最近グラブルやってないけど性癖を詰め込みましたよろしくお願いします
起きたら全裸だった。
いや待って欲しい。通報しないで?一旦落ち着いてそのスマホを置いては貰えないだろうか。
理由を説明したいけど自分でもなんで全裸なのかわからないんだ。寝る時に全部脱ぐ裸族ってわけでもないし、昨夜がお楽しみだったわけでもない。れっきとした童貞だぞ。別に好きで全裸なわけじゃないんだ、許してくれ。
そして何故か庭園?中庭?みたいな色々と植物が生えてる場所で寝ていた。地べたに直接。いじめ…?それとも追い剥ぎか。現代日本においてこんな完全に身包み剥がれるなんてことある?
寝ていた所の後ろにはでっかい…モノリスって言うんだろうか。人類を補完する計画を練っている人達の声が聞こえてきそうな黒くてカッコいい感じの紋様が入った壁がある。
マジでどこなんだここ。
昨日は普通に飯食って風呂入って寝た、はずだ。
なんでこんな状況になってるのかまるでわけがわからんゾ…。
つか寒い。全裸だから当たり前だけど。
「へぷち」
くしゃみが出た。
いや今の変な音が僕のくしゃみ??
声作りまくってる配信者みたいなくしゃみ音、それはそれで好きだがどう考えても僕自身とは噛み合わない。というか起きてから何となく感覚がおかしいような変な感じもする。なんだろなーと思いつつ尻尾を地面に突き立ててそこを起点として、身体を起こして―
ん?尻尾?
見やると、当然のように尻尾が生えている。まるで産まれた時から生えてましたよと言わんばかりに何の違和感もなく。
ついでにドラゴンみてーな翼もあるよ。ぱたぱた。
わー綺麗な青色だー。
………なんじゃこりゃァァァ!!?!?
◇◆◇
ここはマナリア魔法学院。ファータ・グランデ空域でも魔法学校と言えば真っ先にその名前が挙がる、有名な名門校である。
その学生寮から本校舎までの道を、学院の制服を纏った一人の少女が憂鬱そうに歩いていた。
「はぁ…」
紅き翼と尻尾、竜の鱗に覆われた右腕に山羊のような黒く大きな角。その特徴はどれも普通からはほど遠く、まさに半竜とも言うべき異形の少女。
(やっぱり…避けられてるな…)
入学から数週間経ちそろそろグループが出来上がってくる頃。彼女は誰とも仲良くなることが出来ず、ひとりぼっちだった。
(まぁわかってたけど)
いつ暴れ出すかわからない、魔物とそう変わらない存在なんて遠ざけて当たり前だ。
(それでもやっぱり、寂しいな)
ここでなら友達が出来るんじゃないかと淡い期待を抱いていたが現実は非情だ。
おろしたての制服はまだ着慣れなくて、少し不快だった。
(落ち込んでてもしょうがないか)
ふるふると首を振って気分を切り替える。今日は早めに登校して一人になれる場所を探しに来たのだ。
今通りがかった中庭なんかは陽射しが丁度良くて、居心地は良さそうだったが人が多く来る場所だ。自分には合わない。
ほらこんなに早い時間だというのに今も人が―
「……っ!!」
そこにいたのは、竜だった。
麗らかな朝の陽射しが射し込む木陰に海色の翼で身を包んだ幼い少女が座り込んでいる。
初めて見た。自分以外の半竜の存在。
『あっ!すいませんお姉さ…ってあんたもドラゴンみたいだな!?えっ?これが普通なの…?』
彼女もこちらに気づいたのだろう話しかけてきたが、聞いたことのない言語だ。この子どこから来たんだろう。
綺麗な青色の髪に宝石みたいなサファイアブルーの瞳。
上向きに生えた白い角。
透き通った海の様な翼と尻尾。
白い肌を惜しげもなく…晒し、て…
………。
「なんで何も着てないの!?女の子でしょ!!」
『ぴっ!?な、なに?!あっ通報!?通報はしないでクレメンス!!』
何を言ってるのかもどういう理由で裸なのかもわからないけど、こんなもの見てしまったら放っておく訳にもいかない。
とりあえず制服の上着を肩にかけてから抱き上げ、翼で隠しながら職員室に駆けた。
『やだー!!逮捕やだー!!ユルシテ!!』
「ちょ、ちょっと…!暴れないで…!」
◇◇◇
「うーむ、困りましたなぁ」
顎に手を当てながら白髪の片眼鏡をした老齢の教師―たしかジル教授、だったかな―が呟いた。
あの後暴れるこの子をなんとか宥めて職員室へ連れて行き、先生方に事情を説明した。そして服を用意したり色々してから事情聴取をしたのだけど。
「言葉が通じない上に自分の住んでいた場所もわからないとは…」
話せないのならばと空域図を持ってきて身振り手振りで示しても見たけど、彼女は首を傾げるばかりだった。
「そして半竜の少女…これはまた何とも」
「困っちゃいましたね〜☆」
応じるのは茶髪で眼鏡を掛けた活発な女性。ミランダ先生…私のクラスの担任教師。
「門の守衛にも確認しましたが、やはりグレアさんが第一発見者のようですな」
「コア・モノリスの前に座り込んでたんでしたっけ?不思議ですよね〜☆まるで転移してきたみたい☆」
「しかし魔術の痕跡は無いときました。どうしたものでしょうか…」
言葉がわからないなりに先生達の困惑が伝わったのだろう、隣に佇む少女が不安そうにぎゅっ…と服の裾を掴んだ。
俯いているその顔が見ていられなくて私は思わず―
「あ、あの!」
◇◆◇
【悲報】自分が自分じゃなくなってた件【どうしろと】
HAHAHA!ボブ、今回は何の冗談だい?
それが目が覚めたらぷにぷにの人外ロリになってたんだよ、どうすればいい?
そいつは最高だな!オタクの夢じゃないか!
そうかな?そうかも…。
ボブは納得した。
良かったな!頑張れよ!!
おう!
…って、ちげぇわ!!
一瞬で納得しかけた…あぶねぇ…!恐るべし謎の脳内外人…!たぶんマイケルとかそんな名前だ、アイツ。
あの中庭で出会った女の子に連行された俺は、教師っぽい人がどこからか持ってきた白いワンピースをすぽんと着せられて下着も履かされた。
鏡を見ればアラ可愛い。小さくなったわね〜。初めてみるわ誰やねんこいつ。俺だ。嘘だろ…。
状況が呑み込めないまま校長っぽいお爺さんの前に連れていかれた。地図っぽい物も見せられたがまるで見たことがない地形だ。ていうか島なのかここ。余白部分に雲みたいなの書いてあるけど海かな。やっぱり日本じゃないみたい。
何か深刻そうに話しているが日本語が通じないのでまるでわからん。未成年だし警察に渡すのはどうなんだろうかみたいな話し合いだろうか、つらい…。
床の木目を数える作業をしていたら中庭の娘(仮称)が手を握ってきた。
驚いて顔をあげればぎこちないながらもにこりと勇気づけるように微笑んでくる。
は?惚れるが…?
今ようやくまともに顔を見たがものすごい可愛いぞこの娘。アイドルが裸足で逃げ出すレベル。
そんな子に手を握られて至近距離で微笑まれるとか…
ちょろいオタクなんだぞこっちは…手加減をしろ…!
『わ、私が面倒を見ます!』
『グレアさんが?』
『はい!私が見つけたわけですし、あの、同じ半竜ですし…その…!』
『ですが…』
『いいんじゃないですか〜☆この子も知らない大人よりグレアちゃんのほうが安心すると思います☆』
『…一理ありますね。グレアさん、彼女のことについてしばらくお願い出来ますか』
『は、はい!任せて下さい!』
中庭の娘が必死にとりなしてくれたんだろうかお咎め無しっぽい雰囲気で解散した。
もしかして助けられた…?この娘が天使か…?
『よろしくね、えっと名前は…うーん自己紹介すればわかってくれるかな…?』
『私、グレア。グ・レ・ア』
自分を指して同じ単語を連呼する中庭の娘。これは…名前じゃな?流石にそれくらいわかるぞ!
「ぐら…ぐれ…」
あ、あれ…意外と発音難し…難しくない…?
『頑張って…!』
「ぐれ…あ…?」
『〜〜〜ッ!!』
わぁっ!急に抱きつくなぁ!ちょっと待って下さいいい匂い、えっ?なんかふわふわしてる…は?好きになるわこんなん…。
なんもわからんが味方が出来たらしい。なんか泣けてきた。
中庭の娘改めグレアさんの肩でみっともなく泣いてしまった。ぴえん。
◇◆◇
「ぐれ…あ…?」
彼女に名前を呼ばれた瞬間、言い知れない感情に襲われた。
そうまるで仲間が出来たような。
ずっと欲しかった――居場所が、出来たような。
「〜〜〜ッ!!」
感極まって抱きついてしまう。腕の中で彼女が慌てているが今はどうしようもなくこうしたかった。
中庭で出会った時から期待してしまっていた。彼女は私の孤独を埋めてくれるのではないかと。
身勝手な期待で、この感情が錯覚なのはわかっている。
でもこの抱擁を止める気はどうしても湧かなかった。
百合の間に男を挟むのは大罪だがTSロリなら許されるのでは…そもそもカップリングを先に成立させれば勝ちなのでは?(ガイア