そうして理香子は仕方なく両手で剥き出しの体を隠した恰好で玄関へ向かい、一度大きく深呼吸をした後、恐る恐る扉を開けたのだった。夫に全裸生活を命じられてから、宅配業者の男などがやってくる度に何度もこの瞬間を経験していたが、見ず知らずの男の前に裸を晒す瞬間は、何度経験しても慣れるものではなく、理香子は襲い来る羞恥に心臓の鼓動は激しく高鳴らせていた。
「ウォッ」
理香子が扉を開けると、男の驚く声が部屋の中にいるご近所さん達にまで聞こえた。
「あぁん、こんな恰好でごめんなさい」
理香子は羞恥に顔を真っ赤に染め、体を小刻みに震わせながら男に謝った。
今、目の前にいるデリバリーの男は、理香子の部屋を訪れるのは初めてで、いきなり丸裸で現れた美女に酷く驚いた様子で、目を血走らせながら理香子の体の隅々までを脳裏にしっかり焼き付けようとしていた。
「あの・・・これ」
男がじっと立ったまま手に持ったピザの箱をなかなか渡そうとしなかったので、理香子は一秒でも早くこの状況から逃れるために、さっき菅原から渡された三千円を男に差し出したのだった。その瞬間、理香子の乳房を隠していた右手は胸から離れることになり、形良い豊満な乳房や綺麗なピンク色の乳首が男の前に丸出しになった。
「あっ、それじゃあこちらが商品になります」
二十代前半と思われるデリバリーの男は、年上の人妻の艶っぽい裸に釘付けになりながら、理香子からお金を受け取ると、持って来たピザの入った三つの箱を理香子に渡した。
「あ、ありがとうございました」
ピザの箱を受け取った理香子は、今度は両手でそれを抱える恰好となり、乳房だけでなく下腹部の黒い茂みまで男の前に晒してしまい、理香子はこの羞恥から一刻も早く逃れようと慌てて扉を閉めようとした。
「あの・・・お金が足りないんですけど!」
扉の隙間からデリバリーの男は大きな声で叫び、閉じられようとする玄関の扉を強引に押し広げた。
「そんな・・・」
理香子はデリバリーの男の言葉に驚き振り返った。
「全部で三千三百円になります」
男は領収書を理香子に見せると同時に、再び露わになった美人妻の裸を食い入るように見つめた。
理香子は、菅原に渡された三千円で十分足りると思い込んでいたため、差し出された領収書を見て慌てた。
「ご、ごめんなさい。すぐにお金を取ってきます」
理香子はそう言うと、ピザの箱を両手に抱え、男に背中を向けて綺麗なお尻を振りながら部屋の奥へ小走りで駆けていった。