「私とえりな様。どちらを悠斗様の初めての女にして下さいますか?」
新戸緋沙子はにっこりと微笑んで、小早川悠斗に尋ねてくる。
「…………」
一方、薙切えりなは無言で悠斗に不安げな顔を向けてくる。
その顔には、先程までの冷たさをまるで感じない。
いよいよ緋沙子と結ばれようと、感情が高ぶっていたところで、いきなりこんな選択を迫られるとは思っていなかったので少し戸惑ったが、悠斗は思っていたよりも悩むことなく、口を開いた。
「ごめん、えりな。今、僕は緋沙子としているから」
悠斗のその言葉に、えりなの顔が悲しみで歪む。
その表情に胸が痛んだ。でも、悠斗は静かに緋沙子の方を向き直し、ベッドに横たわる彼女に静かにキスをする。
水をさされてしまったことで、少し冷めてしまった興奮を高め直そうと、悠斗は緋沙子の唇を堪能し、拙いながらも自ら彼女の口内に舌を挿れていく。
「んっ、あんっ、んんっ」
緋沙子も悠斗の舌に自分のそれを絡ませて来てくれる。その事がたまらなく嬉しかった。
この気持ち良さも、この興奮も、緋沙子が与えてくれたものだ。それを、今更他の誰かに渡したくなかった。それが、たとえあの薙切えりなが相手でも。
「緋沙子……」
長く情熱的な接吻を繰り返してから口を離すと、互いの唾液が糸を引き、緋沙子の躰にそれが落ちていった。ただそれだけのことなのに、それが堪らなくエロティックだった。
「ふふっ、悠斗様。私を選んで下さってありがとうございます。このようなことではお礼にはなりませんが、私に少し頑張らせて下さい」
「緋沙子、何を……」
悠斗の問にいたずらっぽく微笑むと、緋沙子は悠斗に立ち上がって欲しいと懇願してくる。
訳が分からないが、その指示に従うと、緋沙子はベッドから上半身を静かに起こし、端に座る。
「すみません。本当は悠斗様にお座り頂きたいのですが、私、しばらく立ち上がれそうもありませんので……」
緋沙子はそう言うと、
「あっ……。緋沙子……」
恭しく大切なものをすくい取るように、悠斗の睾丸を両手で触れる。
「ここで、私のために精液を作って下さっているんですよね。私を孕ませるための子種を……」
緋沙子は愛おしそうに睾丸を優しく愛撫し始める。
「ひっ、緋沙子! そっ、それは、まずいっ! あっ、うっああああああっ!」
もう限界に近かった優斗は、我慢ができず、緋沙子の顔めがけて、白濁液をペニスの先端から迸らせてしまった。
「ふっ、ふふふふっ。温かい。これが、悠斗様の子種。精液……。ザーメン……」
緋沙子は愛らしい顔に精液を出されたことに怒ることはなく、逆に恍惚とした表情でうっとりと悠斗のペニスを見つめる。
「……ごっ、ごめん、緋沙子……」
緋沙子の女の部分に放つはずだった精液を、堪えきれずに出してしまった。
悠斗は自分の男としての不甲斐なさに悲しい気持ちになる。
「どうして、謝られるのですか? 私、嬉しいです。悠斗様のものだという証を、マーキングしてもらえて……」
緋沙子はそう言うと、「ご奉仕致しますね」と続け、それが当たり前のように、まだ半勃起している悠斗の精液まみれのペニスを咥えていく。
「うっ、あああっ! だっ駄目だよ、緋沙子、そんな事をされたら!」
温かな緋沙子の口と舌が、射精したばかりで敏感な亀頭に刺激を与えていく。
「んっ、あっ、んんんっ……」
悠斗は駄目だと言っているのに、緋沙子はいっそう口の動きを激しいものにしていく。
最初は口に含んで、亀頭を舌で舐めているだけだったのに、次第に喉の奥にペニスを導こうとしているのだ。
「ぐっ、ああああああっ!」
フェラチオという未知の快感の前ではなすすべがなく、悠斗はまたすぐにペニスから白濁液を吐き出してしまう。
「んっ、んんっ! んっ、んっ……」
射精した瞬間こそ緋沙子も戸惑っていたが、彼女は喉を鳴らしながら、悠斗の出した精液を躊躇なく飲んでいく。
やがて精液を出し切った悠斗は、途方も無い疲労感に倒れそうになるのを懸命にこらえる。
だが、そんな悠斗の必死な行為を知らずにか、緋沙子は口をすぼめて、尿道に残っているであろう精液も吸いだろうとしてくるので、悠斗は倒れそうになってしまい、つい緋沙子の頭を掴んでしまった。
「あっ、また……! 緋沙子、駄目だ、もう口を……。あっ、ああああああっ!」
立て続けに射精感が高まってきて、悠斗は三度目の射精を緋沙子の口の中にぶちまけてしまう。
つい緋沙子の頭を掴んだ手に力が入ってしまったが、彼女はそれを物ともせずに、悠斗の欲望の液体を全て受け止め、嚥下していく。
「あっ、ああっ……」
悠斗は溜まりに溜まった精液を出し尽くし、また力も使い果たし、緋沙子の頭から手を離して、後方に倒れて尻餅をつく。
ぬるっとした感触がなくなり、久しぶりに大気にさらされたペニスが心地良いが、それ以上に呼吸が整わない。
倒れたのはおしりからだったので全く痛くはなかったが、呼吸が苦しくて仕方がない。
「悠斗様!」
精液を飲み干した緋沙子が心配して声を掛けてくれるが、悠斗はそれに応える力もなく、ただただ荒い呼吸を整えようと酸素を貪る。
「小早川くん、大丈夫?」
緋沙子とは別に、自分を心配する声も聞こえる。だが、もちろん悠斗はそれにも返事はできない。
「はぁ、はぁ……」
心配する二人の視線を受けながら、懸命に呼吸を繰り返し、ようやく悠斗は冷静さを取り戻すことができた。
「悠斗様。申し訳ございません!」
悠斗が気がつくと、緋沙子はベッドから床に降りて土下座をしていた。
「いっ、いや、その、なんとか……大丈夫だから……。ただ、びっくりして。あんなに、激しく……」
「本当に申し訳ございません。恥ずかしながら、我を忘れておりました。悠斗様のペニスが私の口の中にあるというのが幸せで……。ご奉仕できることが嬉しすぎて……」
緋沙子は床に額を擦り付けて謝る。
それは、心からの謝罪。それ以外、何の意図もない行為だった。
けれど、自分に好意を向けてくれる緋沙子のような可愛い女の子が、全裸で土下座までして謝罪している。その上、自分なんかのペニスを、排泄器を咥えたことに幸せを感じたと、嬉しかったと言っている。
その行動に、悠斗自身が知らなかった嗜虐的な部分に火がついてしまった。
ぐったりとしていたペニスがあっという間に硬度を取り戻していく。その部分に、血が集中していく。
「緋沙子……」
悠斗は立ち上がり、低い声で緋沙子の名前を呼ぶ。
「悠斗様……。あっ……。そんな、もう……」
顔を上げた緋沙子も、悠斗のペニスが熱り勃っていることに気づき、顔を真っ赤にする。
「小早川くん……」
緋沙子とは別の声が聞こえたが、悠斗はそれを無視した。
今は、この眼前にいる少女を、自分の出した精液を顔で受け止め、奉仕をしてくれた、愛らしくも厭らしい、劣情を掻き立てる存在のことしか考えられない。
「緋沙子、ベッドに寝て、股を開いて。君を、僕のものにする。絶対に……」
「はっ、はい! 分かりました……」
緋沙子は驚き、そして嬉しそうな顔をして立ち上がると、ベッドに背中を預け、言われたとおりに股を開く。
「ここに、挿れるよ。もう、我慢できない」
「はい。嬉しいです……」
悠斗は自分の天を突かんばかりに勃起したペニスを右手で握り、その先端を緋沙子の濡れそぼつ厭らしい穴にこすりつけていく。
そしてその感触を確かめていると、思ったよりも随分下の方に、それはあった。
「はい。そこです。そこが、私の女の部分。貴方を、悠斗様を迎え入れるための場所です」
緋沙子は満面の笑みでそう言う。
初めて男を、ペニスを、異物を迎え入れるのは怖いだろうに、緋沙子はこんな笑顔を浮かべてくれるのだ。不甲斐ない、頼りない自分を安心させるために。
情欲とは別の気持ちがこみ上げてくる。
これが、愛おしいという気持ちなのだと悠斗は悟った。
「私の準備はできています。遠慮をなさらず、一気に挿れて下さい。そして、私の一番奥で気持ちよく射精をして下さい……」
性に不慣れな自分では、口内でさえもすぐに果ててしまった自分では、きっと緋沙子の膣の快楽には堪えられないだろう。
緋沙子もそれを理解した上で、自分に恥をかかせないようにと気遣ってくれる。
愛おしい。愛おしくてたまらない。けれど、そんな彼女を絶対に自分のものに、自分だけの女にするという気持ちも溢れてくる。
もう、どちらの気持ちも抑えていられない。
「緋沙子……。貰うよ、君を……」
「はい、どうぞ……」
緋沙子は一瞬不安げな顔をしたが、悠斗に向けてまた笑ってくれた。
悠斗はそれを合図に、緋沙子の女の部分に、自分の欲望の権化を、ペニスをねじ込んだのだった。