〈これは愈咫郎と妖夢の決着がつく少し前。〉
愈咫郎と別れ、さらに長い階段を登る少女たち。霊夢、魔理沙、そして昨夜の3人はもはや、会話している暇も持たず、ただこの異変を解決するために奔走していた。
足で登れば、すぐ棒になるであろう長い階段を抜けた先には『春』を集めていた張本人の住まいであろう、立派な日本御殿が顕となった。
「…ここが。」
霊夢が言った。咲夜と魔理沙は無言であたりを見渡した。周りにはふよふよと半霊が浮いている他におかしな部分などない。しかし、ここまで道標となっていた『春』の行き先が此処であるため、霊夢たちは何も疑わず、屋敷の庭園をゆっくりと飛んでいく。
「…魔理沙、咲夜。あれっ!!」
「おおい…。あれ、なんだよ。桜…なのか?」
「これまた…立派な…。」
屋敷の奥の奥。そこには、一本の大樹があった。何処か、大樹は蕾を携えて、それだけで今まで見たどの桜よりも美しく、見るものは舌を巻き、同時に不気味さを覚えるほど。そのど真ん中、前にフヨフヨと浮く亡霊一人。
「あらあら〜。まだ、桜は花を咲かせていないわよ。もう少し、見所になってからみんなを呼ぶつもりだったのだけれど。」
「…アンタがこの異変の首謀者だなッ!!」
「異変?なんのことかしら〜?私はただ…この”西行妖”に春を与えていた。花を咲かすその頃まで。それだけよ〜?」
肩より上の桃色の髪。水色の着物を着た亡霊姫。彼女の後ろの桜は今まさに開花を迎えようともがいていた。
「何者…!!」
咲夜が言った。手には5本のナイフを持って。何が起こっても良いよう戦闘耐性をとって。亡霊姫は優雅に美しく、扇子で顔を隠しながら微笑みを絶やさず、口を開いた。
「この白玉楼の主人、西行寺幽々子よ。よろしくね〜。」
そのふよふよとした態度に気がおかしくなりそうだ。霊夢はそう思っていた。レミリアの時は精神年齢の低さから独断専行、主人としても分かりやすく、腹の底もすぐ見えた。しかし、この幽々子はなかなかに出来ている。腹の底をすぐにばらさない。そんなところが彼女の”友人”を連想させた。
「なぁ。つかぬお願いなんだが、この春を集めることをやめてくれねえか?幻想郷が大変なんだよ。」
「あら。ここまで来たのに止めると思って?ここまで花をつけたんですもの。満開になってその下から何かが出てくる。それを見たいの。」
「迷惑ね。私たちはクッソ寒いのに、そんなくだらないことで…。良い?こんなくだらないこと、私たちが止めてあげる。咲夜、魔理沙、いくわよ。」
「ええっ!!」「おうっ!!」
開口一番。博麗霊夢は弾幕を、霧雨魔理沙はレーザーを、咲夜はナイフを打ち込んだ。
が、それを幽々子はひらりと交わし、扇子を横に仰ぐ。すると蝶形の色とりどりの弾幕が姿を現し、出鱈目にかつ美しく舞った。
霊夢、咲夜、魔理沙はその弾幕を交わした。交わさなければならなかった。人間に組み込まれた最後の反射、死を回避すること。この弾幕に当たる、即ち、死を意味するのは戦いの最中で全員が気が付いていた。
「さぁ!!美しく舞いましょう?私と!!」
「くそっ…!!」
とにかく弾幕の密度が濃く、油断していれば喉元をかき切られそう。そんなもどかしさに魔理沙は攻めあぐねていた。
逆に咲夜はというと、時止めを器用に使い、ナイフで包囲網を貼るも、幽々子はそのナイフを視認し、華麗にかわす。
直後、カウンターなのか、蝶形の弾幕を咲夜に打ち込む。
それを霊夢が破壊する。
誰が見ても明らかに劣勢であった。普段ならば霊夢が夢想封印でこの場を終わらすのだが、何かがおかしい。本能的に霊夢、魔理沙、咲夜は悟っていた。
「これで終わりにしましょう?」
「チッ…。何を急いてやがる。」
「だって…そろそろだもの。アナタたちは遅すぎた。西行妖は目覚めるわ。」
…その直後、誰もが目を疑った。
西行妖は、最後の養分として、幽々子の身体に根を貫通させ、それを吸入したのだ。西行妖は魂すらも吸う厄災、妖怪桜。貫通された幽々子は口から血を吐き、微かな声で言った。
「油断した…わね…。」
身体は光の玉となって消え、同時に妖怪桜は徐々に開花を始めた。
「おいおい…。どうするんだよ…!!」
「破壊?…いえ、それでは…。」
「とりあえず、攻撃するわよッ!!黙っていては何も始まらないッ!!」
根は生命を啜る。まさに死の桜。近くにいた霊夢たちにも襲い掛からんとしていた。
根っこが地面からむぎ出しとなり、霊夢たちを貫かんとする。
それをマスパが、ナイフが、弾幕が破壊する。
3人が恐怖したのは迫る死ではない。異常なまでに増えた妖力であった。圧倒的な力は圧を生む。もうそれは美しい…ではなく、悍ましい化け物へと変貌していた。
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「…遅かったということか。」
妖夢の話によると、桜の下に何が埋まっているのか、気になった主人は妖夢に春を集めるように指示を出した。ところが、春を集めていく中で死者が多く増えていくことを知った妖夢は次は自分達なのではないか、主人が死ぬのではないかという恐怖に打ちひしがれていた。
…今も彼女の膝は震えている。このところ、強い女の子にも弱い場面を垣間見ることがある。今にも泣きそうだ。
「…このままでは、幽々子様に何があってもおかしくありません。私が反対しなかったばっかりにこんな…。」
肩を震わせ、泣きかねない妖夢。我慢してきたのだろう。吾とて泣きたいこともあった。山内様が逝かれた日、涙も出ず、自分の腹に一刀入れたその日。今思い出せば、完全に心を失っていたのだろう。
「…愈咫郎さん?」
「…ユタだ。ユタと呼べ。」
「はい?」
…その肩を抱くこともできた。時間をかけて慰めることもできた。しかし、そんな時間を許してはくれない。
「刀を持て。まだ立てるだろ。」
吾は立ち上がった。向こうには
「泣いている暇があったら刀を握れ。助けを乞う暇があったら先に動け。その一分、一秒で死人の数は変わる。一人救えるか、何百人殺すか。その決断がわける。貴様も人斬りにはなりたくないのだろう。」
「…でも…。」
「でももへったくれもあるか。刀を持つ者、その判断で人を殺した時点で貴様の言う野蛮だ。人斬りだ。目の前で人斬りを生むのは吾とて不本意だ。」
「ふふっ。そんなこと言って、あの銀髪の女性に死んでほしくないだけでしょう?」
…そんなに顔に出ていたか。
「それも理由の一つだ。…だが。」
「…だが?」
「妖夢の笑顔を…その、見てみたいと思って…な。」
…妖夢はキョトンとした顔でこちらを見た。彼女の笑った顔は想像もつかない。時折、見せぬ柔和な笑みではなく、元気な…満面の笑みを見てみたいのだ。
「ふふっ…あはははっ!!」
「むっ…。何かおかしいことでも言ったか…?」
「あはははっ♪おかしいですよっ!!さっきまで殺し合いをしてた仲なのに!!あぁ、お腹痛いっ♪」
コロコロと笑う妖夢。時と場面が違えば、こんな距離でも悪くはない。咲夜の時と同じで、自然と心が穏やかになる。
「あーあ、笑った笑った。ありがとうございますっ!!気が晴れましたっ。ユタさん。」
「おうよ。…では、参ろうか。」
「ええ。お話はその後で。」
…妖夢と共に走り出した。より迅速に一秒でも早く、駆けつけなければならない。約束をしたのだ。咲夜と…。
「っ!?」
…それは一瞬のことであった。たどり着いたたった一瞬。体制を崩したのであろう。尻餅をついている咲夜へと根らしきものの先端が咲夜の胸を目掛け、今、伸びようとしていた。普段なら時止めを使う彼女であったが、かなり動揺しているのが見てとれた。
「「咲夜ッ!!」」
「くっ…!!」
…まだ間に合う…ッ!!たった数刻。指で数えるよりも早く吾は動き、その根を切り落とした。
「…怪我はないか。咲夜。」
「…っ!!ユタっ!!」
ホッとしたような、少し泣きそうな声で吾を見る咲夜。よほど、頑張ったんだな…。だが、今は酔いしれている時間ではない。
「…妖怪桜よ。その見事な図体、感服致す。だが、手前は身勝手な人斬り。自身のこの世の全てよりも大切なものを傷つけられそうになったこの気持ち、貴君のその身で晴らさせてもらおうかッ!!」
それに答えるかのように妖怪桜は根をこちらへと伸ばした。
愈咫郎くんが身体を重ねるとかそういうのを知っているのは吉原遊廓に行ったことがあるからです。ただの裏設定なんで何処で出るかは気にしないで良いですよっと。
妖夢ちゃんがヒロインになりそう。てか、もうなってるよね。これ。皆様、どうでしょうか。こんなスパン短くヒロインが増えてく…ことになるかな?半人半妖みたいに、付き合う→子作り!!にはならないですけどね。…朝っぱらから何を話しとんだ。僕は。
彼女リクエストぐらいは作りましょうかね。一応、半妖とは違う面々を入れたいわけですが…。そこら辺のところ、お時間ありましたら答えていただけると幸いです。では次回。ではでは。
ハーレムって何人まで許容範囲?
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10人以下でおなしゃす!!
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まぁ、ちょっと多いけど20人?
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ハーレム好きだから30人以上でしょっ!!