※この作品はR-18です。

人斬り武者の幻想歌   作:紳爾零士

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『空間がアナタを待っている。私の唯一無二の親友を。』八雲紫


十七杯『太陽の花畑』

「朱智愈咫郎は…生きている。」

 

その八雲紫の言葉に周りは驚いた。霊夢の術式に隙はない。あれば、西行妖を完全に封印しきれていないだろう。

 

「朱智愈咫郎をとある場所に送ったわ。彼には少しの間だけ試練を与える。」

 

「試練…試練ってどういうこと?」

 

「ユタが…ユタが生きてた…。ユタが…。」

 

「送った場所は貴女達には言えないわ。何人か会いにいきそうなのがいるもの。これは彼にとって、成長する良い機会よ。心身ともに…ね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「…ぐっ。」

 

…どういうことだ。吾は人柱のような形で霊夢の術式に巻き込まれ、半ば死んだはず。五体満足で、生きている。手足の感覚もあれば、まともな思考もできる。

 

しかし、ここは何処だ。知っている景色ではない。見事な花畑。だが、今は見たくはないな。

 

「…誰?」

 

…此処の主だろうか。緑の髪、肩までない。すらっとした立ち姿で咲夜達よりも歳上の美人を伺わせる。

 

「失礼。邪魔をした。吾は帰らねば…。」

 

「…あら、そう。帰れると思って?」

 

…首元に傘の先端が突きつけられる。話は通じない…か。自分の陣地を汚されて、だいぶとお怒りのようだ。だが…紫御前にあまり無理は…。

 

「生きて帰らねばならぬのだ。大切な人を待たせているが故…。」

 

「あら、この状況で惚気話ができるとはね。そうねぇ、潔さに免じて、死体くらいは送ってやるわ。」

 

…殺気がより一層濃く、強くなる。戦いは避けられないか…。

 

「やむを得ぬ。」

 

「あら、やる気?勇気と無謀は違うわよ。」

 

「どっちにしろ、死ぬのだ。少しは足掻いて見せよう。」

 

刀を持ち、女に刃を向ける。…体中が悲鳴を上げている。あのすぐ後ということがわかり、どう頑張っても勝てないという絶望感が心をつく。…しかし、やらねば咲夜達には会えぬ。あんな別れ方をしたのだ。謝罪の一つくらい、言わせてもらわねば。

 

「じゃあね。」

 

ほぼノーモーション。女は右手からマスパには至らなくても大きな高出力レーザーを発射した。

 

吾はそれを切り裂き、女の近くまで走る。

 

「ぬぅんッ!!」

 

「…!!」

 

刀と傘がかち合う。…流石に重い。疲労もあるが、この女が単純に強い。

 

「ただの人間じゃないわね…。」

 

「貴様は人間ですらないな。」

 

「貴様ってレディに失礼でしょうがッ!!」

 

縦に傘を振り下ろしてくる女。

 

吾はそれを刃で受け止める。

 

そのまま、左拳を撃ってくる女。

 

吾は傘を弾き返し、その拳を避ける。

 

…何がレディだ。拳の風圧だけで、耳がもげそうだ。

 

「朱智一刀流『鳥越』ッ!!」

 

「ッ!!」

 

横一閃の一撃も、軽々と傘に受け止められる。

 

…普段の馬力は何処にやら。妖夢の剣技より軽い。…ダメだな。満身創痍である。

 

そのまま、刀は弾かれ、腹に女の左拳が入る。モロだ。

 

「グハッ…!!」

 

肋がいくつかイカれた。口から吸う空気が漏れ出している気がする。血混じりの鉄の味がする。なんとか立ち上がると顔の前を彼女の傘が通った。

 

吾はそれをなんとか刀で受け止める。

 

「あら、まだやれるのかしら。もうとっくにくたばっても良いと思うけれど。」

 

涼しげな顔でそういう彼女。今まで戦ってきたどの相手よりも化け物じみている。

 

だが…。

 

「ここで…くたばっては…約束が違うからな…っ!!」

 

「めんどくさっ。人間臭いわね。畑の肥料にでもなれば?」

 

そう言い、強靭な横薙ぎの傘の一撃を放つ女。

 

吾は紫御前でそれを受け止める。…が。

 

「…ッ!?」

 

…紫御前から刃が落ちる。簡単に、真っ二つに、折れた。

 

「これで武器も無くなったわね。どう?這いつくばって、許しを乞うならすぐに殺してあげるけど…。」

 

「いやっ、まだだッ!!」

 

「なっ!?」

 

折れた刀身を右手で握る。指がいくつか斬れ、血が滴るが、痛みもあるが関係ない。今此処でやらねば、後悔したまま死ぬ…!!せめて…一撃…!!

 

「朱智一刀流奥義ッ!!」

 

「くっ…!!」

 

「『虎尾断(とらのおだち)』ッ!!」

 

無我夢中で刃を振るった。身体が空へと投げ出され、頭から地面へと落ちる。手応えはあった…が、頬を掠めた程度であろう…。

 

「…良いわ。本当に殺して…。なに?そんなヨチヨチ歩きで、逃げるつもり?」

 

「…逃げる…か。」

 

はなから逃げるつもりなど毛頭ない。逃げてもすぐに生き絶えるだろう。体中がもう限界なのだ。吾は身体を半ば引きずりながらも、花畑の近くの木の根に身体を預け、女の方を見る。

 

「…やれよ。殺せ。」

 

「は?何言ってんの。さっきまでの威勢はどうしたわけ?」

 

「…そこで…死ねば、お前が大切にしている花に、吾の血がかかることになる。吾とてこんな美しい景色を…汚したくはない。少しかかったのはご愛嬌ということで、許して…くれ…。」

 

…目が霞む。少し血を流しすぎた…な。

ごめん、紫御前。最後の最後で無理をさせた。せめて、五体満足で生かしてあげたかった。

 

「…アンタ。」

 

「…すまない…。もう、眠く…。」

 

「…。」

 

少女の顔が近くへ来る。…向こうでは、死んでいることになっているのだ。気の利いた謝罪の一つくらい、考えて、それで…酒の肴にでも話してやれば、よかったな。本当は生きていたって。殴られても、許されるまで。それで…。すべて、夢物語か。

 

そう思い、吾は意識を手放した。

ハーレムって何人まで許容範囲?

  • 10人以下でおなしゃす!!
  • まぁ、ちょっと多いけど20人?
  • ハーレム好きだから30人以上でしょっ!!
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