「…おや。」
「ん?」
紅魔館から散歩がてら人里へ。咲夜も誘ったが、流石に二日続けて休みは紅魔館の業務に差し障るので、無理とのこと。少し心を沈ませながら、歩いていくと、見たことのあるもふもふが。
「奇遇だね。愈咫郎くん。」
「おう。…散歩がてらな。そっちは?」
「今日は紫様も橙も出かけててね。少し、昼ご飯を食べに来たんだ。一緒にどうだい?愈咫郎くんもお昼、まだだろ?奢るくらいはするよ。」
…ふむ。確かに少し腹が空いた。だが…。
「いや、それには及ばない。飯代くらいは出せる分、貰っている。」
「おや、彼女に財布の紐を握られてるのか。そっかそっか。なら、私が君とご飯を食べたい…ってお願いしたらどうかな?」
「…むっ。」
それはズルくないか。
…それを目で訴えかけると微笑む藍。なるほど、男の使い方などわかっているようだ。ここは下手に断らない方がいいだろう。
「…わかった。ご一緒しよう。」
「ふふっ。ありがとう。嬉しいよ。」
そう言いながら、歩いて行く藍。
吾はその後ろをついていく。…尻尾がすごく気になる。
「此処だよ。」
「…へぇ。和食か。」
綺麗な和食料理屋だ。
縁側が簾で仕切られ、残暑の中に涼しさを感じさせる。
「いらっしゃいませ!!お二人様でしょうか!!」
「あぁ。」
「此方へどうぞっ!!」
奥の座敷へと案内される。所謂、掘り炬燵という奴だ。
…お品書きを渡され、少し待つ。…ふむ。紅魔館では、勿論、洋食が多い。久々に和食を食べれる。洋食が嫌いなわけではないが、和食の方が食べ慣れている。
「ふむ。」
「私はきつねうどんにするよ。」
「…狐だから?」
「油揚げが大の好物でね。」
…ふむ。吾も同じものを頼もうか。流石にこの中から選ぶのはどれも美味しそうで選ぶのに時間がかかりそうだ。
「すみません。」
「はぁい!!ご注文お決まりでしょうか。」
「きつねうどんを二つ。」
「はいっ!!かしこまりました!!」
…若い女将が奥へと消えていく。
周りの人の入り的にここの料理は中々、評判が良さそうだ。
「それで、風見幽香と十六夜咲夜の件は上手くいったのかな?」
「…あぁ。八雲紫から何か聞いてないか?」
「今の紫様は面倒でねー。私が君に取られると思っているらしい。」
…なんだ、その話。
「会って数日だろう?それで取られるとかどうとか…。」
藍が吾に感じている興味というのはそういう意味ではないだろうに。藍の方を見ると頬杖をついて、柔和な笑みを浮かべながら、吾の顔を見ている。
「…君は本当にわかりやすいな。」
「ん?」
「はいっ!!きつねうどん、二杯、お待ちっ!!」
…先程の若い女将が盆に乗った二杯のうどんを持ってきた。鰹出汁の匂いが鼻に刺さり、いい具合に食欲をそそる。机に置かれると黄金色のつゆに白いうどんがよく映え、上に乗った大きな油揚げと薬味のネギがまた彩を豊かにし、腹がくぅ〜…となる。
「…ふふ。では、」
「「いただきます。」」
…箸で太めのうどんを掴み、口元に持っていき音を立てながら啜る。…うん。美味い。
「んん〜!!」
…藍もうどんに舌鼓を打っている。
彼女の特徴的な尻尾がへにゃりと倒れ、すこし左右に揺れている。
「…ふふっ。」
「むっ。どうしたんだい?愈咫郎くん。」
「いやなに、お前も案外、わかりやすいじゃないか。」
指を指して尻尾を指摘すると、藍はそこを見る。すると見る見るうちに顔を赤く染め、不貞腐れたように頬を少し膨らませた。
「…だめだよ?女の子に意地悪しちゃ。」
「…ふふっ。案外、可愛らしいと思うがな。」
「…ふーん。そんなこと、言えるんだ。」
…そう言うと油揚げを一口齧る藍。先程のような満足そうな声はあげていないが、尻尾が左右に揺れている。…相当好きなのだろう。
「愈咫郎くん、食べるの早いねぇ。」
「ははっ。ここの料理が想像以上に美味くてな。」
「それにしても早すぎるでしょ。…じゃあ、私も。」
「「ごちそうさまでした。」」
お互い、食べ終わり、お勘定を割り勘で済ませ、外へ出た。
「腹一杯だ。」
腹をさすり、ぽんぽんと叩く。…少し親父くさいか。
「ふふ。君はいちいち動作が可愛いなぁ。」
「…大人になって言われるとあまり嬉しくないな。」
藍は手を口元に持っていて、クスクスと笑っている。下品な笑いではなく、上品な笑いだ。
「…やっぱり、尻尾が好きなのかい?」
「ん?」
「いやなに、さっきから愈咫郎くん、私の尻尾ばかり見ているじゃないか。」
…そうか?
無意識で見ていたようだ。
「尻尾ばかりじゃなくて…。」
藍が吾の顔に顔を近づける。
「今はちゃんと私を見て欲しいな。」
…いつものような笑みじゃなくて真剣な顔だ。なにより、顔が近い。少しでも動いたら、唇が触れる距離には。
「…まだ早い。」
「わかってるよ。そこまでは私も要求しない。…でも、見てくれるくらいは良いだろう?」
「…まぁな。」
自分の尻尾にやきもちを焼くとはこれ如何に。
…少しの間、二人の間に沈黙が訪れる。少し歩いて、隣を見ると藍の顔が少し赤く染まっているのに気がついた。
「ふふっ。…いやなに、自分に素直になるというのは少し恥ずかしいものだね。」
…そう言って微笑んだ。
「…お前は吾を買い被りすぎだ。」
「そうでもないさ。私、男らしい人が好きなんだ。それこそ、誰かの為なら全力で頑張れるようなそんな男らしい人が。」
…全力…か。
男らしい人なら、吾は女々しい方だろう。だが、確かに咲夜達のためなら頑張れる。
「顔が赤いなぁ?愈咫郎くん。」
「むっ。」
藍がぷにっと吾の頬を指先で突っつく。そして、悪戯に微笑んだ。
「今日はありがとう。楽しかったよ。」
「此方こそだ。」
ただの他愛無い散歩をする筈が、少し楽しくなった。藍には感謝している。
「…そうだね。いつか、君がその気になったら、迎えにきてよ。」
「ん?」
「…ふふ。私、君のこと好きだなぁ。」
「…なんでそうなる?会って少しだろう?」
一緒に過ごしているならまだしも。
藍の方を真剣に見る。
「君のことは紫様から聞いて気になっていてね。男らしい人だとは思っていたけれど、それと同時にあってみれば愛嬌がある。話す前から気になってはいたが、話していて、好きになってしまったよ。」
「…だが、吾にはもう二人、彼女がいる。すぐに決めてしまったのもあるが、それで揉めてしまった。二度とあのようなことがないよう、次からはちゃんと咲夜達の了承を得て、返事をするつもりだ。」
「…ほんっと、そういうところだよ。」
「ん?」
「少し後に宴会があるだろう?…そこで、君に告白をさせてもらう。そこなら、君にとっても十六夜咲夜にとってもどっちも不利益はないはずだ。これは私の勝手な一目惚れだよ。…君が嫌だと言うなら、断ってくれても構わない。これは心に止めておいてくれ。私はやっぱり、君が好きだ。」
…もうそれは告白というやつなのでは無いだろうか。藍は寂しげに笑う。その姿は何にも例え難いほど、綺麗であった。
「…わかった。」
「今日はありがとう。では、また後日。」
「あぁ。」
…そう言うと藍はゆっくりと帰っていった。
…彼女なりに出した結論ならば、受け止めてやらねばな。今からでも返事を考えておこう。せめて、誰も傷つかない形で。
早いかなぁ…?
一応、まだ最初の方なんで最初の5人はアップテンポでやりたいと思います。妖夢はまだ決めかねてますけど…。どうしよう。
ハーレムって何人まで許容範囲?
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10人以下でおなしゃす!!
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まぁ、ちょっと多いけど20人?
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ハーレム好きだから30人以上でしょっ!!