「ぐっ…!!」
とはいえ、流石に重い。根一本、根一本が自由自在な鉄の槍のよう。
縦横無尽に薙ぎ払い、突きなど、槍というよりは鞭に近い。
吾はそれを刀で斬り刻む。
「妖夢ッ!!着いてこいッ!!」
「え、ええ!?む、無理ですよッ!!」
「無理なもんかッ!!やらねばわからぬこともあるッ!!」
…次は下かッ!!
吾は跳び上がる。
すると地面の砂利が裂け、下から根が吾を狙う。
「チッ…!!」
空中では制御が効かない。吾は右に避け、着地する。
…まだ向かってくるか。
「ユタさんッ!!」
「斬っても斬っても…蛆虫のように湧いてきやがる…!!」
…元を、大樹を切り裂かねば、根っこは何度でも再生する。しかも一回でも当たれば腰から上はすぐ無くなる。
「愈咫郎ッ!!少しだけ時間を稼いでっ!!私が封印するからッ!!」
「…人柱はどうなる。」
こんな妖怪大樹だ。封印するのに犠牲がないわけがない。
「大丈夫。吸われた幽々子くらいは助けられる。」
「…そうか。」
「良かった…。」
隣で安堵する妖夢。
「…ッ!?」
吾はその妖夢の身体を右腕で抱き抱え、後ろに飛ぶ。
上から降り注ぐ根。恨めしく大樹を吾は睨む。人並みの知能はあるか…。隙をつけるほどの知能が。
「あ、ありがとう…ございます…。」
「…いいか。いくら主人が助かるとわかっても安堵する暇はない。吾らの目的は霊夢達を守り、繋ぐこと。何があろうと後退してはならない。後ろにいるものたちを巻き込んではならない。」
…咲夜と魔理沙はそこそこの傷。戦えないわけではなさそうだが、戦わさないほうがいいだろう。そして、霊夢はなにやら印を結んでいる。今、気づかれたら終わる。吾ら盾であり、目眩しであり、刀なのだ。
「前だけ向いて、刀を持て。ただ走り、そして、ただ斬れ。邪魔するものは叩き斬れ。…吾に安心して着いてこいッ!!」
「…はいっ!!」
前から来る根っこを二人で別れ、避ける。
妖怪樹の攻撃がだんだんと激化していく。前から先程よりも太い根が。
吾はそれに刀の刃を滑らせ、突き進んでいく。
「ぬおォォォォッ!!」
少しでも奴の隙をつかなければならない。奴の気を逸らさなきゃならない。刃と根が触れ合い、火花が散る。
「煩わしい…!!朱智一刀流奥義ッ!!」
向かってくる根をがむしゃらに斬り開き、ようやく場所を作った。地面を蹴り、走り近づく。
妖夢も横の根は斬り裂いてくれる。安心して…進める。
大樹本体までようやくきた…!!
「『
速さ、力、共にバランスの取れた必殺の一撃。妖怪樹を断ち切るには丁度いい…!!
根が数本、行手を遮る。
それを横一閃で斬り裂き、大樹本体まで走る。
まさに目と鼻の先。
刃を大樹の腹へと突き刺し、横一閃を放つ。
…流石に内部までは斬れないか…!!
「…ぐっ…。」
「愈咫郎ッ!!仕上がったわッ!!早く避けてッ!!」
「ユタさんッ!!」
「そうしたいのは山々だが…!!」
…こいつ…吾の刀を根で巻き込んで離さぬ…!!吾ごと巻き込んで封印させる気か…!!
「くそっ…!!」
「ユタさんッ!!早くっ!!」
「…ユタ…っ!!」
…やむを得ぬか。しょうがないことだ。
「…霊夢。吾ごと封印しろッ!!」
「「「「ッ!?」」」」
「…何言ってんの…ユタ…。」
…咲夜が掠れた声で言った。
「愈咫郎ッ!!早くッ!!」
「…ダメだ。刀が根に囚われて、抜けやしねえ…。」
ハハ。半ば諦めたかのように…いや、諦めたように笑う。心底、しょうもない。ダサい最期である。
「くっ…。ユタさんッ!!私も手伝いますから…!!」
「来るなッ!!」
「…えっ…。」
「…一人増えたところでなんになる…。死人が増えることにしかならねえっ!!そこに居ろッ!!」
…妖夢が死ねば、幽々子とやらが悲しむ。それに弟子みたいなもの。吾だって嫌だ。吾が死んでも…誰も…。
「バカッ!!朱智愈咫郎は凄いんでしょッ!?紅魔館の懐刀なんでしょッ!!レミリアお嬢様は死ねなんて言ってないわよ…ッ!!なんで勝手に死のうとするのッ!!なんで…なんで…私が好きな人は私から…遠ざかっていくのよぉ…ッ!!」
「…咲夜。」
「その刀が大切なものなのはわかるわ…ッ!!でも…刀と心中するなんて…っ!!」
「…もうダメなのだ。」
…ここに来て大技を連発した疲労がきている。糸一本で立っているだけだ。…一歩も動けないとはよく言ったものだ。刀が捨てられるなら捨ててやる。武士としての気持ちも、意地もすべて。それよりも大切なものを見つけたのだから…。だが…。
「早くしろッ!!手遅れになるぞッ!!」
「…くっ…。」
「ダメッ!!霊夢ッ!!」
「…夢想封印…。」
…静かに瞳を閉じる。なにやら聞こえてくるが、聞き取れない。周りには色彩豊かな帯が見える。しかし、桜と共に心中か。コイツが死にはせぬが、吾は確実にコイツの力にやられて…。
「…ありがとう。霊夢、魔理沙、そして、妖夢、咲夜。数刻ばかり、楽しかった…ッ!!」
嗚呼、こんな時、目が掠れて見えねえって。最期にあんなに良い女、味わってみたかったなぁ。もっと、楽しみを、初めてを見つけたかった。楽しみたかった。…いきがっていたが、吾ってもっと生きたかったんだなぁ。
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「あぁ…あぁぁあ…っ!!」
…西行妖は動きを止めた。幻想郷では、長かった冬は終わり、雪は溶け、桃色の花びらをつけた桜が春の到来を知らせた。冥界では、悲痛な泣き声が響き渡った。
「咲夜…。ごめんなさい…。」
「…ユタ…なんで…っ!!なんで…ッ!!」
咲夜の持つのは赤色の布。以前、彼に巻いてあげたマフラーの切れ端である。それを握りしめ、目からは大粒の涙を流した。…親の温もりも知らぬ彼女に確かに人の温かさを教えたのは紛れもなく愈咫郎である。
「…妖夢?」
「幽々子様っ!!」
対して、魂魄妖夢は主人、西行寺幽々子の帰還を心から喜び、抱き着いた。…しかし、心の中にはぽっかりと穴が空いたようで。
「約束…。」
「ん?どうしたの?」
一つ、約束を果たしてくれなかった愈咫郎。彼のことは幽々子と同じほど尊敬し、少しだけかっこいいとも思っていた。そんな妖夢は何処かやるせなさを覚えると同時に目からは涙が流れ出ていた。
「あれ?…あれっ…?」
「何があったかはわからないけれど…今は泣きなさい。妖夢ちゃんは頑張ったわ。」
「ぐすっ…ユタさん…幽々子様ァッ…!!」
その様子を博麗霊夢と霧雨魔理沙はただ黙って見ているしかなかった。…二人、いや、不敵に笑うもう一人の姿があった。
「…少し悪いのだけれど、話があるわ。」
「…アンタは…。」
「あら、紫。どうしたの。」
幻想郷の賢者にして、スキマ妖怪、八雲紫である。
「朱智愈咫郎は…。」
八雲紫の言葉にその場にいた全員が驚いた。
朱智愈咫郎は…。
かなり急展開になってきましたけども、ちょっとねざつになっちゃいましたかね?いろんな方の読んでみたりして、勉強する必要がありますかね。
ゆゆこ様の異変も急ピッチで進めましたが、ゆたろう君もどうなるのか、このあとは書きたかったてんかいが書けるのでうれしいです。
さて、どうしても”彼女”が個人的に好きなので入れたかったのと、半人半妖では夢半ばで彼女の可愛い場面を書けなかったのでこちらで書きたいなと思いました。個人的にあの人は東方屈指のエロさというか…そういう方だと思ってます。皆さんはどうですかね?簡単なものでここら辺で締めさせていただきます。あ、そうそう。”簡単”ですが、ぜひ楽しんでいってください。僕はこういうの、結構好きですw
では次回。ではでは!!
ハーレムって何人まで許容範囲?
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10人以下でおなしゃす!!
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まぁ、ちょっと多いけど20人?
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ハーレム好きだから30人以上でしょっ!!