※この作品はR-18です。

光の女神ルシリスの調教録   作:ルシリス様の下僕

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Ⅰ(マアムとメルル)㉔

 ポップは喜びで胸がいっぱいだった。

 

 ついに、ついにマァムと両想いになれた。

 

 しかも、キスをした。

 ファーストキスをマァムと。大好きな女の子と……。

 

 あの時のマァムの可愛い姿を思い出しただけで、顔が緩んできてしまう。

 それだけで、もう幸せの絶頂だった。

 

 ……けれど、今日の宿の部屋に一人だけ案内され、そこで一人で食事を食べる羽目になると、流石にそんな高揚感も冷めてきてしまう。

 そうなると、この一人部屋としては少々大きすぎる贅沢な部屋が、寂しさをいや増していく。

 

「遅いな、二人共……」

 話し合いが終わったのならば、顔を出してくれるはずだ。

 だから、浴場にも行かずに待っていた。しかし、一向に二人が戻ってくる様子はない。

 

 

 皮肉なものだとポップは思う。

 

 この宿屋は、食事を各部屋で食べるスタイルしかないらしく、もしも昼間にマァムと気持ちを確かめ合わなければ、三人で食事を楽しむことができたはずだ。

 

 ……きっと、それはそれで幸せなことだったのだろう。

 

 マァムとの仲が深まったことを嬉しくこそ思うことはあっても、それを後悔なんて絶対にしない。

 その気持ちに嘘はない。

 

 けれど、メルルの事を思うと、胸が痛む。

 

 初めてだったから。あんなに真っ直ぐな好意を向けてくれた女の子に出会ったのは。

 

「いつまでも、先延ばしにできることじゃあねぇ。男一人に女が二人……。選ばないといけない。優柔不断でいるわけにはいかないんだ……」

 

 そう口に出して自分に言い聞かせても、心がざわつく。胸が痛む。

 特に、今日、メルルが見せてくれた自分が知らなかった一面を思い出すと、堪らなくなってしまう。別れが辛いと、別れたくないと思ってしまう。そんな事が、許されるはずがないのに……。

 

「最低だ、俺は……」

 ポップは自嘲し、拳を握りしめた。だが、それも直ぐに嘆息に変わる。

 

「そう言えば、部屋にも風呂がついているんだっけか」

 考えることに疲れ切ったポップは、頭を切り替える。

 

 この部屋に案内してくれた従業員の女性が、たしかそんな事を言っていたはずだ。

 もっとも、それほど大きくはないらしいので、共用の大浴場をオススメしていたが。

 

「……駄目だ。少し頭を冷やそう。温泉にでも浸かれば、気持ちも楽になるかもしれない」

 森を歩き回ったので、汗もかいてしまっている。

 それに、マァム達が戻ってきたら、きっと長い話をすることになるはずだ。今のうちに汗を流しておいた方がいいだろう。

 

 ポップはそう考え、着替えと備え付けられていたタオルを手に、部屋の風呂に向かうことにした。

 

 

 

 

△

 

 

 

 

「思っていたよりも広いな……」

 服を全て脱いで浴室に足を運んだポップが抱いた感想は、それだった。

 

 てっきり、家庭の風呂のように、シングルベッド一つ分くらいの洗い場と、人一人が入れる程度の浴槽を予想していたポップは、その広さに驚く。

 

 流石に五人も入れば狭苦しいだろうが、一人で入るには十分すぎる大きさだ。

 床も切り出されて研磨された石が敷き詰められ、本当に豪華だと思う。

 

 けれど、それ以上の感想はない。

 

 そんなことよりも、メルルの事が気がかりだった。

 

「メルル……」

 洗い場で体を清めようと思い、備え付けの小さな背もたれのない椅子に腰を下ろしたものの、あまりにも気がかりすぎて、つい彼女の名前を口に出してしまう。

 口に出したからと言って、どうなるわけでもないのに……。

 

「……はい。お呼びですか、ポップさん」

 

 耳を疑った。

 あまりにもメルルの事を考えすぎたために、幻聴が聞こえたのかと思った。

 

 けれど、その声がした方を、背後を振り返ると、そこには、美しく流れるような黒髪の少女が立っていた。 

 白い湯着だけを身に着けた姿で、ポップの背後に立っていたのだ。

 

「めっ、メルル……。本当に、メルルなのか?」

 信じられない。まったく気配がなかった。

 たった今、この場に現れたとしか思えない。

 

「はい。マァムさんと一緒に、ポップさんのお背中を流しに来ました」

 メルルは悪戯っぽく微笑み、背後を見る。

 その視線の先には、同じ様に湯着だけを身にまとったマァムが笑顔で立っていた。

 

「なっ、なんで二人が……。話し合いをしていたはず……。って、悪りぃ!」

 メルルとマァムの湯着はとても薄いようで、彼女たちの乳房の先端部分の位置が透けて見えてしまった。そのため、ポップは慌てて後ろを向いた。

 

「ポップさん。どうか、こちらを向いて下さい。その、私の貧相な体では、お気に召さないかもしれませんが……」

 メルルの寂しげな声に、ポップはどうしていいのか混乱する。

 

 訳がわからない。

 

 話し合いはどうなったんだ?

 なんで、二人がこんな格好で風呂に入ってくるんだ?

 自分が、男が入っているのに……。

 

 いや、そうだ、メルルとマァムは、どうやって音もなく風呂に入ってきたのだろう?

 違う、違う、違う。

 そんなことよりも、今は振り返るかどうかだ。マァムも見ているのに……。

 って、そうじゃない……。

 

 思考がまとまらない。

 頭で処理できる情報量の限界を超える出来事に、ポップの頭は混乱する。

 経験はないが、混乱呪文を、メダパニをかけられたのかと思うほどに、混乱し続ける。

 

「ポップ。前を向いてはくれないの?」

 

 マァムの声が聞こえた。

 その声は、メルルと同じ様に悪戯っぽい響きを含んでいる。

 

 けれど、頭が混乱しているポップには、そんな機微など理解できるはずがない。

 

「……メルル。お願い」

「はい。マァムさん」

 

 二人が何かを言ったのが分かった。

 するとすぐに、ポップの体を優しい輝きが包み込む。

 

 それはとても温かかった。

 心地良かった。

 

 それに身を委ねると、気持ちが落ち着いてくる……。

 まるで、幼い頃、母親の胸に抱きしめて貰っていた時のように。

 

「なんなんだ、この光は……」

 ホイミやベホイミなどではない。こんな効果の呪文を自分は知らない。

 

「ポップさん。落ち着かれましたか?」

 メルルは今度は優しく声をかけてくる。まるで、たった今感じた、母親のような優しい声だ。

 

「大丈夫です。怖くないですから……。こっちを向いて下さい……」

 

 この声には不思議な力でもあるのだろうか?

 気がつくと、ポップは前を向いていた。

 

 そこには、扇情的な姿の少女が二人。

 薄い湯着だけを身に着けた少女が……。

 

「なっ!」

 ポップの口から、驚きの声が上がる。

 

 メルルとマァムの二人は、静かに身に着けている最後の衣を解き始めたのだ。

 

 たった一枚の布を、少しだけ時間をかけて二人は脱いでいく。

 恥ずかしそうに頬を紅潮させながら。けれど、優しく微笑んで。

 

 メルルの女の部分が、乳房が顕になる。

 とても形が良くて美しい、丸い膨らみが姿を見せる。

 

 先端の部分は美しい桃色で、乳輪の大きさも程よい。

 それは、扇情的と言うよりも、美しいと表現するしかできないものだった。

 

「……綺麗だ……」

 間の抜けた声で、ポップは思ったことを呟く。

 すると、メルルは恥ずかしそうに、けれどどこか嬉しそうに微笑む。

 

「本当に、綺麗よね。メルルの躰……。でもね、こっちも見てほしいわ」

 

 今度はマァムの声に誘われて、ポップはそちらに視線を移す。

 するとそこには、メルルのものよりも大きな乳房が二つ並んでいた。

 

 大きいのに、まるで形が崩れない。

 鴇色の乳輪も乳房の大きさの割には小さくて美しさを損なわない。

 その先端は上を向き、張りのある惚れ惚れするような蠱惑的な乳房。

 

「綺麗だ……。メルルに負けないくらいに……」

 ポップの言葉に、マァムは頬を朱に染め、「よかった」と柔らかく微笑む。

 

「メルル……」

「はい」

 マァムの言葉に、メルルは頷き、二人は静かにポップの前まで歩み寄ってくる。

 

 歩く振動で、乳房が揺れる。

 ポップの目は、ますますその部分に釘付けになってしまう。

 

 そんな不躾な視線を受けながらも、二人はポップの間近まで来ると、床に膝を付き、更に手を前について恥ずかしそうに微笑む。

 

 そして……。

 

「ポップさん。お背中を流させて頂いても、よろしいでしょうか?」

「どうか、私達の躰で、清めさせて下さい」

 

 頭を下げたかと思うと、上目遣いにこちらを見ながら、そんなとんでもないことを言い出したのだった。

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