泥のように眠ったのは二度目だ。ここに来て、かなり寝付きが良くなったような気がする。8も下の少女に振り回されている今の現状。昔の吾の仲間が見たら、情けないと泣き出すやもしれん。たった数日で昔よりも充実している気がする。
「ハッ…!!ハッ…!!」
だが、いつ何時でも鍛錬を怠ることはできない。素振り1000回、腕立て2500回、上体起こし3500回。日によって変えるが、それ以下にしたことはない。全ては太刀を振るう体を維持するため。
「性が出るわね。ユタ。」
「…咲夜。」
外でいつものように鍛錬に励んでいると咲夜がやってきた。手には盆とお茶の入ったコップ、手ぬぐいがのっていた。
コップに入ったお茶を飲み、喉を潤す。火照った身体に冷たいお茶がとても感触良く流れ込む。汗を手ぬぐいで拭き、咲夜を見た。
「隣に座っていい?」
「汗臭いぞ。」
「大丈夫。」
ニッコリと微笑むと白いベンチに座る吾の隣に咲夜が座る。…何処か、いつもより表情が硬めだ。思い当たる節と言えば、昨日の一件だ。
「き、昨日は…その…。」
「…。」
「ごめんなさいっ!!気分が昂っちゃって、久しぶりにあんなお酒なんて飲んだから…!!あんなちょっとで酔っちゃうなんてッ!!それに…お嬢様から頂いたものだからっ!!」
…普段の彼女らしくない。
あたふたとして、騒々しい。昨日の失態、彼女がどう取るかはわからぬが、それを考えれば仕方ないことではある。頭を下げて、ただ激しく言葉を紡ぐ。
「…ユタ?…怒ってるわよね…。」
「…怒ってる?」
申し訳なさそうに此方を見る彼女。まるで悪戯がバレた時の童のようで。…しかし、わからん。何故、怒る必要があるのか。
「くくっ…。」
「え?」
「アハハハッ!!」
腹が捻じ切れそうだ。大声で笑う吾を咲夜は何が起こったかわからないと言わんばかりにおろおろと視線を動かしている。しかし、こんなにも大声を上げて笑ったのはいつぶりだろうか。本当、この娘には初めてのことが多すぎる。
「まさか、お前が吾に謝るとはっ!!幼気な少女の唇を奪った吾の方が重罪人だと言うにっ!!くくっ…!!全くもって可笑しいッ!!」
「えっ…ユタ…?」
「吾は幸せ者さっ!!死んでなお、こんな桃源郷にやってきて、こんなにいい”家族”と出会えたっ!!何を怒る必要がある?何を謝る必要がある?謝るのは吾の方。怒るのは咲夜の方だと言うのにっ!!」
「…っ!?もうっ!!人が折角、恥を忍んで謝ってるって言うのにっ!!」
咲夜の顔が赤く染まる。何度も見た景色だ。それに少し頬を膨らませて、いじけている。
「ハッハッハッ!!悪りぃなっ!!あの日は吾もどうかしてたっ!!はぁーあ…!!」
「むぅ…。」
「しかし、良かったのか?こんなおっさんと接吻なんて…。」
…咲夜は小首を傾げた。
「なんで?私はおっさんだなんて思ってないわよ?ユタ、若いじゃない。」
「それは、お前が妖怪やらなにやら規格外なものと会いすぎているからだ。」
この娘、なんだが目を離すのが時折怖くなる。俗情を知らないのか、はたまた、貞操概念が低いのか…。吾とて、男女仲は知らぬが、それぐらいはわかる。
「…私ね。ユタがキスしてくれた時、正直言って嬉しかった。酔ってたけど、それでもあのときだけは記憶にとても…残ってる。」
唇に手を触れる咲夜。日も段々と傾いて、時は黄昏。人恋しさをよく感じる時間だ。
「初めてなの。”人の温もり”。男の人の歪な優しさは…。」
「…似た者同士か。」
人斬り10年。人に恨まれることはあれど、人に好かれることなんか夢幻のことだった。人とつるむことなど…。それこそ、愉快な話だ。
「咲夜、ありがとう。」
「お礼を言うのはこっちの方よ。私、貴方に少し甘えすぎちゃった。」
「…いいさ。少しくらい。」
…咲夜はよく頑張っている。吾がその吐口…ではないが、少しでも彼女の為になれば、それでいい。嗚呼、一緒にいるせいか、妙に甘くなってしまった。でも、それでいいんだ。
「…じゃあさ。もう一つ、ワガママ言ってもいい?」
「…吾に出来ることならば。」
咲夜の顔が近くなる。水色の目に映る吾の姿が分かる程度には近い。…お互いの吐息が聞こえる程度には…。
「私と…付き合って…ください…。」
「…つき…あう…?」
…顔が真剣だ。付き合う…つまり、交際というやつか。意識し始めると…心臓が痛い。キュッと形がわかるくらいには脈を打っている。
「…良いのか。吾は出来た人間ではない。倫理観も教養も…人斬りに必要なことしか知らないぞ。それでもいいのか。」
「なら、2人で知っていけばいいじゃない。私だって、そんな生き方をしてきたわ。お嬢様に会うまでは…。貴方は私を”十六夜咲夜”として見てくれる。お嬢様方と同じように。だからかしら、貴方と居たらとても心地いいの。私、過去の貴方より今の貴方が知りたいの。…私と付き合ってくれませんか…?」
…嗚呼、ダメだ。これ以上はただ彼女に恥を晒させる…それだけ。今こそ漢になるべきだ。だって…咲夜なのだから。吾を人斬りではなく、”朱智愈咫郎”として見てくれるのだから。
「…あぁ。わかった。吾もお前の全てを知りたい。」
口元を緩め、少し微笑んで見せた。彼女の顔はぱぁっと明るくなったが、少し目に涙を浮かべていた。
「おい、何泣いてんだ。」
「うぅっ…泣いてないもんっ…。ただちょっと…目にゴミが入っただけだもん…。」
「ふふっ…。」
吾は彼女の涙を指で拭ってやった。ゴツゴツとした歪な指が彼女の柔肌に触れて、温かな涙に濡れた。そして、彼女は吾に飛びつき、二度目の口づけを交わした。急なことに少し身体がのけぞる。吾は彼女の柔らかく小さな身体を抱きしめ、次は酒臭くない接吻を堪能した。
「ぷはっ…。」
「どう?…昨日より上手いでしょ?」
「元々、お前に出来ないことはなかろうが。」
心が高揚感に満ちている。嬉しさ、喜び…昨日は戸惑いしかなかったが、それでも今は違う。こんな感情、初めてだ。顔が…暑い。
「だが…。」
「「”悪くはない。”」」
…。
「くくっ…。」
「アハハハっ♪」
声が重なり、2人で大笑いした。
嗚呼、こんなに何故、この時間が愛おしく楽しいのか。笑う咲夜の顔がこの上なく好きでこの上なく愛くるしい。
吾ら2人を天も祝福してくれている。時間は黄昏時。人恋しくなるこの時間に、吾はこの上なく大切なものを手に入れた。
もうちょっと時間をおいた方がよかったかも。
咲夜さんは一目惚れに近いかな…と。人肌恋しい2人がくっついた感じですw語彙力皆無ですけどw
もっと可愛い咲夜さんを書きたい、書きたいの精神でやってきます。後、このシリーズは出来るだけ投稿出来るように頑張ります。ネタが無くなったら滞りますw
最後にもう異変始めた方がいいかなぁと思ってます。東方、刀となったらあの人との対決もありますしね。前のヒロインとはくっつかないかなぁ。友達程度にはなるかもですが。
では次回。ではでは〜。
ハーレムって何人まで許容範囲?
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10人以下でおなしゃす!!
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まぁ、ちょっと多いけど20人?
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ハーレム好きだから30人以上でしょっ!!