「すげぇ、まるで別のベッドみたいだ」
ポップさんが驚くのをみて、私は口元を綻ばせます。
マァムさんは魔法を使ってあたりを綺麗にしてくれたようです。
ベッドのシーツも新しいものに変えられ、部屋に篭もっていた匂いも、無くなっています。
少し長風呂をしたとはいえ、ベッドメイクを仕立ての部屋に入ったかのような錯覚を覚えるほどです。
「私達のために、マァムさんは本当に頑張ってくださったんですね」
そう感想を述べると、ポップさんは何も言わずに、私の肩に手をやり、正面を向かせます。そして、
「あっ、んっ……」
優しく私の唇を奪って下さいました。
そして、長いキスの後に、ポップさんは真剣な表情で、
「メルル。俺は、お前を俺だけのものにしたい」
そう言って下さったんです。
「はい。私を、貴方のものにして下さい。この躰も心も、残りの人生も、魂も、貴方に捧げますから、どうかお側に置いて下さい」
私の答えにポップさんは無言でまた口づけをしてくださいます。
一糸まとわぬ状態で抱き合っての口づけは、それだけで私をいけない気持ちに誘います。
ポップさんの手は私の後頭部と腰に回されているだけなのに、その体温だけで幸せを感じるのです。
出会った時から心を惹かれ、ずっとずっと好きだった男の人にこれから抱かれるのです。女として、これ以上の幸せはありません。
私のお腹に、ポップさんの固くなった男性の証が当たります。
こんな貧相な躰でも、愛しいこの人が興奮してくださっている事実が、私を興奮させます。
私の女の部分は、すでに濡れています。
今すぐにでも、この固いものを受け入れる準備が出来ているのです。
「あっ……」
ポップさんは、優しく私をベッドの上に押し倒しました。そして、私に覆いかぶさります。
「……綺麗だ、メルル……」
部屋には、まだ先程私が作った光の球体が残っているので、浴場以上に、私の躰の隅々までがポップさんに見られてしまいます。
マァムさんと比べたら、小さな胸に小さなおしり。性器の周りはきちんと手入れをしているので見苦しくはないと思いますが、それでも私は、マァムさんの躰を堪能した後のポップさんが、本心からそう言ってくれているとは思えませんでした。
「……ポップさんは、優しいですね……」
私はそう口にする事しか出来ませんでした。
本当に嫌になります。あの神殿で数年間修行に励んでも、私の心の根幹までは矯正できなかったのです。
懸命に強がって、ポップさんを誘惑してみても、私の心の中のもうひとりの私が言うんです。
『貴女程度が何を言っているの? こんな事ができるのは、ポップさんが女の躰に慣れていない今だけなのに。すぐにポップさんはマァムさんのような豊満な躰に溺れていくに決まっているのに』
『何も持っていない惨めな私。嫉妬するばかりで、行動しようとはしない怠惰な私。マァムさんの初体験をレイプめいた物に変えたことで、ほくそ笑んでいる根暗で陰険な私』
『ポップさんもすぐに気づく。気づかれてしまう。私は可愛げもなければ魅力もなにもない、ただの我儘な女だって。そして、捨てられるの。すべてを捧げても、ポップさんの愛は私には向けられないの』
そう言って嘲笑うんです……。
「メルル……」
「あっ、んんっ!」
陰鬱な気持ちに囚われていた私の躰に、胸にポップさんの手の感触を感じた瞬間、瞬時に快楽が走りました。
さきほど、マァムさんが放心している間に触ってもらっていたことが、影響しているのでしょう。
「ははっ。すげぇ可愛いぜ、メルル」
ポップさんは微笑みました。優しく、心から嬉しそうに。その瞬間、私は不意に羞恥心がこみ上げてきて、全身が熱くなってしまいました。
恥ずかしい。ポップさんに貧相な躰を見られるのが、触られるのが。
積極的に今まで奉仕をしていたのに、どうしてこんなに急に恥ずかしくなるのでしょうか?
少し考えれば、その理由は単純でした。
今までは、私が奉仕をするべく主導権を握っていたのです。躰に触ってもらう時も、私の意思で差し出していたのです。
でも、今は違います。
私はこれから、ポップさんの思うがままにされるのです。
たとえそれが同情心によるものでも、マァムさんのおまけに過ぎなくても、ポップさんの意思で、私はこれからこの躰を好きなように弄ばれるのです。
ドキドキと胸が高鳴ります。そして、期待に私の一番はしたない部分が濡れそぼっていきます。
そして、気付かされるのです。
いくら知識だけはあっても、自分は男性経験のない処女に過ぎないと。
かたや、ポップさんはすでにマァムさんを抱いています。あの逞しいペニスで、一人の女の子を手篭めにしているのです。
私には勝ち目がありません。もう、私の全てはポップさんの思うがままなのです。
初体験について、いろいろ考えていました。
せめて、少しでもポップさんに喜んで貰いたいと。この貧相な躰でも、楽しんでもらいたいと。
そのためには、積極的にご奉仕をしなければいけないのに、私の躰は動いてくれません。
恥ずかしさで頭が沸騰しそうで、何も考えられないのです。
「メルル……」
「あっ、駄目。恥ずかしいです……」
受け入れるつもりだったのに。何をされても喜んで従うつもりだったのに。私はあまりの恥ずかしさから、ポップさんの視線に耐えられなくなり、つい胸を手で隠し、股間も体を横にして太ももを使って隠してしまいます。
マァムさんに隠しては駄目だと言っていたのに、あの時は自分の裸身も平気で晒せていたのに、それなのに……。
「それじゃあ、別な所を触らせてもらうぜ」
「えっ? んっ、んんっ!」
ポップさんは唇をキスで塞いで覆いかぶさると、私の背中とベッドの間に手を伸ばし入れて、右手で後頭部を固定しながらキスを続け、左手でおしりを優しく、けれど厭らしく愛撫し始めました。
「んっ、あっんっ、あむっ……」
おかしいです。
おしりはまだ何もされていないはずなのに。ポップさんに初めて触られたのに。ものすごい快楽と羞恥心が溢れてきます。
「キュッと締まっているのに、柔らかくて気持ちいいな、メルルのおしりは……」
唇を離し、ポップさんは私の躰の感触を伝えてきます。そんな恥ずかしいことを言わないでほしいのに。恥ずかしくて仕方がないのに。
「あっ、んっ、駄目、駄目です、おしりをそんなふうに撫でられたら、私……」
「それじゃあ、こっちを味あわせて貰うぜ」
「ひやっ! だっ、駄目です! そこは!」
ポップさんは、私がお尻に伸びた大きな手を抑えようとした隙を狙って、私の乳房に、左の胸に口をつけて舐め始めたのです。
どうして? なぜ?
羞恥心と、今まで味わったことのない暴力的な快楽が私を駄目にしていきます。
胸を吸われることも、触られることも想定していたのに、こんなに感じてしまうなんて。
ただただポップさんの体温を感じるだけで、私のこの躰は発情しているのに、こんな事をされ続けたら、本当に……。
「むっ、胸も、駄目です。恥ずかしい。恥ずかしくて、気持ちよくて、私、おかしくなりますから!」
私は快楽に躰を仰け反らせながらも、何とか胸を隠そうとします。けれど、そうしているうちに、ポップさんの躰は下にズレていって……。
「うわぁ、すげぇ綺麗だ。こんな綺麗な色なんだな、メルルのここは……」
ポップさんは、私の股間に頭をやり、大陰唇を優しく開いて、内臓の色を確認したのです。
「いやっ、いやっ、見ないで! 見ないでくださ……あああああっ!」
ピチャピチャと卑猥な水音を立てて、ポップさんが私のあの部分を、卑猥な蜜壺を舐め始めます。私はあまりの快楽と羞恥心に、ついきつく両手でポップさんの頭を退けようとしますが、私程度の腕力では抵抗できません。
アソコが食べられている。卑猥な、汚らしい欲望の印である淫液を飲まれてしまっている。
その事実に、私は恥ずかしすぎて涙をこぼし始めます。
でも、ポップさんは止めてくれません。舌を穴の奥まで伸ばして、どんどん私を辱めて行くのです。
「あっ、あああっ、私、もう……」
そして、その強い刺激は、やがて私を達しさせようとしましたが、不意にそこでポップさんは舌を止めて、口を離してしまいます。
「あっ……どうして……」
後少しで達することが出来たのに。
「メルル。もう準備はいいよな? 後は、これでお前を俺のものにする」
ポップさんは雄々しく天を衝く肉棒を、私の顔に近づけて、見せつけてきました。
「あっ、ああっ……」
そのあまりにも存在感のある物体に、ペニスに、私は躰を震わせます。
それは恐怖? それとも歓喜? もしくは両方?
でも、それを見てはっきりしました。
私の悩みなど、この肉棒で女の急所に一突きされれば、消し飛んでしまうほど些末なことなのだと。
「ポップさん……。私、私は……最低の女なんです。マァムさんに嫉妬をして、苦しめて。それなのに、いざ自分の番が回ってきたら、こんなに取り乱して……」
私は、心の内に溜め込んでいた事柄を口に出します。震えながら、懺悔をするように。
「マァムさんみたいに綺麗でもないし、魅力的な躰も持っていないから、ポップさんにすぐに愛想をつかされてしまうのではないかと、不安に……」
「メルル。俺は、お前を俺のものにする」
私の言葉を遮り、ポップさんははっきりともう一度言ってくれました。
「自分で広げろ……」
「……はい。分かりました」
ポップさんに命じられるままに、私は股を開きます。そして、一番恥ずかしい穴をこれからここを捧げる方にお見せしました。
羞恥心で気が狂いそうになりながらも、私は興奮しています。
きっと、ここにポップさんのものを迎え入れたら、私は生まれ変われるという確信がありました。
ただ、この人の為に生きる雌になれる。そうすれば、もう悩むことなど……。
「一気に挿れずに、少しずつ挿れる。痛いだろうけれど、もう余計なことを考えられなくなるように、もう俺のものだってことを躰に教え込む」
「……はい。嬉しいです」
私は微笑み、ポップさんの剛直を受け入れました。
ものすごい激痛でした。
快楽よりも、痛みが圧倒的に大きかったです。
でも、それは必要な痛みでした。
弱くて陰険でどうしようもない私が、生まれ変わるための禊として必要なものでした。
苦しみながらも、ポップさんのものを膣の奥まで受け入れた時に、私は変わることが出来ました。
口先だけではない、本当の意味でポップさんの物になれたのです。
後から、この寝室に戻ってきたマァムさんも、私がポップさんと結ばれたことを知り、喜んでくれました。
実は、マァムさんは私のことを心配してくれて、ポップさんにお願いをしていたそうなのです。
始めは優しくして心を解きほどき、罪悪感を口にするようならば、力ずくで奪ってあげて欲しいと。
あの神殿でだけでも長い付き合いです。
私が胸に秘めていた罪悪感を、弱い心を、マァムさんはお見通しだったのです。
そして、それからはマァムさんも加わって、私達は二人で仲良くポップさんに可愛がってもらいました。
ようやく、わだかまりなく同じ立場になれて、私とマァムさんは本当の意味で友人になることが出来たのです。