『もっと笑顔で踊りなさい!』
そのメッセージを見た理香子は、再び唇を噛み締めた後、腰を振り続けながらゆっくりと口角を上げ、引きつった笑顔を浮かべていった。そして、部屋の中から鑑賞している菅原達は、羞恥に悶えながら笑顔で裸踊りを披露する美人妻の姿を心から楽しんだ。
『もっと腰を大きく振って!』
『もっと脚を開いて!』
調子に乗った菅原は次々とメッセージを書いたメモを窓越しに示し、ベランダで裸踊りをする美人妻を精神的に追い詰めていった。
お願い、もう許して・・・。
新たなメモが示される度に、理香子は顔では引きつった笑顔を見せながら、心の中では泣き叫んだ。自分の家のベランダでいつ終わるとも分からない羞恥ショーを演じ続けている素っ裸の美人妻は、外を歩いている人影さえ気づかぬほどトランス状態に陥っていた。
ベランダにいる理香子は、いつしか両手を頭の後ろで組んだまま、両脚をガニ股に開いて腰を前後左右に激しく振り乱すようになっていた。それは、菅原達が面白半分にメモに書いて指示したもので、部屋の中にいるご近所の主婦たちは、美人妻の卑猥な裸踊りを面白そうに手を叩きながら眺め、スマホで動画撮影する者までいた。
「理香子さん、とっても厭らしい恰好ねぇ。見ていてこっちが恥ずかしくなっちゃう」
「清楚な美人妻がこれじゃあ台無しよね。こんなのただの変態にしかみえないもの(笑)」
「理香子さんの裸踊り、このマンションの住人全員に見せてあげたいわ(笑)」
「そうねぇ。近いうちに皆の前でも裸踊りしてもらおうかしら(笑)」
部屋の中にいるご近所の主婦たちは、美人妻の裸踊りを、コーヒーを飲みながら優雅に楽しんでいた。
一体いつまで私をここで踊らせるつもりなの?お願い、もう許して・・・。
窓の向こうでご近所さんたちがニヤニヤと笑いながら話をしている様子を見た理香子は、彼女たちが話している内容が聞こえない分、余計に不安に駆られた。そして、ベランダの下からは時折、車の走る音や人の声が聞こえてきて、外から誰かに見られてしまうのではないかと理香子をさらに怯えさせた。
そうして、美人妻の裸踊りが始まって十分以上が過ぎようとした頃、窓の向こうではご近所さんたちが席を立ち上がり、食器などの後片付けを始める様子が見てとれた。
もうランチ会は終わるんだわ・・・。
そう直感した理香子は、踊り続けながら少しホッとした表情を浮かべた。
やがて、窓の向こうではご近所の主婦たちが手際よく後片付けを済ませ、皆、帰り支度をする様子が見えた。
お願い、早く私を部屋に入れて・・・。
理香子は、菅原達に縋るような目を向け、この羞恥ショーを早く終わらせてくれることを願った。