そして、それこそが菅原の狙いであり、ランチ会を他の誰かの家でなく、理香子の家で開こうとした真の目的であったのだ。そのため、理香子が自分の部屋は散らかっているので誰か他の方の家で開きませんかと何度申し出ても、菅原によってあっさりと却下され、あっという間にランチ会の日時まで決められてしまったのだった。
数日後のお昼、理香子は部屋の中でソワソワしながらその時が訪れるのを待っていた。綺麗に掃除された部屋の中は、お客さんが来ても恥ずかしくない程に準備がしっかり整えられていたが、肝心の理香子自身は服も下着も身に付けていない完全な丸裸であった。理香子は、ランチ会が決まってからすぐに夫にその事を伝え、我が家にご近所さん達が集まってランチ会をしている時だけは、どうか服を着させて下さいと何度も何度も頼み込んだのだが、夫はそれを頑なに認めず、部屋に設置したカメラでしっかりと監視しているからランチ会の時も絶対に素っ裸でいるようにと厳命し、さらにどんな事があっても体を手で隠すようなマネもしてはいけないと厳しく注意したのだった。
そうして逃げ場を完全に失ってしまった理香子は、同じマンションに住む顔見知りのご近所さん達に自分の家の中とはいえ恥ずかしいありのままの姿を見せる覚悟を決めるしかなかった。
あぁん、こんな事になるなんて・・・。理香子は部屋の中で素っ裸の体をモジモジさせながら迫りくる羞恥に喘いだ。すべては隣人の菅原が今日のランチ会を仕組んだ事が原因なわけで、あんなにも慕っていた彼女が、自分をとことん辱めようとする事に理香子は大きな失望感を抱いていた。一体、優子さんはランチ会で私に何をするつもりなのかしら・・・。菅原が何かとんでもない厭らしい企みでも考えているように思え、理香子はどうしようもなく不安に駆られた。
するとその時、部屋の中の静寂を切り裂くように玄関のチャイムが鳴り響いたのだった。慌ててインターホンのモニターを覗き込むと、そこには満面の笑みを浮かべた菅原が映っていた。
「お待ちください」
理香子は素っ裸のまま玄関に向かい、扉を開けると、菅原は家で手作りしてきた料理の入った容器と一本のワインボトルを抱えて立っていた。
「こんにちは」
菅原は厭らしい笑みを浮かべながら理香子の裸を上から下まで舐め回すように見つめた後、部屋の中に入ってきた。
「まだ誰も来ていないのね」
菅原は自分と理香子以外にはまだ部屋の中に誰もいないのを確認すると、恥ずかしそうに体を震わせている理香子に向かって優しく声を掛けた。