「…宴会?」
「あぁ。博麗霊夢から、異変後の宴会の準備をしろとのことで。」
…帰宅後、昼飯の席でレミリア嬢に伝言を伝えた。あの異変の時の霊夢の言葉だ。半壊した紅魔館から金をむしりとるのに躊躇がない。だが、此方も其れ相応のケジメを付けないといけない…ということだろうか。
「…うーん。宴会ねぇ。まぁ良いわ。場所は?博麗神社?」
「…恐らくは。」
そこまでは聞いていない。肴と酒さえ持っていけば、場所は提供する…だろうか。
「わかったわ。じゃあ、夜に行くってことで。」
時刻は18時。日は傾き、黄昏時となる。吾ら、紅魔館勢は館を出発した。先に飛んで行ったレミリア、フランドール嬢、美鈴の後を追い、吾々2人は歩み進む。
長く続く境内への階段を登り、青々としげる並木を超えて、見えたるは魑魅魍魎、集まる神社。
「…もう始まってるわ…。」
「…だな。」
灯籠と提灯の火の光も増し、夜闇など気にも止めず、妖ども人間どもがどんちゃん騒ぎ。…夜景にしちゃ、やけに煌びやかである。
吾らは社近くの敷物に向かう。レミリア嬢、フランドール嬢も先に楽しまれている様子。そこに、博麗霊夢と霧雨魔理沙の姿もあった。
「よっ。先にやってるぜ。」
「見ればわかる。」
昨日の敵は今日の友。胡座をかきながら飲む魔理沙と正座をして飲む霊夢。…まさに祝杯か。
「咲夜、愈咫郎、ご苦労様。美鈴も料理運んでくれてありがとう。」
「力仕事なら、得意ですっ!!」
自慢げに鼻を鳴らす美鈴。そんなことは気にも止めず、咲夜と吾は頭を下げて、レミリア嬢の隣に座った。
「さ、愈咫郎。飲みなさい。」
「かたじけない。」
主人に注がせるとは、無礼講なのか。
杯に並々注がれた日本酒を口元に持っていき、煽る。自慢じゃないが、酒は強い方だ。そうそう、酔うことはない。
「…美味い。」
五臓六腑まで染み渡るとはまさにこのこと。少し舌先が痺れるが、それもまた甘美だ。
「咲夜も飲みなさい。」
「えっと…その、私は…。」
「いいから、いいから。」
そう言い、咲夜のコップにも注ぐレミリア嬢。少し顔が赤い、酔いが回っているな。洋酒を毎日のように飲んでいる2人だが、流石に強かったか。
「いいえ。酔ってなんかないわよ。」
「…左様か。」
…吾の思い違いか。
まぁ、いい。今夜は良い酒が飲める。
「改めてアンタに自己紹介するわ。私は博麗の巫女、博麗霊夢よ。」
「魔法使い、霧雨魔理沙だ!!よろしくな。」
「あぁ。吾は朱智愈咫郎と申す。宜しく頼む。」
…気さくに笑う2人。霊夢の方が少し大人びているが、歳的には咲夜と同じか?
「なぁ、さく…。」
「な〜に〜?」
「…おいおい。まさか。」
たった一杯で酔っちまったのか?
吾より度数が高いとか…じゃないよな?
「ちょっと失礼。」
「あっ…。」
咲夜の手からコップを受け取り、その中身を一口頂く。うむ、同じ酒だ。となると…咲夜は尋常じゃないほど酒に弱いってことか。
「しまった。いつも、咲夜がジュースを飲んでるの、忘れてたぁ〜!!」
「えぇ〜!!お姉様っ!!何してんのっ!?」
「うう〜!!だって…!!」
…隣のお二人が騒がしい。
「直ぐに水を…。」
「ん〜〜!!ユ〜タ〜!!」
「っ!?」
咲夜…?いつにも増して何を…。
こんな公共の面前で抱きついてくるとは…。内心、すごく焦ってる。いつもは犬みたいだと思っていたが、これでは完全に…犬だ。
「ね〜、頭撫で撫でしてっ?」
「こ、ここでか…?」
「いいれしょ〜?ね〜え〜。」
…致し方ない。
乱暴にではあるが、咲夜の頭を撫でる。ヘッドドレス…だったか、メイドの頭のやつを避け、サワサワと頭を撫でてあげると銀の髪が揺れ、ほのかに良い匂いが鼻を刺す。
「ん〜〜!!」
「これで、満足か?」
これは少々恥ずかしい。周りも任せたみたいな顔で此方を見ている。良い酒の肴になっているようだ。
「ん〜ん!!もっとっ!!」
「はいはい…。」
「ハッハッハッ!!まるで兄妹みたいだな!!」
「こら、魔理沙。煽らないの。」
…次、言ったら叩き斬るぞ。
しかし、これでは動けない。胡座をかいている上に咲夜が前から抱きついてきてる形だ。早く酔いを覚ましてやらねば…。
「水、持ってきたわよ!!」
「ほら、咲夜。水だ。飲みなさい。」
「やだ。」
「駄々をこねるな。ほら。」
「や〜だ〜!!」
…珍しく聞く耳を持たない。駄々っ子のように顔をブンブンと横に振って頬を小さく膨らませている。
「どーしてもって言うならぁ〜チューしてっ?」
「…は?」
…小首を傾げて強請る咲夜。
したったらずそれでいて、顔がほのかに赤くなって何処か色っぽい。ただ…接吻か。今朝のアレを思い出す。
「…頬でいいか?」
「ん〜ん!!」
そう言い、目を閉じる咲夜。
…唇にしろ…ってことか。だが、ここまで来て、恥を晒させるわけにはいかない。
「…仕方ない。」
咲夜の小さな顎に指を当てて顔を上げる。
「酒臭えが我慢しろよ。」
「んっ…。」
…そして、唇を重ねた。
柔らかな…初めての感触だ。手とも肌とも血とも違う、温かさ。ほのかに香る酒の香りと彼女の香りが吾を酔わせる。…甘い。
「…これでいいか?」
「…うんっ!!」
子どものように笑顔で頷く咲夜。
…普段とは違う雰囲気に胸のあたりがキュッとなる。やっぱり犬だ。ずっと撫でていたくなる感覚がする。
「愈咫郎っ!!早く水をっ!!」
「…はっ。すまぬ、フランドール嬢。」
…当初の目的を忘れてしまっていた。
吾も久しぶりの酒に酔ってしまったようだ。咲夜に水を飲ませる。すると糸が切れたかのように眠ってしまった。
「悪いな。来たばかりだが…。」
「良いのよ。それじゃ。」
…眠ってしまった咲夜をおぶり、レミリア嬢、フランドール嬢、美鈴と共に紅魔館へ帰ることにした。咲夜が寝てしまった後、根掘り葉掘り魔理沙に聞かれてしまったが、何もないので正直に答えていただけだった。
「ごめんね。愈咫郎。咲夜、おぶらせちゃって。」
「大丈夫だ。」
…しかし、このところ何故か咲夜に手を繋ぐや接吻などの要求をされる。アレは今世では、恋人同士のする行為だと図書館の本で読んだ覚えがあるが…そんなものに憧れるお年頃…ってことだろうか。
「咲夜はね。多分、貴方が能力の影響を受けない唯一の人だから、興味が湧いたのよ。」
「…何?」
影響を受けないわけではないが、吾は能力作動直後に動くことができる。…だが、そんなことが関係あるのか?
「それに、貴方は紅魔館で唯一の咲夜以外の人間。それも男の人。仲良くなりたかったんじゃないかしら。ほら、図書館の本で調べてる様子も見かけたし。咲夜は良い子だけど1人で背負いがちだから。貴方が咲夜の支えになってあげてくれないかしら。」
「…吾に務まるかはわからぬ。だが…。」
…後ろの咲夜を見る。すやすやと満足そうに眠っている。呑気なものだ。だが…綺麗だ。久々にこんな感情を得た。
「…咲夜が助けを求めるなら修羅にでも獄卒でも…それでこそ鬼にでもなってやろう。これで、いいか。」
「十分よ。」
レミリア嬢は上品に笑った。
フランドール嬢と美鈴と吾は見合わせ、微笑んだり笑ったりしていた。…家族とはこういうものなのだろうな。
「次はフランが咲夜、おんぶする〜!!」
「いえいえ、ここは私が咲夜さんをおんぶしてあげましょう!!可愛い咲夜さんは今のうちに堪能しておかないと損です!!」
「…絶対渡さねえ。」
なんか、フランドール嬢は体の大きさ的に、美鈴には倫理的に渡しちゃいけない感じがする。
「ふふっ。咲夜をお願いね。愈咫郎。」
「ええ。レミリア嬢。」
…今日はいろんなことがある1日だった。
だが、何故だろうか。悪い気はしない。紅魔館は直ぐ目の前、咲夜はまだ夢の中だ。
ハーレムって何人まで許容範囲?
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10人以下でおなしゃす!!
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まぁ、ちょっと多いけど20人?
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ハーレム好きだから30人以上でしょっ!!