ベッドが汚れてしまったことと、ポップさんも大量の汗をかいてしまったので、私はマァムさんの勧めで、再び浴場に足を運んだ。
ポップさんも来るはずなのだが、マァムさんに呼び止められ、二人で何かを話している。
その事にまた嫉妬の気持ちがこみ上げてきそうになるが、その気持ちを振り払い、私は口の中などを清めることにする。
ポップさんには、たとえ水とはいえ、口からものを吐き出すところは見せたくないから丁度いい。それに、躰を洗っている所を見せるのも正直恥ずかしい。
男の人は、裸を見せているのに何をと思うかもしれないが、これは男女の羞恥心の差異だと神殿で習った。
私が一通り躰を清め終わったところで、ようやくポップさんが浴場にやってきてくれた。
マァムさんはまだベッドの後始末をしてくれているようだ。
私は浴室の小さな椅子から降りて、ポップさんの前に歩み寄り、膝をついて頭を下げる。
「その、待たせたな、メルル」
「いいえ。私も色々と準備がありましたので。さぁ、ポップさん、こちらの椅子に腰掛けて下さい。すぐに、お体を清めさせて頂きますので」
「あっ、ああ。その、それなんだけどさ、メルル……」
ポップさんは、私から視線をそらして口ごもる。
「はい。何なりと申し付けて下さい」
「あっ、うん。その、さっきみたいに躰で洗うんじゃあなくて、普通にタオルで洗ってくれないか?」
ポップさんが申し訳無さそうに言う。
瞬間、私の血の気が引いた。
お湯をかけて温まったはずの躰が、急速に体温を失っていくのを感じる。温かかった汗も、瞬時に冷たいものに変わってしまった。
「……そっ、そうですよね。マァムさんの女性らしい躰を堪能された後に、私の貧相な躰では……」
私は何とか笑みを浮かべる。涙がこぼれ落ちないように懸命に努力をしながら。
「わぁぁっ、違う! 誤解だ! その、あの洗い方をされると、ベッドに行くまで我慢できなくなってしまうから頼んでいるんだ! 本当のことを言うと、今すぐにでもメルルを押し倒して俺の物にしたいと思っているんだ、俺は!」
ポップさんはその言葉が嘘ではない証拠にと、おヘソまでそりかえりそうなくらいに勃起した男性器を私に見せてくれた。
「ポップさん……。私は、ポップさんが望むのであれば……」
「だっ、だから、そういう事を言わないでくれ。これでもかなり無理して我慢しているんだ。その、俺はベッドの上でメルルを抱きたいんだよ。その、初めてが風呂場だなんて寂しいじゃあねぇか……」
ポップさんはそう言うと、黙って小さな椅子に腰掛けた。
「ポップさん……。あっ、それでは、お体を清めさせて頂きます」
「あっ、ああ。頼むよ」
ポップさんに手渡されたタオルを湯桶のお湯に付けて濡らし、石鹸を泡立てて、私はわたしの愛する男性の躰を洗っていく。
「痛かったり、力が足りなかったら仰って下さい」
「あっ、ああ。大丈夫だ。その、すごく気持ちがいい」
私はポップさんの背中を優しくタオルを使って洗っていく。
ポップさんは筋肉質ではないけれど、やはり男女の違いがあり、背中が大きい。そこを洗っていると、私はそれだけで幸せになってきてしまう。
大好きな人の役に立てる。これほど幸せなことはない。
腕もお尻も、足も清めていく。前に回って、首から胸も洗っていく。そして、前足と足の指を丹念に一本一本綺麗にし、後は男性器だけとなった。
「めっ、メルル。後は、自分でやるからいいぜ」
「いいえ。どうか私に洗わせて下さい。ご主人様の命令は絶対ですが、私にも女の、ポップさんの女であるという自負と誇りがあります。たとえポップさんご自身でも、このお仕事は譲れません。……どうか、私にご奉仕の許可をお与え下さい」
私は再び平伏して、ポップさんのお慈悲に縋る。
「あっ、ああ。そっ、そんなに言うなら……。ただ、その、いろいろと限界なんで、優しく頼む……」
「はい。ありがとうございます。どうかお任せ下さい」
私は顔を上げて喜ぶと、タオルから泡を手に移し、タオルを湯桶の端に掛けて、愛しい人の大切な部分に手を伸ばす。
「失礼致します」
まずはペニスの付け根あたりに手を伸ばし、そこを重点的に洗っていく、ポップさんのその部分の毛はまだそれほど濃くないため、洗いやすい。
とはいっても、資料で見たことがあるだけで、本物の男性器を見たのはこのペニスが初めてであるし、奉仕をするのはこれが最初で最後の一本であると決めている。
汚れが溜まりやすい付け根を優しくもしっかり洗った後には、大きな睾丸を優しく洗っていく。
「ふふっ。すごく大きくて立派です。それに、重い気がします。この中に、ポップさんの赤ちゃんの元が沢山詰まっているんですよね」
「あっ、ああ……」
ポップさんは気持ちよさそうにしながらも、恥ずかしそうに答えてくれる。
失礼だけれど、その表情がすごく可愛く思えました。
あまり刺激を与えて射精を促してはいけないので、睾丸が綺麗に洗い終わると、私はポップさんのペニスの竿の部分を両手で優しく握って洗っていく。
慣れてくるとこの部分でも男性は快楽を感じるらしいですが、まだポップさんのこの部分は開発が進んでいないので、強い刺激にはならないようです。顔にも、幾分か余裕が見られます。
「ポップさん。少しだけ刺激が強くなりますので、ご注意してくださいね」
「あっ、ああ……」
ポップさんの了解を得て、私は竿から鬼頭に変わる出っ張り部分を、カリ首を優しく指のお腹で洗います。ここは汚れが溜まりやすいので、特に丁寧に。でも、刺激が強くなりすぎないように注意して……。
「めっ、メルル。すげぇ気持ちいい……」
「そうですか? 嬉しいです」
私は喜びながらも、次は一番敏感なカリの部分なので気を引き締めます。
まず手でよく泡を作り、それを優しくその部分に置いていき、また指のお腹で汚れを落としていきます。まかり間違って尿道に石鹸が入っては大変ですので、注意しなければいけません。
「ああっ……。メルル、どこでこんな上手な洗い方を?」
「ふふっ。女には、こういった手練手管も必要になると、いろいろな方から教わりました。もっとも、実践は初めてですので、ポップさんに喜んで頂けて嬉しいです」
私は綺麗になったポップさんのペニスに、優しくお湯をお湯桶から手で汲んで掛けていきます。
これから、この逞しいもののお相手を務められると思うと、私の女の部分が熱くなっていくのを感じると、もう堪らない気持ちになってしまいます。
「メルル、ありがとう」
「いいえ。さぁ、湯船に浸かりましょう」
ポップさんの体に付いた泡をすべて洗い流し、私はポップさんの腕に抱きついて、湯船に誘います。
そして、二人で体を密着させてお湯に使っていると、ポップさんと目が合いました。
私達はどちらとなく微笑みます。それが、この上なく幸せでした。
体も温まり、そろそろ湯船から出ようというタイミングで、マァムさんが浴場にやってきました。
「ポップ、メルル。ベッドの用意が終わったわ。私は躰を洗ってから行くから、二人で、ね」
マァムさんはそう告げると、意味ありげに微笑みます。
「メルル……。その、行こうか……」
「はっ、はい」
一度仕切り直されたことで、私は今頃になって胸がドキドキしてきました。
これからポップさんに抱いてもらえるのだと。彼だけの物にしてもらえるのだと思うと顔も熱くなってしまいます。
私達はベッドに向かいます。
そして、そこで私は、ポップさんに沢山愛してもらうことになるのです。