2年A組のクラス運営は順調だった。
とはいえそれが麻耶の手腕に拠るものなのかというとそうでもない。
いや、何かのスポーツでは監督の仕事は、ゲームが始まるまでと言われているので、そういった意味では大きな仕事をしたということだろう。
進級する際の生徒の編成会議において絢辻詞と、棚町薫をゲットできた段階でクラスの骨格が完成していた。
未熟な集団の中心になってくれる頼れる優等生のリーダーと、陽の差す方向へと導くための推進役を担うムードメーカーを頂点にして。
理想的なクラス。
現実はそんなに甘くないので諸々の問題はあるものの、2年A組は麻耶の教師生活の中でも指折りという自負があった。
が。
……ここ最近の2年A組の様子は絶対におかしい。
どこがどうとイマイチ明確にできなかったが、どうしても違和感というかモヤモヤを拭えない。
だからだ。
いつもは詞に任せっきりで、
「よろしくね」
の定型文のセリフだけを残し丸投げしてしまう放課後の教室に、頃合いを見計らって不意打ちのようにして引き返して来たのは。
まさかの予想はいくつかあったが、その第一候補となったのはやはりイジメである。
あのコたちに限ってそんなわけはないと否定しながらも、もしかしたらも否定することはどうしてもできなかった。
しかし引き戸を勢いよく開けた麻耶の眼に飛び込んできたモノは、もはやイジメというくくりでカテゴライズしていいような惨状ではない。
思春期真っ盛りの高校生というのは即ち発情期真っ盛りであり、個人差もあれば性別差もあるだろうが、誰しもがセックスというモノに興味津々のお年頃である。
そして健康体でありさえすれば、誰しもソレをすることが可能なのだ。
学校という青さを管理しておくための施設には常に、己の春を暴走させようと気を窺う身体がいくらでもある。
テレビで教育を武勇伝のように語るコメンテーターとは違う。
現役で教鞭を振るう者に子どもたちが、無条件で無垢な存在であるなどという幻想はない。
身体は子供、頭脳は大人。
といったキャッチフレーズで有名な漫画があるが、リアルな高校生は真逆で身体は大人でも心は子供のままである。
メンタルはチャイルドでも、ボディはもうアダルトなのだ。
バナナみたいに反り返った勃起も。
愛液でぬめる初々しさのあるピンクの粘膜も。
セックスするための条件を満たしていた。
だがそれはこんな過程を経て得てもいい結果ではない。
ショーツをずり下ろされ這い蹲る薫の、剥きだしになっているヒップにはクッキリ、真っ赤な手形の痕が痛々しくも鮮やかに残っている。
負けん気が強く明るいキャラクターとして認識しているだけに、涙に濡れている憂いを帯びたその貌に麻耶はドキッとした。
セックス。
貴方たちにはまだ早い。
不純異性交遊などという時代錯誤も甚だしい名目で、説得力のない頭ごなしの指導をするつもりはない。
避妊さえしてくれればそういうコミュニケーションがあるのを知ってもいいだろう。
ただし、
「貴方たち、なに、なにしてるのッ!!」
それは結果を得るためなら、どのような過程を経てもいい行為ではない。
引き攣った顔で立ち尽くす佐川と西谷からは、クラスメイトの身体への肉欲はあっても、ある意味で幻想の産物である愛だの恋だのは感じない。
亀頭の先端からカウパー腺液を滴らせるふたりから感じるのは、牝をチカラずくでねじ伏せ貪ろうとする牡の本能だけだった。
愛だの恋だのから程遠い。
凌辱やレイプという忌まわしい言葉しか浮かんでこない。
生理的な嫌悪で吐き気が込み上げてきていた。
2年A組の生徒は全員この空き教室に揃っているが、集団心理なのか同調圧力なのか、誰もとめようとしないのが不気味さに拍車を掛ける。
詞ですら顔面を蒼白にしているだけで、動こうとしていた気配も動こうとする素振りもない。
積極的ではないがこの犯罪行為に、クラス全体が消極的な総意で加担していた。
その事実に胃がまたキュッとなる。
しばらくの間誰もが音を立てるのを恐れるように、放課後の空き教室の中を奇妙な沈黙が支配していた。
が。
ひとに厳しいが自分にはもっと厳しい担任から、断罪されるのではないかという、自身の保身しか考えてない浅ましく卑しいストレス。
自尊心は肥大したが自制心は育たなかった、未熟なメンタルが堪えられるわけもない。
「いや、その、あ、あのさ……」
「せ、先生、これはアレ、アレなんだよ。ああ、えっと、こ、これはその棚町のアイディアで、創設祭の催し物でやりたいっていうもんだからさ」
これが自分の教え子なのかと思うと、あまりに見っともないし情けない。
教え導いてきたつもりになっていたさっきまでの自分が……。
「馬鹿なことを言ってないで早く離れなさいッ!!」
しかしそれでもこの馬鹿なふたりは生徒であり、そしてどんなに無能だと自虐してみても麻耶は彼らの先生だった。
なにより今は薫を守らなくてはならない。
傷ついた少女の心と身体を、担任の教師としてだけでなく、ひとりの大人の女としても保護しようとした。
未だにクラスメイトの瑞々しい尻肉に手を添えて、秘裂を割り開いたままの西谷を押し退け、
パシッ。
「え?」
ようとしていた手が掴まれる。
「……高橋先生」
「な、なに?」
西谷は佐川の親友といっていい間柄であるものの、どちらかというなら主導権を握られて、流されるまま受け身の行動を取っていることが多い。
反抗的であっても刃向かってくるようなことはなかった。
圧を感じたことはない。
もっともそれは西谷だけというわけではなく、2年A組だけというでもなく、輝日東の男子生徒全員に共通しているものだった。
思春期とは成長期でもある。
なので背は高く身体は麻耶よりもずっと大きいという生徒も当然いるが、日本史を担当している美人の女教師に睨まれれば、運動部に所属している体育会系の男子でも怯みたじろいでしまう。
だから一年生の夏休み前どころかゴールデンウイーク明けに、部活を辞めてしまった西谷の行動は予想外のものだ。
剥きだしになったままのペニスがぴくんっと跳ねる。
自分で判断し決断した者の眼が、麻耶の視線と至近距離でぶつかったが逸らされることはない。
だがそれを成長と呼んでしまうのは、教師としても女としても許せそうになかった。
「見なかったことにしてくれる、ってわけにはやっぱいかないですよね?」
「あ、当たり前でしょ」
もちろん被害者――薫には配慮するが、加害者であるふたりには、しかるべき罰を与えるつもりである。
そうすることによって佐川と西谷の、未来への選択肢は狭められるだろうが、過去を償わせずに未来へ進ませるのはタメにならない。
厳しさも優しさ。
更生とはそういうものでそのときは恨まれても、そうすることこそが教育者のあるべき姿であろう。
とはいえそうしてしまえば最悪、麻耶本人は教育者でいられないかもしれないが、そのようなことは二の次三の次の些末な事柄でしかない。
教え子にこれ以上の、間違いを犯させるわけにはいかない。
いかないのに……。
教師としての毅然とした態度は、
「キャッ!?」
痛みを感じるほどのチカラで掴まれていた手を無理やり引っ張られ、柔道の払い腰の要領で投げられたことであっさり崩された。
教師よりも先にオンナであるのを、証明してしまう甲高い悲鳴を上げて、ふわりと宙に浮かされると床に叩きつけられた。
瞬間的に息が詰まる。
帰宅部にしとくのは惜しくなるような動きで、素早く俊敏に西谷は女教師の腹部に跨った。
――ビリリッ。
躊躇せずブラウスの胸元を両手で左右に引き裂く。
ボタンがひとつ弾け飛びふたつ弾け飛び、汗ばんでいる白い谷間と黒いブラジャーが露わになる。
生徒は担任教師の趣味がヨガやジョギングなのまで知らなかったが、それでも麻耶のプロポーションがバツグンにいいのは皆んな知っていた。
輝日東高校では周知の事実。
だがそれでも思春期の青いリビドーを刺激しないよう、高橋先生が服装に配慮し気を遣っていたのを初めて知った。
麻耶が想像していたよりも妄想通りの、着やせするタイプだったのも初めて知った。
大人の女性に相応しい精緻なレース模様を織り込まれた黒いブラジャーには、ワイヤーで形成された球面にふんわりと優しい柔らかさがみっちり詰まっている。
牡であるなら揉みしだく欲望を、抱かずにいられない熟した乳房だった。
今どきのJKというのは発育が良いので、麻耶よりもたわわに実っている女子生徒もいるが、あるいは子供じゃないと事あるごとに口にしつつ、本人も気づかない心の奥底では、まだ大人になりたくないマザコン男子には、母性を感じさせるこのオッパイこそが支持されるだろう。
それは視線の熱さがナニよりも証明していた。
もっともさすがにソレを母性を求めての思慕というのには、空調の利いてない満員電車のような湿り気と粘り気がありすぎる。
不快指数が高過ぎた。
「オイッ、ば、馬鹿、ちょ、いくらなんだってソレは、そ、その、や、ヤバいんじゃねぇか……」
「馬鹿はオメェだ。よく考えてみろよ」
ようやく共犯者の意図を察した佐川は口元を引き攣らせる。
誰も説得できそうにない臆病さからくる説得を試みるが、吐き捨てるように切って捨てられて身体をびくっと竦ませた。
「……高橋先生のことだから、オレたちにバツっていうのを与えるんだろうぜ」
「あ、ああ」
リーダーぶっていたが、完全に西谷に呑まれている。
「見逃してくれねぇならこうするしかねぇだろ。高橋先生だって所詮オンナなんだから、棚町と一緒でヤルことヤッちまえば黙らすなんて簡単だ」
ハァハァと犬のように荒い息遣い。
生臭さが肺を焦がす。
信じられないモノを見るような麻耶の視線を正面から受け止めつつ、
「馬鹿なことはよしなさ、ま、ああッ!?」
教え子は時代に逆行する女性蔑視も甚だしいことを言いながら、下卑た薄ら嗤いを浮かべて担任教師のブラジャーを乱暴に毟り獲った。
オオッ!!
そうやって声を漏らした男子が誰なのかわからないが、感嘆しているのは女子を含めた満場一致で2年A組の全員だった。
さながら新雪に桜の蕾を落としたみたいな、年端のいかない少女のような淡いピンク色をしている。
アダルトなブラジャー越しであった女教師の牝肉の実りが、可愛い教え子たちの眼に無慈悲にさらされた。
その柔らかな掴み心地を想像するだけで、思わず生唾が出そうな成熟した果実である。
肌の張りや瑞々しさは十代の頃よりも劣り、これからオンナとして花咲かそうとする教え子たちに譲るかもしれない。
が。
すでに二十代も終わりに近づいて、三十路のカウントダウンも始まってるが、そうやって失ったモノがあるおかげで獲得したモノもある。
ヨガやジョギングなど日頃からスポーツを嗜み鍛えてるのもあって、仰向けになっても年齢を言いわけにしてだらしなく垂れるということはない。
けれど年齢相応のだらしなさがまったくないかというと、やはり若さには逆らうことができないみたいで幾分型崩れしていた。
とはいえそのたぷんっとしたふくらみは、だらしないからこそ裸体を魅力的に映えさせる。
小娘にはない妖しさと艶やかさを盛り立てていた。
「な、なにしてるのッ!! 西谷くん、早く、早くどきなさいッ、悪ふざけがすぎるわよッ!!」
この状況でドモり上ずってしまっている声に、厳しくも優しい担任教師としての威厳も畏怖もあるわけがない。
現在の教育現場で体罰はご法度である。
たとえどのような事情があろうとも、生徒に手を出すのは許されるものではない。
そのような旧時代の安易で便利な手法に頼ってしまうのは。己の教育者としての実力のなさを証明してしまうだけだ。
――パァンッ。
なのでどのようなカタチであっても高橋先生が教え子に対し、こうして暴力を振るうのを見たことがある2年A組の生徒は居ない。
だが麻耶が西谷の頬に平手打ちを食らわせたことに、この空き教室で驚いた生徒はひとりも居なかった。
全員がわかったからだ。
教えを諭す先生としてではなく、我が身を守るオンナとしての行為なのを。
「やめ、やめなさいッ……やめてッ、い、いやぁああああッ!!」
しかしその攻撃は理性をとっくに失ったサルの、嗜虐性を煽りますます凶暴にさせるだけだった。
いっぱいに開いた手のひらが、教師でなく牝でしかなくなった麻耶の、もがき小刻みに揺れる乳房に伸ばされる。
先生というのが興奮するためのアイコンでしかなくなった牝の、指が沈み込む蕩けるように柔らかなふくらみを鷲掴みにした。
捕らえ奴隷として嬲るクラスメイトに飽きたわけではない。
まだまだその身体は貪り足りないが、若い薫にはない包容力のある成熟した感触に、
「ウヒョ~」
ありのままの自分をさらけ出している。
西谷は不快さしか喚起させないだらしない表情で、気色の悪い奇声を上げながら麻耶の乳房を揉みしだいた。
それは自分自身の欲求を満たすためだけの、甘やかす母親に甘えっぱなしの馬鹿息子みたいな、ひたすら我儘で自分勝手なモノでしかない。
「あ、くッ、い、痛ッ!?」
麻耶としては巧妙な愛撫などというのを望んでいるわけではないが、その稚拙で乱暴で不器用な手つきに顔をしかめずにいられなかった。
まさしく手に余るふくらみ。
巨乳というどこか下品な響きに、胸がトキメかない男子はいないだろう。
にゅぐッ。
強く握ると指の隙間から零れ落ちそうなほど柔らかく、手に吸いつくようにしっとりした乳肉が、劣情のまま落ち着きなくカタチを変えていた。
たぷんたぷんした感触を貪欲に味わおうと、西谷は一時も手の動きを休めない。
「イッ、んンッ、よ、よしなさいッ」
突如襲ってきた理不尽さとおぞましさに、麻耶はキッと睨みつけながら下唇を噛み締める。
自分が教えている生徒に欲望の対象にされていることに、激しい嫌悪を感じたがそれでこの状況がどうにかなるわけではない。
そしてこの最悪の状況をさらに悪化させたのは、
「……なぁ~んだ高橋先生だって……ちゃ~んと愉しんでくれてんじゃないですかぁ」
教師としての矜持を裏切り、久しく忘れかけていた五年ぶりの牡の存在に、過剰に敏感に応えてしまった牝の身体だった。
胸を揉まれているだけなのに息が弾み、汗ばんだ手のひらで擦られた乳首が硬くしこってくる。
それだけでなくセクシーな美脚を彩るストッキングの股奥では、粘膜の合わせ目に今にも滲みだしそうな潤みさえ生じさせていた。
我が身の浅ましさが嫌になってくる。
けっして他人に知られてはいけない淫らな秘密を抱えながら、
「馬鹿おっしゃいッ!!」
教え子に好き放題に乳房を弄ばれる麻耶の抵抗は、なりふり構わず暴れ足掻く激しいモノに為らざるを得なかった。
やや大きな尻のフォルムを浮かすタイトスカートが捲れ上がっていく。
2年A組の生徒たちは、男子も女子も生唾を呑んだ。
担任が色気たっぷりなのは周知の事実だが、オンナとして完成された麻耶のエロスを改めて思い知らされる。
ストッキング越しに透けるショーツが、否が応でもアダルトさを醸して生々しくも艶めかしい。
西谷が麻耶に襲いかかったとき、驚愕と期待で動けなくなった男子はともかく、女子の何人かは犯行現場にいる危険を感じて教室をエスケープしようとした。
「どっこ行くの?」
弥生たちが出入り口に立ちはだからなければ、きっと今日のことに知らんぷりを決め込んでいただろ。
しかし三人としてはこのまま、檻の外に逃がしてやるわけにはいかなかった。
知らんぷりを決め込むつもりでも当事者意識がなければ、芸能ゴシップやスキャンダルと同列にしてあっさり口にするかもしれない。
そうなると回りまわってこれまで三人のしでかしたことも、詞の件も含めていろいろ明るみになってしまう可能性は高かった。
こういった口の軽い人間の口を封じる方法はいくつかあるが、上下関係をハッキリさせつつ共犯にしてしまうのが有効であり手っ取り早い。
詞と薫のツートップが過去になってしまった今、2年A組で三人に逆らえるような存在感のあるキャラはいなかった。
笑顔でクイッと顎をしゃくるだけで、追い立てられる羊みたいにすごすごと戻っていく。
女教師が教え子に犯されんとする、恥辱のショーの輪に姦しく加わった。
「も、もう、いいかげんに……ああああッ!!」
部活を夏まで続ける根性こそなかったが、中学までは柔道を習って黒帯なのを、内申書に目を通す義務と権利のある麻耶は知っている。
馬乗りになって担任の乳房を揉みしだいていた西谷は、抵抗する術のないオンナからさらに抵抗力を奪う。
スムーズに袈裟固めの体勢になった。
唇をペロッと舐める。
誘うみたいにふるふると揺れる巨乳の頂きには、ぴんぴんに尖り硬く勃起している大好物があった。
迷うことなくかぶりつく。
教育者でなく憐れな獣欲をそそる獲物でしかなくなった牝の乳首が、教え子でなくケダモノでしかなくなった牡の粘膜にねっとり包まれた。
「ひィ――」
驚愕よりも恐怖。
声が喉の半ばで堰き止められる。
過剰に敏感になっているパーツから伝わる生温かさに目を見開く麻耶。
ちょっと舐めた程度では潤いの戻らないかさついた唇が、ボリュームのあるふくらみにヒルみたいにいやらしく吸いついている。
乳頭の切れ込みを舌先でチロチロとくすぐり、デリケートでナイーブなパーツにガキガキと歯を立てられた。
「やッ……やめなさ、あうぅッ!!」
ケダモノの黄色く薄汚れた牙が媚肉に喰い込むたび、ひび割れた唇でこねられるたびに麻耶の身体に新たな怖気を走らせる。
単調だ。
歯を立てられたかと思うとしゃぶられる。
とくに技巧らしいモノはないチープすぎる愛撫を、馬鹿のひとつ覚えみたいに西谷は交互にひたすらくり返していた。
「くうぅぅンッ!! ……あンッ……ぅ……ンふぅ……」
しかしそのただねちっこいだけの拙ささえも、教え子にされているという補正が悦びに変換してしまう。
教師ではあったがオンナであることも、牝であることも五年のブランクがある身体には、淫らな媚刺激への免疫がすっかり失われていた。
痛い思いをするくらいならまだしも、気持ち悪いが舐められる方がマシではないか。
粘つく唾液の乗ったナメクジのような舌がねっとり絡みつく。
想定外のことがいっぺんに起こり混乱した頭は、噛まれてズキズキと疼く乳首をねぶられると、
「ああンッ」
なんともいえない妖しい感覚が、腰の裏側からぐじゅぐじゅと湧きあがった。
寝技から逃れようと、……しているだけにしては色っぽくくねっていた美脚が捕まえられる。
左右に引っ張られたストッキングの繊維が、ミチミチミチと儚い呻きを上げて破かれた。
熟した素肌とアダルトなショーツが、外気と教え子たちの視線にさらされる。
ブラジャーもそうだが生徒に見えないところでは、麻耶もちゃんとオシャレを楽しんでるらしい。
普段から公開している女教師ファッションも、アダルトでセクシーなモノであるが、衣服の下に隠している非公開の部分は、教育上よろしくない
くらいアダルトでセクシーなモノだった。
漂ってくる牝のフェロモン。
「イ、イヤッ!?」
鼻ではない。
牡器官の先端でだけ嗅ぎ取ることのできる芳香に惹きつけられ、もがき足掻いたことでずり上がったスカートの中に佐川は頭を突っ込んだ。
薫のモノより濃厚な気がする生々しい牝のニオイに、むせ返りそうになりながらも顔を寄せて花芯に口をつける。
麻耶は教え子に対して、強烈にオトコを意識せざるを得ない。
教師にとって禁忌といえる背徳感が五年もの間、放置されていたオンナの身体を過剰に敏感に昂らせていた。
……そんな……わたし……生徒を相手に……。
たっぷりの蜜を吸っているショーツは、その下にある秘裂のカタチをうっすら浮かせ、愛撫を求めるように卑猥にひくついている。
こんなのダメだこんなのイケナイと、教育者というより聖職者のように戒めるが、
「……ンッ、ンッ……ふぅッ……はぁ……んぁッ……ぅああッ!! ……あ!? ……ああッ………んぁああッ!!」
ことごとく逆効果でしかなく、官能の炎をより燃えあがらせた。
ショーツの喰い込む割れ目をなぞる佐川の、チカラを込めた舌先の動きを、過剰に敏感に捉え悦びに変換してしまう。
じゅちゅッ・じゅッ・じゅるるッ……。
布地越しに愛液を啜る下品なバキューム音ですら、腐りかけるギリギリまで熟成された卑猥な身体を昂らせた。
ヴァージンの新鮮なレア肉とはまた一線を画す、五年もの間放って置いたからこその食べ頃の肉。
どうやら佐川の口にあったみたいで、憑かれたように女教師の媚肉を貪っている。
もっとも出もしないミルクを吸おうとでもするように、乳首をチュウチュウしている西谷もそうだが、サルどもにとって肉は肉でしかなくこだわりはないらしい。
たとえ新鮮であろうが熟成されていようが、食べ応えがあって美味ければいいらしかった。
「高橋先生ってカレシとかいるの? セックスってどれくらいぶりですか?」
とはいえ恩師という背徳のスパイスは、極上の肉の味を一段も二段もランクアップさせるみたいで、
「3Pってしたことあります? シタことないんだったらナニ事も経験ってやつですよ……せ・ん・せ・い」
興奮からか西谷をいつもより饒舌にさせている。
スカートに頭を突っ込んでいるのでくぐもっており、ナニを言っているのかよくわからないが、舌を蠢かせつつ佐川もしきりにナニやらしゃべっていた。
クロッチの脇からぬるりとナメクジが、教師という肩書きが淫らなアイコンでしかなくなったオンナの粘膜の合わせ目に侵入してくる。
先生ではない。
「ンッ、ンッ……ふぅッ……はぁ……、んぁッ……ぅああッ!! ……あ!? ……ああッ……んぁああッ!!」
甘い叫び声を教室に響かせた麻耶はもう牝でしかなかった。