恥ずかしい、というよりは嫌いだった。
ポップが私の体をスケベな目で見ることも、何かにかこつけて触ろうとしてくることも。
真面目にしていれば割と格好いいのに、だらしない、情けない顔をするのが嫌だった。
「なるほどなるほど。本当に自分勝手ですね、貴女という女は」
今は行方知れずになったダイの行方を探すことが、一番大事なはず。
それなのに、ポップは相変わらずスケベで……。
「へぇ~。殿方の苦しみを理解しようとせずに、一方的に自分の考えを押し付けるんですね。もしも自分が相手の立場だったらって、考えもしないんですか?」
そういった事は、ダイが見つかってからの話だと思う。
私がポップの気持ちに対する返事をするのも、それまでは待って欲しい。
「いつまでも、殿方の心が自分に向き続けていると高をくくっているんですね。本当に、何様のつもりなんでしょうね」
お願い。もう少しだけ我慢してよ。
メルルだって、同行してくれているのよ?
それなのに、そんなことなんて、できるはずがないじゃあないの……。
「う~ん。本当にクズですね。メルルさんがポップ様に好意を持っている事を知っているのに、いつまでも自分の態度を明らかにしない。行動に移さない。
それがメルルさんも苦しめていると、どうして分からないんですかね?」
ダイが見つかって、心残りが無くなったら、私はきちんと貴方の気持ちに応えようと思っているの。
だから、もう少し我慢を……。
「……なるほど。それじゃあ、貴女自身が手本を見せて下さい。人に我慢を強いるんですから、当然、貴女は我慢を続けられるんですよね?」
私は、貴方のことが好きになっている。以前よりもずっと。
時が来れば、この体も捧げるから……。今は。今だけは……。
「出し惜しみするほどのものなんですかね? 自己評価が甘すぎです。貴女の躰程度にそこまでの価値があると信じているのでしたら、ちゃんちゃらおかしいですよ。
そして、こういう女に限って、殿方が他の女に興味を持ったら怒るんですよね。
ああ、本当にポップ様が可哀想です。こんな、性悪な自己中女に惚れてしまわれたなんて」
気絶したマァムのした粗相を綺麗にし、フェンネルは彼女を台に座らせた。そして、彼女の心を魔法で読んでいたのだが、あまりにも酷い思考に、辟易してしまった。
「少し改造するだけでは駄目ですね。きちんと罰を与えて、自分の冒した罪の重さを認識させないと」
フェンネルは、もう手心をするのを完全に止めた。
「ですが、ポップ様に申し訳ないので、本当は改造もしたくなかったんですがね。万が一、この世界にポップ様がいらっしゃって、この躰を味合われる可能性もゼロではないですし……」
フェンネルがそう悩んでいると、コツコツと足音が聞こえた。
「こっ、これは、ルシリス様!」
フェンネルは足音だけで、自分に歩み寄って来たのが、自らの信奉する女神ルシリスその人であることを理解し、慌てて立ち上がると、踵を返してから頭を下げる。
「フェンネル。お仕事ご苦労さまです。それと、話は聞かせて頂きました。ご安心なさい。この者の新しい躰は、私が用意致しましょう」
美しい女神は、フェンネルの仕事ぶりを労い、彼女の悩みを解決してくれた。
「もったいないお言葉。そして、お心遣いを頂きありがとうございます。これで安心して改造を行えます」
「いいえ、良いのですよ。貴女達には、いつも問題のある女ばかりの相手をさせてしまい、申し訳なく思っているのです。これくらいの協力はさせて下さい」
ルシリスは笑顔でいったが、やがて小さく嘆息した。
「まったく。この娘には、メルルさんの爪の垢を飲ませてさしあげたいです」
ルシリスはそう漏らすのを聞き、フェンネルも苦笑する。
「メルルさんは、異例の速さで、CからBに上がるとのお話でしたね」
「はい。この世界に送る際にタイムラグがあったので、マァムさんより三ヶ月早くにこの世界にやって来ていましたが、それを差し引いても雲泥の差です。いえ、比較するのさえメルルさんに失礼ですね」
ルシリスはそう言うと、にっこり微笑んだ。
「フェンネル。ご苦労をかけますが、どうかこの者の躾をお願い致しますよ」
「はい。お任せ下さい」
敬愛し、信奉する女神ルシリスのお言葉を賜ったフェンネルは、気合を入れてマァムの躰の改造に着手し始めるのだった。
△
「んっ、あっ、うううっ……」
マァムが目をさますと、白い布が見えた。
それが小さなカーテンだと分かると、ようやく彼女は自分がどこでどのような体制をしているかを理解する。
マァムの躰は全裸で椅子か何かに固定されている。そればかりか、足が大きく開脚した状況で固定されて、彼女の最も女の部分が、股間がむき出しにされているのを理解した。
彼女が座っているのは椅子ではなく、分娩台だったのだ。
「あっ、目が冷めてしまいましたか? でも安心して下さい。まだ麻酔が効いていますから、痛くはないですよぉ」
カーテン越しに、聞き覚えのある少女の声が、フェンネルの声が聞こえる。
そして、マァムは思い出した。自分がフェンネルにボロボロにされて気を失ったことを。
「いやぁ、すみませんでした。私としたことが少々感情的になってしまいまして。お詫びというわけではないですが、砕けていた骨や痛めた内臓は私の魔法で完璧に直してありますので。
それに、今回の手術の傷も綺麗に魔法で消しますから、傷跡は残りませんよぉ」
フェンネルはそう言うと、金属音をさせながら、忙しなく何かをしている。
「しっ、手術? なっ、何を言って……」
痛みはまったくないが、僅かに自分の股間部分がもぞもぞと動いているのを感じ、マァムは恐怖を覚える。
「なっ、何を! 何をしているの、私の躰に!」
「それは終わってからのお楽しみですよぉ。でも、心配しないで下さい。調教が終われば綺麗な躰に戻してあげますからねぇ」
フェンネルのその言葉が聞こえた瞬間、自分の股間に何か異物が入ってくるかのような違和感を覚えた。痛みはないが、明らかにまともではないことをしているのが分かる。
それに、カーテンの丈がそれほど長くないので、フェンネルの手らしきものの一部が、僅かに下から見える。赤い液体が付着した布や、小さな刃物のようなものも。
「やっ、止めて! 私の躰におかしなことをしないで!」
怒るよりも先に、生理的嫌悪感が先に来て、マァムは泣き叫んで懇願する。
「駄目ですよぉ。もう最終段階なんですから、今更止めることなんて出来ません。それに、看守の中で一番手術が上手な私が執刀しているんですから、大丈夫ですよ。なるべく外見からは分かりにくいように綺麗に仕上げますからねぇ」
「いやぁぁぁぁぁっ! 止めて! 止めてよ! いやぁぁぁぁぁっ!」
自らの肉体が切り刻まれて変えられていく。
その恐怖に、マァムは涙を流しながら泣き叫ぶ。
けれどそんな悲鳴など聞こえないかのように、フェンネルは手術を続ける。
そして、マァムの叫び声が枯れる頃に、手術は終了した。
「そんなに怖がらなくても大丈夫ですって。外見上は本当に分かりませんから。それに、膣の中には一切手を加えていませんので、綺麗な処女膜も無事ですよぉ。なんせそこは、未来のマァムさんの御主人様のものですからね」
フェンネルはそう言うと、カーテンを開く。
「ほらほら、見て下さい。見た目は今までと同じでしょう?」
女の最も恥ずかしい部分を、鏡を使ってマァム自身に見えるようにし、フェンネルは微笑む。
無駄毛の処理をする時に見るくらいだったが、確かに外見上は何も変わった様子がないようだとマァムは思った。
「手術は終わりましたので、魔法で麻酔を緩めますよぉ。そして、マァムさんの躰に加わった機能を説明しますね」
フェンネルは喜々とした表情で魔法を使うと、マァムのまだ経験のないサーモンピンクのプッシーの敏感な豆を優しく掴む。
「どうです? 気持ちいいですか?」
「やっ、止めて……」
マァムは懇願するが、フェンネルは指での優しい愛撫を続ける。
「ここは、今まではクリトリスだったのですが、切れ込みが入っているのが分かりますか?」
そう言いながら、フェンネルはマァムの肉の豆の先端近くを撫でる。
「そうですね。果物の桃に似た形にお豆を変えたんですよ。そして、ここからは……」
「いっ、いや、なに、なんなの?」
マァムは、プッシーの尿道口とは別の部分から何かがこみ上げてくるのを感じた。
それは尿を我慢してから放出する時のような勢いで急速に上がって来て、肉の豆の先端から溢れ出そうとしている。
「だっ、駄目!」
初めての経験にどうしていいのか分からず、マァムはクリトリスであるはずのところから、真っ白い液体を排出してしまった。
粘性のあるその白濁した液体は、男性の出す精子のようだ。
「あはっ。どんどん出てきますよ。マァムさんのクリトリスペニスから」
とぎれとぎれながらも、連続して白い液体がクリトリスであるはずの場所から吐き出される。そのたびに、刹那的な強い快楽がこみあげ、頭が真っ白になりそうになってしまう。
「あっ、あああああっ……」
激しい脱力感と快感に、マァムの躰から力が抜けていく。
「ふふふっ。どうですかぁ。女の子なのに、射精した気持ちは? 私は手術で、マァムさんのクリトリスをペニスに改造してあげたんですよぉ~」
フェンネルは嬉しそうな笑みをマァムに向けるが、マァムは脱力感でそれどころではない。
「どうです? 気持ちいいですよね、ペニスから射精するの。まぁ、出ているのは精子ではなくて、媚薬なんですがね。これを嗅ぐと耐性のない女は、すっごく発情してしまうんです。
その証拠に、マァムさんの女の子の穴もぐしょぐしょになって、嫌らしい液体を、愛液を滴らせていますよぉ」
フェンネルの指摘どおり、マァムのプッシーからは、止めどもなく愛液が吐き出され続けていた。
マァムは夢見心地で快楽に溺れていたが、「でも、この施設の囚人達はオナニーをする自由なんてないので、ここに触っては駄目ですよ」とフェンネルは言い、マァムの肉芽から指を離して、刺激を与えるのを止めてしまう。
快楽に溺れているマァムは、少しでも長くこの快楽を味わいたいと思い、自らの肉芽を愛撫しようとしたが、次の瞬間、彼女は快楽の天国から、激痛の地獄に落ちた。
「うっ、ああああああっ……」
快楽も初めての経験であったが、脳天まで突き抜けるこの激痛も初めてだった。
マァムが激痛を感じた理由。それは、フェンネルが彼女のプッシーを拳で叩いたためだ。
「もう。駄目だって言いましたよね? マァムさん達は、オナニーをする権利なんて認められていないんですよ。それに、まだ説明が終わっていないんですから、話をしっかり聞いて下さい」
プンプンと言った感じでフェンネルは怒る。
「マァムさんのその新しく作られたペニス……。いえ、ペニスなどという大層なものではありませんね、こんなに小さいですし、子種を出すことが出来ないのですから、子供のそれの名称で、おちんちんと呼称しましょう」
激痛に股間を手で抑えて悶えるマァムを尻目に、フェンネルは恥ずかしそうに頬を朱に染める。
「こほん。そのおちんちんに媚薬を送るための管の他に、それを生成するボール、つまりは睾丸モドキも作りました。そしてそれは、目立たないようにマァムさんの大陰唇に埋め込んであります。
そして、この調教が男性の苦労を理解するためのものであることを考慮し、そこに外的な強いショックを与えられると、死んだほうがマシだと思えるほどの激痛が襲うところも再現しているんですよ。ですから、気をつけてくださいね」
フェンネルの説明は耳に入ってきたが、マァムは初めての未知なる痛みに言葉が出ない。
「散々男性を馬鹿にしていたんですから、当然マァムさんは厭らしいことをしようなんて思いませんし、しませんよね? だから大丈夫だと思いますが、そのおちんちんが馴染んでくるにつれて……」
そこまで説明仕掛けたところで、フェンネルは急にそれを止めた。
「いえ。余計なことでした。マァムさんに限ってはそんな端ないことをしないはずですから、説明もいりませんね。きっと、他の仲間に迷惑をかけることもないでしょうし……ね!」
「がぁっ、ううううっ……」
マァムの股間に、もう一度フェンネルの拳が炸裂する。
全くの偶然なのだが、大陰唇に埋め込まれているという睾丸部分の痛みを和らげようと触れた際に、偶然おちんちんの先っぽに手が触れてしまったのを、フェンネルは見逃さなかったのだ。
「まったく、本当に手がかかる人ですね、マァムさんて……」
再び悶絶するマァムを見て、フェンネルはそう言い嘆息した。