※この作品はR-18です。

人斬り武者の幻想歌   作:紳爾零士

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※修羅場を書くのが死ぬほど苦手です。ご了承ください。


二十七杯『返り咲き』

「愈咫郎ッ!!ソイツの弾幕は密度が濃いわッ!!気をつけてッ!!」

 

「あいわかったッ!!」

 

レミリア嬢が声を荒げる。

 

確かに周りに展開された弾幕は統率の取れた軍の如く、散らばり、降り注いでくる。

 

吾はそれを捌くも天上にいる永琳には何も出来ずじまい。

 

「おいッ!!ユタローッ!!乗れッ!!」

 

「応ッ!!」

 

吾は魔理沙の箒の後ろに飛び乗った。

 

永琳はまた弓を引き絞る。

 

しかし、それは霊夢の弾幕によって阻止された。

 

「ぐっ…!!」

 

「仕方ない。トリはアイツに任せてやりますか。」

 

…しかし、捌くも難しくなってきた。

 

周りの小弾幕に加えて、少し大きな中弾幕が扇状に差し迫ってくる。

 

「ユタロー、このまま突っ込むぞッ!!」

 

「…致し方ない。準備をしておこう。」

 

「ユタッ!!」

 

周りをナイフで取り囲んだ咲夜が飛んでくる。横にはレミリア嬢もピッタリとくっついて飛んでる。

 

「無事でよかったッ!!」

 

「あぁ、だが、再会を喜ぶのは後だッ!!援護を頼むッ!!」

 

「わかったッ!!」

 

段々と永琳が焦ってきているのがわかる。弾幕がまばらだ。…いや、まばらなのが弾幕なのか?…よくわからん。

 

「行くぞッ!!『ブレイジングスター』ッ!!」

 

周りに弾幕をばら撒きながら、マスパよろしく高質量のレーザーとともに突っ込んでいく。

 

吾は懐の本差を右手に持ち、その勢いを利用する…。

 

「いっけぇッ!!」

 

「なっ!?」

 

「朱智幻想一刀流 合技ッ!!」

 

そのまま、周りを取り囲むナイフと共に永琳に向かっていく。

 

超火力超スピードの…横一閃…ッ!!

 

永琳は後ろの月から赤い稲妻のような弾幕を数本打ち出すも、スピードに任せ、それを避け切る。

 

「〆だッ!!やっちまえェェェッ!!」

 

「『星雲冥土時刻斬り』ッ!!」

 

「くっ…姫…さまっ…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝負は決した。

…部屋は元の座敷に戻っており、畳には焼け焦げた服を着ている永琳が倒れていた。

 

「ふぅ…。」

 

実戦には初めて使ったが、これは良い。小傘は良いものを仕立ててくれた。

 

「ユタ…。」

 

「咲夜。」

 

「ユタぁぁぁッ!!」

 

「おっと。」

 

咲夜が飛びついてくる。

吾はその軽い身体を優しく抱きしめた。…胸の中でわんわん泣いている。普段の彼女なら大衆の面前で泣くことはなかったろう。だが、気持ちが溢れ出てしまった。

 

「ひぐっ…えぐっ…無事でよかった…っ!!よかったよぉ〜…!!」

 

「…ふふ。待っててありがとう。」

 

「うわぁぁぁんッ!!」

 

…一言で言うなら幸せだ。

咲夜がいて、周りにみんながいる。幽香に殺されかけた時に見た情景だ。その幽香が今や、吾の女とは…。

 

「…咲夜。」

 

「ぐすっ…なぁに?」

 

「愛している。」

 

大衆の面前にも関わらず、吾は咲夜の小さな唇を奪った。咲夜は目を閉じて、ただその時間を過ごしていた。

 

「…ぷはっ。」

 

「ふふっ。どうしたの?ユタからなんて初めてじゃない。」

 

「…いや、なに。お前が…可愛すぎてな。」

 

「あら、泣いてるところを可愛いだなんて。ひどい人ね。…でも、大好き。」

 

…胸の奥でざわつき出す。ことを知っているのか周りの人間(魔理沙、妖夢、幽々子以外)の目が冷たい。

 

「咲夜、話があるんだ。聞いてくれるか。」

 

「え?なに?」

 

「…実は。」「いやぁ、おもろいモン、見たで。」

 

…声が聞こえた。それだけで、誰かわかった。真剣に話をしようとしているのに茶化すような関西弁の男。そんな奴、吾の知り合いでは一人しかいない。

 

「…レミリア嬢。咲夜を頼む。」

 

「え?えぇ…。」

 

「…ユタ?」

 

それを見る前に反応する方が早かった。

 

奴の放つ斬撃を吾は二本の刀で受け止めた。

 

火花とともに鈍い金属音があたりに響き渡った。

 

「…こんなとこで会うとは。」

 

「怖い顔すなや。俺ァ、嬉しいで?なぁ?朱智くん。」

 

…肩までかかる黒髪、赤や黄色の派手な羽織。そして、女と見間違えるかのような整った綺麗な顔。…元『江戸見廻組総長』千石三太夫。

 

「おっと。…弾き返されてしもた。」

 

「…お久しゅうございまする。千石殿。千石殿に関してはお元気そうで何より。」

 

「…やめや。その、硬っ苦しい言い方。俺がそういうの、嫌いやって君やったらわかるやろ?なぁ?…人斬り愈咫郎。」

 

「…五月蝿えよ。蝮。」

 

お互い、ドスのきいた声を出す。…コイツとは本当、会いたくなかった。水と油、猿と犬の仲。…全くもっていけ好かない。

 

「ひっひっひっ…!!その名前も久々やぁ〜…!!」

 

「…テメェ、なんで此処に。」

 

「あ゛?せやなぁ…。君が死んだことでお上に知れ渡ってな。君の殺しを見逃しとったのがわかったらしく、俺はその罪を着せられて、刑死。…んで、目が覚めたら此処の寝具に寝とったちゅうわけや。」

 

「…それで吾を恨んでると?」

 

「ヒヒッ。恨んでるってモンやないで?…抜いたもん通し、はよ死会おや。」

 

…剣先を此方に向けてくる。

もはや、この戦いは避けられねえ…。吾も2本とも抜き、構える。

 

「へぇ?二刀流。…紫御前は捨てられたか?それとも、折ったか?」

 

「名刀『血染御前(ちぞめごぜん)』、脇差『蟷螂丸』。吾は吾の罪に触れないように生きてきた。だが、向き合うことにした。紫御前は新たな二振りとして、生きている。」

 

「…罪。罪ねぇ…。御託よりも実力を…あ゛?」

 

「…妖夢。」

 

吾と三太夫の間に妖夢が刀を抜いて立ち塞がった。

…コイツ。三太夫とやる気か。

 

「…はぁ…。嬢ちゃん、なんの冗談や?」

 

「…この人とやるんだったら、私が相手になります。」

 

「やめとけやめとけ。アンタと俺やったらなんの勝負にもならへん。弾幕無しの死会いやったら特にな。半人前が口を突っ込むもんやないで?」

 

…ハッタリじゃない。妖夢も強いが、三太夫は刀の天才。いい意味でも悪い意味でも、手加減ができない。少なくとも、その速さを一度目に焼き付けなければ、戦うことは先ず叶わない。

 

「それでも、私はこの人のために戦いますッ!!」

 

「…それがテメェの正義か。…全く、正義も悪も弱えモンが語るためにあるようなモンやないか。…ええか、大人ってのは汚いで?薄汚れとる…。君が思うほど、朱智愈咫郎は綺麗やない。」

 

「…何が言いたいんですか。」

 

「なぁ?朱智くん。…君はあのメイドちゃんと懇ろな関係にある。恋人や。誰もが羨む勝ち組人生。…の筈が、君は一度の欲求に唆され、そこにいる緑髪の女と先に…男女の関係、身体を重ねた。挙句、それを言うタイミングを探して、出来るだけ穏便に済まそうとしている。…違うか?」

 

「なっ!?」「…えっ?」

 

…何故知っている。何故わかる。という、疑問は消えていく。ニヤリと笑う三太夫に吾は何も言えなかった。咲夜と妖夢の顔が暗くなっていく。「嘘でしょ?」とでも言いたげだ。…しかし、真実故何も言えない。この沈黙が答えとなっている。

 

「…。」

 

吾は黙って、『蟷螂丸』に手をかける。

少し腹切り刀には大きいが、仕方あるまい。…死んでごめんなさいと謝ることにはならぬが、ケジメだけはつけさせてくれ。

 

「…介錯ぐらいはやったろか。」

 

「ふっ。頼むよ。」

 

「節操無し…意気地なし。所詮、君には恋情なんてすぎた玩具やったわけや。」

 

…畳に血が飛ぶことを許してくれ。

 

「…あ゛?」「…。」

 

…その時だった。視界の端を紫色の何かが横切った。それを三太夫は刀でガードする。…間違いない。レミリア嬢の…槍である。

 

「朱智愈咫郎。」

 

「…はっ。」

 

レミリア嬢の声が室内に高らかに響く。

吾は正座をしたまま、刀を置き、目を閉じた。

 

「…死ぬことが咲夜への報いとなるのか?それで咲夜が同情するとでも思っているのか?何故、このようなことをした。」

 

「…若気の至りでございます。もはや、吾に言い訳はござりませぬ。」

 

「ふんっ。潔いな。しかし、咲夜はどう思っていると思う?…裏切られた咲夜は。私の大切な家族だ。それを貴様は承知で裏切ったのだろう?私は貴様に任せた身だ。後は咲夜が決める。」

 

…目をゆっくりと開ける。目の前には…咲夜。冷ややかに此方を見ている。初めて会った時の目だ。

 

「…。」

 

「…私は貴方が帰ってくるのを心待ちにしてた。あの日、八雲紫から貴方が生きていると言われて、止まりかけていた私の時間は動き出した。…もう、貴方が居ないことなんて考えられないの。私は貴方が大好き。そんな狂愛じみたものが少し怖い…。」

 

「…。」

 

「でも、貴方は私を『十六夜咲夜』として見てくれる。家族として、女性として愛してくれる。…私はずっと貴方の隣にいたいわ。許すわけではないけれど、貴方は優しい人だから、嘘をつけない人だから、本当だってわかる。だから、今度は幽香と同じだけ私も愛して欲しいな。…なんて。」

 

…咲夜はにっこりと微笑む。

吾はその瞬間、立ち上がり、彼女を力いっぱい抱きしめた。許されるわけではないけれど、ただ好きと言う気持ちが胸の中でいっぱいになって…。目から一筋の涙が流れていた。

 

「ふふっ。なぁに?泣いてるの?」

 

「…泣いて…ない…。咲夜…愛してる…。」

 

「…私もよ。ユタ。貴方は優しい人だから、これからもいっぱい彼女が増えると思うけど、絶対、私を忘れないでね?」

 

「…当たり前…だ…ッ!!」

 

あぁ、なんとダサいことだろう。

大の大人がこんな少し下の少女に抱きつき、静かに泣いているなんて…。

 

「…。」

 

「見ていたか、侍。朱智愈咫郎は我々、幻想郷の住人だ。誰がなんと言おうと彼がここにもたらしたことは他ならない。貴様が奴を殺すというのなら、我々、紅魔館が相手になるッ!!」

 

…レミリア嬢が宣言する。

槍の先端を三太夫に向け、ニヤリと笑った。三太夫はそれを冷ややかに睨みかけている。

 

「…甘ちゃんどもが。それも面白そうやけど、朱智くん、一つ貸しにしといたるわ。」

 

「…貸し…だと?」

 

「…俺が言わんかったら、君は多分、ぐずぐずぐずぐず後回しにしとるやろが。全く…。」

 

…確かに。コイツの言ってることも…一理あるのか?

 

「ほな、俺は姫さんに言ってくるわ。…月の使者はこやんかったってな。」

 

「あぁ、ありがとう。太夫。」

 

「…ひひっ。その名前も、久しぶりやな。」

 

じゃあなと左手を軽く上げ、此方ににっと微笑みかけた。…そして、裏の闇へと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…かくして、月が偽物にすり替わる事件は終わった。咲夜と幽香もわりと早めに打ち解け、吾は他のものと話をしていた。そして、3日後、宴会をすることとなったのだった。

 

ハーレムって何人まで許容範囲?

  • 10人以下でおなしゃす!!
  • まぁ、ちょっと多いけど20人?
  • ハーレム好きだから30人以上でしょっ!!
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