるぶる震わせた。
「卒業おめでとう」
「大人の仲間入りだね」
「ようこそ」
パチパチパチパチ――。
三人は拍手をしてふたりを讃える。
「どう?」
「初めての女のコのアソコ」
「どんな感じ?」
隙間なく密着した結合部を覗き込みながら、笑いそうになるのを堪えて初めてのセックスの感想を訊いてきた。
初めて味わうオンナの味を、
「す、すごく……すごく熱くて……ンッ……ぬるぬるしてて、くぅッ、それで、それで、オチンチンを、んンッ、キュッて締めつけてきて……」
痛みに歯を喰いしばりながら聞かされる自分の身体の、最も穢れのないシークレットな領域を品評されて詞の瞳が潤み歪む。
まさに屈辱でありこれぞ恥辱であるが、被虐の味に処女でなくなった粘膜は妖しく卑猥に蠢いた。
真っ赤になっている耳にねっとり熱っぽく囁かれる。
「絢辻さんにも初めてのセックス、た~っぷり愉しんで欲しいなぁ」
腋の下をくぐった弥生の手は仕事ができる人みたいにテキパキ、ブラウスのボタンを外して美しく慎ましいふくらみを露わにした。
乳房をまさぐる。
汗ばんでいる奥ゆかしいバストを、甘ったるいくらい優しく揉みしだきはじめた。
ツンと硬く尖り勃った乳首が弥生の手のひらを突き上げる。
可憐な感触を中心にして緩やかに円を描く。
じれったいくらいのソフトなタッチで、ヴァージンをロストして間もない少女の性感を刺激し、整う暇のない呼吸をさらに乱れさせて弾ませる。
くり返される愛撫が未発達の乳腺を掻き混ぜて、授乳器官としての役目をまだ果たせないパーツの切なさを募らせた。
「やッ……くッ、いた……いッ」
オナニーでの予習復習を欠かさなかったおかげなのか、乙女が一生に一度味わう痛みもそれほど強く感じない。
しかし穢れのないオンナの聖域を理不尽に略奪され、牡の本能のまま蹂躙されようとする恐怖は抑えようもないモノだった。
うぶであり無垢でない粘膜。
こんなに太く長いモノを身体の内部に受け入れたことは、熱く硬いモノで占領されたことはあるわけもなく、けれど知識だけはなまじ豊富なので童貞の我武者羅な律動に怯えずにはいられなかった。
……なのにだ。
なのに牝の粘膜は媚びるみたいに収縮し、
「んぁッ、うぅんッ!! くぁ……」
牡に甘美な悦びを捧げてしまう。
ピストンし摩擦していなくとも純一を身悶えさせていた。
初めてのぬめりに包まれるペニスのカタチを、灼きつけようとするみたいに膣壁を吸いつかせている。
床をカリカリ爪で引っ掻いていた手が、より隙間のない密着を求めてヒップを鷲掴んだ。
スカート越しでなく汗ばんだ青い生尻に直に触れて、人生を危険にさらしてでも痴漢に及ぶ中年みたいに息を荒げ揉みまくる。
乳房を愛撫する弥生のような繊細さはない。
むしろ雑だ。
だがその雲泥がコントラストとなり、
「「ひぁうッ……は……ああッ……あッ……、ぅああッ……ふぅ……うぅ……」
少女の薄い皮下脂肪の奥から、さらなる甘い痺れを呼び起こしていく。
痕が残りそうなほど指先を喰い込ませて、尻肉がたわむほど強く腰を押しつけてきた。
熱烈なキスを交わす恋人同士のような、濡れた雌雄の粘膜の吸引運動によって、より深くなった結合部からグチュグチュと淫臭濃い泡が立つ。
卑猥でしかない粘着音はどんどん大きくなり、
「お、おぉぉぉおおおおッ!!」
ついには初セックスに耽溺する少年を暴れ馬に変えさせた。
動きこそ気が触れた狂ったかのように激しいものの、けれど騎手をけっして振り落とすことのないロデオに興じる。
乗せ上げた詞の体重をまるで苦にしている様子もなく真下から、勃起をぐっぷり咥え込んだ秘裂に叩きつけるみたいに腰を突き上げた。
「んぁッ!? ……ひッ……あ、ンぁッ……ひぁッ!!」
クラスメイトに拘束されたスレンダーな身体はひと際弓なりに反り、普段の凛とした面影の失せた泣き顔をさらしながら小さな顎を跳ねあげる。
媚粘膜を削るみたいに押し込まれたペニスで、おおよそ一直線の未踏だった膣道がぐにゃりと歪められた。
亀頭の先端が子宮に到達する。
身体の最も奥深くまで犯されてしまったことを、流れる涙とともに自覚せずにはいられなかった。
愛読するエロ漫画のヒロインのような、なんの目新しさもない見飽きたレイプ。
なのに何度でも鮮烈な光景として、現実感がないくせにリアルに生々しく蘇る性の原体験。
優等生という仮面を被ったことで本人も気づかず自縄自縛に陥り、鬱屈としたモノを溜め込んでいた少女の倒錯した憧れの存在。
わたしも……あんな風にされたら……。
同じシチュエーションに身を置いているという事実が、詞の内部で抗いようのない劇的なパラダイムシフトを起こしていた。
四肢が解れる。
だが逆に降りてきた子宮にはキュッと緊張が走った。
「ひぁうッ……は……ああッ……あッ……、ぅああッ……ふぅ……うぅ……」
主の真に求めるモノを肉体が捧げんと理性を押し流し歓喜する。
ずちゅッ・ずちゅッ・ずちゅッ・ずちゅッ……。
最も深いところを痛いほど突きまくられる被虐の快感は、
「……くぅんッ……んンッ……ん……、んぅッ……はぁ……んぁッ……、ふぅ……ぅあッ……は……ぅああッ!!」
甘い悲鳴を詞に上げさせた。
初めての牝肉の感触に理性などとうに喪失している童貞ペニスのピストンは、犯される相手の都合など構わない自分勝手なモノだったが、
「ちゃんと息を合わせて。セックスはふたりでするもんなんだからね」
「恥ずかしがらないで、自分からもお尻振る」
「……マジでリズム感ないなぁ」
「橘くんは無理しないで邪魔しなきゃそれでいいよ。ってことで手は物足りないかもだけどオッパイ揉んでて」
「絢つ、――さんも身体もっと前に傾けて。キレイでも貧乳寄りなんだから、待ってないで自分から揉まれにいかなきゃ大きくならないぞ」
「胸に両手を突くとお尻振りやすいよ」
姦しい。
面白がって笑いを堪えながら囃し立てる三人からの、無責任であるが的確なアドバイスもあり、詞がタイミングとバランスを取ることで徐々に抽送のスピードもアップしてくる。
粘膜のぬかるみから勃起が姿を現すたびに雁首の笠に膣壁を強く擦られ、
「そこ、んンッ……くぅううッ……そんなと……はぁ……だ……ッ……、め……ハ……うくッ……、ふぅ……ううッ……ああッ!!」
少女は内臓を引きずり出されるかのような感覚を愉しんだ。
そうじゃないと否定するには声が甘すぎる。
キュッと締まった膣口が雁首のくびれに達したところで折り返し、弾力の奥に硬さを秘めた亀頭を狭い肉路に導くのにも、段々慣れてスムーズになってきており、コツを掴んだ詞はリズミカルに小ぶりなヒップをバウンドさせ続けた。
官能が昂ぶり高まるにつれ、
「……ッ……ぁんッ……あ、あ、ああ……ぁっ、あ……ん……、あ……ッ……ぁ、ああ……」
純一のぎこちなく下手くそな愛撫にも、身体が過度に敏感に反応するようになる。
サイズやボリュームがアレでもオッパイはオッパイ。
「や、柔らかい……んァ、くぅッ、あ、嗚呼……な、なんて、はぁッ、や、柔らかいんだぁ……ああああッ!!」
男の身体ではどんなにデブっても再現不可能な、女体の神秘をうわ言のように口にしながら揉みまくる。
グミのような感触の乳首を摘まみ、
「はひッ!?」
誰とも知れないクラスメイトの少女の、淫らな尻振りのスピードアップを厚顔無恥にも促した。
詞は上体をさらに前傾させて、暴れる駄馬の騎乗を荒々しくする。
長い黒髪を妖しく揺らめかせる腰遣いは、
「けっこうヤルじゃん」
「さっすが優等生ですなぁ」
「ねぇ」
背後からスマホの画面越しにモニターする、三人から見ても激しいモノだった。
ヴァージンの生き血を啜ったペニスは、発情の証として白く濁りだした愛液に濡れ光り、うぶな媚粘膜への蹂躙をしつこく執拗にくり返す。
そのすべてが新たな脅迫のネタとして収められていた。
ひくつく牝肉を異物を押し出すみたいに蠢かせ、抵抗でなく摩擦指数を上げてより快感を貪るのも。
拙いながらも本能に従って、時折りヒップが円運動を描いているのも。
谷底でひっそり息づく肛門が、とても排泄器官と思えないほど儚く、淡い可憐なピンク色をしていることまで。
記録され記憶されていた。
しかしそれがわかっていたとしても、
「ひぁッ!!」
「はぅッ!!」
なす術なく初セックスに弄ばれる処女と童貞のふたりは、絶頂への階段を駆け昇るのをけっしてやめられはしないだろう。
人間だってアニマル。
もうたとえナニがあっても、始めてしまった交尾をやめられない。
羞恥と正体を隠していた心許なさしかないブラインド。
ハラリとあっさり外れてしまう。
すっかりセックスの虜となった初々しい粘膜だけでなく、悦びに濡れてどろりと濁った視線も交わし合ったふたりは、
「え? あ、絢辻さ、んくゥ、あッ、あッ、あッ、ふぁああッ、あッ、あッ、あッ、あひゃああああッ!!」
「見ちゃ、あンッ、見ちゃ、やああッ、見ちゃ、だ、ダメ、やンッ、み、見ないでぇええ、あッ、も、イ、イク、イッちゃうからぁああああ!?」
セックスによる初アクメも同時に迎えた。
ふたりがエクスタシーの絶叫を放課後の空き教室に響かせた直後、抉るみたいに深く挿さり子宮口にぶちあたった亀頭が弾ける。
縦割れの唇から煮え滾るスペルマが、発情した思春期の少女の最奥で迸った。
びゅくンッ!!
視界が白く染まっていく。
ケダモノそのものの貌に成り果てた純一の姿が急速に薄れていった。
火傷しそうな熱さを感じながら、
出てる……橘くんのセーエキ……わたしのなかで……いっぱい……いっぱい……出てる……。
めくるめく汚辱に塗れた悦楽の渦に嬲られ、身体を仰け反らせてぶるぶる震えていた詞は、やがて糸が切れた人形みたいに純一の胸に倒れ込む。
太い勃起が深々と嵌まり込んだままの秘裂から、注ぎ込まれた白濁液が愛液と鮮血に混ざってじわじわ逆流してきた。
理不尽で青い性交の果てにできた淫靡で、なにより残酷なたっぷりのイチゴミルク。
股間がぬるぬるして、もう最高に気持ち悪いはずなのに、幸福すら感じてしまう陶酔に詞は絶望していた。
……恍惚を浮かべた牝貌で。