「朱智愈咫郎は…生きている。」
その八雲紫の言葉に周りは驚いた。霊夢の術式に隙はない。あれば、西行妖を完全に封印しきれていないだろう。
「朱智愈咫郎をとある場所に送ったわ。彼には少しの間だけ試練を与える。」
「試練…試練ってどういうこと?」
「ユタが…ユタが生きてた…。ユタが…。」
「送った場所は貴女達には言えないわ。何人か会いにいきそうなのがいるもの。これは彼にとって、成長する良い機会よ。心身ともに…ね。」
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「…ぐっ。」
…どういうことだ。吾は人柱のような形で霊夢の術式に巻き込まれ、半ば死んだはず。五体満足で、生きている。手足の感覚もあれば、まともな思考もできる。
しかし、ここは何処だ。知っている景色ではない。見事な花畑。だが、今は見たくはないな。
「…誰?」
…此処の主だろうか。緑の髪、肩までない。すらっとした立ち姿で咲夜達よりも歳上の美人を伺わせる。
「失礼。邪魔をした。吾は帰らねば…。」
「…あら、そう。帰れると思って?」
…首元に傘の先端が突きつけられる。話は通じない…か。自分の陣地を汚されて、だいぶとお怒りのようだ。だが…紫御前にあまり無理は…。
「生きて帰らねばならぬのだ。大切な人を待たせているが故…。」
「あら、この状況で惚気話ができるとはね。そうねぇ、潔さに免じて、死体くらいは送ってやるわ。」
…殺気がより一層濃く、強くなる。戦いは避けられないか…。
「やむを得ぬ。」
「あら、やる気?勇気と無謀は違うわよ。」
「どっちにしろ、死ぬのだ。少しは足掻いて見せよう。」
刀を持ち、女に刃を向ける。…体中が悲鳴を上げている。あのすぐ後ということがわかり、どう頑張っても勝てないという絶望感が心をつく。…しかし、やらねば咲夜達には会えぬ。あんな別れ方をしたのだ。謝罪の一つくらい、言わせてもらわねば。
「じゃあね。」
ほぼノーモーション。女は右手からマスパには至らなくても大きな高出力レーザーを発射した。
吾はそれを切り裂き、女の近くまで走る。
「ぬぅんッ!!」
「…!!」
刀と傘がかち合う。…流石に重い。疲労もあるが、この女が単純に強い。
「ただの人間じゃないわね…。」
「貴様は人間ですらないな。」
「貴様ってレディに失礼でしょうがッ!!」
縦に傘を振り下ろしてくる女。
吾はそれを刃で受け止める。
そのまま、左拳を撃ってくる女。
吾は傘を弾き返し、その拳を避ける。
…何がレディだ。拳の風圧だけで、耳がもげそうだ。
「朱智一刀流『鳥越』ッ!!」
「ッ!!」
横一閃の一撃も、軽々と傘に受け止められる。
…普段の馬力は何処にやら。妖夢の剣技より軽い。…ダメだな。満身創痍である。
そのまま、刀は弾かれ、腹に女の左拳が入る。モロだ。
「グハッ…!!」
肋がいくつかイカれた。口から吸う空気が漏れ出している気がする。血混じりの鉄の味がする。なんとか立ち上がると顔の前を彼女の傘が通った。
吾はそれをなんとか刀で受け止める。
「あら、まだやれるのかしら。もうとっくにくたばっても良いと思うけれど。」
涼しげな顔でそういう彼女。今まで戦ってきたどの相手よりも化け物じみている。
だが…。
「ここで…くたばっては…約束が違うからな…っ!!」
「めんどくさっ。人間臭いわね。畑の肥料にでもなれば?」
そう言い、強靭な横薙ぎの傘の一撃を放つ女。
吾は紫御前でそれを受け止める。…が。
「…ッ!?」
…紫御前から刃が落ちる。簡単に、真っ二つに、折れた。
「これで武器も無くなったわね。どう?這いつくばって、許しを乞うならすぐに殺してあげるけど…。」
「いやっ、まだだッ!!」
「なっ!?」
折れた刀身を右手で握る。指がいくつか斬れ、血が滴るが、痛みもあるが関係ない。今此処でやらねば、後悔したまま死ぬ…!!せめて…一撃…!!
「朱智一刀流奥義ッ!!」
「くっ…!!」
「『
無我夢中で刃を振るった。身体が空へと投げ出され、頭から地面へと落ちる。手応えはあった…が、頬を掠めた程度であろう…。
「…良いわ。本当に殺して…。なに?そんなヨチヨチ歩きで、逃げるつもり?」
「…逃げる…か。」
はなから逃げるつもりなど毛頭ない。逃げてもすぐに生き絶えるだろう。体中がもう限界なのだ。吾は身体を半ば引きずりながらも、花畑の近くの木の根に身体を預け、女の方を見る。
「…やれよ。殺せ。」
「は?何言ってんの。さっきまでの威勢はどうしたわけ?」
「…そこで…死ねば、お前が大切にしている花に、吾の血がかかることになる。吾とてこんな美しい景色を…汚したくはない。少しかかったのはご愛嬌ということで、許して…くれ…。」
…目が霞む。少し血を流しすぎた…な。
ごめん、紫御前。最後の最後で無理をさせた。せめて、五体満足で生かしてあげたかった。
「…アンタ。」
「…すまない…。もう、眠く…。」
「…。」
少女の顔が近くへ来る。…向こうでは、死んでいることになっているのだ。気の利いた謝罪の一つくらい、考えて、それで…酒の肴にでも話してやれば、よかったな。本当は生きていたって。殴られても、許されるまで。それで…。すべて、夢物語か。
そう思い、吾は意識を手放した。
ハーレムって何人まで許容範囲?
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10人以下でおなしゃす!!
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まぁ、ちょっと多いけど20人?
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ハーレム好きだから30人以上でしょっ!!