フェイク。
デマでありゴシップだ。
根も葉もない。
あのときは紛れもなく火のないところに煙を立てた話でしかなかった。
0を100にして盛った話だと、詞自身も思い込んでいた。
けれどどうやらそれは違ったらしい。
自分で招いた種である恥辱の動画で脅迫していた三人は、1ある話を膨らませて100にまでしていたみたいだ。
もちろん現在も純一との仲は100でないものの、あれから急激に100に近づいているのは間違いない。
スクールカーストの頂点から転落した詞を見る、クラスメイトの目はあまりにも残酷だった。
軽蔑と嘲笑の的になっている。
「なにかあった?」
麻耶に心配されたが答えられるわけもない。
すでにそうすることにほとんど意味のなくなった優等生のスマイルで、2年A組にはナニも問題ありませんと首を振ることしかできなかった。
それはもうこれまでの学校生活で人知れず築いてきたモノの、すべてを失いかけている詞に残された最後の意地である。
だがそれすらも純一の前であったなら、少しずつ張る必要のない意地になりつつあった。
なんせこれまでに人生で、経験のないことである。
純一に抱いている感情の正体が、愛や恋といったものなのか未だにわからない。
ただできるものならば、そうであって欲しいという期待とともに、孤高から孤立になってしまった少女は純一に依存していった。
さすがに鉄壁とはいかないまでも、クラスメイトからも三人からも、要領は悪いが何かと守ろうとしてくれている。
絢辻詞を主人公とした物語で、どんどんヒーローになっていた。
とはいえ、
「あ、ああ……だ、ダメだよ、そ、そんなことしちゃ……」
そんなモノはやはり都合のいい幻想でしかなかったらしく、ヒーローと錯覚した純一も所詮はケダモノでしかなかったらしい。
もっとも思春期を真っ盛りの高校生男子にこのシチュエーションで、真摯で紳士なヒーローで在り続けろというのは些か酷な話であろう。
思春期真っ盛りなヴァージンの高校生女子に、その制御のできない青い欲望の大きさを理解してやれというのも。
友だちでもないのに友だち申請され、LINEグループを作成させられた三人から、放課後になったら例の教室の前で例のことをするようにという指示を受けて呼び出されていた。
……的中率100パーセントの嫌な予感しかしないが無視はできない。
運命を変えてしまったあの日と同じように、すっかり陽の落ちた暗い放課後の廊下で空き教室を覗いていた。
純一がそれこそ例の三人に囲まれている。
隙間なくぴったり密着された身体に、クラスメイトの乳房や腰を擦りつけられながら、いたるところに手を這わされ撫でられていた。
意志薄弱そうな柔和な顔にも、さして逞しくもない胸板にも、ズボンを内側から膨らませた股間まで、経験のない甘美な媚刺激の虜にされている。
布地にクッキリ浮かびあがらせたペニスが、三人のサキュバスの手により玩弄されていた。
「あふッ」
今にも突き破って飛び出してきそうな勃起を、やわやわと揉み擦り身体中の血流を一点に集中収束させていく。
純一がまともに女のコと付き合ったことがないのは、たぶんではなくもう確定で間違いない。
これまでの人生の中でコンタクトのあった異性はおそらくそう多くないだろう。
母親とひとつ下の可愛い妹、それに隣りのクラスの幼馴染み、……あとは中学からの友人である薫くらいのはずだ。
プラスするなら中学三年のクリスマスイブ、こっぴどくフラレたという片想いだったコくらいか。
短い時間しか共有してない詞の把握できる範囲は、然程広くないもののけっして的外れでない絶対の自信がある。
そうでないなら純一は詞など、比べモノにならない食わせ者だ。
そしてそうではないのにも絶対の自信がある。
橘純一は童貞だ。
「ダメ、ダメだってば、さ、三人の気持ちは嬉しいけど、い、いきなり、いきなりこん、あッ、んンッ、だ、ダメッ、もう、ああああッ!?」
女のコだったり声変わりしてない男のコ、所謂ショタだったりがする分には、そそられるモノがあるのかもしれない。
そっち方面の趣味嗜好なオネェさんオニィさんなら、眼を爛々とさせ鼻息を荒くしている光景である。
しかしどちらかといえば中性的な顔立ちをしている純一であるが、法的には少年でも声や身体つきはすっかり大人でオトコだった。
「ンはぁああッ!!」
ひたすら滑稽でしかない。
ナニがどうしてこうなったという詳細までわからなくとも、ここまでのあらましという経緯を想像するのは難しくなかった。
ここ数日の純一はちょっと頼りないが清廉な詞の守護者であり、そのガードは純一が元凶であると睨んでいる三人にとくに発揮されている。
もっともこうやって放課後にあっさり呼び出されているのだから、主人公に成り損ねた純一の頑張りはなんの意味もないのが証明されただけだ。
三人の視点からは鉄壁のつもりで立ちはだかる純一の、その薄さと脆さは侮蔑と嘲笑の新しいスパイスでしかなかったかもしれない。
素材に味が馴染んだ頃合いで料理にかかった。
「……橘くんのココ、すっごく苦しそう」
「まかせて」
「わたしたちが楽にしてあげる」
淫魔の誘惑。
顔を真っ赤にした純一の耳に囁かれるソレは小さな声ではあるが、妙に滑舌が良いので廊下で聞き耳を立てている詞にもはっきり聴こえた。
そうと気づくと角度というかアングルも、覗き見しやすい位置になっている。
三人の淫魔は下半身で渦巻いている欲望から手を離すと、弥生が内側からの圧力で湾曲したチャックを下ろし、悠子がトランクスの前開きを掻き分け、
「はぁうッ!?」
しなやかな指先で軽く摘まむと、手慣れた感じで美雪が勃起を引っ張り出した。
溜まっていたカウパー腺液もニュルリと滲み出る。
窮屈な下着に閉じ込められていたソレが熱とともに外気にさらされる。
数年ぶりに異性の眼にも。
日々の生活で家族に見られるハプニングすら、思春期になってからは思春期の妹もいるのでシークレットを徹底してきた。
他人に見られることに慣れてないうぶなペニスには、視線すらも刺激でありご褒美である。
熱すぎる視線を注ぐ彼女たち四人は知りようもないことだが、誰より見慣れているはずの純一ですら驚かざるを得ない膨張率だった。
家に帰ってペンを握らない日はあっても、思春期の男子がコレを握らない日などない。
孤独な摩擦行為の成果が出ていた。
少しだけ包皮が余りやや仮性気味であるものの、ピンクの肉色を覗かせた先端は八割方露わになっている。
「ンくぅッ!?」
筒状にしてシャフトに絡められた指を美雪が根元に向けて引き寄せると、太い静脈を浮かせ鋭角に張り出した雁首を素早く剥きだしにした。
純一はまるで女のコみたいな甲高く短い悲鳴を上げたが、それが痛みによるものでないのはその表情がナニよりも雄弁に物語っている。
しゅにしゅにしゅに……。
五本の指をしっかり巻きつけると美雪は手首のスナップを利かせ、ゆったりしたテンポで先走り液も利用しつつゆるゆる優しくシゴキはじめる。
ねっとりとした愛撫に若いペニスはさらに膨張して、未だトランクスに収められたままの睾丸の中で精子が荒れ狂っていた。
そのままシゴかれればクラスメイトの少女の手コキで、自分で自分を慰めることでは味わえない快楽を味わえてたろう。
「あッ、あッ、あッ、は、あ、ああ――あ?」
しかし美雪はもうあとほんの少しというところで、上目遣いで笑うと爆発寸前の沸騰したペニスから手を離した。
泣きそうな顔でどうしてと訴えてくる純一をスルーして、
「バトンタッチ」
悠子と交代する。
待ってましたとばかり熱が逃げる間もなく、またしてもペニスはクラスメイトの少女の手に握られた。
柔らかな感触こそ変わらないがそれでも、微妙に美雪の手から伝わってくるモノと異なる。
「――ハァンッ!!」
すぐに純一のペニスは節操なく悠子の手コキの虜にもなった。
握り方が美雪よりちょっとだけ強い。
とはいえ純一が自分で握るよりはずっと弱いのだが、クラスメイトにされている興奮もあって、去ってしまったと思った射精の波が戻ってくるのに時間はかからなかった。
親指と人差し指で作る輪っかが、鬱血したみたいに紫になった雁首に触れるたび、
「ん、あッ、ハッ、は、ああッ、ふ、んンッ、あッ、あッ、ああああッ!!」
脳髄を灼くかのような激しい快楽のパルスと、マヌケでしかない裏返った嬌声が次から次に弾き出される。
こうなってしまえばもう果てさせるのは誰にでも簡単そうだ。
むしろそうさせないのにテクニックが必要になる。
童貞のクラスメイトの勃起の脆さを見透かしているのか、悠子の手コキのスピードは一定の速度を保ち、けっして純一を限界までヒートアップさせることはない。
我儘すぎる思春期の昂ぶりを、意のままにならない生殺し状態でステイさせている。
そして、
「疲れちった」
そこまで弄んでおいて悠子もあっさり滾り猛るペニスから手を離した。
捨てられた仔犬のような純一の視線をやはりスルーして、
「ハイ、ど~ぞ」
「……え? あ、ああ、サンキュー」
底意地の悪い笑みを浮かべて純一ではなく、廊下に意識を向けていた弥生に童貞ペニスを譲る。
ギリッ。
暗闇に響く歯軋りの音。
詞と純一はべつにそういう関係ではない。
友だち以上になりつつあるが、やはりまだそういう関係ではない。
でも湧きあがるその感情を抑えらることはできなかった。
嫌われがちで読むモノを選ぶ特殊ジャンルであるが、所謂NTRも説明不要でもうすっかり定番になりつつある。
脅迫モノがお気に入りのエロ漫画愛好家であれば、属性が重なり近しい部分もあって、当然のように網羅しているジャンルでもあった。
まだ咲いてない蕾の感情ではあったが、このまま芽吹きそうな気配だけはあった。
そもそも寝てもないのに寝取りって、日本語としてチョットおかしくない?
などと最初にその存在を知ったときは思ったりもしたが、NTRは密かな片想いでも成立するのにもう今は違和感はなかった。
むしろ自然。
地面に深く埋まったままの想いではあるが、無理やり掘り起こされて――身も心もNTRされ詞は昂っていた。
右手と左手が定位置に無意識にポジションを取る。
友達以上恋人未満の片想い(仮)の相手が、まさに寝取られている現場をオカズにしてのオナニー。
しかも放課後の廊下でである。
わたし……わたしは……ヘンタイなんかじゃ……ヘンタイなんかじゃ……ない……。
説得力のない自己否定を念じつつ、手は慣れた動きで馴染んだ感覚を漁ろうとしていた。
吐息が切なく荒い。
ノーブラの乳房にブラウスの上から触れる。
カップのサイズやボリュームは関係ない。
思春期の若さを誇示するかのようなぷりっとした弾力は、大人でもなければ子供でもない未完成なティーンならではの魅力だ。
手のひらにはナイロンの生地に擦られリビドーの興奮に煽られ、ぷっくり勃起した乳首が硬く尖りアピールしている。
「ンぅ……ふぅぅ……」
甘い痺れに廊下にハブられた優等生の孤独な嬌声が漏れた。
丁寧に執拗にねっとり乳房を揉みしだきながら、隆起した乳首を手のひらで転がし、いつものようにソフトな愛撫でふくらみをほぐしていく。
そしてこちらもやはりいつものように、スカートの奥にまで潜り込んだ左手が、秘められているのに馴染みのある部位に触れていた。
くちゅくちゅくちゅ……。
慣れたモノですぐに股間から卑猥な粘着音が立ち、ヴァージンの濡れたスリットにくぐらせた指をグニグニと蠢かせる。
「……あ……あふッ、……や、ぁああ……ン……」
どれだけ抑えようとしても抑えられない艶やかな声は、陽の堕ちた廊下の闇に妖しく吸い込まれていった。
もしも第二の脅迫犯が潜んでいるのなら、おあつらえ向きのシチュエーションである。
「あッ……ン……ハッ……はふッ……」
またしても廊下で周囲の目を気にせず、オナニーに夢中になっている優等生は、カモがネギを背負ってくるような痴態をさらしていた。
腰の裏からじわじわ拡散し浸食してくる快感に、誘うみたいにヒップをゆらゆら揺らめかせている。
廊下の角にでも潜んでいる者が居たとしたら、シャッターを押すのにも、バックから襲いかかるのにも絶好のチャンスだった。
準備万端。
スカートを捲ってショーツをずり下げれば、牡器官の挿入は意外にスムーズにできそうだ。
その際ハードルがあるとすればこの痴女な少女が、まさかまだ膜の存在している処女だということくらいであろう。
カタチだけの恥じらいと、初体験の痛みで抵抗するかもしれない。
もっともそれすらスパイスでありエッセンスでしかないのを、闇に潜みそこから飛び出したレイプ犯は、さしたる時間を要することなく侮蔑の笑みとともに確信するはずだ。
桜色に染まった肌の火照りと震え、
「あヒィイイッ!?」
蹴りつけられた犬が鳴くような甲高い悲鳴が、ヴァージンを奪われた少女のすべてを物語り教えてくれる。
虚空に遠吠えするみたいに背を仰け反らせ、背後から勃起を穿ち込まれる様相には、嫌悪ではないモノがあきらかに上回って見えた。
自ら望んで快楽の鞭に打たれる哀願動物。
などという妄想をしているくらいだ。
「く、久瀬さん、そ、そんなの、そんな、くぅンッ、ダメ、あッ、ん、ダメぇええッ!!」
なす術なくクラスメイトの女子に苛められ責められる純一を、誰がどれだけ蔑み嗤おうとも詞だけはけっして笑うことはできない。
弥生は耳朶に息を吹きかけながら、人差し指でカウパー腺液を垂らす尿道口を弄り、ヌラヌラ円を描くみたいに亀頭の表面に塗りつけている。
キレイにコーティングすると満足したみたいで、
「苦しいでしょ? とりあえず橘くんのコレ……一回ラクにしてあげるね」
言いつつ童貞のクラスメイトを小馬鹿にしたように笑って、太い血管を這わせ不気味にひくつく勃起の前にしゃがみ込んだ。
上目遣いで純一を見下しつつ、
「……誰かに口でしてもらったこと、ある?」
自分の部屋で深夜セルフチャレンジして断念したことはあっても、誰かになどあるわけないのがわかっているくせに意地悪く訊いた。
欲望の勾配を顕わすように急角度でそそり立つ勃起を調節する。
ゴクッ。
まだ上の口でするキスの経験すらもない純一の喉と、ここ数日でキスの経験がふたりになった詞の喉が同時に鳴った。
童貞と処女の期待を乗せた熱すぎる視線が、瞬きさえも忘れさせて股間にフォーカスされる。
チラっと弥生は引き戸にできた隙間を見てから、
「少しは我慢してよ」
殊更ゆっくり唇を近づけた。
時間にすればそれはほんの数秒であったが、唇と勃起のファーストコンタクトを待ちわびる、純一と詞にはそれがとても長いものに感じられた。
早く早くと催促でもするみたいに亀頭の先端からとろりと、涎のように先走りの粘液が垂れ落ちそうになると、
「ああああッ、んンッ、あハァンッ!?」
ソフトクリームを舐めるみたいに、すかさず弥生の舌が伸びて掬い取り、純一をまるでうぶな女のコのように喘がせる。
ピリッとした鮮烈な刺激に腰が引いて逃げようとするが、真綿のように身体を締めつけ密着する悠子と美雪の肉の壁に阻まれた。
ふふふっ……。
サキュバスらしい淫靡な含み笑いをふたりは漏らしながら、胸のふくらみを押しつけ太腿を擦りつけるみたいにしがみつく。
「ひンッ!?」
どころか制服のYシャツ越しに乳首をキツく摘ままれ、トランクスから中途半端に覗いていた小さな袋を掴まれた。
すると陰嚢から湧き出したものが輸精管を駆け抜け、
びゅッ!!
牡の欲望が尿道口から飛び出てしまう。
フェラチオ未経験の勃起は、フェラチオデビュー戦を果たす前に、あっけなくフライングし暴発してしまった。
クラスメイトの顔面に。
「あ~もうっ!! だから我慢しろって言ったじゃんっ!! ……ったくこれだから童貞は」
粘ついた青臭いスペルマはどろりと弥生の口唇にまで垂れていった。
異常なほど繊細というか、デリケートでナイーブな童貞が、けっこう傷つく文句をぶつくさ言いつつ、クラスメイトの精子をペロリと舐め取る。
軟体動物のような舌のモーションが妙に艶めかしい。
クルものがある。
「あ、その、ご、ゴメンなさい」
意図せぬ弥生のエロティックな仕草に魅入ってなければ、純一の勃起は力強さを失って下を向いてしまったかもしれない。
けれど自分のザーメンがクラスメイトの舌に舐められ、そのまま口内に収められたという衝撃が、そして喉が蠢いたという牡の歓喜が、童貞の柔らかすぎるメンタルに、やはり意図せず言葉のナイフが刺さるのを防いでいた。
「ドンマイドンマイ。童貞あるある童貞あるある」
「でも一回ぴゅッぴゅッしたんだもん、さっきよりちょっとは堪えやすくなったでしょ? 次からはいきなり顔射したりしないよう気をつけよ」
悠子も美雪も基本的にマザコンな、男心をくすぐる甘い囁きでフォローする。
「マジまたやったりしたら、もうわたしゼ~ッタイしてやんないからね」
言葉にできない思春期男子の願望を読み取ったとはいえ、勝手におっぱじめた弥生の機嫌もついでに治ったようだ。
「う、うん」
ドモり気味だが素直に頷いた純一の勃起は、欲望を吐き出したばかりなのに、びんびんに滾り腹に張りつきそうなくらい真上を向いていた。
建前なのがモロわかりの建前ではあったものの、もうカタチばかりの拒絶すらも忘却している。
ヒーローなんかじゃない。
性の奴隷だった。
「まあ童貞だし仕方ないから許してあげる」
鼻息荒く弥生はタイムラグなしで、発情期の欲望を再充填された勃起を掴む。
学習しないのは如何にも今どきの若者らしいが懲りない。
「うあッ!?」
したばかりの約束を舌の根も乾かぬうちに反故にして、またしても青臭いスペルマが勢いよく中空に飛び散る――まさにその瞬間。
ぱくッ。
脈打ちひくつくペニスは温かな粘膜に包まれた。
「ああああッ!!」
過剰に敏感な童貞勃起に纏いつくぬめらかな感触に純一は、背後から抱きつく悠子と美雪に身体を預けるように仰け反った。
イケメンまではいかないがまずまずの、ときにさわやかにも映っていた優しげな顔が、抗うことのできない快楽にだらしなく歪んでいる。
たとえ愛だとか恋だとかのフィルター補正があったとしても、醜いサルに成り下がった純一をイケメンに加工するのは不可能だった。
百年のナントカも醒めてしまう。
「はむッ……ンふぅッ」
弥生がクチュクチュと音を立ててしゃぶり始めると、純一の顔の筋肉はさらに緩んで、官能に震える身体を支える悠子と美雪の嘲笑を誘った。
覗いている詞の侮蔑も。
もっとも詞の場合、
「んッ……あッ……んンッ……」
その侮蔑は自分にも向けられていた。
夢中になって視姦しながらぴんぴんに勃起した乳首を摘まみ、ぷくっと膨らんだクリトリスをショーツの中に差し入れた指先で転がす。
口淫に溺れる純一をオカズにしてオナニーに耽る詞は、篭絡される純一を卑しんでもいい資格はなかった。
「く、久瀬さん、あッ、はぁああッ、く、久瀬さ、ん、あッ、んンッ、久瀬さぁんんんんッ!!」
知能指数が低下している。
たぶん3くらいだ。
クラスメイトの名前を連呼するだけで、純一はもう意味ある言葉を話せそうもない。
弥生の首振りのリズムがペースアップするたびに、幼児化というか退化が進んで馬鹿になっていく気がする。
艶めく口唇でテンポよくシゴかれるペニスは根元まで呑み込まれ、たっぷり唾液を塗されてますます野太く成長していった。
詞の純一評はTHE.平均というかアベレージだが、ココだけはそれを改める必要があるだろう。
知っているモノよりも、弥生に咥えられたペニスはあきらかに大きい。
アンナのがわたしのナカに入ってきたら……。
「あッ、んぅッ、くぅンッ、ハッ、あッ、あッ、あッ、んふぅ、ンぅううッ、あッ、ああッ、うぅンンッ、は、ぁああああッ!!」
途切れ途切れのスタッカートで刻まれる淫らな喘ぎ声は、そろそろ耳を澄ませなくとも聴こえるレベルになりつつある。
首を振る弥生のリズムにシンクロさせるみたいに、クリトリスを責め嬲る指の動きも性急なモノに変わっていった。
ささやかで慎ましいふくらみも、指が食い込み痕が残りそうなくらい揉みしだき、痛みを感じるほど乳首をキツく摘まんで快楽を貪る。
瞳の奥がチカチカしてきた。
女体が痙攣する。
……またこれも意図せずだった。
橘純一。
絢辻詞。
クリスマスイブの創設祭で結ばれる。
そんな世界線があったかもしれないふたりは、
「はぐぅううッ!?」
「あひッ!?」
プシャアアッ!!
絶頂――イクというゾーンに仲良く達し、派手に精液と愛液をしぶかせていた。