人物:符离集烧鸡(弟)×德州扒鸡(兄)
設定:空桑に行かない(行く前)の世界線
内容:符徳、符徳(誘い受け/(悦)のみ)
OoC等:寛容な心で読んでね
※公式設定で血の繋がりはないとされています
※時系列やストーリーが短編小説「魔薬」の直後からになります。話を読まないとわからないかも。(https://syosetu.org/novel/260377/)
※エロだけ見たい人は(下)・(悦)まで飛ばしてね。
徳州が次に目を覚ますと、辺りは暗闇に包まれていた。
発熱のためか体はじっとりと汗ばんでおり、眩暈がして気持ち悪かった。不幸中の幸いか胃のしびれは取れており、これ以上吐き気や腹痛に悩まされずに済みそうだった。徳州はそっと安堵のため息をついた。
そうだ。符離はどうしたろう?もう仕事から帰ってきただろうか?
そう考え至り身を持ち上げようとすると、腕の中に何か重い物が乗っていることに気付いた。
「あれ…」
徳州は薄暗くて見えない視界でそっと目の前のそれを探った。手に触れたのはしっとりとした肌。この感じは――符離だ。
「どうしたの…」
德州の腕の中に潜り込むようにして収まっている符離にそう問いかけて、ふいに徳州は自分が彼のベッドを占領していることを思い出した。時刻は深夜なのかもしれない。彼は自分のベッドで寝たかったのだろう…。
悪いことをした気分になり、徳州は弟を起こさないようにそっとその頭に枕を挟むと、ベッドから出ようとした。
しかし巻き起こった空気の流れで目を覚ました符離は、徳州の服を掴んで力任せにベッドに引き戻した。
「わっ!?」
バランスを崩して再びベッドに倒れ込んだ徳州は、口をとがらせて弟の方へ向き直った。
「自分の部屋に行くから…。いや、それより符がオレのベッドで寝てくれて構わない。それに風邪っぽいんだ。移るといけないから…」
徳州は途切れることなくぶつぶつと理由を紡いだ。あいにく符離にとってその全てはどうでもいい理由だったが。
符離は握りしめた徳州の服を再び強く引っ張って言った。
「ここに居て」
その言葉を聞いて徳州は大人しくなった。
「…うん」
弟が自分を求めているときは傍に居たい。彼の理屈はシンプルだった。
暗闇の中で符離は両手を伸ばし、兄の首を抱きしめた。
「…どうしたの?」
いつものツンとした彼らしからぬ様子に、徳州がそっと尋ねる。符離は何も言わずにただ抱きしめる腕にぎゅっと力を込めた。
苦しくはないが、不安そうな鼓動が伝わってきて徳州は内心動揺してしまう。
何を言っていいかわからなかったので、ただ弟の後ろ頭を梳かすように何度も撫でた。
符離を気遣うようにしばらく無言だった徳州がおずおずと囁く。
「熱もだいぶ下がったみたいだし、心配ないよ符…」
(またそうやって他人に気を遣う…)
符離は不満に思い、聞こえないふりをした。
「それに…。トイレに行きたい」
そう言われてしまっては符離も納得せざるを得なかった。彼は黙って腕を離した。
ベッドから出た徳州は壁に手をついてゆっくりと部屋を出て行った。
残された符離は老医から渡された薬のことを思い出す。たしか熱さましと漢方薬と――裂傷用の軟膏。
前者二つは水で飲ませればいいとして、軟膏はどう扱えばいいのか彼は少し戸惑っていた。とりあえず水を用意してから考えよう。
徳州が部屋に帰ってくると、明るくした部屋で薬と水を用意した符離が待っていた。徳州は驚いて目を見開く。
「符――これは?」
「い、医者が飲ませろって」
「医者を呼んでくれたの?」
徳州はさらに驚く。
「べ、別に驚くようなことじゃねーだろ!熱があったし…」
彼は少し赤くなった顔を隠すようにそっぽを向いた。
徳州は弟が自分を心配してくれたことが意外で嬉しくなってしまい、ほんのり頬を染めた。視線のやり場に困った彼は、符離の顔を見ないようにしてベッドサイドに腰を下ろした。
「ありがとう。――いただくよ」
徳州は袋に書かれた注意書き通りに薬の包みを服用すると、空になったコップをサイドテーブルの上に戻した。
その一部始終の様子を、符離が何か言いたそうにもじもじとしながら見つめていた。
「どうかした?」
喉の渇きが癒された徳州が、心持ち生気の戻った声で符離に尋ねる。
「あ、あと…。」
さすがに気まずいのだろう、言いにくそうに言葉を飲み込んではしどろもどろする弟の手で何かが弄ばれていることに徳州は気づいた。
「これ?」
符離の骨太でしっかりした手の平の中から、ジャムの瓶のような何かを取り上げる。中には白いクリーム状の何かがいっぱいに詰まっていた。
「これは?」
符離は顔を真っ赤にしながらも観念して言った。
「それ、後ろの傷に塗るやつ…」
それが何を意味するのか気付いて、徳州も瞬間的に顔を真っ赤にした。何より意識がない状態で医者にそれを告げられたというショックが大きく、次に符離がそれを医者に…。
その先を想像して動揺した徳州は指の間から瓶を取り落としてしまう。
「うわっ!何やってんだ!」
幸い反射神経のいい符離が瓶が床に落ちる前にキャッチし、中身は事なきを得たが、徳州の動揺はまだ収まらなかった。
「あ、あとな――」
瓶を手の中で弄んだまま、符離がさらに言いにくそうに続けた。
「思いついたことがあるから、その、……。」
徳州の無言の視線が痛い。穴が開くほど見つめられている。
符離は開き直って声を大きくして言い放った。
「俺が塗ってやるから横になれ!!」
――徳州の顔色は一瞬で赤から青に変わった。
「いや…いやいや、自分でできるから!」
徳州は怯えたように腕を突き出し、符離からじりじりと距離をとる。
「俺だって恥ずかしいの我慢して言ってんだ、いいから横になれっ」
符離は強引に徳州の腕をとってベッドに引き戻した。徳州は怯えた子猫のようにシーツを掴んで抵抗したが、機転を利かせた符離に脇をくすぐられ、たまらず手放してしまう。そうして抱き上げられ、うつ伏せにされてしまう。
「いたっ、た、やめて符っ!!」
うつ伏せで見られるなんて恥ずかしくて冗談じゃない。徳州は本気で抵抗した。
しかし腹筋に力を入れるたびに背後が痛み、結局すぐに符離に組み敷かれてしまった徳州は絶望の表情で上に乗る符離を見上げた。
「い、いやだ…絶対にいやだ…」
「お前ひとりじゃできないんだって、観念しろっ」
「そんな…塗り薬を塗るぐらい自分でできる、符、本当に…」
見たことがないほど必死になって拒否する兄に、符離は譲歩せざるを得なかった。
「じゃあわかった、明かりを消すから、それでいいよな?」
「よくない。本当に自分でできる…」
半ば泣き出しそうな表情で懇願する頑固な兄に呆れながら符離は問い返した。
「自分じゃできないから言ってんのに。なに、見られんのが恥ずかしいの?」
すると徳州は顔を赤くし、黙って潤んだ視線を彷徨わせた。
「…その…、そこは…。汚いから……。」
弟に恥部を見たり触られたりするのが恥ずかしいのもあるが、彼の少年のように繊細な心は、間違ってまた性行為に及ばれてしまうことを恐れていた。そしてそれは彼のプライドだけでなく弟を思いやる気持ちからも、けして口には出せないことだった。
「は~ん、そういうことぉ…」
その様子を見て恥ずかしがっていると解釈した符離は少し愉快になり、組み敷いた徳州の額にそっとキスをした。
「心配しないで、俺は気にしない。」そして気まずげに言葉を続ける。「それにもうあんなことはしないから…」
はっとした徳州は弟の顔に視線を戻した。何か言いたげにしているが、言い出せずにいるようだった。
そんな德州に符離は再び提案する。
「前からならいい?」
徳州はついにしぶしぶといった呈で同意した。
「うん…。」
***
明かりを消すと、二人はベッドに向かい合って横になった。完全に真っ暗では何も見えないので、符離はカーテンを開ける。月明かりが室内を照らした。今夜は満月だ。
徳州は黙って少しズボンを下げ、符離に見えないところで下半身を出し、上のシャツを引っ張って局部を隠すために縮こまった。
符離はそんな德州を正面から抱きしめると、兄の背中越しに軟膏の瓶を開け、クリームを指に取った。そして手探りで腰を探り当てると、もう片方の手でズボンを大胆に下げた。
恥ずかしく思ったのか、徳州が符離の胸倉を握りしめ額を押し付けてきた。
符離はクリームを塗った左手を下半身に回そうとするが、臀部は長めのシャツで隠され服が汚れてしまいそうだった。
「徳州、シャツを捲くり上げて」
少しの間躊躇っているようだったが、彼は観念して腰を浮かせ、シャツの裾を口で咥えてめくりあげた。
少し離れて様子を見ていた符離の視界に、月明かりの闇の中、兄の胸下から腰の白いラインがくっきりと浮かび上がる。局部は恥じらった徳州に手で隠されてしまい、内心がっかりする符離だったが、さも気づかなかったようなふりをして、再び兄の背中を抱き寄せ背後に手を回した。
右手に軟膏の瓶を持ち、左手で割れ目に沿って薬を塗りつける。つるりとした穴周りに指を這わせると、びくりと徳州が怯えるのがわかった。
お互いに額をくっつけるような態勢で向かい合っているため表情はよく見えないが、符離は徳州の長いまつ毛が何度も自分の肌をくすぐるのを感じていた。緊張しているのだろう。
「大丈夫、リラックスして」
彼はごくりと音を立てて唾を飲み込むと、顎を引いてシーツに顔を埋めた。
符離は何も言わず作業を再開した。
穴周りに十分な量を塗りつけると、手探りで穴を探り当て、中指を一本差し入れる。
「ん!」
びっくりした徳州が小さな声を上げ、その声に自分でまた驚き、片手で口を覆った。
符離はそれを見ないようにして、瓶を握っていた手で兄の頭を胸に抱き寄せた。そして、中指に意識を集中させる…。
「えっ、あっ…?」
異変に気付いた徳州が再び小さな声をあげる。今度は上ずった声ではなく意識的に出された声だった。
何故なら符離のしていることは徳州にとって別の驚きをもたらしたからだ。
「符、もしかして魂力を流してる…?」
集中していた符はその問いに応えなかった。
差し込まれた骨節のしっかりした指からじんわりと温かさが広がっていく。それは、代謝を促進し怪我の治りを早める効果がある力だ。その行為を昔、徳州が符離にたった一度だけしたことがあった。彼がかつて居た小さな村で、銃の暴発によって手に酷い怪我を負った時だ。
(符は、これがしたくて…)
徳州は符離を信じられずに散々拒否した自分を恥じた。たしかに魂力を融通する行為は自分一人では行えない。符離は善意でやってくれようとしていたのだ。
意識する間もなく徳州の目頭が熱くなり、あっという間に一筋の涙が零れ落ちた。それは流星のように留まるところをしらず、次々と彼の頬を滑り落ち続けた。
静かになってしまった兄の様子を窺うように、符離は胸を離し、月光を彼の顔に当てた。
銀色にまばゆく光る瞳から音もなく雫が流れ続けるのを見て、符離はそっと兄の唇に口づけをした。
「ごめんな…」
符離がそう囁くと、徳州は涙で潤んだ瞳を弟に向けた。
しばらく無言で見つめ合っていた二人だが、徳州は符離の頬に両手を滑らせるとその唇を引き寄せ、深い深い口づけを与えた。
――兄からの初めての回答。
符離は心が躍るのを感じていた。今までどんなに好意を表しても気づかないどころか親のような愛情を注いでくれていた相手から、初めて対等な高さで返事が返ってきたのだ。それは符離が欲しくて欲しくてたまらないものだった。符離もすぐに貪るように返事を返した。
(好きだ――)
符離は支えていた右手を這わせ、兄の体をまさぐった。首筋や背筋を撫でると繋がった唇から甘い息が漏れ、挿れた中指が敏感に締め付けられた。
(感じてるんだ)
もはや符離は内なる興奮を留めておけなかった。入れた中指を高揚感に任せて出し挿れする。途端、兄の口から甘い喘ぎ声が溢れた。
「あっ、あ…」
調子に乗った符離は、続けて魂力を展開し、人差し指も挿入する。
「んんっ!」
温かい二本の指に頭の奥がしびれるような快感を覚え、徳州は符離の口元で喘いだ。
符離は唇を離し、兄の耳元に唇を這わせた。
「感じてるの?」
温かい呼気が背筋を滑っていき、束の間身震いをした徳州は浅い息の下で答えた。
「しないって…言ったのに、うそつき…」
しかしその声は嫌がっているどころか艶っぽく誘いかけてすらいるように感じた符離は、意地悪く問いかけた。
「嫌?」
軽い沈黙の後、符離の耳元で熱い囁きが返された。
「やめないで」
符離は天にも昇る心地で何度目かになる口付けをし、言った。
「今度はその…ちゃんと、その…する。だから…」
徳州は涙目で微笑んで、頷いた。
「愛して」
符離はその言葉に己の躰全てで応えた。