「ご主人様……。私の口をお使いになりませんか?」
この上なく非常識で、淫らで、背徳的で、けれど心を揺さぶられるほどに蠱惑的な誘いが無邪気な笑みと共に提案される。ユーノは思わずゴクリと喉を鳴らしてしまう。
「……だっ、駄目だよ、フェイト。こんな汚いところを、そんな……」
本当はもっと別な理由で拒否すべきだろうに、先程までの小さな手での男根への愛撫で高まってしまっていたユーノは、そんな事柄を口にするしかできなかった。
「汚くなんてありません。それに、私、舐めさせて頂きたいんです。ご主人様の心と身体を癒やして差し上げたいんです……」
「……フェイト……」
「ご主人様が、なのはの事を好きだということは知っています。けれど、なのははご主人様を、ユーノ・スクライアという男性に好意を持っていません。特別視していません。ですから……」
フェイトはそう言いながら、静かにユーノの前に回る。
「なのはは、こんなことをしてくれませんよ」
「なっ! うっ……」
ユーノは彼をベッドに押し倒し、男の部分にしゃぶりついてきたフェイトに驚きつつも、彼女の小さな頭を両手で掴む。
けれど、無理やり引き離すことができない。むしろ、頭を固定したことでフェイトにその行為を強要している形になってしまう。
「……嬉しい。精一杯、ご奉仕しますね……」
フェイトは甘えた声で言うと、うっとりとした表情を上目遣いにユーノを見て、再びペニスを口に含む。
「……だっ、駄目だ、フェイト! 駄目……。あっ……」
ユーノはあっという間に果ててしまった。フェイトの小さな口に、欲望の塊を吐いてしまった。
フェイトの頭を両手で掴みながら、精液をドクドクと彼女に飲ませ続けてしまう。
「んっ、んんっ、ごくん、んっ、んんっ……」
フェイトは苦しそうにしながらも、決して口を離さずに、ユーノの性器から吐き出された白濁液を懸命に喉を鳴らして飲み込んでいる。
吐精の際の痙攣が終わるのと同時に、ユーノは息を吐き、なんとか呼吸を整える。
幸いと言うべきか、溜めに溜めてからの吐精ではなかったので、体の力が抜けるのは僅かで済んだ。
「ごっ、ごめん、フェイト!」
ユーノは慌てて掴んでしまっていたフェイトの頭から手を離し、ペニスを引き抜こうとしたが、フェイトは彼に体重をかけて、股間から口を離さない。
もうすでに吐精は終わっているにもかかわらず、まるで憑かれたかのように亀頭部分を舌で、唇で、喉を使って愛撫し続ける。
「だっ、駄目だ、フェイト! もう止めて! このままじゃあ、もっと……」
再び込み上げてきた精液の塊が、ペニスに集まってくる。
ユーノはその事を恐怖した。このままでは、先程までの比ではない量の精液をフェイトに吐き出してしまう。
「んっ、んんっ……」
けれど、フェイトは決して愛撫を止めようとはしない。いや、むしろそれが熱心に、愛情あふれるものになっていく。
ただ、ユーノを気持ちよくしたいという気持ちが、思いやりが、愛情が、まだ男を知らないフェイトの拙い奉仕を手練の域に高めていく。
「……フェイト、フェイト……、フェイト!」
ユーノは愛情あふれる奉仕に屈し、精液を吐き出しそうになる。
分かる。このまま性をフェイトの温かな口内に吐き出せば、この上ない私服の快楽を感受できると。そして、彼女もそれを望んでくれているのが伝わってくる。
「フェイト、出す、出すよ!」
もうユーノの頭には、吐精する事しか頭になかった。獣欲が、罪悪感を塗りつぶしていったのだ。
「んっ、んん……」
言葉に出さなくても、フェイトが喜んでいるのがわかる。早くこの口の中に精液を出してと言っているのだ。
ユーノはこの上なく幸せな気持ちで吐精するつもりだった。だが、そこで……。
不意に部屋のドアが空いた。そして、薄暗かった部屋に、廊下の照明の明かりが入る。更にそこに、
「ユーノくん! フェイトちゃん!」
なのはの声が響き渡った。
「なっ、なのは……。あっ、うっ……」
ユーノは驚くのと同時に体の力が抜けてしまい、ペニスから性を吐き出してしまう。
これ以上なく幸せな気分の中で出すはずだった精は、漏れてしまうという情けない状況で体外に出てしまった。
それは、この上なく寂しいこと。けれど、フェイトはそんな精液も喉を鳴らして飲んでくれる。
「んっ、んんっ……」
フェイトは、突然部屋に入ってきたなのはには目もくれず、ただただユーノへの献身を、愛を貫き、精液を愛おしそうに自らの身体の構成物にしていくのだ。
「やっ、止めてよ、フェイトちゃん! ユーノくんのあそこから……そんな……。やめてよ!」
なのはが怒りの表情を顔に浮かべ、フェイトを自分から引き離そうとしているのを理解したユーノは、右手を動かし、なのはに対して結界の魔法を使う。
「なっ! どうして! ユーノ君! どうして!」
なのはの抗議の声。けれど、どうしてかユーノはそれを聴いても罪悪感を感じなかった。
それは、この上なく幸せな絶頂を邪魔されたからではない。献身的なフェイトを守りたかったからでもない。ただ、このタイミングで思い出してしまっただけだ。
……高町なのはと言う女が、自分に何をしたのかを。
それは、今の子供の姿をした彼女ではない。けれど、姿が違うからなんだというのだろう。
間違いなく彼女は成長してああなるのだ。人の気持ちを理解せずに傷つける女に。
「んんっ、んんっ……」
フェイトはユーノの出した精液をすべて飲み干すと、優しく、お掃除フェラをし、静かに口を離す。
「ご主人様。私の口を使って頂きありがとうございます」
「うん。すごく気持ちよかったよ。ありがとう、フェイト……」
ユーノは愛らしいフェイトの頭を優しく撫でて、その頑張りを労った。その表情は優しい笑顔だったが、
「……思いだしたよ、なのは」
短くそう言うと、結界の中で閉じ込められて動けないなのはに、侮蔑の表情を向けるのだった。