玄関で待っていた若い男は、丸裸の美女が恥ずかしそうに俯いたまま、その体を曝け出すようにして現れると、再び驚きの表情を浮かべた。
「お待たせして・・・ごめんなさい。こ、これが残りのお金です」
男の前に立った理香子は恥ずかしさに声を震わせながら、男に小銭を手渡した。一メートルも離れていない距離で裸の美女と向き合う形になった男は、理香子のあまりに美しくも卑猥な体に魅了され、思わず手を伸ばして乳房やお尻を触りたい衝動に駆られた。
「確かにいただきました。それじゃあ」
男は体の奥で滾る欲望を必死に堪え、理香子から受け取った小銭を鞄の中に入れると、もう一度、理香子の裸を凝視してから玄関から出て行こうとした。
「あの・・・待ってください」
理香子は、目の前から立ち去ろうとする男を慌てて呼び止めた。そして、部屋の奥の方を一瞬振り返り、奥にいるご近所さん達が自分をしっかり監視しているのを確認すると、男に対してとんでもないお願いをしたのだった。
「あの・・・私の・・・オ、オッパイを揉んでもらえませんか・・・?」
丸裸の美女の口から飛び出したとんでもない発言に、若い男は目を丸くし、一方、頼んだ理香子の方は羞恥に体を小刻みに震わせていた。
理香子が放った言葉は、さっき中野達から命じられたセリフそのもので、これから丸裸の美人妻は部屋の奥から見守るご近所さん達の前で、羞恥ショーを演じなければならないのだった。
丸裸の美女の口から飛び出したおもいがけないお願いに、デリバリーの男は立ち去ろうとしていた足を止め、再び玄関の中に入って来た。
「どういうことですか?」
若い男は目を血走らせながら、目の前で恥ずかしそうに俯いている理香子に問い掛けた。
「私の・・・オ、オッパイを揉んでください・・・お願いします」
理香子はもう一度男の前で屈辱の口上を告げた。今日会ったばかりの見ず知らずの男に対し裸を晒しながら、自分の胸を揉んでくれと頼むのは、誰が見てもただの変態でしかなかった。
そして今、理香子の目の前にいるデリバリーの男もおそらく同じように思っているに違いなかった。気品溢れる美しい大人の女性が、どういうわけか部屋の中から丸裸で現れ、恥ずかしそうに体を震わせながらも、その乳房も股間も全く隠そうとはせず、ついには胸を揉んで欲しいとありえないお願いまでしてきたのだ。若い男にとって、これほどまでの美女が素っ裸で目の前に現れたというだけで、まるで夢でも見ているような気分であったが、理香子の口から飛び出した大胆なお願いには、さすがに少し引いてしまっていた。
この裸の美女は、もしかしたら相当ヤバい女なんじゃないか・・・。
男の脳裏にそんな不安が過った。そして部屋の奥に恐い男でもいて、こっちを見ているように感じ、理香子の背後を見渡した。
「お願いです。どうか私のオッパイを揉んで下さい」
なかなか言う通りにしてくれない男に焦り始めた理香子は、さっきよりも切実な表情で、今度は男の顔をしっかりと見つめながら訴えかけた。