今更ですが性的な表現が含まれます。
ご注意を。
『 ─── 久し振りね、アス・・・カ?』
室内の壁へ急遽取り付けられたパネルから流れる音声に少女は意識を向けない。
右手のジャラジャラと鳴る手錠の音も無視して太股で挟み込んだ抱き枕を下に、ベッドの上で膝立ちになり一定のリズムでスプリングを軋ませることに腐心する。
『ってアンタ?!ちょ、なにやってんのよ!?今すぐ止めなさい!!』
少女は理解している。
此方からは何も映っていない真っ暗なパネルだが、通信先へはリアルタイムで此方の映像が流れているのであろうことを。
『 ─── いいから!こっちは大丈夫だからっ!アンタはそのまま外で私以外の部屋からの通信は全部切っといて!!絶対よっ!!』
理解して尚、少女は止めない。
息も荒く一心に見詰めるのは抱き枕にプリントされた、セキュリティカードにも使われていた冴えない少年の真顔。
( ・・・悪くない )
アスカは片目を閉じ思い返す。
洋上で出会った彼の顔を。
( ・・・これも、悪くない )
マグマの中で捕まれた腕。独りチェロを弾く背中。
( 悪くなかった・・・あの時までは )
最悪だったキスから後の記憶はおぼろ気で、脳裏に浮かんでは消える少年の表情の数々はどれも絶望に染まっていた。
不安と恐怖に打ち震え床に情けなく縮こまった時も。
怒りと悲しみに逆上し歪んだ笑みを見せた時も。
性欲を剥き出しにし自身の身体を舐め回す様に見詰めていた時でさえ、少年の絶望の表情が消えることはなかったことを何故かアスカは知っていた。
( で、もっ! )
抱き枕の裂けて出来た穴へ左手を突っ込み揺れる上半身を支え、あの赤い浜辺で、色白な薄い胸板へと深く槍を突き刺した瞬間の感触を、槍越しに感じた脈動を、徐々に徐々に大きく広がる胸の穴の感触と痛みを脳内で反芻させる。
「悪く、ないッ・・・」
二人の血で濡れた少年の顔を。
安堵に包まれた最期の顔を。
瞳を、唇を求めアスカは揺れる上半身を折り曲げ噛み付く。
「かっ、ふぅッ」
そして ─── 。
ネルフ本部のとある一室。
そこでは第三支部で反抗的な態度を取り続けエヴァにも乗ろうとしない、妄言を吐き続けているらしいアスカを説得する為に用意したモニターの前で顔を覆うミサトとリツコの姿があった。
「何でエヴァのパイロットってのはこう・・・あぁーもうっ!!」
「・・・レイはまともよ」
二人が目を逸らすモニターの中、見覚えのある少年の顔がプリントされた抱き枕に跨がる件の少女がその顔部分を恍惚とした表情で食い破り、仰け反りながら綿を部屋中に撒き散らせビクンビクンッと痙攣する姿が映し出されていた。
正直、必須タグの R-18 の説明にある「著しく性的感情を刺激する行動描写」の範囲がどの程度までのことを指しているのか分かりません。